二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アヴァロンコード ( No.3 )
日時: 2012/08/26 21:16
名前: めた (ID: UcmONG3e)

 第一章 炎の精霊

—蒼の大地より炎の御使いが還るとき
 北の果てにて
 地獄の門が開かれる
 人々は戸惑い、疑い、争うだろう



「させるかよ!」

強気な少年の声が聞こえたかと思うと、ティアと帝国の兵士との間に炎の壁が出来た。

硬いこぶしを振り上げてティアをつぶそうとした兵士は、熱さにひるんで数歩下がる。

ティアも驚いて目を開ける。

炎の壁が消えると、炎の渦が空中に渦を作り出した。

その回転の中、少年が渦の消滅とともに出てくる。

角の生えた本と同じサイズの少年だ。

両腕に何か付いている?

腕がすっぽりと鉄の塊に固定されている。

「久しぶりに外に出たぜえ!」

ひゃっほーと叫びながら空中を滑るように滑空し、ティアの元へやってくる少年。

(助けてくれた…のかな?でも、だれ?)

ティアは戸惑いの視線をぶつけるが、少年は気にもしない。

だがティアと同じように少年の正体を知らない火傷した兵士は少年に怒鳴る。

「なんだ、貴様ぁ!」

すると少年は「俺は炎の守護精霊、レンポ様だ」と簡単につげた。

そして唖然とするティアの方へ向いて、

「おい、こんな雑魚早く倒しちまおうぜ!」とぬけぬけといって見せた。

「こんなよえぇ奴、預言書の力を使えばいちころだ!」

(なんてはっきりと…その自身はいったいどこから来るの…こんなバケモノ相手なのに)

さらに唖然とするティア。

しかし、帝国の兵士も黙ってはいなかった。

「なんだと?馬鹿にしやがって!精霊に何が出来るって言うんだ」

するとまた、さらりとティアが驚愕することを言ってのけた。

「やるのは俺じゃねぇ。コイツだ」

「え?!」

さすがに声が出たティアに、レンポはせかすように言った。

「剣だ!剣を使え!」

ティアはとっさに持っていないのに剣を探した。

すると、きょとんとした声がティアの動きを止めた。

「預言書の使い方がわからないのか?」

ティアが今度はきょとんとする番だった。

それをみて、不便そうに鉄のかせで頭をかくレンポ。

「まぁ、しょうがねぇかぁ。めんどくせぇけど、この俺様がおしえてやらぁ!」