二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アヴァロンコード ( No.30 )
- 日時: 2012/08/26 00:06
- 名前: めた (ID: UcmONG3e)
第二章 森の精霊
—緑の木々より森の御使いが還るとき
北の果てより飢えた大群が大地を覆い
実りを悲しみにかえるだろう
争いは広がり
人々を飲み込むだろう
ティアの住むカレイラ王国(ティアの住む王都はローアンという名の地域)の北西には、平原がある。
グラナ平原といい、低い背丈の草が覆い茂っている。
カレイラの王城、フランネル城の抜け道はここにつながっていた。
その平原をずっと北西に進めば、肥沃な森林に出る。
それはグラナトゥム森林といって、レンポとティアの次の目的地である。
緑に囲まれた森は広大で、さまざまな生き物の息吹を感じることが出来る。
そして入ったら二度と抜け出せないなどと言う、人々のうちでは有名な森の一つだった。
「なにやってんだ?」
ティアが五歩進むたびに木の幹に剣で×印をつけているので、レンポは首をひねっていた。
ここはグラナトゥム森林の入り口。
緑の森林はまだ薄く、木々の中心は開けており歩くには最適な道が出来ている。
木漏れ日を感じるまでには至らない、それほどまだ木と人との感覚が遠い。
「なにって、目印を付けとくの。まよわないように」
無邪気な声には一切の疑いがない。
さきほどグラナ草原で語ってくれた(いや、語ってきた)話では、グラナトゥム森林から帰ってきたものはいない、ということだった。
しかしやけに森の様子だとか森の番人だとか、「〜がいるらしい。〜だたらしい」という話が多い。
戻ってきたものがいないのならそんな反し出来るわけがない。
「あのなぁ、迷うのは森のせいじゃねぇ。人が勝手に恐怖やら不安を感じて精神不安定になり錯覚に陥るだけだ」
説明してやるがティアは笑顔で首を傾げる。
「しかもなぁ、おまえ帰って来る時は逆方向から来るんだぞ?これじゃ印が見えねぇじゃねーか」
ティアは森の入り口方向から印をつけているので、反対側からそれを見ることはできない。
なので、目印の意味がないのだ。
「ああ、そうだった!」
失敗した、という表情のティアに、預言書の地図を見て帰ればいいだろと文句を言う。
預言書はティアの訪れた場所すべてを記憶する。
もちろんページとしてみることが出来る。
たどってかえることは可能だ。