二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アヴァロンコード ( No.577 )
日時: 2013/04/27 14:05
名前: めた (ID: x1KEgngG)

朝日が昇るとすぐに、ティアのいないカレイラ王国の王城フランネル城にて、大きな演説がはじまった。

国民全員参加の、とても大規模な行事である。

ゼノンバートが王城のテラス立つ。そばにドロテアも控えている。

ここはティアとハオチイが戦争の英雄と紹介されたテラスだ。

そこ立つと、人々の不安そうな顔を見て取れる。

きっと戦争をすると公言する演説だと思い込んでいるのだろう。

「皆の者、良く聞け!我が聖国カレイラは此度、和平協定の架け橋としてヴァイゼン帝国の皇子と将軍をカレイラに迎える。そしてすべての国民が皇子を認め、和平を結ぶ手立てを打つとき、我国と帝国は永遠の世界協定を結ぶと約束しよう—!!」

国民が一瞬どよめき、そして不安げながら歓声が上がった。

まただまされている?だが戦争じゃなくて良かった—!

国民を満足げに見つめた王は、ドロテアを振り返って頷いた。


正午。英雄を先頭に皇子と将軍が街へ足を踏み入れる。

他の人には見えないが、四人の精霊が辺りを漂い、不穏な考えを持つものがいないか探っていた。

ここまで来た和平協定締結運動が、また無駄になるのは避けたい。

だが皆遠目からこわごわとこちらを見ているだけで、暗殺者は一人もいなかった。

城に入ると、さっそく謁見の間につれてこられる。

すべて黄金で出来た目に毒なきらびやかな広間だ。天井には豪奢なシャンデリアがあるけれど、その精巧な彫刻も見えないほど高く吊り下げられている。

その間には、今は騎士団長や王族、財政管理人やら国を守る回す勤めの役職が全員呼ばれ、緊張した様子で皇子と将軍を見ている。

「良く来た、皇子そして将軍」

玉座に腰掛けたゼノンバートは二人を見つめ、そして英雄をねぎらった。

「ご苦労、英雄。和平への道となり、有益な事柄をこの国へ導いた。深く感謝しよう」

どうしたら良いかわからず、ティアは少し笑って頷いた。

王はティアからヴァイゼンから来たものに向き直り、厳かに言った。

「さて、この国に来たのは観光ではないはずだ。この国にとどまり、民との信頼を築き、和平への道へ尽力されよ。期待している」

「はい。必ず成し遂げてみせます」

謁見の間で、世界協定への契りが交わされた。

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個人章 世界協定編終わり