二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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d.gray-man 真実
日時: 2009/12/12 20:17
名前: アリス (ID: ce5YjIdo)

オリキャラありの小説です←

オリキャラありとか有り得ん!!
というかDグレって何?
という方はすいませんが即Uターンww


自作のオリキャラww


◇エクソシスト


名前[九条 アリス]
年齢[14歳]
性別[♀]
誕生日[3月21日]
血液型[A型]
国籍[日本]
性格[脳天気で基本笑顔。人見知りが少なく誰とでも話せる。ドSで毒舌家。嫌いな人は徹底的に避ける。コムリン病にかかっているwwその副作用のせいかコムイも大嫌い。近付かれると殴り飛ばす又は蹴り飛ばしてしまう。美人と言うより可愛い系で、人懐っこい]
外見[茶髪に茶色い目。身長は150㎝ぐらい。超悩んでるらしい]
その他[神田が大好きでユウって呼んでいる。コムイが大嫌い]



◇イノセンス

名前[心ノ真偽]
形[刀]
色[今は赤色]
型[装備型でも寄生型でもない奇妙な型。アリス自身の意志で出し入れ可能。出す時は手の中にいきなり現れ、入れる時はパッと消えるらしい]
その他[黒(話すことが出来る)と名付けられていて、心を通わせている]



まだまだキャラは増える予定ですw
これからも末永くよろしくお願いします!!


(※前に消えたことがある小説なのでプロローグから始めます)

Page:1



Re: d.gray-man 真実 ( No.1 )
日時: 2009/12/12 20:21
名前: アリス (ID: ce5YjIdo)

プロローグ




「やだ!!こんな嫌な記憶私いらないよっ!!!!」






彼女はそう叫んだ。
頭を押さえ込み、彼女はへたっと座り込んだ。
涙を流しながら彼女は夢だ、夢だ、と呟き続ける。




「残念ながら夢ではありませン」




耳まで裂けた大きな口。
大きな大きなシルクハットを被り。
長い長い耳がチラリと横から覗いている。

その男は彼女に近付いた。






「やだっ!!止めてっ!!!!」

「止められませン」





ニタリと微笑みながら男は彼女の額に手を当てた。

その途端。

彼女は叫び出した。

男はその光景を見つめながら笑う。
男がゆっくりと手を離した。

彼女はがくりと膝から倒れ込んだ。







「新たな人生の、始まりですヨ」








男がそう言った時、彼女は立ち上がった。
そして・・・。



やだ。
止めて。
怖いよ。
助けて。









誰か!!!!




***



私は思いきりベッドから飛び起きた。
夢だったんだ、良かった。
そう思いながら安堵の息を漏らした。



第一夜「ダンケルン村再来」


「無駄にリアルな夢だったな・・・。忘れたけど・・・」


歯を磨きながら私は呟いた。
どんな夢だったかは忘れてしまった。
けど飛び起きるということはあまり良い夢ではないのだろう。
起きた時冷や汗もかいていたし・・・。

私はそう思いながら団服の袖に手を通した。


「そういえば私がここに来てからもう3年にはなるのかな・・・」


毎日任務任務で忙しいけれどそれなりにやりがいのある仕事。
それが3年ともなると日に日に生活にも慣れる。
最初の方はまだ焦ってばかりだったのに。

団服に袖を通すのが日課なんておかしいな。

私はフッと笑って団服をきちんと着てから扉を開けた。


「あれ?何か挟んである。書類かな?」


床に落ちている紙の束。
誰かが落としたのかな?
ここはよく科学班が出入りしたりしてるし・・・。

えぇっと、内容は?

私は紙を拾い上げ、内容を見た。


「あれ?これ私宛の書類じゃん」

「そうみたいですね」


そう言いながら書類を覗き見しに来たのはアレンだった。


「うわ!?アレン!?」

「僕と一緒みたいですよ、任務」

「アレンと?久し振りだねー」

「前回任務内で喧嘩して以来じゃないですか?」


前回の任務で私とアレンはある理由によって喧嘩をしてしまった。
そしてそれが恐らくお偉いさん方の耳に入ったのだろう。
それ以来アレンとの任務はなかった。


「ま、結構長期になるみたいだね」

「今回はそうみたいですね」

「えっと、名前は・・・?」


書類に記されていた奇怪があるとされている村の名前は・・・。


「ダン、ケルン村・・・?」


少し昔ユウがレベル2のアクマと死闘をした場所。

何故またこの村が・・・?

不安は広まるばかり・・・。



第二夜「レッツゴー!!ダンケルン村」


「お、アリス起きたか?」

「「リーバー(さん)!!」」


通りがかったリーバーに二人して詰め寄る。
リーバーは少し焦った様な顔をしながら後ろに逃げた。


「何で逃げるんですか!!」

「怖いんだよお前等!!何だ、用件は!?」

「このダンケルン村・・・ってユウがやっつけちゃったんじゃないの!?レベル2のアクマを!!」


リーバーは少ししかない髭をさすった。
そして少し悩んだような顔をしてから口を開いた。


「俺等にも分からないんだよ。ダンケルン村は確かに神田のおかげで誰もいなくなった。けどそれからしばらくしてミッテルバルトの奴等がダンケルン村に用があって行ったらしい。そしたら確かにいなかった筈のダンケルン村には以前と同じ様に人が住み、家畜もちゃんといた。要するにだ。俺等はこれをイノセンスのせいじゃないかと思ってるんだ」

「な、長すぎ・・・」


長すぎる話はよく分からない。
アレンも頭に?マークを浮かばせていた。
簡潔に纏めると。

住人が一人もいない筈のダンケルン村に人がいたと言うこと。

それが最大の謎である。


「アリスもアレンも分かってくれたみたいだな。とりあえず行って来てくれ」

「はいはい・・・」

「行って来ますね」


アレンは微笑む。
私は少し疲れた様に下を向いた。

この謎の多すぎるダンケルン村・・・。
今度こそ謎を解いてやる!!

・・・なんか名探偵コ●ンみたい。


***


私達は数時間かけてダンケルン村への入口へと辿り着けた。
ダンケルン村へ行くには途中に森を通る必要がある。
その森が怖すぎる。
鴉が飛び交い、大きな怪しい木がそびえ立っている。

こんなのをユウは通ったのだろうか。


「此処ですか?ダンケルン村への入口って」

「そこみたいだね。うぅ・・・何か怖い雰囲気が漂ってるじゃん・・・」


私はアレンにしがみつきながら森にゆっくりと入って行った・・・。



第三夜「喧嘩なんて見ている方は大抵つまらない」


「ァ・・・アレン?」

「何ですか?」

「何か・・・ヤな予感する・・・」

「僕もです・・・」


寒気を感じ、冷や汗が出る。

鴉が私達をつけて来ている気がするのは気のせい?
・・・恐らく気のせいだろう。
気のせいじゃなかったら恐ろしく怖い。

その時。

ふと感じた殺気。
アクマ!!

私はイノセンスを発動させた。
アレンも気付いた様でイノセンスを発動させた。

二人して一点の方向を見つめる。
そこにアクマがいる筈だから。


「出て来たらどう?もうばれてる」


がさっと音がして、小さめの身長の男の子が姿を現した。
男の子は怯えた様な顔付きで私達を見つめた。

・・・まさか、アクマじゃない・・・?

男の子の怯えた顔付きはまさに人間。
私達を見て怯えるだけなんて人間以外有り得ない。


「君、なんて名前?」

「アリス!!どうしたんですか!?そいつはアクマかも知れないんですよ!?」

「私達を見て純粋に怯えるのがアクマ!?私達を見たら襲いかかって来るのがアクマじゃん!!」

「そんなお人好しだからいっつも任務終わったら傷だらけなんですね!!やっと分かりましたよ!!」

「五月蠅いな!!アレンだって人とアクマ両方救済するなんて甘えたこと言ってるじゃん!!」

「甘えたことじゃありません!!実際に実現出来るから言ってるんです!!」

「ブローカーなんかはどうするの?これだからアレンは・・・」

「ブローカーは・・・。何とかします!!」

「何とかの部分を聞きたいんだってば!!」

「アリスに教える義務なんて全くありませんよ!!」

「私だって聞きたくなんかないもん!!」

「聞きたいって言ってたのはどこの誰ですか!!」

「どこかの誰かさんじゃない!?」


はっと気付いた。

こんな言い合いしている場合じゃない。
今は任務に専念しなければならない・・・。


「こんな言い争いいつまでも続くよ!!とりあえず今は任務に集中!!」


私はそう叫んだ。



第四夜「怪しい奴って基本アクマ」


「それで君の名前は?」

「僕は・・・メル」


メルなんて珍しい男の子には似合わない名前。
親のセンスを疑ってしまう。

未だに怒っているアレンを見つめ、メルは呟いた。


「・・・聖職者って変人ばっかなんだね・・・」

「え?」

「ううん。何もない。僕もうすぐお昼御飯なんだ!!村に一緒に付いてきて!!」

「い、良いけど・・・。アレン、どうするの?」

「僕は知りません。アリス一人で決めて下さい」


ちょっとムカッとしたけど、そこを気にしたらまた喧嘩になってしまう。
私はアレンを完璧無視してメルの方を見た。


「私達も同行させてもらうね」

「ありがとう!!僕一人じゃ怖かったんだ。来て!!」


メルに手を引かれ、私は付いて行った。
着いた先はダンケルン村。

ユウが来たと言っていた時よりだいぶ違うみたいだ。
想像とかけ離れすぎている。

この村で何が起こったの・・・?


「お姉さん達しばらく此処にいるの?」

「うん。色々調べたいこともあるの。宿とかある?」

「あるけど、営業してるか分からないから聞いてくるね!!」


そう言ってメルは近くの家に入って行った。
少しの沈黙が流れ、嫌な雰囲気になる。

ついさっきまではメルがいたから大丈夫だったけど・・・。
アレンと二人きりになっちゃうと気まずいな・・・。
アレンまだ怒ってるみたいだし・・・どうしよう。


「あっ、のさ・・・アレン・・・ッ」

「お姉ちゃん達!!宿営業してるって!!」


仲直りしようと思って話し掛けたが不発に終わった。
アレンは私の前を軽く通り過ぎ宿の方へと足早に去って行ってしまった。

私が怒らせてしまったんだから、当然・・・だよね。


「お姉ちゃん、行こうよ!!僕お姉ちゃん達から他の村の話聞きたいな!!」

「・・・うん。分かった^^」


ぎこちない笑みを浮かばせ、私はメルの後を追った。
そんな私を見つめる者が一人・・・。


「メル・・・よくやってくれたな・・・。聖職者なんて嬉しい客を連れて来てくれて・・・」


そんな声は私の耳に届かなかった。



第五夜「油断大敵!?怪しい村ダンケルン村」


宿に入ると笑顔で迎えてくれた少女。
天使の様に綺麗な容姿。

海の様に綺麗な瞳。
なびく金色の髪。

天使と言うのが相応しいその風貌。
思わず見惚れてしまいそうだ。


「こんにちは。旅の方ですか?」

「まぁそんな所です。貴女の名前は何て言うんですか?私は九条アリスって言います」

「私はソフィアと言います。ミッテルバルトで針子の仕事をしています」


ソフィア!?
体が強張る。
まさかユウが倒した筈のアクマじゃ!?

…優先は聞き込み。
とりあえずはそれが優先だろう。


「この村は風情があって良いですね。いつ頃からあるんですか?」

「そうですね…。ええと、結構前になるんじゃないかしら?」


ソフィアは微笑んだ。

話が矛盾している。
ユウがこの村でアクマを倒したのはついこの間。
そしてソフィアさんが言うにはこの村は結構前からあるらしい。

…おかしい。


「そうなんですか…。前に私の知り合いが訪ねて来たんですけど、来ましたか?」

「?最近は全く来訪者もありません」

「…失礼ですがソフィアさんに妹はいますか?」

「はい。今は二階で療養中ですが、どうかなさいましたか?」


どういうこと?
此所はユウがアンジェラを倒す少し前のダンケルン村?
訳が分からない。

…けど……。

これもきっとイノセンスの現象かアクマの能力。
なら…油断は出来ないよね…。
油断大敵!!
ここに何かがあることはほとんど確実…だね!!


「面倒なことに気付きやがって………」

「え?」


何処からか声が聞こえた気がしたのは私だけなのだろうか?



第六夜「やっと仲直りww」


「アリスどうかしたんですか?」


ほとぼりも冷めたのかアレンが普通に接してきた。

まぁ私ももう怒ってないけど。
他のことに目が行ってるし。
というかそもそも何で喧嘩したんだっけ?
・・・どうせつまらないことだよね。


「何もないっ。あとで聞きたいこと山程あるの!!」

「誰にですか?」

「ソフィアさんとか・・・アンジェラさんとか!!」


ついこの間ユウが倒した筈のアンジェラさんのアクマ。
その根源となる人が今も存在している。
そんな話信じられる訳がない。
きっと何かの奇怪。
そう考えるとイノセンスの奇怪としか考えられなくなっていく。


「あの・・・部屋にご案内してよろしいですか?」

「あ、はい。すいません」


アレンが深々と礼をした。
このソフィアさんは、本当の「ソフィアさん」なのだろうか。
誰かが呼び戻したのならアレンの左眼で気付けるはず。

・・・ならこの「ソフィアさん」は本物?
考えすぎて頭が痛くなってきた。

頭を押さえながら二階に上がると、弱々しい声が聞こえてきた。


「ソフィア・・・」

「アンジェラ!?どうしたの!?」


ソフィアさんが部屋に飛び込んだ。
その中にいたのは「アンジェラ」と呼ばれる少女。

部屋の中にずっといるせいだろう。
彼女の肌はゾッとする程白かった。


「あら・・・お客様が来たの?」

「うん。でも大丈夫。私が部屋をお貸しするから」

「あ・・・。あのっ、ソフィアさんの部屋なら私達廊下で寝ても構いませんが・・・」

「いいえ。客人をもてなすのが私達です。客人に気を遣われてはいけません」


ソフィアはそう言って微笑んだ。

アクマ。
それには見えなかった。
ただ、私達を精一杯もてなそうとしてくれている少女にしか見えない。

じゃあ・・・この村は、一体なんだって言うの・・・?



第七夜「アクマorイノセンス」


私達は部屋に入った。
いかにも女の子が使っていました、という感じが分かる。
ソフィアさんの部屋・・・か。

とにかく今は現状を分かっていないアレンに全てを教えた方が良いのかも。

私はアレンに一つ一つ説明を始めた。


***


「・・・要するに、この村にいる筈のない人間が生きているってことですか?」

「うん。幽霊には思えない。だって透き通ってないじゃん」

「そんなアバウトで良いんですか!?でも実質ちゃんと形もありますしね・・・」

「ちゃんと理由がある筈なの。この村の人間が生き返った本当の理由が」


何故生き返った?
イノセンスか、はたまたアクマか。
もしかしたら本当に幽霊なのかも知れない。
どこにもその確証はないけれどその仮説もある。


「じゃあソフィアさんとアンジェラさんが生き返っているならこの村の人間全て実は死んでいるってことですよね?」

「そう、だろうね。最悪の場合全員アクマなんてことも有り得るよ」

「それなら僕の左眼が感知しますよ。この村に入った時何も感じませんでしたし」

「ならアクマの仮説は消えるね。じゃあやっぱりイノセンスが影響なのかな・・・」


でも私はなんとなくアクマが一番怪しい仮説だと思う。
さっきからアレンは気付いていないけど私にだけ聞こえて来る謎の声。
あれは私達を見張っているアクマの声なんじゃないだろうか?

いつでも殺せる。
そういう感じがした。


「じゃあコムイさんにとりあえず今の現状を報告しましょうか」

「そう・・・だねぇ・・・」

「リーバーさんで良いか・・・」

「そうしようそうしよう!!」

「あからさまに喜ぶの止めたらどうですか^^;」


結局電話したらコムイが出たのだけれど。



第八夜「ノア出現!?」


「と、とりあえず説明は終わったね…っ」

「難関が終わったみたいな言い方ですね」

「私にとっちゃ難関だよ;んで、住人に聞き込み行く?」

「それが一番かも知れませんね」


アレンは立ち上がった。
そして一人で部屋から出て行った。
あとを追う様に私も部屋から出て行った。


***


聞き込みをするがたいして有力な情報を手に入れることは出来なかった。
村人に話を聞いても有力な情報は手に入れられないみたいだ。


「行き詰まりましたね…」

「駄目だね…」


私達は歩き回って疲れた為森に一番近い所に座り込んでいた。
もうお手上げだ。

その時。
ガサッと音がして私達より小さな老婆が現れた。
その老婆は私達を見て、ニタリと微笑んだ。
……アクマ!!

老婆の皮が弾け飛び中からボール型のアクマが飛び出した。
レベル1。
大丈夫。
スゥッと深呼吸をしてイノセンスで切り裂いた。


「僕の左眼が効かなかった…」

「伯爵も考えて来たんじゃない?アレン対策用に」


落ち込むアレンを慰めながら老婆の皮を見つめた。
やっぱりこの村は…何かがおかしい……っ!!!!


***


「あーあ…。バカなアクマだな。ちゃんと一人でいる時に殺せって言ったのに…」

「ノ、ノア様申し訳ありません…っ」

「……許さねぇよ^^」


ノアはアクマの頭を捻り、体と頭をバラバラにさせた。
もうアクマの意識はないだろう。
血が滴り落ち、他のアクマは怯えていた。


「俺の勘に触る様なこと言わなかったから助かったのに…^^」

「す、すいませんでした…。メル様」

「ま、お前は許してやるよ。今回だけな^^」


メルはアクマに笑い掛けた………。



第九夜「ノア化」


「またしても行き詰まった…;」


本日二度目となるその言葉を呟いてから大きな溜め息をついた。
アレンとは別れて単独で聞き込みをしてみたけれど全然良い情報はない。
きっとアレンも同じなのだろうな…。

私は床に座り込んだ。
草が柔らかくて良い気持ちだ。


「ねぇ、お姉ちゃん…」


いきなり声が聞こえたので驚いて私は立ち上がった。

またアクマ!?
違う…!!


「メル…君だよね?」

「うんっ!!あのねっ、お姉ちゃん達何か探してるみたいだから僕もお手伝いして良い?」


メルが上目遣いで私を覗き込んだ。

手伝って欲しいけど……。
この村に何かがあるのは分かってる。
何かは分からないけど連れて行ったらもしかしたらメルに被害が及ぶかも知れない。
私が守り切れる保障はないのだから。


「ご、ごめんね…気持ちだけ受け取っておくね…」


メルは呆然として涙をポロッと零した。

ヤ、ヤバい!!
泣かせてしまった!!

私が焦ってハンカチを出そうと思ってポケットを探した時。
お腹に激痛が走って、自分のイノセンスが私に刺さっていた。
血が滴り落ち私はゆっくりと引き抜いた。

な、何でイノセンスが…っ!?
私は発動してない…!!


「まだ気付かないの?やっぱ聖職者ってバカだらけじゃん」


私の目の前に立っている筈のメルは消え、後ろにメルによく似た少し大きい少年が立っていた。

だ…誰…?
意識が朦朧として来た。


「俺?俺は手っ取り早く言っちゃうと…ノアだな」

「ノ…ア…?」

「そう。ノア化するとメルの姿じゃ力不足な俺はノア化すると年がちょっと上がるんだよ」


じゃあ…今此所にいるノアは…メル…!?


「そろそろ死ぬんじゃねぇか?」


メルの言う通り私の意識はもうほとんどなくなっていた…。



第十夜「秘密☆(←ウゼ」


まだ、死にたくない。

頭の中でその言葉が交差する。

違う。
死にたくないんじゃない。
死ねないんだよ・・・私は・・・。

虚ろな目で私は去って行くメルを見つめた。
視界がぼやける。
これから、アレンの所に行くのだろう・・・。

行かせない・・・っ!!

執念と言うのだろうか。
私は最後の力を振り絞って立ち上がった。
イノセンスを片手にメルの元に走り出す。


「な・・・っ!?」


かろうじての所でメルに避けられてしまった。
私の意識はもう、なくなっていた・・・。


***


ゆっくりと目を開けた時。
既にメルはいなかった。
傷は既になくなり、癒えていた。
痛みもない。
そして傷跡もない。


「やっぱり・・・」


この間からおかしかった。
エクソシストになった、その時から・・・。

私はユウの様に傷が瞬時に治る能力を持っていることに気が付いた。
まぁユウ程早くはない。
治りは遅いし・・・それに治った後に激痛が伴う。
すぐに激痛は止まるけれど・・・。
みんなに悟られたくはない。
こんな嫌な能力があるだなんて。
まるで、アクマの様。


「アレンを、助けなくちゃ!!」


私は急いでアレンの元に駆けだした。
まだあまり時間は経っていない筈!!
ならもしかしたらアレンの元に行っていないかも知れない!!
もし助けられなかったら・・・どうしたら良いんだろう・・・っ。












”貴方の生存価値は仲間を守ること、だものね・・・”


どこか遠くで聞こえた気がした。

Re: d.gray-man 真実 ( No.2 )
日時: 2009/12/13 22:09
名前: アリス (ID: gTez.RDd)

第十一夜「末路」


私はアレンを助ける為に、走った。
もうそれは風の様に。
通り過ぎて行く村人達が私のことを虚ろな表情で見つめた。
勿論、ソフィアやアンジェラも同等だった。
私のことをギロリと見据え、村人達は私に襲いかかって来た。

…嗚呼、悲しき人間の末路。

私はイノセンスを発動させ、目の前にいる人間達…もといアクマ達を次々と粉砕した。
叫び声が響き渡る。
これが、断末魔というのだろう。
私は人間…いや機械共が立っていないことを確認すると足早に立ち去った。


「アレン…お願い…ッ!!無事でいて…!!!!」


切に願う。

アレンは、「仲間」じゃない。
大切な…「友達」だから…。

私が駆け付けた時に既にアレンは頭から血を流して倒れていた。
私はアレンに駆け寄った。


「アレン…!?ノア…ッ!!ノアは!?」


アレンの意識は途絶えていた。
生きてはいる。
けれど、意識がないだけ。
私はホッと溜め息を漏らした。


「ア………リス……?」


フッと声が聞こえた。
アレンが意識を取り戻し、ヨロヨロと立ち上がった。


「アレンッ!?そんな体で…ッ!!駄目だよッ!!!!」


私がそう叫んだ時。
グニャリと空間が歪んだ。
視界がおかしくなったのかと思った。
けれど、違う。
だんだんと景色が変化していく。
そしてまだ新しかった筈の家が古びていく。

これが、メルの能力…!?


「当たりだ。これが俺の能力〜」

「…ッ!!??」


いつの間にか私の後ろに立っている、ノア。
ニッコリとは微笑んでいるものの、どこかおぞましく感じる。

      ゲーム
「そろそろお遊戯にも飽きて来ちゃったし、止めるわ。ちなみに俺のメモリーは「幻」な。よぉ〜く覚えとけよ?そこのエクソシスト共。んで、また生きて会えたら良いのにな…」


そう言うとノアは姿を消した。

これが、ダンケルン村の最後の時間だった。


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