二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アヴァロンコード ( No.491 )
- 日時: 2013/01/26 15:03
- 名前: めた (ID: g7gck1Ss)
9900越えました!あと100で・・・5桁、ですね・・・
十二章に進出し、謎をほぐしていきたいと思いますよ!
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カチャン・・・と妙に響き渡る美しい金属音がした後、精霊を縛り付けていた枷がいっせいに、外れた。
「・・・・!!」
ティアはジェネシスをかかえながらぽかんと口を開けて彼らを見ている。
何が起こったかわからなくて、柔らかな芝生に剣を落としそうになっている。
それは精霊たちも同じで、自分達の自由になった部分に触れている。
四人とも、信じられないという表情であり、そしてだんだんと歓喜に襲われていた。
「や・・・・た、外れた・・・!声、ちゃんと出る!」
真っ先に口を開いたのは、長い間声を奪われていたネアキ。
その黄土色の目が、喜びに輝いて、枷のなくなってすっきりした白い首に両手を持っていっている。
「わーい!ティア見て!やっと外れたわー!」
それに次いで、ミエリもこれ以上ないほどうれしそうに笑う。
痛々しいほど縛り付けられていた重いかせは消え、軽やかに舞い上がるミエリ。
「外れた!ついに外れた!これで最大パワーが使えるぜ!」
くるくる踊るようなミエリの横で、腕を振り回して喜ぶレンポ。
もとから元気が良かったのだが、これでますます磨きが掛かることだろう。
ティアはそんな騒ぐようにはしゃぐ彼らとは別に、そっと静かに背を向けているウルに目をやった。
「ウル?」
声をかけると、ウルはぼそりとつぶやいた。
「世界が見えます、きれいで・・・とてもとても、懐かしい」
そして振り返ったウルの目は、透き通る蒼と赤の色だった。
俗にオッドアイと呼ばれる、左右の瞳の色がちがう不思議な目に驚いていると、ウルがもう一度辺りを眺める。
長い間見ることを妨げていた枷がはずれ、美しい世界を記憶に焼き付ける。
「懐かしいですね。あぁ、やっぱりあなた方は何も変わってない、いいことです」
やんちゃ気味にはしゃぐ三人の精霊を見て、保護者のように口元を緩ませたウル。
「・・・あなたのおかげですよ」
何で外れたんだか知らないけど、良かった!というティアにウルが優しく言う。
残りの精霊も集ってきて頷いている。
「ティアのおかげで、私たちは自由になった」
すっかり声が出るようになったネアキが、いつもより明るい表情で言う。
ティアがきょとんとしていると、ミエリが言う。
「この枷は、預言書に選ばれし者が罪を許してくれるほど信頼したときに初めて、外れるようになっていたの」
「罪?」ティアが首をかしげる。
「オレ達は、はるか昔、大きな罪を犯した。枷が外れた瞬間、何もかもよみがえって分かった。誰が枷で精霊を縛ったのか、最初の世界で何が起こったのか・・・」
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ウェルト 001
- Re: アヴァロンコード ( No.492 )
- 日時: 2013/01/27 15:20
- 名前: 天兎 ◆ZwUtbaILG. (ID: CqswN94u)
お久しぶりです、天兎です(^^)
ついに参照10000越えましたね!Σ(‾□‾;)
おめでとうございます(⌒ー⌒)!
後少しで終わってしまいますが、これ書き終えたら何か他のものを書くとか、予定はありますか?
- Re: アヴァロンコード ( No.493 )
- 日時: 2013/01/27 17:00
- 名前: めた (ID: g7gck1Ss)
うわあああ!あまとさん久しぶりです!!←
ついに越えましたね、一万・・・・ありがたいことです!
次なる作品は一応ありますよ!
四つほど候補がありまして(多いw
レッドレイヴン ファイナルファンタジー外伝
セブンスドラゴン ストームブリングワールド
これから2つ?抜粋して書く予定です
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ウェルト002
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始まりの世界は、すべてがそろう楽園のようなところ。
そこには巨人も、人間も、どんな種族もみんないて、何もかも欠ける事は無かった。
空は青く、海も蒼い。草原が風になぎ、すべてが順調に廻っている。
そんな始まりの世界には、四つの神がいた。
世界の四つの元素をつかさどり、世界に君臨していた彼らは、だがこの世界と裏腹にひどく何かに欠けていた。
満たされた世界を見ても何も感じず、ついに、彼らの心に不穏な闇が広がった。
彼らの心に広がったものは“怒り 無慈悲 高慢 冷酷”。
それに身を任せた彼らは、ついにこの美しい世界を滅亡へ導いてしまった。
世界は凍え、焼き払われ、生命力を失い、地も天も引き裂かれた。
そして、世界は滅びを迎えた・・・—
- Re: アヴァロンコード ( No.494 )
- 日時: 2013/01/27 17:13
- 名前: めた (ID: g7gck1Ss)
世界が滅ぶとき、四つの神は集って一様にその光景を見た。
空は暗く、赤黒い色に染まって何もかも砕け散っていく。
響き渡る悲鳴や破壊の音にひどく心をかき乱された四つの神は我に帰る。
自分達が一体何をしてしまったか、どれほど取り返しがつかないことをしたのかを、さとるとその四つの悪しき思いを封じ込めた。
「まだ、間に合うかもしれない」
その思いを背負い、世界が滅ぶ前に四人は力を合わせて一冊の分厚い書物を生み出した。
赤い皮の表紙に、命を削って力を吹き込み、それとあわせて金色の大きな鍵を生み出した。
その本は世界を記録する、新しき世界への錠前。
そして金の剣は、世界を開くための鍵。
その間にも次々と世界にあふれていたものが滅び、消滅していく。
種族がまた1つ、生き物がまた1つ、美しい自然がまた1つと消え、世界が暗闇に包まれていく。
四人は不安げな目でそれらを見回し、書物に不安気に目を落とした。
「まだ、間に合うの・・・?」
ウェルト 003
- Re: アヴァロンコード ( No.495 )
- 日時: 2013/01/27 17:36
- 名前: めた (ID: g7gck1Ss)
ウェルト 004
壊れていく世界を飛び回り、残っているほんの少しのものを死に物狂いで取り込んでいった彼ら。
取り込む前に目の前で消滅していったものも数多くあった。
そういう時は歯軋りをして、出来るだけ多くのものを救おうとまた飛び回るのだ。
世界に存在するのが彼らと本と鍵だけになってしまうと、世界の滅びは彼らをも侵食し始めた。
「どうにか・・・この本だけでも守らなきゃ!」
彼らは神としての力すべてを書物を守るために与え、そしてその力すべてが本と鍵に宿るのを感じた。
蝕む滅びがとまり、預言書がひとりでに開く。
四つの神としての力を与えられた書物—預言書は四人の前で威厳を持ったように輝いている。
「どうにか間にあった・・・ようです」
その書物に触れて、四人は辺りを見回す。
だが、世界は滅びたままで、その本に書き込まれた世界の情報は引き出されないまま。
何か足りないのか、間違っていたのか、間に合わなかったのかと恐怖に震えていると、やがて一人が口を開く。
「これを動かすのに必要な力がまだ足りていないのでは」と。
だが彼らにはもう力など残っておらず、あるとすればその身体に流れる果てしない命だけ。
その命を分け与える方法は、預言書と命をつなぐ道を作らなくてはいけない。
よって身体の一部を預言書に縛らせて、そこから命を削らせて力を分け与えることにした。
- Re: アヴァロンコード ( No.496 )
- 日時: 2013/01/27 18:07
- 名前: めた (ID: g7gck1Ss)
ウェルト 005
預言書と結んだ部分は彼らが罪を忘れないようにとあえて選んだ身体の自由を奪う部分。
二度と世界を滅ぼさぬように、そして自分達で滅ぼしたすべてのそろう正しき世界をもう一度作り上げるために、願いを込めた。
いつの日かこの罪が許される時に枷がはずれ、預言書が消えるときに世界は正しき日を迎えると。
そして不自由な身体で十分すぎるほど力を得た預言書で世界を作り直そうとした精霊たち。
だが与えた力が大きすぎて、預言書に四人が触れた瞬間彼らは衝撃を受けて四方へ飛ぶ。
その衝撃により、彼らの最初の世界の記憶や今までのいきさつが預言書に流れ込み、預言書に彼らの記憶たちが根付く。
逆に、精霊たちの中からその記憶たちが抜けてしまい、何がおづなってしまったか思い出せなくなっていた。
預言書に根付いた彼らの意思に導かれて、記憶を失った四大精霊は二番目の世界を創造した。
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ウェルト=世界