二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アヴァロンコード ( No.489 )
日時: 2013/01/25 20:14
名前: めた (ID: g7gck1Ss)


 第十二章 開錠

—真の主が現れるとき
 四つの御使いは重き罪より解放される
 過去の戒めが
 未来の戸を叩くだろう


ヒドゥンメイアから出てきたティアは、墓場の墓石をずらし、太陽の照る元に出てきた。

ワーマンとヴァルド皇子を交互に引きずってきたせいか、肩が痛い。

だがそんな疲れも、空を見上げてすっかり晴れてしまう。

「見て!太陽が月から出られたみたい!」

青空に輝く太陽のさんさんに降り注ぐ日を浴びて、ティアが気持ちよさそうに伸びをする。

すっかり世界を崩壊は止まった様である。

一人ではどうしても持ち上げられそうにない二人の気絶体を置き去りに、しばらく歩いて人手を探していると。

墓地の木陰に、二人の人物が寄りかかっている。

「レクス?!ヒースさん?!い、いきてる!?」

すっとんきょうな声を上げて驚くティアに、その死んだと思われていた人物達は呑気に手を振って見せた。

「よかったぁ!ワーマンが殺したとかあの世とか、言ってたから!」

「あんな奴相手に死ぬわけないだろ。まったく」レクスが転がるヴァイゼンの兵士たちを指差して嘆かわしげに言う。

「多勢に無勢でな、あいつらはうまく抜け出して行ったんだ」

ヒースが胡坐(あぐら)をかいたまま言う。その腕にはちゃんと盾がついており、どうやらワーマンがよこしたのはまじないか何かで作られたものだったらしい。

「でも、無事帰ってきたって事は、やったんだな。空も晴れてるし、鐘の音も止まった」

レクスが尊敬するように見上げる。

「・・・よくやったな、英雄殿!」ヒースも疲れたというように木に寄りかかって言う。

すっかり平和ボケしている表情である。
それはティアもそうであり、人のことは言えない。

野原に寝転がって戦いとは無縁のところでぐっすり昼寝をしたい。
そう、預言書が現れる以前のような暮らしを・・・。

「怠けてるのはいいけど、ヴァルド皇子とワーマンを回収しておいてね!」

柔らかな芝生を踏んで、二人の目苗を通過していくティア。

街の無事をこの目で確認するまでは、ゆっくり草原で眠ることは出来ない。

ティアは元気よく走り出した。