二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アヴァロンコード ( No.439 )
日時: 2013/01/01 00:52
名前: めた (ID: g7gck1Ss)

ティアがエルオス火山の中腹にたどりついた頃、足を痛めたラウカはベットで大人しくしていなかった。

狩猟に使う槍を杖のように構え、ゆっくりゆっくり、今森の出口に来たのだ。

でも、その目に映るのは断絶された橋。

「あァ・・・」

ラウカはその橋を見てひどく醒めた目で眺めた。

槍にすがる指にきつく力が入り、爪が食い込む。

「・・・仕方ないカ」

その真っ二つの一本橋はラウカとルドルドの仲の悪さの象徴である。

以前までは二つの森林と二つの巨木を結んでいたのだが、ある事件の訪れにより、真っ二つになったのだ。

「でもこの足じゃ砂漠は越えられなイ」

ティアの加勢に加わりたかったのだが、どうやら絶たれたらしい。

ラウカは悔しげに獣の耳を横にたれ、ふうッとうなった。

「あの事件が起きなければナ」


ラウカは諦めてくるりときびすを返した。

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火山の内部特徴ないので 真っ二つの端の話でも書こうかと。
言わずもがなこれは矢印分類です。


 クエリーレ 001

Re: アヴァロンコード ( No.440 )
日時: 2013/01/01 01:28
名前: めた (ID: g7gck1Ss)

 クエリーレ 002

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ラウカは大人しく家に帰り、そしてさらに大人しくベットに横になった。

日差しの良く入ってくる小窓が頭上にあるその清潔なベットで、ラウカはぼんやりと過去の喧嘩を思い出していた。

手には気づいていないが、杖にしていた槍を握っている。

小窓に小鳥が止まって、美しい声でさえずるが、すでにラウカは過去にトリップしていた。


「ふーん、子供、いるのカ」

「そう。ギムというの」

ギム、と口に含んだラウカは、変な名前、と顔をしかめる。

その横で、太い丸太に腰掛けていた女性が声を立てて笑った。

ラウカのようにピンク味の架かった赤い髪で、目は灰色のかかる、人とよく似たかなり小ぶりのドワーフだった。

人間の女性だと見間違えるほど、ドワーフにしては小柄だった。

「ギムはね、わたしの育った街のことに興味津々。森にずっと住んでいるからかな?」

その女性、ルドルドの妻はちょっとうれしそうにそういった。

この女性とラウカは数日前に出会い、共に狩をしたりと徐々に仲良くなったのだ。

今はグラナトゥム森林にて、話をしている。

「でもね、ルドルドは人間が嫌いだから、ギムにはけして街の話をしないようにしているの。ギムは森ではなく街に興味があるらしいけど」

「それでいいのカ?」

ラウカが首をかしげて聞けば、女性は頷いた。

ラウカは納得行かないような顔をしているが、ドワーフは人間とかかわらないほうが良いのだ。

前に一度、森のそばにある王国から生意気で高慢なエルフがやってきて、ドワーフに伝わる儀式用の冠を譲ってほしいとうるさくねだられたものだ。

街に持ち帰り、その素晴らしさを民達に伝えたいといっていたのだが、いざ渡すと汚いものでも見るようにしぶしぶ受け取って帰ったのだ。

それ以来、ルドルドは人々やエルフの好奇な目よりギムや伝統を守るということで、人的歴史と一切の関係を絶つことにした。

なので妻の街暮らしの昔話一切禁止なのだ。

「それじゃあ、猟師の森にギムをつれてくるといい!」

え?と女性が振り返ると、ラウカはぴょんっと丸太から飛び降りて元気よく手にしていた武器、イシキバツンツンを振り上げて言う。

「そしてラウカと一緒に狩すル!森が好きになるはズ!」

「・・・そうね、あなたの森はあの一本の崖道の奥・・・すぐそばだからね。そうしましょう」

そして彼女はラウカに向かって左手の小指を差し出した。

きょとんとラウカが見つめる。

「なんだ、こレ?」

眉をひそめていうラウカに、女性はニコリして言う。

「人間通しの、約束を守る誓いよ」

「ふうン」

ラウカはその女性を真似て小指を突き出し、指きりげんまんを覚えた。


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ラウカはルドルドの嫁から指きりげんまんを教わったわけです。
(わかんない人はお手数ですが第六章を見てください


 矢印の話であれなんですが

 あけましておめでとうございます!!
 今年も、多分遅くても二月中にこの話は終わると思うのですが
 それまで—最後までお付き合いください!!
 よい初夢を!!
 わたしは最近夢の中に精霊たちとカルドセプトというカードが良く出てきますw
 

 

Re: アヴァロンコード ( No.441 )
日時: 2013/01/01 14:55
名前: 故雪 (ID: 2rVxal1v)

お久しぶりです♪
明けましておめでとうございます!

読ませていただきました。
ラウカは指切りげんまんを教えてもらったんですね〜・・・。

更新、楽しみにしてます!

あっ!
小説大会の、投票させていただきました!

Re: アヴァロンコード ( No.442 )
日時: 2013/01/02 02:53
名前: めた (ID: g7gck1Ss)

あけましておめでとうございます、故雪さん!
久しぶりです!
しかも投票なんてそんな!ありがたいです・・・

私もあなたの更新を楽しみにしていますよ!
かなり続きが気になってますw


お知らせ的な物

噴出していたセリフ進行メモが発掘されました!
しかも、もういちどメモしようとしていたゲームクリア直後に・・・

なのでおそらく順調に更新できるようです。
ですが三が日などは忙しすぎて更新できないと思います・・・

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 クエリーレ003


ルドルドの妻は、かなり小振りなドワーフとして生まれたため、人間に興味を持ち、近づいても奇妙柄れる事はいっさいなかった。

むしろドワーフではなく、完全な人間の女性と見なされており、友人まで出来ていた。

妻は大きな図体のドワーフよりも小柄な人間に親近感がわいていたので森よりも町で暮らす方が好きだったのだが、そうもいかなかった。

小柄な体に流れる確かな森の番人ドワーフの血が、森へいこうと熱心に語りかけてくるのだ。

そして、ついには本能に負け、街を後にして深く美しい森に足を踏み入れたのだ。

だが街慣れで平和ぼけしていたドワーフには、幾らその血が流れているとて森は厳しかった。

あっという間に獣に囲まれ、追われ追われて逃げ場のないがけの縁へと追い込まれた。

死ぬのだと思ったとき、そこでルドルドに助けられた。

女性とは違って完璧にドワーフを表した体躯とシルエット。

似てもにつかないが、これが二人のドワーフの出会いとなった。

そしてギムが生まれ、その何年か後にラウカと出会ったのだ。

時は流れ、ギムがラウカのすむ猟師の森へ出かけ、森に興味を持ちだした頃。

グラナトゥム森林と猟師の森とをつないでいた一本の崖道が、突然崩落してしまった。

その原因というのが、ルドルドが狩りに用いたハンマーの衝撃音だった。

地面にぶち当たったハンマーの苛烈な振動数により崩落した崖道。

女性もギムも、ラウカにあえなくなり、また猟師の森に行くことが出来ず残念がった。

その悲しみ様を見て、ルドルドは一本の吊り橋を造ることを決め、そして無事成功させた。

それが現在の吊り橋誕生だった。



ちょっとまって 参照早速 8000飛んで8100いきました!

ありがとうございます!!初詣とか忙しいのに見てくださってありがとう!
クエリーレはあと3,4で終わると思います。
そしたらVS炎の竜開始ですよ!



Re: アヴァロンコード ( No.443 )
日時: 2013/01/02 22:47
名前: 天兎 (ID: Wp/04zaT)

めたさんあけましておめでとうございます!

そしてセリフメモ発掘おめでとうございます!(笑)

さらに参照8000越えおめでとうございます!
8000ってすごいですね@@
自分も8000回読んでもらえるような小説書けるように精進します!!

Re: アヴァロンコード ( No.444 )
日時: 2013/01/03 18:04
名前: めた (ID: g7gck1Ss)

あまとさん、あけましておめでとうございます!
無事発見できまして、まさに初詣のおみくじどおり、『失せ物 遅いが出る』ということで、いまさらですが出てきましたw

8000ですね、ちまちま書いている甲斐がありました!
参照回数が増えてるとうれしいです。


 クエリーレ 004

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その新しいつり橋のおかげで、ギムはラウカと共に森に出かけ、狩をしたりと森で存分に楽しんでいた。

だが、それも長くは続かなかった。

ギムを、ラウカやルドルドの住まう森から覚まさせたのは、ギムの母親の—ルドルドの妻である小柄なドワーフの—死だった。

人間のように小柄で、穏やかな彼女は急に魔物に襲われ、その後すぐに死んでしまったのだ。

しかもその場所こそ、ラウカの住む猟師の森での出来事だった。

ギムと二人してつり橋を渡り、ラウカの元へ向かう森の中で飢えた魔物に襲われた。

ラウカが駆けつけ、ラウカの家で手当てしたものの、駆けつけたルドルドを待たずなくなったのだった。

死の床中、街のことをしきりに口にしながらなくなった彼女の傍ら、離れずにずっと励ましていたギムは母を死に追いやった森を嫌うようになり、最期までしきりに口にしていた街に再び熱を上げていった。

女性の埋葬後、だがギムはラウカの元へまだ遊びに行っていた。

つり橋を渡り、母の最期に寝ていたベットに座ってラウカに森の話ではなく、しきりに街の話をねだって聞いていた。

ヒースと戦場を駆け回っていたラウカは街には詳しく、街のいろいろなことをギムに語って見せた。

「ねぇ、街ってそんなに楽しいところなら、行ってみたいんだけどずっと遠いところにあるんでしょ?」

ベットに座りながら足をぶらぶらさせたギムがそういったのが始まりだった。

ウソなどつかないラウカははっきりとした口調で言う。

「そんなことないゾ。このそばに、カレイラっていう街があル」

その言葉を聴いてギムは街に行こうとしたのだった。



Re: アヴァロンコード ( No.445 )
日時: 2013/01/03 18:41
名前: めた (ID: g7gck1Ss)

「ねぇ父さん、僕街にいってくるよ」

ギムが帰って早々口にしたのがこの言葉であり、もちろんルドルドは猛反対した。

太陽の棚にある洞窟の家の中で激しく討論し、その夜ギムは家を飛び出した。

(母さんの好きだった街をなんで父さんは嫌うんだ?森ばっかり好きになれって言うのはなんで?)

そのまま真っ暗の森を劇走し、そしてカレイラを目指すつもりだったのだが迷子になった。

迷いの森グラナトゥム森林に囚われ、そのままもてあそばれるように走り回り、家へ帰ることも森を抜けることも出来なくなってしまった。

(どうしよう・・・森の番人が森で迷うなんて・・・)


その頃、ギムのいないことに気づいたルドルドは幼い子供を捜してラウカの家までやってきた。

最近ラウカの家へ入りびたりのギムは街のことを良く話すようになり、いったこともないくせに街の情景を話し出すのだ。

街に興味が出てきたのも、ラウカがいらないことを教えるせいだとルドルドは腹を立てていた。

そしてついにはギムは街に行きたいと言い出し、森になんかいたくないとはっきり言ったのだ。

(獣の小娘め、いらんことを言って・・・)

つり橋を歩きながらこんな橋作るんじゃなかったと思ったルドルド。

そしてラウカの家に着いたものの、ギムはどこにもいなかった。

そのまま帰ればいいものの、そこで喧嘩が始まったのだ。


「そもそもおまえが街のことなんぞ教えるからだ!」

「教えて何が悪イ!」

片手にハンマーと、イシキバツンツンという鈍器を構えたルドルドとラウカがにらみ合いながら言い合う。

彼らは場所を変えており、戦う気満々でにらみ合っている。

月に照らされた人外の彼らの瞳孔は夜闇に対応すべく真ん丸く黒くなっていた。

森の魔物たちでさえ逃げ出すオーラの中で、口げんかは発展していく。

「おまえのせいでギムが街へ行くと出て行った!」

「おまえの妻だってすんでいたところだろウ!なぜ引き止めル!」

そのまま暴力沙汰にまで発展しギムが一人森で迷うのもかまわず二人は本能的に戦っていた。

そしてようやく自力で森から逃れたギムが家に帰り、騒音を聞きつけて二人を止めたのだった。

ギムは喧嘩を止めるべく、街には行かないからと約束し、だが腹の虫が納まらないルドルドとラウカは両側からつり橋を破壊したのだった。

もう二度とお互いに顔を合わせないように、と。

森の番人として町になど現を抜かすなと主張したルドルド。

自由に自分の思うまま、行けば良いと主張したラウカ。

その喧嘩の対立をはっきり表したように、現在の真っ二つの橋は壊れているのである。


もちろん現在もルドルドとラウカはお互いいがみ合っており、ギムは未だに街にいけずにいる。



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クエリーレ おわり

案外早く終わった。なんだかまとまってないような気がする・・・
クエリーレ=喧嘩 です。
クエリーレって優美そうな発音ですが喧嘩って言う野蛮系の意味なんですよね

次回より VS炎の竜です たぶん

そして追記ですが 参照が 8300 超えました!!
ありがとうございます!!
きっと一月中に12章までは終わる!と思う・・・