二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第十九幕 水浅葱《みずあさぎ》 ( No.29 )
- 日時: 2012/07/15 22:57
- 名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)
「だー重てぇなチクショー。」
銀時はそう愚痴りながら鬼兵隊船内を歩いていた。
その腕には段ボール箱が二つ積まれており、わずかな隙間からは白い食器が見え隠れしていた。
「つーか広すぎだろこの船。どこに何があんのか分からねぇじゃねーか。」
どうやら荷物を運んでいるうちに迷子になってしまったらしい。道を訊こうにも皆忙しそうに動き回っているし、以前戦争をやらかしたこともあってどことなく尋ねづらい。
(クソッ、後で晋助殴る。)
すさまじく理不尽なことを考えながら、苛立った表情を隠そうともしない銀時。
その表情のせいで人が彼を避け、ますます道を尋ねづらい状況となっているのだが彼はそれに気づいていない。
と、その時、銀時の肩が軽く叩かれた。
「あ゛あ゛!?」
不機嫌丸出しで振り返ると、彼とは対極の表情を浮かべた顔が視界に映った。
「お久しぶりです、銀時さん。」
銀時の肩を叩いたのは忍服に身を包んだ人物だった。
浅葱色の髪を高い位置で結い、その翡翠色の瞳は優しげに細められている。男とも女ともつかぬ中性的な顔立ちをしているが、腰にはおおよそ女性は持たないであろう二本の釵を差していた。
銀時は数度瞬きをし、やがて口を開いた。
「すいませんがどこの御嬢さんですか?」
「……クスクスクス。」
不気味な笑い声を上げ、その人物は腰帯から釵を抜きはらう。銀色に鈍く光る先端に、銀時は目に見えてうろたえた。
「や、今のは冗談だから。本気で言ったんじゃないから!お前が男だってこと銀さん分かってる!」
必死の弁解に、釵が腰帯に戻される。銀時は落としかけた箱を抱えなおすと懐かしむような視線を彼に向けた。
「にしても変わらねぇな。閃。」
鬼兵隊副総督 宮下閃は、心からの笑顔を銀時に向けた。
オリキャラNO・9
宮下閃
髪色・浅葱色
目色・翡翠
鬼兵隊副総督
髪はお妙くらいの長さのポ二テ。結い紐は黒。すさまじい女顔。
普段は優しく、人当たりもよいが重度の戦闘狂。戦えれば弱かろうが強かろうがどっちでもいい。
常に敬語を使うが、幕臣に対しては口汚くなる。棗とは犬猿の仲。
攘夷党一の副音声使い。 機械音痴。
得物は二本の釵。
好きなものは戦闘。嫌いなものは幕府。