二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 涼宮ハルヒの嫉妬
- 日時: 2010/01/06 20:56
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
あけましておめでとうございます&お久しぶりでーす。長らく受験モードでしたが、勝ち抜くことが出来ました。また、これからも『涼宮ハルヒの嫉妬』を御ひいきください♪
つきましては、また初めから書き直してゆこうと思います。あれだけ進んでいたので、実はクライマックスがどうなるか……もう決まっていました。楽しみにして頂けたら嬉しいです。
—登場人物—
・キョン(本名不詳)
本作の主人公。全作品を通しての語り手でありツッコミ役も兼ねる。涼宮ハルヒ絡みの厄介ごとを背負い込む苦労人で「やれやれ」としばしば口にする。性格は事なかれ主義。理屈っぽくよく愚痴をこぼすが、文句を言いつつも人付き合いはよく、お人好し。
・涼宮 ハルヒ
ヒロイン。黄色いリボン付きカチューシャを着けている。美少女ではあるが、性格は唯我独尊・傍若無人・猪突猛進で感情の起伏が激しく、情緒不安定になりやすい。実は『どんな非常識なことでも思ったことを実現させる』という、神にもなぞらえられるほどの力を持っている。
・長門 有希
いつも無口で無表情だが、知識欲、食欲は旺盛。谷口曰く容姿はAランク−。読書を好み、いつも何かしらの本を読んでいる。正体は、情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。平たく言えば人造『宇宙人』。
・朝比奈 みくる
真面目で気が弱い性格。キョンに「朝比奈さんより可愛い生物はいない」と言われるほどの超美少女。正体は、はるか未来から来た『未来人』でハルヒの監視係だが、まだ研修生以下の見習いレベルでほとんど権限が無い。
・古泉 一樹
いつも微笑を浮かべ穏和な物腰をしており、学校でも女子からの人気は高い様子。正体は『超能力者』であり、その集団である組織・「機関」に所属する。現在の性格や表情などは「ハルヒの願望」に沿った演技であるらしく、そうした演技を強いられる不満をキョンに漏らしたことも。
・島尾 日和
今作品オリジナルキャラクター。自転車に乗るキョンと人身事故をしかけたのがきっかけに彼と親しくなる。元北高校の生徒だが、家族を亡くしたため退学せざるを得なくなり、親戚をたらい回しにされていた。しっかり者ではあるが、若干天然なところがあり、ハルヒ並みの常軌を逸した発言もしばしば垣間見れる。
感想・意見など、遠慮なくドンドン書き込んで下さい! 待ってます!
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- Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.6 )
- 日時: 2010/01/06 21:15
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
俺は毎日往復する長く急な坂を下り、自転車置き場まで走って降りた。すでに学校中を走り回った後だから下り坂でもかなり足にくる。
「ハァ、ハァ……」
体力の限界を感じつつも、一目散にハルヒの家へと自転車のペダルをこいだ。
「今頃はもう古泉は神人と戦っているのだろうか……」
色んなことが頭に浮かび、わけが分からなくなりそうだ。そしてようやく……——
「着いた……」
何回か見たが、中々の豪邸だ。
不審者に見えないよう、深呼吸をしてバテバテのこの状態に回復を図った。
「ふーっ! 」
だいぶ落ち着いてきたところで、家のインターホンに指を掛ける。しかし、妙に緊張する。ハルヒに何と言って謝ればよいのか……
「いや、素直に謝ればいいんだ……」
俺は覚悟を決めてインターホンを押す。
「ピンポーン」
寂しげにインターホンは鳴った。そして数秒後
「はい……どちら様でしょう……?」
女性の声だがハルヒの声ではない。母親だろうか……?
「あ、夜分遅くにすいません。ハルヒさんの級友の……」
俺は一応礼儀正しく挨拶をし、名乗ろうとしたが、
「まぁ、もしかしてキョン君?」
なんと、母親にまで俺のあだ名は浸透していた。しかし、なぜ級友と言っただけで俺と分かったのだろうか?
「は、はい。そうです」
どぎまぎしながらも俺はちゃんと返事をした。
「ちょっと待っててね、今ハルヒ呼ぶわ……」
随分と気さくな母親なようだ。
「はい、お願いします」
しかし、いざハルヒに会うとなると緊張する。言うべきことは決まっているというのに……すると
「もしもし……? 」
ハルヒだ!
「俺だ。話がある……」
緊張が募ってか、言葉が硬くなる。
それに、すぐに謝るのも変だろう。
「…………いいわよ、入って!」
「お? おう」
俺はてっきり外で謝ればいいとばかり思っていただけに、少し動揺した。
「どうしたの? 早く入んなさい! 」
気のせいか、いつもより怒りがあらわだ。
「わかった……」
俺は快く承諾しハルヒの家に入った。
「お邪魔します……」
正直、ハルヒの家に入れられるとは思っても見なかった。
- Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.7 )
- 日時: 2010/01/06 21:20
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
「いらっしゃい。どうぞごゆっくり」
先ほどの母親だろうか。ハルヒにかなり似ている。
「はい。ありがとうございます……」
しかし容姿はさることながら性格の程は天と地のようだ。
「ほら、こっちよ! 」
「あぁ……」
ハルヒは奥の部屋からひょこっと顔を出した。その表情にいつもと変わりはない。
ハルヒについて行くと恐らく自分の部屋であろう、「HARUHI」と書かれたドアを開く。
「入って」
表情は変わっていないが、いつもと雰囲気が違うのは気のせいだろうか。
「…………」
ハルヒのことだからとんでもない魔窟のような部屋だと思っていたのだが……
「案外普通だな」
思わず俺は、間の抜けた反応をしてしまった。
「何言ってるのよ……部屋の隅に椅子あるからそれに座って」
「あぁ」
俺は言われた通りに椅子に座り、ハルヒは自分のベットに腰掛けた。
すると、ハルヒは突然こんな話を持ちかける。
「キョン……私さぁ、最近思うんだけど『友達と恋人の境界線』って何だと思う? 」
突然何を言い出すのだ?
「……友達と恋人の境界線?」
俺は何を言っていいのか分からず、ただ、ハルヒの言うことを繰り返した。
「そう。私思うんだけど、好意を持つってだけじゃ恋人同士にはならないじゃない? でも、持つんじゃなくて伝えるのなら、恋人になれるかもしれない。だけど『持つ』と『伝える』ってそんなに違うものなのかしら……」
ハルヒらしくない恋模様の話は俺に何かを感じさせた。
「……——俺はさ、恋愛経験なんて無いに等しいし、付き合ったことなんてそれこそ無いけど……誰かが俺に好意を寄せるとして、それが分かるとしたらやっぱ『伝える』しかねぇんじゃねえかな」
俺は、取り合えずハルヒの応答に答えた。
「……そうよね」
俺にはハルヒが酷く落ち込んでいるように見える。そこで俺はこう切り出す。
「……でもよ。恋人じゃないにせよ、ずっと一緒に行動してきて、そいつの気持ちを考えずに暴言吐いちまったヤツの気持ちも『伝える』しかねぇんだよな」
俺はとうとう踏み切った。
「……え? 」
あどけない表情がハルヒを包んだ。そして、
「ハルヒ……本当にすまん!!」
俺は椅子から降りハルヒに謝った。
「キョン……!」
ハルヒが動揺しているのがすぐにわかった。
「あの後、すぐに思い知らされた。俺とお前は『関係ない』なんて軽く言えた仲じゃない」
正確には朝比奈さんに悟らされたわけだが、そこは省いた。
「……弁明ってわけ? 」
「あぁ」
ハルヒの軽く赤みがかった頬を見て、俺は順応して言う。そして、それに対するハルヒの反応は……——
「もういいわ。許してあげる」
甲高いハルヒの声が部屋いっぱいに響いた。
俺が頭を上げたとき、少しハルヒの瞳が潤んでいるように見えたのは錯覚ではないだろう。
「ハルヒ……!」
喜びのため息と共に心の雲が一気に晴れた気がした。
かくして、一連の喧嘩は俺の過運動というリスクのみを負い解決した。はずだが……——
「しかーしッ! 」
ハルヒは元の元気を取り戻したのだが、先ほどの言葉を前言撤回するように俺に人差し指を向けた。
「……? 」
だがさっきのような不安はもう感じられない。恐らくはいつもの無理難題を俺に強いようとしているのだ。
「ただ許すだけじゃ面白みがないと思わない……? 」
ニヤけるハルヒ。
嫌な予感がガンガンする。今までの経験上このシュチューションでろくな目に遭っていない。
「何をするきだ……? 」
取り合えず、聞いては見た。
「何怯えてんのよ! 別にアンタは何もしなくていいの! 」
一体何を……?
「デコピンよ! 」
「はぁ? 」
俺は予想だにしない始末に驚いた。
「それでチャラでいいわ! ほら、するの?しないの? 」
まぁそれでいいなら、構わないが。
「……さっさとやれ! 」
俺は立ち上がり、ぶっきら棒に言った。
「ちょっとやり辛いからかがんで! 」
もはや恐喝に近い。軽く恐怖を覚える。
「おう……」
俺は言われたとおりかがんでハルヒの手が近づくのを目を瞑って感じた。その時……——
キュッキュッ!
俺の額にマジックか何かで文字を書かれてるように思える。
「ハルヒ……お前何してる? 」
俺は目を瞑ったまま、ハルヒに問うた。
「細かい事気にしない!ほらいくわよ……そりゃッ! 」
ビシッ!
「痛ってぇー !!! 」
本気でやりやがった。しかもメチャクチャ痛い。
「これで許す! 」
ハルヒも少し痛かったのか、自分の指を気にしつつ、俺の額もなでた。
「ところで、お前おれのデコに何書いたんだ……?」
おもむろに俺は部屋の鏡を覗き込もうとした。が、しかし……
「だ、だめーッ !!! 」
勢いよく、ハルヒは俺と鏡台の間に入る。
「何なんだ一体? 」
今度は顔を真っ赤にしてそこに立つハルヒを見て俺はしぶしぶ後ろへ下がった。
「家に帰るまで絶対に見ちゃダメよ! いい?分かった? 」
ハルヒは俺の耳を引っ張り、大声で言う。
「うおぉ……耳がガンガンする」
本当に痛かった。が、それ以上に俺の心は何かに満たされ、いつもなら怒るところを笑って過ごせた。ハルヒに対する悲愴感……——これは今後一切抱きたくない。
- Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.8 )
- 日時: 2010/01/06 21:23
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
ハルヒとの別れ際に笑みを浮かべて帰ったのは初めてだ。そんなに仲直りしたことが嬉しかったのだろうか……
「それじゃぁ、お邪魔しました」
ハルヒ母に例を言い、俺は帰路に着こうとしたその時……
「一つ、いいかしら? 」
俺を呼び止める質問が入った。
「何か? 」
俺は首だけを後ろに向け聞いた。
「あの子……ハルヒがあんなに感情的に話す男の子なんて始めて見たわ。何か特別な間柄なの? 」
どうやら、この人は完全に俺達のことを恋人同士だと思っているらしい。
「どうしてそう思うんですか? 」
俺はあっけらかんと質問した。
「そりゃぁ、あれだけ大きな声であんなこと話してたら会話がを聞きたくなるじゃない……『関係ない』なんて軽く言えた仲じゃない——なんて」
クスッとハルヒ母が微笑んだ瞬間、廊下を走る音が俺達に近づいてきた。
「こんのぉーッ……出歯亀野次馬 !!! 」
「あらららー今の聞いてた? 」
ハルヒ母は冷や汗をかいて苦笑いしながら言う。
「盗み聞きしてたの ! ? 」
ハルヒは真っ赤な顔で怒鳴り散らす。
にしても、好奇心の旺盛さはまさにこの親にしてこの子有りって感じだな。
「あははー……わ、悪気はなかったのよ? 」
もはや、しどろもどろだ。
「何で、そんなことしたのよ! 」
ハルヒは恥ずかしさからか、質問攻めを始めた。
「何でって、そこに『愛』があるから……——」
すごい言いわけだ。
「そこに山があるからみたいに言うなー !!! 」
ごもっとも。
しかし、ハルヒもこんな顔もするんだな。
「でもさ……アンタもお年頃っていうか、最近やっと らしくなって来たじゃない? キョン君の存在がそうさせたのかしら? 」
突然、ハルヒ母は真剣な話を始めた。
「何を言って……」
そして、ハルヒはそのことについては完全否定はしなかった。
「ありがとう……キョン君」
ハルヒ母は優しい目つきでお辞儀をした。
「あ、いえ、俺は何も……」
親子間の争いに唖然としていた俺は、ようやく開放された気分だ。
「キョン !!! 」
だが、ハルヒは近所迷惑も考えずに俺に叫んだ。
「……何だ?」
俺は平然と聞く。
「明日、24日は予定空けときなさいよ! 」
24日……クリスマス・イブか。
「わかった」
そう言えば、クリスマスに予定入ることなんて今まで、なかったな。
「いい?忘れたら承知しないんだからね! 」
やれやれ、波乱の年末になりそうだ……
- Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.9 )
- 日時: 2010/01/06 21:23
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
俺は自転車に乗り、一直線に自分の家に帰った。正直、今の俺は色々なことが困惑しすぎていてわけがわからなくなっていた。だが、まずやるべきことは決まっている!
額に何を書かれたのかマジで気になってしょうがない !!!
「今思うとハルヒの母親が薄っすら笑っていたようにも見えてきたな」
しゃかりきに自転車をこぎ続け、俺はとうとう自分の家に着いた。
「…………? 」
しかし、家の前に見慣れた人影がいる。
「何の用だ? 古泉」
俺は自転車から降り、警戒心むき出しで古泉に質問した。
「いえ、お礼もかねてと思いまして」
これからさも何かが起こると言いたげだ。
「お礼……? 」
分かっていながらも、俺は質問をした。
「神人ですよ……あなたのお陰で、比較的楽に仕事ができました」
「そりゃよかったな」
俺は余所見をしながら答えた。
「しかし、一体どうやって、涼宮さんの怒りを鎮められたんです? 」
こいつには空気を読むとかそんなことお構いなしのようだ。
「さあ? 俺にもよく分かんねぇよ」
俺は家の塀に腰掛け、言う。
「そうですか」
「……まどろっこしいな。どうせ用事はまだあるんだろ? 」
俺は確信を聞いた。
「……飲み込みが早くて助かります。ところで、明日、クリスマス・イブは本来何の日かご存知ですか? 」
古泉得意の禅問答だ。
「キリストの誕生日の前夜祭だよな? 」
俺は一般常識を答えた。
「その通り。しかし、日本のクリスマスではイブがほとんどの主体を占めています。本祭より前夜祭が盛り上がるのはおかしいと思いませんか?」
確かにそうだが……
「何が言いたい?」
俺は本音を聞きたいわけで、ご高説を所望してはいない。
「まぁ、あせらずに。つまり、本番を目前に盛り上がり過ぎないように、ということです」
爽快な笑みを浮かべて古泉は言った。
「一応聞くが、本番って何だ?」
まさか、と思いつつ聞いた。
「それは……ご自分の額に書いてある文字を読んだ上で、それでも分からなければもう一度僕に尋ねて下さい。では、今日はもう遅いですし、おいとまさせて頂きます」
半笑いで古泉は言い、去って行く。
「お、おい!」
古泉を言い止めるも、俺の次の行動はすでに決まっていた!
- Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.10 )
- 日時: 2010/01/06 21:25
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
第二話 デステニー デイ
「…………」
無言。ただそれだけ。
正直、何が書いてあるのか気になってしょうがなかったのだが、実際にこの眼で見てしまうと見なければよかったと思うことが多いだろう。しかし、鏡で額を見ながら言うセリフでもないことは確かなようで、
『大好き』……——ただそう書いてあったのだ。
ハルヒに似つかない。いや、らしくないと言った方が妥当だろうか? なぜならハルヒは決して素直ではないからだ。
ハルヒのことだから、同じニュアンスを書くにしても相当遠まわしに書くだろうし、その上『大』なる文字をつけるだろうか……?
まぁ、かくあれハルヒの気持ちを俺は大いに理解してしまった。
俺はハルヒが言ったことに同調して自分の気持ちを伝え、謝った。そして、ハルヒも行動を持って自分の気持ちを伝えた。
それは、ハルヒは俺の辛辣な言葉に怒っただけでなく、無関係扱いされたことに『悲しみ』もしたのだと言うことを示した。
ハルヒは『俺』を想っていたのだ。
俺は……どうしたらいい?
— 翌日 —
妹が無理矢理起こしに来る10分前。すなわち午前7時ジャストに俺は目が覚めた。
夢一つ見なかった俺は爽快な気分だ。何の序章もなく、平和な時間がただただ過ぎて行く。だが、うかうかもしていられない。ハルヒとの約束があるからだ。
「はぁ……」
俺は訳もなくため息をした。いや、心地よさの余韻に浸りたかったのかもしれない。と、そんな折……
「キョンくーん! 起きろーッ! 」
妹がお約束のごとく、俺の布団に飛びついて来た。だが、今日は一足早く起きたため、飛びついたのはもぬけの殻。
「残念だったな」
俺は皮肉そうに妹に言った。
「ムムムム……」
妹は何やら頬をふくらませ、唸っている。
「いじけるなよ。ほれ、いい加減降りろ」
俺は、布団にうずくまっている妹を引っぺがし、リビングに連れて行き、一緒に朝メシを摂った。
その後、俺は手早く身じたくを済ませ、玄関へ向かう。
「いってきまーす」
普段どおりの風景と日常を感じながら俺は自転車に乗った。
「うぅー。だいぶ寒くなってきたな……」
コートにうずくまり、白い息を吹かしながら俺はいつもの通学路を進んだ。道は霜が蔓延り、よく見れば、草木の表面は凍りついて非常に幻想的だ。まさに冬の朝という感じだ。
しかし途中、氷の張った部分が道にいくつも見受けられた。気を付けなくては……——
学校までは自転車が主な通学手段であり、壊れでもしようものなら毎日が遠足状態だ。
だから思う、これからの出来事でハルヒとの関係がより複雑化して行くだろうことを……—— それは偶然の出来事だった。
「うわぁッ !!! 」
「え ?! 」
甲高いブレーキ音。狭まる視界の先に唖然とする少女——
俺はとっさに自転車から乗り出で、無理矢理自転車を倒し、最悪の事態を免れた……——
その日、俺は角から突然走って出てきた女の子を危うく自転車にぶつけるところだった。
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