二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アヴァロンコード ( No.529 )
日時: 2013/02/19 18:33
名前: めた (ID: ErpjaSfQ)

「歴史あるローアンの血を引く娘、セレネ。安らかに眠る・・・?」

その墓の人物は500年前カレイラ王国を建国する際の大戦争で大活躍した女戦士ローアンの子孫らしい。

そしてローアンは建国の際、初代王ゼノンクロスに嫁いだ初代王妃であり、その活躍と名誉によりこの街には彼女の名前が付けられ、闘技場には戦女神として彼女の像が建てられている。

「なんだ・・・やっぱり王族の末裔の人ね。といっても、ずいぶんと直系からはそれているけれど」

自分の考えが当っていたので、シルフィは得意げに鼻をそらせている。

「でも、何でこの人にお花を手向けたんだろうね?この人もう何十年も前に亡くなっているのに」

そうなの、とシルフィが目をしばたく。

「うん、わたしがカレイラに拾われてくるよりも前に亡くなっていたらしいけど。だって、ほら年表が刻まれてるでしょ」

ティアが指差したところには彼女の死んだ年が刻まれている。

かなり昔に死んでしまったらしい。

「知り合いだったんじゃない?エルフは長生きだから」

もう興味はないというように、シルフィは立ち上がる。

ティアもそうかなぁと立ち上がって、ふとそばにある墓石を見る。

それは丸みを帯びたプレート状の墓標。そこに刻まれていたのは

晴れの日は外で勇者様ごっこ。小さなお姫様、ミーニャここに眠る。


Re: アヴァロンコード ( No.530 )
日時: 2013/03/19 12:39
名前: めた (ID: FY5Qqjua)

ティアが急に飛び上がったのでシルフィは目を見開いて首をかしげる。

そしてその視線を追うも、ただの子供の墓であり、何をそんな驚いているのか分からない。

「何をしてるの。さっさとお父様のところに行くわよ」

ティアが何も言わずにこちらを見た。

何かとんでもなく驚いて、恐怖というよりは困惑と言った表情をしている。

「ミーニャって・・・あのさっきの女の子って、幽霊?」

「何言ってるの、アンタ。さっきの女の子って誰のこと?」

ようやく口を開いたかと思えばすっとんきょうなことを言うのでシルフィは肩をすくめて言う。

だがその返答が気に食わないらしく眉をひそめる。

「空き家にいた女の子だよ。エルフの涙を作っていたら家の奥から走ってきてこえ掛けてきた女の子のこと」

必死に笑みを浮かべながら言おうとしているらしいが、目が笑っていない。

「冗談言うのはやめなさいよ・・・何もこんなところで言わなくてもいいでしょ」

二人しかいなかった空き家に、小さな少女が存在しておりティアだけがその存在を確認できていた。

しかもその少女のお墓が目の前にあり、あたりは死人の眠る墓場となれば、さすがのシルフィも背筋に冷たいものが走る。

「ほら、そんなこといいからさっさと行くわよ」

ティアの反応も待たずに足早に墓地を出て行く。

ティアも慌てた様子で後を追い、二人はシルフィの家へと無言で向かった。