二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 銀魂「市女笠篇」 立て直し
- 日時: 2010/01/13 17:03
- 名前: コナ (ID: QDm7ZT.A)
クリックありがとうございます。
消されていたので、立て直してみました。
メモ帳に書いてよかったなぁと思いました。
—注意—
・原作者・関係者とは一切関係ありません。
・亀更新。
・ほぼシリアス・流血表現・グロイ描写あり。
・美女設定のオリキャラがいます。苦手な方はご注意を。
・かと言って、恋愛に発展しません。
・恋愛に発展しません。(←大事な事なので2回言いました)
・プロじゃありませんぐだぐだです。
拙いものですがよろしくお願い致します。
プー君♀前のスレの感想ありがとうございました。
—目次—
・オリキャラ設定>>1
・第一訓「間違った道を通った人を救おうとするのは友だけ」>>2
・第二訓「調べ物はきちんとしましょう」>>3
・第三訓「悪女は美女に限る」>>4
・第四訓「人はカンペキではない」>>5
・第五訓…執筆中
Page:1 2
- Re: 銀魂「市女笠篇」 立て直し ( No.2 )
- 日時: 2010/01/13 16:52
- 名前: コナ (ID: QDm7ZT.A)
「えーと…あの頃どこかでお会いしましたっけ?」
肩を落としうつむいて座る女性に、銀時は問う。
女性は内巻きの黒髪ボブに薄柿色の着物。顔も体型も恐らく歩んでいる人生も十人並みな女性がなぜ、白夜叉の名を知っているのだろう。
戦場では、仲間の増減が激しいので全ての顔を把握するのは難しい。
「まさか銀さん戦時中…女中さんをいじめていたんじゃないんですか?」
「え?」
「きっとそうネ! その被害者の一人がこの人ネ。まさか、銀ちゃん手ぇ出したアルか」
「何言ってんだお前ら!! 俺そんなイメージなの?! つーか神楽どこで覚えたその言葉!!」
「昼ドラ”父上はニュースキャスター”でやってたアル」
「オイ。俺が大勢の女中さん口説いて、家族が増えたとでも言いたいのか…?」
「あ、あのー」
「早よぉ進めてください、いつまでクダクダやってるん?」
女性の小さな声に交じり今まで無かった甲高い声が、言い合う三人を停止させ、振り向く。
「えーっと…そのぬいぐるみが喋ったの?」
「まさか」
「そうアル。きっと、この人が喋ったネ」
女性の肩に乗る兎耳を持ち、ハムスターのようなふくろうのようなぬいぐるみが喋るわけ無い。
女性のいたずらだと三人はそう思っていたが、ぬいぐるみが口が開いて同じ声で言った。
「失礼な、僕はぬいぐるみやない、紹介遅れたなぁ。
僕はヘンテコ、コイツが僕の飼い主、桜木八重や」
ヘンテコはお辞儀をするように体を傾ける。
「い、いやー…これはどうも」
銀時は恐縮し、思わず会釈する。
新八神楽はというと、驚きのあまりぽかーんと口を開けている。
「一言、言わせてもらう。君らのおかげで本題に反れてしもうた」
「あ、スミマセン…」
新八はとりあえず謝った。
「さて、本題に参りましょう。坂田さんアナタは…『女郎士隊』をご存知ですか?」
第一訓「間違った道を通った人を救おうとするのは友だけ」
「ああ、確か女だけで結成した武装隊だろ」
女郎士隊とは、文字通り隊は女性だけで構成され、戦地の女中を始め、日本各地から集まった女性達が武装し後期攘夷戦争で戦った部隊だ。
勿論、戦後ほとんどの隊士達は粛清され解散となった。
「私もその一人だったのです。」
「凄いアル! 八重姉!!」
神楽は尊敬のまなざしで八重を見ていた。
「で、なんで来たんだ?まさか攘夷活動の勧誘か?」
銀時は怪訝な表情で八重に問う。
伝説とはいえ白夜叉の力は、攘夷志士にとって喉が出るほど欲しいはずだ。
「八重は、もう人を斬るのは懲り懲りやと言ってたんや! そんな人間が騒ぎを起こすかい!?」
「落ち着いて、ヘンテコさん!!」
新八は怒りで身を乗り出してきた、ヘンテコを宥めようと耳を掴む。
「痛い、痛いから耳つかむのやめろ!」
「違います。今巷で『市女笠』と呼ばれる人斬りが横行しているのをご存じで?」
「いちめがさ?」
ニュースに疎い銀時と神楽は、声を揃え首を傾げる。
「ここ数日市女笠を被り、二本の刀で幕吏や真選組隊士を連日殺害したあの『市女笠』ですか?」
「はい。私は一回だけ、逃走する市女笠にぶつかった事があります。」
「良く…助かったな」
「ぶつかった瞬間、その時顔を見たんです。」
「本当アルか?」
「ええ、その顔が…私の戦友であり、女郎士隊の総督山科可乃だと分かりました」
「もしもし、いい加減前置きやめてくれない? 長いんだよコノヤロー」
銀時は鼻をほじながら、八重に訴える。
いい加減依頼内容に入らない、八重に苛立ちを感じたんだろう。
「つまり、山科可乃の復讐を止めて欲しんです」
うつむいていた八重はようやく顔を見上げ、凛とした表情で銀時達に依頼内容を告げた。
- Re: 銀魂「市女笠篇」 立て直し ( No.3 )
- 日時: 2010/01/13 16:56
- 名前: コナ (ID: QDm7ZT.A)
昼、とある公園。
「復讐ねぇ」
銀時は八重の言葉を脳内に響びかせながら、呟く。
幕吏、真選組隊士だけを殺害する人斬り『市女笠』…山科可乃。
八重曰く「おかのはきっと、父親や仲間を殺した幕府の恨みが強くなったからこういうことをしているのよ」
らしい、全くどこかの中二病患者と動機が似ている。
「屯所や奉行所も相手にされなかったですね」
新八の言うとおり最初に前者に行ったが、忙しいと隊士に言われ門前払い。後者も同じ扱いを受けた。
「銀ちゃーん、さっきから蕎麦屋ばかり行ってるけど腹減ったアルか?」
「ああ、アイツ蕎麦が好物だからな…どこかで食ってるんじゃねぇーか…」
そう言い終わると銀時の腹が鳴る。
「銀ちゃんの嘘つき」
「僕もお腹が空きましたよ…」
歩き捜したら当然腹が減るだろう。
「しょうがねぇーな…コンビニでなんか買うか」
銀時は、頭を掻きながら言う。
「あ、旦那じゃないですか」
背から、聞き慣れた声が銀時を呼ぶ。
「お前は総一郎君じゃねぇーか」
捜していた人物ではないが、手がかりを持ってそうな人物を発見した。
「総悟です旦那」
ベンチに座るのは、真選組一番隊隊長沖田総悟だった。
第二訓「調べ物はきちんとしましょう」
「『市女笠』…ああ例の人斬りですかィ」
「お前らも被害あってんだろ? 少しぐらい調べてるはずだ」
「残念ながら真選組(俺ら)は、何も知らないですよ。被害者の処置で精一杯なんでィ」
「だから、門前払いされたと」
「まあそんな感じでさァ」
「お前らただ面倒くさいから調べてないんアル」
「おい、チャイナ話聞いていたのか? 湧くように出てくるからそんな暇もないんでィ」
「サボる暇はあるみたいアルな」
いつの間にか神楽とベンチに座る沖田は睨み合いに発展する。
「ほら二人とも、やめて下さいよ」
新八は今でも衝突しそうな二人を制裁しようとする。
銀時は、「ほら行くぞ」と呆れた表情を浮かべ、再び捜索開始する。
「あ、そういえば…襲われた隊士に二つ共通点がありますぜ旦那」
「共通点…?」
「一つ目は襲撃時間は深夜帯の巡回の時だけで、巡回以外の夜間は必ず襲わないんでさァ」
「二つ目は?」
「二つ目は、どれもニ本の刀を同時で薙いだ傷が腹にあること。これをヒントに、『市女笠』退治頑張ってくだせェ」
そう沖田は言うと、ベンチに寝転んで愛用のアイマスクを装着し寝始めた。
「なんで退治する感じになってるの」
新八は小さく突っ込んだ。
「空振りか…」
銀時は八重が遊びで撮った山科可乃の写真を懐から出し、眺める。
聖母のように微笑み、ぱっちりと濁りのない黒いタレ目はこちらを見ている。
肌は絹のように清らかで白く、後ろに結わえた長い黒髪は艶やかで美しい。
その姿はまさに、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花を具現化した女性が映っていた。
ただし恰好は、陣羽織に頭に鉢がねを巻き胴や小手といった武装。
腰には同じ長さの細身の刀二本差しているが。
「おかのさん、本当に綺麗ですね…着物姿似合うだろうな」
「新八まさか惚れたアルか?」
「違う僕はお通ちゃんしか興味がないんだー!!」
新八は顔を火照らせ、ムキに反論する
「何、ムキになってんだヨ」
「惚れても、地味なお前とコイツは釣り合わねぇーから安心しろ」
「どーいう事だ! 僕だって夢見させてくださいよ!!」
「無理だな」
「そーアル、ダメガネにはレベルが高すぎるヨ」
銀時と神楽は即答した。
「あの…泣いてもいいですか」
肩を落として歩く新八を無視し、銀時は辺りを見渡す。
すると、道端で笠を被り錫杖を抱えて座る僧を発見した。
まさかと思い、僧を通り過ぎた頃叫んだ。
「ヅラァァァ!!」
新八は突如叫んだ銀時に驚き。
「ちょ、銀さんどうしたんですか?」
「叫びたい年頃ネ」
二人は僧の正体に気づいていないようだ。
案の定、僧は立ち上りお決まりの台詞を叫び返した。
「ヅラじゃない! 桂だァァァ!!」
「何? あの『市女笠』が『優婉の蝶』だとは…」
落ち着いた桂は、銀時が差し出した写真を見て眉間に皺を寄せる。
「優婉の蝶?」
「山科の異名でな。敵を蠱惑し斬る姿はまさしく、しとやかに羽ばたく美しい蝶」
「そんなの嘘ヨ、女の夜兎の戦場は綺麗なもんじゃないアル」
流石、戦闘部族の女の子である。いや夜兎族は戦いに関しての姿勢は、老若男女皆同じだろう。
「嘘じゃない。本当にそうだったらしいぞ、リーダー。そういえば、女郎士隊は戦場の華だったな、な。銀時」
「…それより、コイツについて何か知ってるか?」
「いや何も、真選組の巡回の人数が前より増えたぐらいしか知らないな」
「そーか」
「あと、今度会う時その写真焼き増してくれぬか」
「は?」
「いや、どこで嗅ぎつけたのかうちの同志が山科の事を聞くんだ、本当に美女なのか、実際見たんですか…って、コラ!! お前ら人の話の途中にいなくなるな!!」
あまりにもくだらないので、三人はその場から立ち去って行った。
- Re: 銀魂「市女笠篇」 立て直し ( No.4 )
- 日時: 2010/01/13 16:59
- 名前: コナ (ID: QDm7ZT.A)
生まれた落ちた罪 生き残る罰
私という存在 一瞬のトキメキ
永遠のサヨナラ まだ許されないのかなぁ?
伸ばす手はどこへ
Buzy/鯨
真夜中。歌舞伎町通りから離れた場所で、八重組はまだ捜索中だった。
「八重、引き返してまた明日捜せへん?」
兎耳を持ち、ハムスターのようなふくろうのようなえいりあんは、八重と呼んだ女性の肩に乗って言う。
内巻きの黒髪ボブに薄柿色の着物。顔も体型も恐らく歩んでいる人生も十人並みな八重は。
「嫌だ、可乃のやっている事は間違っているって教えないと」
首を振り、意志を変えぬ発言をする。
「それにこんな時間うろついてると、大変な目に遭うよ! こないだももし逃走していなかったら、八重は斬られてるで!」
「この時間帯にすれ違ったんだから、会う確率が高いよ」
八重の言う通りだ。残業帰りに再会した時は、確かこの時間帯だった。
危険を顧みず、友を思う八重に拍手を贈りたい。
「はあ…なんでそこまでしてソイツを止めたいん? 僕未だにわからへん」
「復讐しても何も変わらない、無駄なものなんだ…ただ人を傷つけるだけよ」
悲しく微笑む八重、それが戦で学んだ事だ。
もう、断末魔は聞きたくない、悪夢でうなされる仲間達の顔なんて見たくない。
八重はそれに耐え切れず、戦後刀を捨て甘味屋の店員として生きてきた。
だが友…可乃は未だ戦っている、今度は一人で戦っている。しかしそれは八重から見たら無意味な戦いだ。だから、止めなければ。
「オイ、そこの女!」
「ひっ!」
突如背後から男の声が聞こえたので、肩を跳ね上げ驚く八重。
「兄ちゃん、びっくりさせんとって」
「しゃ、喋った! いや。あのね、危ないよ女の子一人でこんな時間うろついてちゃ…ただでさえ、人斬りが横行してんのに」
後ろを振り向くと、御用と書かれた提灯を持つ真選組隊士がいた。
「あなたこそ、なんで一人で巡回してんですか? 普通増援するはずですよ」
「たまたま、人数不足で俺だけになっちまったよ…巡回他の奴誘ったけど、皆じゃあなって肩置くんだぜ。嫌だよー本当」
「そりゃあ災難だったなぁ」
ヘンテコは、隊士の事情を聞いてぼそりと呟く。
「あー…アンタまでに慰められると、ちょっと虚しい…」
はぁと肩を落とし、落ち込む隊士。
「まあまあ、今日来るとは限りませんよ」
八重はヘンテコの頭を軽く叩いて言う。
「そう思いたいんだけどね…」
隊士がそう言った後、風が隊士と八重の髪をなびかせる。
柳の葉も揺れ、川のせせらぎも聞こえた。
刹那。
「見つけた…」
隊士の背後から甘い声が聞こえたと同時に体から血飛沫を上げ、その肉片と赤い滴が八重の頬に付着した。
(…!! 殺気を感じなかった—!)
八重はそう思いながら隊士が倒れ、現れた人物を丸い目を細めて睨む。
見慣れた血が滴る二本の白刃は、月明かりで鏡のように八重を映し出す。
市女笠の布や白魚のような指も深紅に染まっていた。
とうとう『市女笠』が現れたのだ、彼女は殺気もなく静かに屍を見下ろしているように見えた。
第三訓「悪女は美女に限る」
「……」
「『市女笠』…いや、元女郎士隊総督…山科可乃どうして…復讐を選んだの?」
八重はあえてフルネームで友を呼ぶ。『市女笠』は、薄い布で隠れて表情は読み取れないがピクリと何か反応したようだ。
だが返事はない。
「おかの! もう十分私達は頑張ったんじゃない! なのにどうして…こんな事を…」
「こんな事? ククッ私はね…」
静かに語りながら返り血を浴びた市女笠を取り、素顔を晒した可乃。
端整な可乃の顔は沸き上がる憎悪で歪んでいた。
眉間に皺を寄せ。
ぱっちりとした睫毛が長い垂れ目は、瞳孔が開きぷっくりと膨らんだ唇は薄く釣
り上げて微笑を作る。
あのどこか品性を感じさせた顔立ちはどこにもない。
その形相は、艶やかな長い黒髪を後ろに結わえた羅刹女を連想させる。
「あの方に目を覚まされたの…『テメェの力はなんの為にある』ってね、だから私は…殺された父上や仲間の仇を討つために使うのよ」
「あのかた? 誰の事を言っている……」
そう言い掛けるが背後から頭を何かに打たれた重い衝撃を感じ八重の視界は黒に染まった。
- Re: 銀魂「市女笠篇」 立て直し ( No.5 )
- 日時: 2010/01/13 17:00
- 名前: コナ (ID: QDm7ZT.A)
八重を倒す為、刀を抜いた犯人は。
「あら万斉じゃない、この子殺していないわよね?」
あの人斬り河上万斉だった。
「何峰打ちでござるよ、無駄な殺しは控えとけと言われたでごさるからな」
「それもそうね…ところでアナタのような人が、わざわざ私に来たという事は何
か用でもあるの?」
澄みきったガラス玉のような瞳に戻ると、倒れたかつての戦友を悲しむ事なく淡
々と万斉に問う。
第四訓「人はカンペキではない」
「晋助から伝言を預かってきた」
「総督から?」
「『これだけ斬れば幕府の犬共を十分混乱させた筈だ、お前は次の襲撃に備えて
休め』との事でござる」
「一言一句伝えてくれてありがとう。
しかし…隊士が私に殺されて混乱した真選組と幕府をさらに混乱させる作戦とは
総督もやるわねぇ」
まるで暖かな日だまりのような笑みをしとやかに浮かべる可乃。
。
青いたすきを巻いた、無地の蒲色の着物でもその笑みで美しく感じさせた。
「……そうでござるなお可乃殿」
二人は気づかない、ヘンテコが話を聞いて体を震わせてじっと様子を見ている事
に。
(た、大変やー早よぉ八重起こさんと)
ヘンテコは、地面と接吻をする八重の体を短い腕で、ゆさゆさと揺らす。
「万斉、この子…八重はどうする、連れていく?」
倒れる八重に近づいて、可乃は問う。
「拙者らの話は聞いてないから放置するでござるが…というか可乃殿、この
娘知り合いでごさったか」
「えぇ、私の右腕として戦っていた子よ」
可乃は、薙いで付着した血を払うと二本の刀を一本だけ鞘に納める。
「信じられないでござる、丸腰とはいえそれぐらいの強者なら先程の攻撃を躱せ
る筈…」
ごもっともだ。
「八重は言ったの『私は敵を斬る事をやめたい……敵を斬る度その人の悲鳴
が夢の中でこだまするから』って、だから八重はおちちゃったと思う」
可乃の表情は脆いガラスように切なく、月光を浴びているせいか悲しみを帯びていた。
「可乃殿……」
可乃の放つ切なさの波に、当てられた万斉はしんみりとしていた。
その瞬間。
「ひっ!!」
ヘンテコの目の前でざくっと地面を刺す刀の音が鳴り響いた。
「ねぇ、アンタどこまで聞いたの?」
柄を握ったままにっこりと妖艶な可乃の笑みを見たヘンテコは、さらに背筋を凍
らせた。
「あ…あ……」
「今までの話は、極秘な話も混じってるの否か応か答えないと……次殺すわよ」
可乃は刀を抜いてヘンテコを脅す。
もし、ドMの男性がヘンテコと同じ状況だったとしたら間違いなく喜ぶであろう
。
「ど、動物愛護協会にう…訴えてやる!!」
捨て台詞を吐くと普段使わない羽を広げて、空を飛ぶ。
「待て!! このキメラもどきが!!」
可乃は逃げようとするヘンテコを追い掛け殺そうとするが、万斉に肩を掴まられた。
「万斉! なんで止めるの!!」
「あまり騒ぎを起こすと…晋助の計画が水泡に帰するでこざるよ。
それにあれが助けを呼ぶとしたら、八重殿を人質として利用できる…」
可乃の肩を離し、万斉は軽々と八重を持ち上げ肩に乗せる。
「……もし、幕府の犬が攻めてきたらアンタのせいだからね」
可乃は渋々万斉の意見を呑み、全ての刀を納刀し、先に歩み始めた。
「晋助…可乃殿は、少々女子にしては情が激しいでござるよ」
万斉は可乃の背を眺めながら、顔とやっていることのギャップの激しさにそう呟いた。
- Re: 銀魂「市女笠篇」 立て直し ( No.6 )
- 日時: 2010/01/13 18:38
- 名前: コナ (ID: Q7YZ/LhH)
ちょっと上げて見ます。
Page:1 2