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- 漆黒炎—REBORN— 《第二章 ヴァリアー編》
- 日時: 2010/06/25 18:00
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
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《Lacquer black flame》—漆黒炎
《パラレルワールド》ボンゴレ十代目の生まれ変わり——・・・。
パラレルワールドで、白に殺され唯一無二の世界に生まれ変わる——・・・。
《漆黒炎》という通り名を持ち、その名の通り黒き炎を操る。
—・・・この世界の俺・・・君なら・・・——。
時間軸はヴァリアー編前から。
・目次
第零話 狂い咲き
《第一章 零から始まる世界》
第一話 喪失感
第二話 懐かしき人物
第三話 異世界転移時
第四話 前兆
《第二章 ヴァリアー編》
第五話 雷の守護者
第六話 邂逅
第七話 決戦前
第八話 晴の守護者戦
第九話 時雨
第十話 雷の守護者戦
第十一話 避雷針
第十二話 二十年後
第十三話
第十四話
第十五話
- Re: 漆黒炎—REBORN— 《第二章 ヴァリアー編》 ( No.9 )
- 日時: 2010/06/21 18:36
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第八話 晴の守護者戦
夜中、並中へ集まるようにチェルベッロに言われ、俺は夜の並中に脚を運んだ。
「もう始まっちゃってる?」
「テメェおせぇんだよ!」
俺は苦笑いで光っているリングを見た。
そこにはお兄さんが戦っていた。
「マキシマム・・・キャノン!」
攻撃が当たる。
瞬間頭上の照明が全て壊された。
全員がサングラスを取って晴れやかな顔をする。
俺は、苦しそうに顔を歪ませた。
「・・・ダメだ・・・」
「え?」
すると、ルッスーリアが同じ技を遣って退けた。
「ヴァリアークオリティ・・・」
「え・・・」
「・・・」
リボーンの視線が判る。
俺は胸を押さえて、蹲った。
「ダメだ・・・ダメだ・・・」
「刹那サン?」
すると、お兄さんの拳がルスーリアのメタルニーで砕かれる。
「右手まで・・・」
「お兄ちゃん・・・?」
「!」
全員が振り返った。
そこに居たのは京子ちゃんと、黒川。
俺は繭を細める。
「お兄ちゃん止めて・・・喧嘩はしないって約束したでしょ!」
(普通の喧嘩だと思ってる・・・)
俺は苦笑いで京子ちゃんを見た。
するとお兄さんが立ち上がる。
「お兄さん、京子ちゃんの為にも勝たなければいけない!」
「刹那さん・・・?」
俺は声を張り上げる。
「お兄さんは・・・絶対に、絶対に・・・!」
「判ってる・・・」
完全に立ち上がった良平さんが顔を上げた。
しっかりした意思で、ルッスーリアを見据えた。
「マキシマム・キャノン!」
「な、」
—バキィッ
メタルニーが砕かれ、ルッスーリアの膝を壊す。
ルッスーリアはもがいた。
俺は、眼を閉じる。
—バンッ
「!」
ルッスーリアが倒れこんだ。
「やる時はやる、流石ボス補佐のゴーラモスカ」
赤ん坊が喋る。
俺は眼を開けて、ルッスーリアに眼をやる。
「弱者は消す・・・か・・・」
チェルベッロが宣言した。
「晴のリング争奪戦は、笹川良平の勝利です」
「明晩の対戦は・・・雷の守護者対決です」
リングをモスカから渡されるお兄さん。
セットが崩れ始める。
「コレはお前に渡しておくぞ」
「・・・一つ埋まった」
俺は、フッと笑って、帰り道を振り向いた。
「オイテメェ!」
獄寺君が俺を止めた。
「お前・・・何者だ・・・!ヴァリアーの事、チェルベッロの事まで知ってやガって・・・」
俺は、複雑そうな顔をした。
「・・・ゴメン、まだ話せないんだ」
俺はソレだけを言うと、帰り道をたどった。
「・・・アイツ信じていいんですかね・・・十代目」
ツナは、しっかりした眼で答える。
「信じていいと思うよ・・・」
◆
「ヘェ・・・アンタ、俺達の事知ってんだ」
帰り道、相手のヴァリアーの守護者が話しかけてきた。
俺はその言動も全て無視して歩き続ける。
「何とか言えよ」
「俺は、お前には負けないから」
—もう、失うのは嫌だから。
「ハンッどっち道勝つのは俺だ」
「・・・」
相手は去って行った。
俺は、夜空を見上げる。
- Re: 漆黒炎—REBORN— 《第二章 ヴァリアー編》 ( No.10 )
- 日時: 2010/06/22 15:24
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第九話 時雨
「・・・ランボの対決か・・・」
俺は一人、刀を鞘に収めた状態で手に持ち、竹寿司を訪れた。
「スイマセン・・・」
「お、君が刹那君か」
「あ、ハイ・・・」
「ソレは?」
山本のお父さんが俺が手に持つ、鞘に納まった状態の刀を指差した。
俺はソレを持って、笑ってみせる。
「山本君の授業を、手伝おうと思いまして」
「そうかいそうかい、そりゃああり難いって物だ。コッチだよ」
「あ、ハイ」
俺は山本のお父さんに連れられ、修行場(という名の道場)に辿り着いた。
(懐かしいな・・・俺の前世には、もう、無かったけど)
「あ、刹那・・・だっけか」
「あ、ハイ。修行の手伝いを、したいと思いまして」
俺は刀を見せる。
コレは九代目に頼んで通って貰った特別製の刀で、絶対的に壊れ、傷つく事の無い刀だ。
俺はソレを鞘からゆっくり抜き取った。
銀色の刃が、美しく煌く。
「お手柔らかに御願いします」
「どっちも頑張れ」
山本の父さんはアハハ、と笑って見届けていた。
俺は刀を構える。
「行くぜ」
「・・・——」
記憶を、俺はたどる。
山本に教わった剣術。
無理矢理、習わされたようなものだけど。
「時雨蒼燕流・・・攻式八の型、」
「「!?」」
「篠突く雨」
—ザンッ
残激が山本に入った。
俺は山本を見た。
「スイマセンッ!力加減が・・・」
「何で時雨蒼燕流を知ってるんだお譲ちゃん」
山本のお父さんは俺を見た。
俺はアドける様にして言う。
「あの、昔、ですけど。友人に習われまして・・・」
少しだけ、嘘を吐いてしまった。
俺は苦笑いを浮かべる。
「そうか!だったら、仕方ないな」
(やっぱり山本だ!)
この時点で、自らがどんなものに所属しているか知らない・・・というか勘違いをしている山本。
ごっこだと思うのはある意味凄い。
「にしてもそろそろいかねぇとな」
「あ、もうこんな時間ですか!?」
(早く行かないとランボが・・・)
俺は急いで刀を持って走った。
- Re: 漆黒炎—REBORN— 《第二章 ヴァリアー編》 ( No.11 )
- 日時: 2010/06/22 16:10
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第十話 雷の守護者戦
今日は雨が降っていた。
雷がとどろいている。
「スマネェ遅れた!」
「おせぇんだよ!野球バカが!」
「あ、刹那さん・・・」
「こんばんわ」
俺はニッコリ笑って答えた。
「って刹那さん傘は!?」
「あぁ・・・俺は、要らないよ」
「風邪引きますって!」
「じゃあ、コレでも着てるよ」
俺はバサッと黒いマントを羽織った。
このマントは、初代ボンゴレが使っていたものと呼ばれている物だ。
「いよいよ第二回戦だな、気を引き締めてかからんとな」
「あ、はぁ・・・」
ツナは苦い顔で答えた。
ランボに眼をやれば、呑気に遊んでいた。
「何とか棄権できないかなー」
「心配すんなツナ、いざとなったら俺たちが割って入っから」
「ご心配には及びません!十代目!」
「皆・・・で、でも・・・」
「任せとけ!」
「それはダメだよ。そうすれば、助けようとした者、助けた者のリングが相手側に行くだろうから、だよね、チェルベッロ」
「ハイ、そうです」
「畜生・・・ふざけやがって・・・」
俺は、顔を俯かせた。
此処はパラレルワールドだ。
結果が、変わるかもしれない。
だとしたら——・・・。
「・・・ッ」
俺は、苦しげに顔を歪ませた。
「・・・」
「あちらをご覧下さい」
「あれが今宵の戦闘フィールドです」
チェルベッロが指を指した方向を一斉に見た。
「屋上!?」
—ピカッ
雷鳴がとどろく。
「な、何アレ・・・」
「(避雷針・・・——)」
俺達は全員で屋上へ上りあがった。
「今宵の戦闘エリアは雷の守護者に相応しい避雷針のエリア」
「名づけてエレットゥリコサーキット」
名づけなくてもいい気がするのだが・・・突っ込まないで置こう。
—ドォンッ
雷が避雷針に向かって落ちた。
「うわぁ!」
—ババババババッ
「床が光った!」
「このエレットゥリコサーキットの床には特殊な導体が張り巡らされていて、避雷針に落ちた電流が何倍にも増幅され駆け巡る仕組みになっているのです」
チェルベッロが説明をした。
「長ったらしい説明・・・」
俺はボソッと呟いた。
「そんな!立ってるだけで焦げ死んじゃうよ!」
「あいつら雷雨だと知っててこのカードを組んだな・・・?」
俺はチェルベッロを見た。
無表情だが、俺の世界でも同じだった。
嫌気が差すというものだ。
「ランボさんあれやるー!」
「遊園地のアトラクションだと思ってるー!」
ランボは何も判らず駆け出したのをツナが止めた。
「ちょっと待て!ランボ!危ないから!また角落として・・・!」
ランボが落とした角をヒョイッと獄寺が拾った。
「ったく十代目をわずらわせんじゃねぇ!」
獄寺が何かを角に書き出す。
俺はその角を覗き込んだ。
「これで届けてもらえるぜ」
「あほって・・・」
「ぐぴゃっ!」
俺は苦笑しながら、角を見ていた。
するとチェルベッロが口を開いた。
「雷の守護者は中央へ」
「対戦相手は二時間前からお待ちです」
「二時間も・・・!?」
どんだけまったんだよオイ。
俺は視線を向こう側へ合わした。
「で、でた!」
雷鳴の陰となっているから顔が怖く感じる。
俺は後ろへ少しだけ下がった。
「よし沢田!何時ものやるぞ!」
「え・・・何時もの?」
獄寺とランボ、俺までもが引っ張られて円陣を組まれる。
(懐かしいなぁ・・・)
「ランボーファイッオーッ!」
「おー・・・」
「・・・」
獄寺は真っ赤になりながらソレをやってツナも顔が真っ赤になっていた。
「でも本当に大丈夫なのか・・・コイツ・・・」
「判ってるわボケェ!」
「この勝負、心のそこからわかってなさそーッすね」
ツナがランボを自らの視線へあわした。
「ランボ!ちゃんと聞いて・・・」
ツナの眼が真剣なのが判る。
ランボの顔は判らないという表情でツナを見ていた。
「嫌なら行かなくていいんだぞ・・・」
「十代目・・・」
「父さんがどんなつもりで決めたか知らないけど、お前みたいなチビが戦うのはヤッパリ可笑しいよ・・・お前だって、あだ死にたくないだろ?」
ランボは、プイッと顔を背けた。
「ランボさんは無敵だからちなないよ」
「なあ!?」
「じゃーねー」
「ちょ、十年バズーカ撃っちゃダメだからな!大人ランボに止められてるんだ」
ツナはポケットから一つの古ぼけた角を取り出した。
(・・・ソレは・・・)
「ばっちぃ!いらね!」
「いいから!」
「じゃ、いくねー!」
トタトタとランボは、エリアへ向かっていった。
「ランボ・・・」
チェルベッロが、声高く宣言した。
「それでは、雷のリング、レヴィvsランボ、勝負開始!」
- Re: 漆黒炎—REBORN— 《第二章 ヴァリアー編》 ( No.12 )
- 日時: 2010/06/22 16:38
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第十一話 避雷針
「どーやって遊ぶのかなー」
ランボはエリアの上で遊んでいた。
俺はその光景に苦笑する。
「シュールな絵・・・」
「秒殺だね・・・」
「アホ牛!そこに乗るな!感電死するぞ!」
「ああー・・・やっぱり見てらんない!」
—ゴロロロロロロ・・・
—ビカァッ
「よけろ!」
避雷針に雷が落ちて、床に伝わる。
レヴィは上手く避けたが、
「ぐぴゃああああ!」
「ランボォ!」
ランボは地面に倒れこんだ。
「念のため生存確認を」
「その必要は無い・・・焼けた」
「うっ・・・」
ランボはゆっくりと立ち上がった。
全員が眼を見張る。
「うわぁぁぁぁ!いだいぃぃ!」
「!?」
「無事だ!生きてる!」
するとリボーンが山本の肩の上で説明をし始めた。
「幼少のころ、雷撃を受ける事でまれに起こる体質変異、電撃皮膚だぞ」
「クオイオ・・・?」
俺はリボーンの言葉をつなげた。
「電撃皮膚とは、電気を通しやすい皮膚の事だ。雷撃をくらっても、体の表面を通過して地面へ抜けるため、脳や内臓のダメージがほとんど無いんだ」
「ランボすげー!」
「雷撃となるだけでなく、ファミリーへのダメージを一手に引き受け消し去る避雷針となる、それが雷の守護者の使命だ」
俺は、苦しくなった。
まだ子供のランボを、戦わせる事が。
つらい。
するとレヴィが走り出した。
レヴィは何度もランボに攻撃を仕掛ける。
「ランボ!」
「消えろ・・・」
「や、やべぇ!」
「ランボ!逃げろ!」
するとランボは筒状の物を取り出して、自分に当てた。
その衝動でバズーカごと吹っ飛ぶ。
「やれやれ」
煙の中で声がした。
「餃子が最後の晩餐になるとは・・・」
「大人ランボ!」
「・・・!」
俺は顔をゆがめる。
—ボンゴレ!
「何で・・・思い出すんだ・・・」
大人ランボは避雷針を無視して雷撃を角に宿す。
「くらいな!エレットゥリコ・コルナータ!」
「貴様・・・目立ちすぎだぞ。雷の守護者として申し分ない働きをし、ボスから絶大な信頼を勝ち得るのは」
レヴィの後ろに収まった傘の様なものが開く。
「!」
「俺だ!」
「か、かさ!?」
傘がランボと同じく避雷針の役割をし、雷撃をランボへ当てた。
「やべーな、ランボでもあの電圧は耐えられねぇぞ」
「そ、そんな・・・」
ランボは泣き始める。
(マズイ・・・)
「逃がさん」
—ガッ
ランボの肩に剣さきが刺さる。
近くにおいてあったもう一つのバズーカを手に取り、自らにうちはなった。
「ど、どうなっちゃうの・・・?」
すると、周りにただならぬ気配が漂う。
(二十年後・・・)
俺は、少しだけ泣きそうになる。
「あ、ま、まさかアレは・・・」
—二十年後ランボ!?
「・・・クソ・・・」
俺は頭を押さえ、前世の記憶を、振り払うように苦しげに顔を歪ませた。
- Re: 漆黒炎—REBORN— 《第二章 ヴァリアー編》 ( No.13 )
- 日時: 2010/06/25 17:59
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第十二話 二十年後
「あ、あれが二十年後の・・・」
ツナはランボを見た。
ランボは重い口を開く。
「やれやれ、この現象。夢で無いとすれば随分と久しぶりに10年バズーカで過去へ来たようだ」
俺は、口に手を当てて、震え始める。
—涙が、頬を伝った。
「・・・刹那さん、お久しぶりです・・・本当に、」
俺は唇をかみ締めた。
「ホンとにアホ牛か・・・」
「なんだかランボ、頼もしいよ・・・」
するとランボがこちら側を向いた。
「彼方達とまた合えるとは・・・。懐かしい・・・なんて懐かしい面々・・・」
深く、深く意味が込められた言葉。
これからの運命が左右される言葉だった。
「泣きそうだが、感傷に浸っている場合ではなさそうだな・・・野蛮そうなのが、凄く睨んでいる」
俺はレヴィへと視線を合わした。
レヴィは剣を腰に納め、睨んでいた。
「お前が誰だろうと、消すまでだ」
ランボは落ちているリングを拾って、口を開いた。
「昔の俺は相当てこずったみたいだが・・・俺はそうは行かないぜ」
「ほざけ」
バッと背中に収められた傘が一斉に開く。
「消えろ!」
「やばい!またあの技だ!」
「(あの技は死角が無い技だ・・・どうする・・・)」
雷撃がパラボラへとためられた。
「くっ」
「死ね」
一斉に雷電がランボへと落ちた。
「ぐわっ」
更に避雷針にも雷撃が落ちた。
一斉にランボへと飛来する。
「やべぇ!電気の逃げ場がない!」
「ランボ!」
「奴はこげ死んだ。この電光、ボスにも見せたかった」
「やれやれ、何処へ行く?」
雷の中からランボが現れた。
「(流石だ・・・)」
「なにい!」
「みな、エレットゥリコ・リバース!」
ランボが地面へと手を置くと、体中に溜まった雷撃が全て受け流された。
避雷針の如く・・・雷の守護者らしい。
一斉に校舎の窓が割れ始める。
「何としてもお前は消す!心臓に直接電撃をくらえ!」
レヴィが走り出した。
「やれやれ・・・!?あれは・・・」
ランボは地面に落ちている角をすばやく取り、襲ってくる剣を防御した。
「一週間前にケーサツに捜索願まで出したのにこんな所にあったとはな」
「!?」
「今の攻撃でニスが剥がれ、また顔を出したか」
角を遠めで見てみる。
アレは・・・。
「幼少のころ、獄寺氏に書かれた屈辱的な文字が・・・」
つまり、あの角は二十年ごランボの物だったと言う事か・・・。
「次は逃がさん!」
「逃げるつもりは無いさ・・・サンダーセット!」
「愚かなその技は見切った。地名的ナ弱点があるからな」
「え・・・弱点?」
「そうだよ、リーチが短いから角に当たらないと効果はないし」
「そういえば!」
「昔の話さ」
ランボはニヤッと笑った。
電撃が伸びた。
「電撃が伸びた!?」
二つの剣と角が交差する。
効いているのはレヴィの方だった。
「ぐあああああ!」
「年季が違う。出直して来い」
「そんなばかな・・・こんな所で・・・」
「剣を引け・・・お前の命が・・・」
—ボフンッ
「!」
「ぐぴゃああああああ!」
「!」
「ああ!」
全員が驚きに表情を染めた。
ランボが倒れ込む。
「どうやら、バズーカの効果は最初の一発が当たってから五分間のようだな」
「そ、そんなあ!」
「ランボが・・・動かない!」
「やはり雷の守護者に相応しいのはお前でなく俺だ」
レヴィが重い足をランボの前においた。
全員が手を出そうと構えだす。
「まて、手を出せば失格になるぞ」
「!」
「その通りです。このエレットゥリコサーキットに一歩でも足を踏み入れれば失格とみなし、リングを没収します」
「くそっ」
レヴィの眼が血走っている。
このままじゃ・・・。
「消えろ」
何度も何度もランボをけるレヴィに一同が顔を真青にする。
「ランボ!」
ランボを思いっきり蹴り上げるレヴィ。
ソレを見てツナが前に出た。
「俺・・・ランボを守らなきゃ・・・」
—俺、ランボを守らないと・・・!
過去と同じ言葉。
俺は悔しげに唇をかんだ。
「しょーがねー奴だな」
「とどめだ」
「やめろー!」
「えぐい死体が見れそうだね」
「とっとと焼けぇ」
「死ね」
最後の一撃を繰り出そうとする瞬間、避雷針が倒れ込む。
レヴィは慌てて回避した。
—ドスゥン
「避雷針が!」
「風・・・じゃなさそうだな・・・」
「ああ・・・あの曲がり方は熱だね。熱が避雷針の細く弱い所を溶かし曲がっている」
「エレットゥリコ・サーキット全体が熱を帯びている・・・熱伝導・・・?」
「サーキットの外に・・・」
全員がその方向を見据えた。
俺は眼を細める。
「・・・ツナ・・・」
—シュゥゥゥゥゥゥゥ
「目の前で大事な仲間を失ったら・・・
死んでも死にきれねぇ」
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