二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜
日時: 2010/12/12 15:57
名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)

どうも、気まぐれです

今回はサザエさん一家が、いきなり超能力を持つところから始まります

バラバラになった家族が平和に暮らせるためにサザエさん達が奮闘します

それでは、どうぞ!

第1章「選ばれてしまった家族」
>>1-

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Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.10 )
日時: 2010/12/08 13:14
名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)

長い沈黙をサザエが破る。
「超能力を譲るって・・・・・どうやって?」
その質問に丁寧に宇凪は答えた。
「超能力は特殊な脳波を使います。その脳波をコピーし、通常の脳波と結びつければ念力などが使えるようになるのです。もちろん、あなた方の特殊な脳波を通常に戻すことによって超能力を消滅させることも出来るのです。」
マスオは理解をしたようだ、それと同時に気掛かりなことを質問した。
「超能力をどのように利用するのですか?」
その一言で目を輝かせた宇凪が答える。目が輝いた理由は期待していた質問をされたからだ。
「たくさんの人間が超能力を使えるようにします。たとえば、マスオさんの予知を使えば地震や津波などが来る前に国民に一刻も早く避難指示が出来ます。フネさんの接触感応は殺人事件などの遺留品から犯人を見つけられますし、ワカメちゃんの瞬間移動とサザエさんの念力を使えば他国の災害現場に一瞬で駆けつけて念力で瓦礫などを持ち上げて人を助ける事も可能です。」

 興奮しながらも丁寧に超能力の応用例を説明した宇凪に警戒心を解いた一家の主が口を開いた。
「素晴らしいお考えで感動いたしました、協力いたします。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
礼をしっかりと受け止めたフネが続けて
「それで、どうすればいいのですか?」
「来週の日曜日に私がお迎えに上がります。しかし、それまでに超能力は極力使わないようにしてください。なにしろ、現段階では公式に認められていませんからね。」
ハンカチで軽く汗を拭ったあと、宇凪が立ち上がり玄関に向かった。
「ご協力感謝いたします、良き日本になるように首相と一緒に努力していきます。」
宇凪はそう言うと深いお辞儀をし、黒い外車で帰っていった。
「ふ〜、緊張したわ。まさか政府に協力するなんてね」
サザエが大きく深呼吸をすると、カツオがサザエを見ながら
「僕達、日本を救うヒーローになるんだね!」
と興奮しながら自分の部屋へ戻っていった。

Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.11 )
日時: 2010/12/10 22:46
名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)

 あっという間に約束の日曜日が訪れた。ワカメが外を見て午前9時の天気を確かめる、もうすぐ雨が降りそうだ。車のエンジン音が聞こえたので玄関を覗くと宇凪が車から降りてくる姿が見える、サザエが大きな声でそれぞれの部屋で支度をしていた家族を呼び出した。
「姉さん!その格好は恥ずかしいから止めてよ!」
カツオがサザエの服装を見て目を覆い隠した。サザエはいつものメイクよりも厚化粧と言ってもおかしくないほど施し、派手な黄色のドレスを着ていた。さらに玄関では赤いハイヒールを履き、カツオの顔を赤くさせる。外に出ると宇凪が待っていた。
「皆様、お待ちしておりました。それでは車内へどうぞ」
見るからに高級であろう外車に近づくと黒服の屈強な男がドアを開ける、恐らく磯野家のSPであろう者だった。
「まるで有名人の扱いだな、緊張してしまうな。」
声を震わせた波平が先に乗車した。続いてフネ、カツオ、猫のタマと順に乗っていく。最後にマスオを乗車させるとSPは家族の人数を確認した。
「7人と猫1匹で間違いないですね?」
「ええ、これで全員ですわ」
「それでは出発いたします、ここから研究施設までは1時間ほど掛かります。」
SPが運転を務め、エンジンを発進させる。エンジン音は意外と静かであった。

 出発して早々、緊張感の無い子供達がはしゃぎ始めた。冬の終わりであったが外は寒かったので車内の暖房が一家を暖める。はしゃいでいる子供の声の中から宇凪の声が聞こえた。
「これからの日程を説明いたします。施設に到着しましたら健康診断を受けていただき、異常が見つからなかった場合は私が超能力の脳波をコピーする場所までご案内します。全行程が終了するのは夕方ですので昼食はこちらでご用意させていただきました。」
そうしている間に景色は一気に都会へと変わってしまった。サザエ達が住んでいる町の雰囲気は無い。高級車の心地良さに慣れてきた頃、ついに研究施設に到着した。頑丈そうな門が独りでに開く。外車から降りると一家の目の前には東京ドームを遥かに上回る大きさの建物がそこに広がっていた。

Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.12 )
日時: 2010/12/11 21:49
名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)

 施設を見上げながら足を進めていく、施設内に入ったのは車から降りて5分が経ってからだった。中はとても広く、宇凪が言うには地下3階、地上10階建てらしい。サザエ達は2階でレントゲンを撮られ、病気などは無いか調べられた。結果は家族全員が健康であり宇凪は早速、一家を超能力の研究室がある地下3階にエレベーターで案内した。
「こちらが超能力の研究室でございます、それではお入りください」
「いよいよ、超能力が実用化される時が来るのね!」
ワカメは心臓が高鳴る音が聞こえるような気がした。宇凪はカードキーで研究室の扉を開ける。その瞬間、眩しい光が宇凪の目を襲った。
「くっ!なんだ、眩しくて目が見えない!」
何が起こったのか分からくなった時、高い声がした。
「みんな、私に付いてきて!」
光の中で一つの影が家族の前を通り過ぎる、気が動転したまま家族は影と一緒に走り出した。

 エレベーターに入ると影の正体が分かった。黒く長い髪が印象的な女性で身長は高く175cm以上はあるだろう、女性は一呼吸すると口を開いた。
「いきなり驚かしてごめんなさい。私の名前は海老野サクラ(えびの サクラ)ここで超能力の研究をしていたの。」
マスオは呼吸を整えるとサクラに聞いた。
「なんで、宇凪さんから逃げたんだい?」
「最初、私は超能力で人助けをするという宇凪の言葉を信じて研究を続けていたわ。だけど一週間前に宇凪が首相と電話していた内容を聞いてしまったの。」
「宇凪さんは何と言っていたのですか?」
続けてフネがサクラに聞く。サクラは数秒黙って口を開けた。
「驚かないで聞いて欲しいわ。奴らは超能力で世界を支配しようとしているの。」
その言葉に猫のタマも鳴き声を上げる。猫でもこの事態は危険だと気づいたらしい。
「あなた達に説明した超能力の利用法は全て嘘よ。瞬間移動でいきなり各地に現れて念力や発火能力で襲い掛かり、予知でいつ他国から攻撃が来るのかを知ることが出来る。つまり、超能力を悪用してこの世界を我が物にすることが奴らの目的だったのよ。」
全員が黙り込んでしまった、エレベーターは屋上に向かうらしい。
「私はあなた達がここに来た瞬間に超強力発光装置で宇凪の目を眩ませて、この施設から逃げる事を決意したわ。」
エレベーターが屋上に辿り着いた。目の前に現れたのはヘリコプターが置かれている。その瞬間、非常階段から宇凪とその部下達が上ってきた。

Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.13 )
日時: 2010/12/12 15:54
名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)

 宇凪は凄い形相でこちらを追って来る。一家とサクラはヘリコプターに向かって必死に走った。
「海老野サクラ、裏切りやがったな!お前達、数人のグループに分かれてそれぞれ家族を捕まえろ!」
数十人の部下が一家に襲い掛かる。まだ小さなタラオの体に部下の一人の手が触れたとき、宇凪と部下達の体が何かに弾き飛ばされた。
「ぐはっ!こ、これは念力か!」
「あなた達、私達のタラちゃんに触らないで!」
サザエの念力が発動し、宇凪達を屋上のコンクリートに叩きつけた。その隙にサクラはヘリコプターに乗り込んだ。
「みんな、早くヘリに乗って!このままじゃ、ずっと研究所の中で生きなきゃいけないのよ!」
その言葉にサザエは我に返りヘリコプターに乗り込んだ。家族全員が乗ったときヘリコプターが浮き始める。どうやらサクラはヘリの操縦が出来るらしい。ヘリが動き出した事に気づいた宇凪は、ある装置を取り出した。
「逃げられてしまうのは惜しいが、まだ策はある。これでも喰らえ、浮遊物撃墜砲!」
宇凪は浮いているものを撃ち落とすことが出来る砲弾をヘリに打ち込んだ。見事にヘリに着弾し派手な爆発が起きた。
「きゃ〜!助けて〜!」

 ヘリに乗っていた全員が空中に放り出された。下には歩いている沢山の人が見える。近くでフネやマスオの叫び声を聞いたワカメの様子が変わる、瞬間移動を発動させるらしい。
「今から一人一人に瞬間移動を使うわ!それぞれ、どこに移動するか分からないけどまた会えるって信じているから!」
「そんな、ワカメ!」
カツオがワカメに向かって叫ぶ、タラオはタマを抱えたままだ。
「世界が支配されるよりかはいいわ!」
「それじゃあ、使うんじゃな?」
波平の問いにワカメは黙って頷く、波平はワカメを信じるようだ。
「いくわよ・・・・・瞬間移動!」
突然、景色が光り始め空中から家族の姿が消えた。宇凪は悔しそうな顔をしている。真昼の太陽がコンクリート・ジャングルを照らしている。サザエが瞬間移動の直前に聞いたカラスの鳴き声が引き裂かれた家族の冒険を知らせる合図であるような気がした。

Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.14 )
日時: 2011/01/02 21:15
名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)

 第2章「神の落としもの」

 僕は時々、自分に嘘を吐いてピンチを乗り越えてきた。特にテストで悪い点を取ったときやイタズラが見つかったときだ。本当にこれでいいのかなと思うときもある。だけど自分が可愛くて、自分を守りたくて・・・・・
 施設の屋上からテレポートする瞬間、神様みたいな光を見た気がする。その神様が僕に指差してにっこり笑ったんだ、あれは何だったのだろう。嘘つきの僕を面白がっていたのかな?これから、どうすればいいのだろう?


 僕、磯野カツオは家に落ちてきた透明な隕石に家族全員で触った瞬間にテレパシーという超能力を手に入れてしまったんだ。それが原因で世界征服を企む総理とその秘書の宇凪によって家族がバラバラになっちゃった。目を覚ますと僕は見慣れた景色の中に居た。どうやら、僕に使ったワカメのテレポート能力は運良く家の近所の公園へ移動させたらしい。とりあえず歩ける距離だったので家に帰ることにした。


 家に着いたが誰も居ない、みんな遠くに飛ばされたらしい。今までのことは夢じゃない、信じたくもない。
「誰も居ないの?」
大きな声で叫んだが返事はない、急に寂しくなってきた。何かニュースになっているかもと思いテレビを点けたが昼のワイドショーを放送しているだけで、どこの局もニュース番組はやっていない。
「みんな、何処に行ったんだろう・・・・・」
その時、庭で大きな音がした。駆け足で庭へ向かうと、サクラさんが倒れていた。
「サ、サクラさん!?」


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