二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ヘタリア 〜短編小説〜
日時: 2010/01/23 15:54
名前: フウ (ID: H1hkB7zj)

はじめまして。フウと申します!
ヘタリアが大好きなので、短いお話をぼちぼち投稿していきたいと思います。

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Re: ヘタリア 〜短編小説〜 ( No.4 )
日時: 2010/01/25 10:16
名前: フウ (ID: qTwvrcL4)

WWⅡ中のイタリア、ドイツのお話です。
切ないっぽいお話です。あとここの短編集ではキャラクター名はすべて人名です。



「全くお前はいつもいつも・・・!少しは真面目に意見を出せ!」
「ヴェー、ルートが怖いよー・・・・。」
ここはどこにでもあるような小さな酒場。そこには一本のくるんとしたアホ毛が特徴的な男と、がたいのいい厳つい男というおかしな二人組が酒を飲み交わしていた。・・・・・もっとも、その空気は和やかとは形容しがたいが。
「大体お前は空気を読まなすぎだ!やれパスタはアルデンテ派だのピッツァのチーズはやはりスイス産がいいだの!お前の脳内は飯のことばかりか!!」
「ご、ご飯のことばかりじゃないもん!きれいなおねいさんのことだって考えてるもん!」
「それをやめろと言ってるんだ!!」
「ひぃいいぃいい!やっぱり酒が入ったルートは怖いよー!!」
いつもはここまで声を荒げることのないルートヴィッヒだが、戦争による疲労やストレスなどが溜まっている今、アルコールが入り日々の鬱憤が多少ながら顔を覗かせるのだろう。
大体、フェリシアーノが戦争会議が終わった直後飲みに行こうなどと誘ってこなかったのなら、ほぼ100パーセントの確率でこのような場所にはいなかっただろう。家が遠いからという理由で菊はこの場にいなかったが、もしそうでなかったら自分と同じような顔をしていたに違いないとルートヴィッヒは思った。
・・・はっとして顔を上げれば、そこにはヘラヘラと笑いながら自分を見ているフェリシアーノが。少しムッとした表情を返すが、それでも相手は笑顔のままだ。
「なんだ。なぜ人の顔を見て笑う。」
「うーん。怒らないでよー。別にルートの顔が面白くて笑ってるわけじゃないからさー。」
ただねーと前置きして、フェリシアーノははっきり言った。

「うれしいなー、って思って。」
「うれしい?」

これは流石のルートヴィッヒも頭に疑問符を浮かべる。人の怒る顔を見て喜ぶ奴は、(まあ、世の中にはサディストという人種がいるが、)あまりいるものではないし、相手がこいつとなれば尚更だ。なぜだ?

「うん。だってさ、さっきの会議でのルートの顔、今の怒ってる時より怖かったんだよ?」

菊もそうだったなーと言う瞳は、ついさっきまでのおちゃらけた雰囲気のそれと同じだ。・・・・ただ、空気だけが冷たくなるこの空間に、ルートヴィッヒは戦慄を覚える。

「二人ともすっごい怖い顔して、ここを爆撃したらこれだけ相手に被害が及ぶーとか、相手の兵隊さんをより効率的に殺すには××の兵器がいいーとか、みんなが震えあがるような事を当たり前だってみたいに話すんだよねー。たまに鬼みたいに笑ってさー。」
「・・・・・・・・。」

カラン、と水割りされたブランデーの海に浮かぶ氷塊が音を立てる。それを一気に飲み干し、プハーと息をつくフェリシアーノを、ルートヴィッヒは黙って見つめた。

「会議が終わった後さ、俺みんなにお疲れーって言ったでしょ?その時二人とも・・・・・、なんていうのかなぁ?やっと嫌なことが終わった、みたいな顔で笑ったんだ。どうして?嫌な事ならさっさとやめて、パスタ食べてどこかでゆっくり遊んでシエスタすればいいのにー。」
そこでフェリシアーノは志を同じくする同盟国の顔を覗く。若干酔っているのか、・・・・・それとも違う意味でか、ゆらゆら揺れている目で。


「ねえルート。この戦い、いつになったら終わるのかなぁ?」



「・・・・・・・さあな。」
今答えるのには、それが精一杯だった。

その気持ちを知ってか知らずか、彼はまたへにゃーとわらいながら、のんびりとカウンターにうつぶせる。数分後、それは心地よさそうな寝息が聞こえてきた。
「・・・全く、こいつは・・・・・。」
「困りましたねえ。起こした方がよろしいですかい?」
「いや、いい。それより次の酒を入れてくれ。」
「かしこまりました。」
そう言って頭を下げたオーナーの声を聞きながら、ルートヴィッヒはフェリシアーノの口がもごもごと動いていることに気づく。耳を傾けると、彼の寝言らしき言葉が聞こえてきた。

「・・・戦いが・・・・、終わったらさぁ・・・・、みんなで、俺の家に遊びに来れたらいいなぁ・・・。ローマじいちゃんが造った・・・建物、・・・・すごいんだよぉ・・・・。」
「・・・・・ああ、そうだな。」

「その次は、・・・ルートの家で・・・・ビールとヴルスト食べて・・・・・。春に、なったら、菊の家の桜も・・・・見にいきたいなあ・・・・・。」
「・・・・・・・そうだな。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・それも・・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みんな・・・・・・・・。」

みんな、一緒に。

言い終える前に、フェリシアーノの目は完全に閉じ、夢の世界へと入って行った。
ルートヴィッヒは何も言わない。だが、フェリシアーノを見つめるその瞳には、どのような感情が宿っていたか。
オーナーが、新たに酒を注ぐ。そのアルコール飲料はコップのなかでゆらゆら揺れ、それを覗きこむ人物をおぼろげに写し出した。



眠りの中では良い夢を


最後の題名は好きなマンガのキャラのセリフから頂きました。(ちなみに前回のラストの言葉も題名のつもりです。わかりにくくてすいません・・・。)
それにしても、フェリがフェリじゃない(笑)。

Re: ヘタリア 〜短編小説〜 ( No.5 )
日時: 2010/01/24 22:24
名前: 風梨(カゼナシ)+2 (ID: sZYVBtdn)

泣ける……泣けます!!
 私、ルート大好きなんですよ(泣
ホント感動しました!!
 やばい、、ちょっと涙が……。

Re: ヘタリア 〜短編小説〜 ( No.6 )
日時: 2010/01/25 19:05
名前: フウ (ID: P3tfcyrF)

> 風梨(カゼナシ)+2様

 わあぁあ泣かないでくださいぃいい・・・!
 ルートは真面目すぎる分書きやすかったですよ。
 『感動しました』、最高のほめ言葉です!
 コメントありがとうございました!

Re: ヘタリア 〜短編小説〜 ( No.7 )
日時: 2010/01/26 21:57
名前: フウ (ID: /WceXK1W)

時期はいつくらいとは決めていませんが、独立戦争からちょっとたったくらいのアメリカのお話です。(若干イギリス。)
またしても切ないです。いつか明るい話もかきたいなあ・・・。



ジリリリリ。どこから鳴っているのか、ベルの音が響く。
≪あ、————だ。やっと来てくれた!早くドアを開けなくちゃ。≫
そこにいるのは、まだまだ幼いころの俺。ベルが鳴った途端、パッと顔がほころぶ。
・・・・・・ああ、ここは懐かしいあの家だ。短い間だったが、————が俺のためにと造ってくれ、住んでいた場所。
・・・・俺は、ここにいるのにいない。そこでこれは夢だと気づく。何故ここで気づいてしまったのだろうか。どうせ気付くなら目が覚めてからの方がよっぽどいいのに。夢の中で夢とわかるのも滑稽なもんだ。だからといって俺の身体が起きない限り、これから覚めることもないのだから。
幼い俺は急ぎに急いで鍵を外す。開くドアから覗く人物に、俺は勢いよく飛びついた。

≪おかえりっ、————!さみしかったよー!!≫
「—————————————、—————————?」
≪今日は前にくれた人形で兵隊ごっこやろう!————が兵隊さんを動かしてね!≫
「————?—————————?」
≪もちろん僕はヒーローだよ!≫
「———。————————!」

————は憎まれ口を叩きながらも、どこか嬉しそうで。ぐしゃぐしゃと照れ隠しのように俺の頭を撫でる。俺は喜びを隠そうともせず、ただただ幸せそうに笑っていて。
俺は無意識に手を伸ばす。届かない。とてもとても近いはずなのに、何故。
声の限り叫んだ。・・・・・・聞こえない。何故、・・・・・・・・何故!?

二人は俺を残したまま遠ざかっていく。待って。待って。
俺だけを置いていかないで。


遠ざかる君の背中

Re: ヘタリア 〜短編小説〜 ( No.8 )
日時: 2010/01/31 07:01
名前: つぼみ (ID: 0ZzzaL.w)

返事後れました・・・。
ごめんなさい!
次のお話も楽しみに待ってます!


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