二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Collection
- 日時: 2010/03/22 12:32
- 名前: Aina (ID: .95dj.fM)
ラーメンズのコント「採集」を膨らませて書いてみようと思います。
設定はコントと変わりません。箸休めにでも読んで頂けたら嬉しいです。なお、ネタバレを含む為、はじめに元ネタのコントをyoutubeなどで見ておくことをおすすめします。
Page:1
- Re: Collection ( No.1 )
- 日時: 2010/03/22 12:40
- 名前: Aina (ID: .95dj.fM)
俺は、何処かすりきれていたのかもしれない。
ただ働いて、食って、寝るだけの毎日。そんな日々に嫌気がさしていたんだろう。だから、あの電話に飛びついた。
仕事が終わって、店のシャッターを下ろしていた時だった。
地元の友達から電話がかかってきた。声を聞かなくても分かる。ジャックだ。俺はエプロンのまま電話に出た。
「はい、もしもし…」
疲れている所為か、かなり声は眠たい。相手は失礼だと思っただろうが、それをおくびにも出さずに応対してくれた。
「もしもし、プリマ?」
受話器から懐かしい声が流れた。昔に比べれば少し声が低くなったか。俺は期待に胸を弾ませた。
「一度、こっちに帰って来いよ。お前も疲れてんだろ?」
どきっとした。何だか、自分の汚い部分を全部見透かされた様な気がして、思わず言葉に詰まった。
「大丈夫だよ、俺達親友だろ?」
その一言で、不覚にも俺は安心してしまったんだ。
「そうだな…今度の連休はどうだ?空いてるか?」
店の方は臨時休業にすれば大丈夫だ。俺はすぐにYESと答えた。
- Re: Collection ( No.2 )
- 日時: 2010/03/22 17:14
- 名前: Aina (ID: .95dj.fM)
東京から遥かに遠い田舎の街。
セブンイレブンも本当にセブンオープン、イレブンクローズの何も無い閉ざされた場所。そこから俺は抜け出し、ジャックは残った。
その事実は、意外にも大きい違いだった。
「久しぶりだな…」
からからとキャリーを引きずってフェリーから降りる。田舎の空気をいっぱいに吸い込みながら、俺は迎えの車を待った。
五分程経った頃。
「おーい、プリマ!」
一台のワゴン車が俺の前に停まった。中からジャックが大きく手を振って俺を呼んでいる。
「良かった…無事着いたみたいだな!」
「ああ、おかげさまで…」と言ったきり、俺は涙が止まらなかった。
「どうしたんだよ、俺何か…」
「いや、なんか…嬉しくて」
Page:1
この掲示板は過去ログ化されています。