二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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地獄少女の恋愛。〜今更地獄少女? とか言わないで!〜
日時: 2011/01/06 14:47
名前: 戯言遣い (ID: O/vit.nk)

 どうも、あんまりアニメは見ないけど漫画は読んでる戯言遣いです。さて今回は「地獄少女」という漫画(永遠幸さん原作)の二次を書かせて頂きます。二次小説は初めてなので、ご指導お願いします。

登場人物

・閻魔 あい(エンマ アイ)…女性
・白石 夢(シライシ ユメ)…男性

 

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Re: 地獄少女の恋愛〜キャラ崩壊注意!〜 ( No.22 )
日時: 2011/01/04 19:20
名前: 戯言遣い (ID: O/vit.nk)

「あ——あなた達」

 宮坂は、目を丸くして、たたずむ二人を見つめた。
 しかし、すぐに睨みつけて——

「私に逆らったら、どうなるか分かってるの?」
「——だから何だ」「——それが、何だって言うのよ」

 二人が、同時に宮坂に反論する。
 思い切り、宮坂を睨みつけて。

「お前みたいな女の力で、プロ野球選手になるくらいなら、そんなバット、へし折ってやるよ!」
「あんたみたいな奴に借りた金なんか、一枚残らず破り捨ててやる!」

 すごい気迫で、二人が怒鳴った。

 そして二人は、宮坂を追い詰めていく。


「——う、ああああああ!」


 宮坂は、逆上して——カッターナイフを持ち、二人に突進していった。

 何も、見えていない。
 この宮坂麗華の目には、自分の利益しか映っていない……!

「……くっ」

 私は、走り出していた。
 二人の前に出て——、





 ざくりと。

 そんな、音がした。



Re: 地獄少女の恋愛〜キャラ崩壊注意!〜 ( No.23 )
日時: 2011/01/04 19:37
名前: 戯言遣い (ID: O/vit.nk)

 沈黙が流れた。

 やがて、二人が叫ぶ。

「や、弥生……っ?」
「は、まな——……」

 あれ、痛くない?
 血も出てない。

「な、んで……」

 私は、冷静に——ゆっくりと、刺されたはずの部分に目をやる。

「!」

 そこには、かばんを突き破って——、



 藁人形に、カッターナイフが突き刺さっていた。



「それって、藁人形……か?」

 正人が、呆気に取られたように、呟く。

 見れば、宮坂は廊下に倒れていた。
 気絶しているようだ。

 しばらく、沈黙が流れ——、

「ねえ、弥生、地獄通信に——」
「そうだよ」

 私は、決心を決めた。

「私、宮坂を怨んでた。殺そうかと思ったことだってあるし、死んじゃえって思ったこともある」

 私の告白に、二人も驚いたような表情を浮かべる。

「だけど、怨みだって、私をつくってるんだって、分かったから。怨みだって、向き合えば晴れるってことが分かった」


「弥生……」
「浜名——」


「私は、怨みと向き合って、生きていく」


 二人は、しばらくの間、無言で私を見ていた。

 それで幻滅したなら、それでもいいと思っていた。
 私の生き方を否定するのも、当然だと思った。

 しかし、二人は——

「弥生、すごいよ」
「へ……?」
「浜名、格好いいな」

 亜美も正人も、笑ってくれた。

「あ……」

 大粒の涙が、こぼれた。

「だ、大丈夫か?」

 正人が、私の顔を覗き込んでくる。
 亜美も、心配そうに「怪我したの?」と言ってくれる。

 過去の怨みが、私を温かくしてくれる。
 過去の怨みが、私を前へと後押ししてくれる。

 亜美。
 正人。
 そして、怨みの象徴、藁人形。



「——ありがとう」



 私は、笑って言った。

 今までの怨みに。
 これからの、怨みに。

 怨みと向き合って、私達は生きていく。

 
 あの男は、いなくなっていた。

 ミサンガが、ぷちりと。
 ちぎれて、床にぱさりと落ちた。


『怨みと向き合って——お前は生きていけるさ』


 そんな、男の声が。
 私の耳に、温かく残った。

Re: 地獄少女の恋愛〜キャラ崩壊注意!〜 ( No.24 )
日時: 2011/01/04 19:42
名前: 戯言遣い (ID: O/vit.nk)

 後日談はありますが、浜名篇は終わり、になります。

 これから、閻魔あいと白石夢の二人の世界(?)となります(笑)。

 応援よろしくお願いします。

Re: 地獄少女の恋愛〜キャラ崩壊注意!〜 ( No.25 )
日時: 2011/01/05 14:04
名前: 戯言遣い (ID: O/vit.nk)

「はあ、お若いねえ……。やっぱり、青春っていいわ」

 若年寄のような呟きを漏らして——青年は、廊下で騒ぐ少年少女を見つめた。しかし、その青年も二十代半ばで、まだまだ若い。さっきまで、少年少女の中の一人に、耳元で助言していた。

 少女の足元には、切れたミサンガが落ちている。
 怨念の、象徴だ。

 少女は、自分の怨みと向き合い、成長した。
 この結果に、青年は満足そうに頷いた。

「うん。俺も女にフラれた怨みと向き合って……それは、まあいいか」

 なかなかの美形で、まだまだ青春なんていくらでもできそうな見た目である。ましてや、女にフラれるなんて、信じられないほどには、容姿端麗だ。

 その青年は、学校の外へ出て、駐車場に止めてある自分のバイクを探し始めた。

 本来なら、バイク通学は勿論、職員以外が車を止めるのは禁止なのだが、この青年は、注意されたら逆に殴り飛ばしてしまうくらいに、気性が荒かった。

「……おっ」

 どうやら自分のバイクを見つけたようで、青年は、小さく声を上げる。

 その視線の先には——超高級バイク。
 真っ赤な色をベースに、これまた派手な、炎のような模様の橙色。
 しかも、改造単車である。

 そして、その単車の脇に、高校生だろうか——それくらいの少年が、立っていた。これでもかというほど、校門の辺りを凝視している。

 この少年も、なかなか美少年である。しかし、その深い眼が追いかけているのは、セーラー服の少女だけであった。

「……何やってんだ? 若旦那」
「え、あ、ああ……ちょっとね」

 少年は、慌てたように、青年に焦点を合わせる。

「まるでストーカーのような目だったが……」
「え? いやいやいや、そ、そそそんなことは」
「ストーカーだったんだな……」

 はあ、と青年は左手で顔面を覆い、嘆息する。

「うん。閻魔さんって言うんだけど……同級生で、すっげえ綺麗なんだよ、まさしく芸術品! 周りの女の子がかすんじゃうよなっ!!」

 少年は「閻魔」という同級生について、これでもかというくらいの早口で語る。ものすごい溺愛(できあい)ぶりであった。

「で、若旦那」
「あ! その呼び方はやめてくれっつったじゃんっ!」
「はい?」

 少年が、急にムキになって、青年に反論した。
 そして、


「俺の名前は、白石夢なんだぜ! 夢と呼んで夢と!」


 だーん! と、高級バイクのハンドルを折らんばかりに叩く少年。

 はいはい、と青年は頷く。
 そして、少年の名を呼ぶ。



「はいはい——天国少年——夢旦那」



 天国少年。
 怨みからの救世主——白石夢は、

「なんだそれ! 夢旦那って、妄想乙女みたいなあだ名じゃん!」

 と、子供のように反論するのだった。







Re: 地獄少女の恋愛。 ( No.26 )
日時: 2011/01/06 13:08
名前: 戯言遣い (ID: O/vit.nk)

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