二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- (REBORN!)あの日の炎に消えた記憶
- 日時: 2009/11/22 12:21
- 名前: 朝陽 (ID: nWEjYf1F)
クリックありがとうございます。
この話は主に雲雀さん中心です。
未来編総無視です。
設定的に女体化が約一名います。
シリアスです。(のつもり)
再再再スレッドです。
よろしくお願いします。
- Re: (REBORN!)あの日の炎に消えた記憶 ( No.17 )
- 日時: 2009/12/13 14:54
- 名前: 朝陽 (ID: nWEjYf1F)
(第二十一話)
リング争奪戦の勝者は———沢田、綱吉。
彼らは、沢田綱吉サイドの人間は、気付いていない。
大空戦の最中、僕のポールにxanxusの流れ弾があたったことに。
いや、あれは流れ弾などではなかった。
確実に、僕のポールを狙っていた。
Xanxusが、僕を助けた——。
負けても、スクアーロは僕のことを口に出さなかった。
ヴァリアーの誰もが、僕のために
xanxusが戦っていることを知っていたのに。
誰一人、口にださなかった。
沢田綱吉たちは、元に戻った並盛で、
平凡な暮らしを楽しんでいるようにみえた。
それでも、沢田綱吉が時折見せる表情から、
彼なりにマフィアのことを考えていることがわかった。
彼も、ツナも、ボンゴレの業からは逃れられない。
できれば、ツナには普通の暮らしをしてほしかった。
あの日、彼の暴走をさらに煽ってしまったのは僕だ。
そのためにツナは力を封印され、ダメツナといわれるほどに
ダメダメになってしまったのだ。
全て、僕のせいで・・・
「雲雀さん、あの・・・大丈夫ですか、雲雀さん。」
聞き覚えのある、鈴のような声。
重いまぶたを無理やりに持ち上げ、
かすんだ視界の中に彼女をみつける。
クローム、髑髏?
「君、どうして僕の部屋にいるの?」
重い身体を起こしながら、
サイドテーブルに置かれたトンファーに手を伸ばす。
「動かないほうがいい・・・。骸様が、雲雀さんの様子、見てきてほしいって・・・。」
風邪で、思考が鈍った頭で考える。
そうか、骸とは契約でつながっているから・・・
僕の異変を察知できたというわけか。
握り締めていたトンファーを、
いとも簡単にクロームに奪われる。
寝ていてください、とだけ言うと、
クロームは部屋を出て行った。
- Re: (REBORN!)あの日の炎に消えた記憶 ( No.18 )
- 日時: 2009/12/24 16:51
- 名前: 秋空 (ID: OK7TThtZ)
HN変えましたvv
元哭辿です^^
改めて宜しくです!!
呼びタメOKですので!!
- Re: (REBORN!)あの日の炎に消えた記憶 ( No.19 )
- 日時: 2009/12/26 20:42
- 名前: 風梨 (ID: lP7eWhd3)
話的にはすごく興味深いんですよね〜
こんな思考を働かせる人もいるんだって感じで。
- Re: (REBORN!)あの日の炎に消えた記憶 ( No.20 )
- 日時: 2010/01/01 18:00
- 名前: 朝陽 (ID: nWEjYf1F)
秋空へ
お久しぶりですね!
改めてよろしくお願いいたします。
風梨さんへ
そうですか?
こんな駄文なのにですか?
- Re: (REBORN!)あの日の炎に消えた記憶 ( No.21 )
- 日時: 2010/01/01 18:04
- 名前: 朝陽 (ID: nWEjYf1F)
(第二十二話)
ぱたりと言う音を立てて閉まった扉を
僕はしばらく見つめていたが、
鋭い痛みが足に走り、ベッドに倒れこむ。
サイドテーブルにおいてあった薬に手を伸ばし、
水もなしに一気に飲み込む。
(石化が、また少し進んだ・・・)
痛みに耐えながら、毛布にくるまる。
ひざ上まで進行した石化と、
ひざまでの義足から、
急激に冷えが伝わってくる。
僕の身体は、あとどれくらいもつのだろうか。
そんなことをぼんやりと考えているうちに、
また眠気に襲われる。
体調が悪いことも重なってか、
僕はすぐに眠りのふちへと追い込まれていった。
***
「おい、おまえ!あいつ、あとどれくらいもちそうなんだびゃん?」
「あいつじゃわかんないよ、犬。」
「うっせーぞ、柿ピーには聞いてないびゃん。」
階段から降りてきたクロームに、犬がぶっきらぼうにたずねる。
「わからない。でも、骸様がまだ大丈夫だって・・・。」
そう答えながら、クロームは電話の子機を手にし、
ボタンを押し始める。
「誰にかけるの、クローム。」
まったく表情を変えずに千種が問いかけると、
クロームも無表情に答える。
「ボスの家。今日はディーノさん、来てるって、骸様が。
私、料理できないから、誰かできる人に来てもらおうと思って・・・。
あっ、ボス?私。」
「クローム?どうしたの、うちに電話なんて。」
「ディーノさんに、変わってほしいんだけど・・・」
クロームが電話をしている間、
犬と千種はおとなしく会話の様子をうかがっていた。
「なぁ、柿ピー。」
「何?」
「跳ね馬って・・・料理できんの?」
「・・・」
(第二十三話)
部屋は闇に沈み、カーテンの隙間から
うっすらと月明かりが漏れている。
身体はまだだるい。
ゆっくりと身体を起こし、薬に手を伸ばす。
寝る前に飲んだ薬は進行止めと睡眠薬だが、
今飲もうとしている薬はさっきの薬とは少し違う・・・。
それにしても、階下がずいぶんと騒がしい。
クロームが誰かを呼んだのだろうか。
またも扉をボーっと見つめていると、
階段を上がる足音が複数聞こえた。
サイドテーブルに置いた霧のリングを手にし、
骸に呼びかける。
霧が一瞬にして僕を包み込み、
いつもの、“雲雀恭弥”の姿に、
僕を塗り替えていく。
(まったく、あなたという人は・・・本当に仕方ありませんね。)
扉が開かれる瞬間、骸が小さく、
僕に笑いかけた気がした。
「おっ、雲雀起きてるぜ、ツナ。」
最初に部屋に入ってきた山本武が、
後ろを振り向きながらツナに話しかける。
「えっ、ホント、山本?」
扉の向こう側から僕の部屋を覗き込み、
沢田綱吉は驚きの表情を隠せないようだ。
開け放たれた扉の向こうには、守護者の面々と、
ビアンキ、ディーノ、ハル、京子の姿がある。
「クローム、そいつら、僕の家に勝手に上げたの?」
いつもの雲雀らしく、不機嫌さを隠さずに
悪態をついてやると、獄寺隼人が犬のようにほえる。
「てめぇ、せっかく十代目のお母様が
御好意で看病してやったってのに、
なんだその言いぐさは!」
「別に、頼んだ覚えは無いよ。」
言葉では悪態をつきながらも、
内心では“十代目のお母様”
という単語に、動揺を隠せない。
十代目のお母様———それは、
ずいぶんと昔に別れた我が母、
沢田奈々。
(第二十四話)
そんな僕の気も知らず、
彼らはズカズカと部屋に入ってくる。
ビアンキが僕の顔色をうかがっている。
この中で僕の本当の姿を知るものは
ディーノとクローム、そしてビアンキだけだ。
日本で男として一人暮らしすると決めた僕の、
相談相手になってやってくれと、
家光らが彼女に話したのだ。
ビアンキには本当に感謝している。
戸籍を男にして生きると決めたからといっても、
やはり僕は、女には変わりないのだ。
そんな時、何も言わず力になってくれたのが
彼女だった。
自分のことを覚えていない母を、
わざわざ病気の時につれてくるようなやつがいるか、
と、僕は怒鳴ってやりたい気持ちに駆られた。
おそらくビアンキは反対したのだろうが、
しつこく反対すれば怪しまれると考えたのだろう。
ディーノはそういうことに関してはかなり鈍い。
きっと何も考えず、母をここに連れてきたのだろう。
それよりも、僕のことが心配で心配で仕方が無いと
目が訴えている。
「大丈夫か、恭弥?」
顔を覗き込んでくるディーノの言葉が、
僕の胸をチクチクとつつく。
“恭弥”、いやにその名前が頭に響く。
彼だけが、僕を恭弥と呼ぶ。
誰もが僕を雲雀と呼ぶから、つい錯覚しそうになる。
僕は雲雀として、ここにいてもいい、許された存在なのだ、と。
けれど、“恭弥”と呼ばれるたびに、僕は思い知らされる。
僕はもう、雲雀ではなく、“雲雀恭弥”なのだと。
雲雀を、誰よりも認めていなかったのはディーノではないか。
そして、誰よりも雲雀恭弥を憎んでいたのも、
僕ではなく、ディーノだったのかもしれない。
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