二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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—— 日に三度の罰の次に/日和
日時: 2011/01/01 19:21
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)

.




  何で永遠に死ぬ事が出来ないのだろう?
  何度も狂うくらいに考えたけど
  俺は永遠に終焉の無い
  朽ちる事も死ぬ事も無い



  だから俺は永遠に生き続ける
  例え世界が終焉を向かえ
  また新しい世界に変わっても




  その間は暗闇の中に
  その間も新しい奴等と



  何という残酷な運命なんだろう——





.

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Re: —— 日に三度の罰の次に/日和 ( No.12 )
日時: 2011/01/01 20:06
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)



  閻無に俺は頭を撫でている夢を見た
  冥界も地上の空を見れる貴重な所がある
  大昔の地震の際に天上の土が崩れたからだ


  俺だけ知る秘密の場所を閻無に託すため
  天上の世界(俺命名)に連れて行った



「 キレーだろ?閻無に託すから秘密だぞ? 」

「 うん、お父さんッ! 」



  喜んだ閻無は天上に近づく光景が微笑ましく
  俺は遠くに様子を見守っていたら……



  —— ガガッグシャッ!!



「 ……お父さーんッ! 」



  閻無の叫び声に振り向けば
  土砂崩れに閻無は巻き込まれた
  この後の事は一切分からない
  ただ閻無が土砂崩れで死んだ事だけ




  俺の血を引いてるのに

  

  【不老不死】は受け継がれて無い——…………




  ———



「 大王……大王………? 」

「 黙らぬか、下がるが良い……無礼者 」




  俺を起こしに来た鬼男君に八つ当たりした
  普段なら絶対に言わないのに……


  鬼男君も有り得ない顔で跪く始末だ



「 ……………… 」

「 ……大王? 」



  俺は寝ぼけた振りをする
  焦った挙句の行動だ



「 大王ッ!起きてくださいッ! 」

「 …おにお・・・くん? 」

「 もう時間ですよ……… 」

「 うきゃああああああ!?もーいーやー!めんどーい! 」

「 こ…殺すぞ!大王……イカっ!! 」

「 先に行っててね、ゴメンね!鬼男くん! 」



  慌てる振りをしながら鬼男君に言う
  戸惑う鬼男君は言われた通り先に行った
  静まる部屋に溜息をする



「 俺も早く閻無に会いたいなぁ…… 」



  —— 様はお亡くなりになったんですよッ!!


  瞬間に思い出す声は鬼男君の声だった
  誰が亡くなった……んだろう?


  鬼男君の言葉からすれば相当位の高い人だ



  —— ドンドンッ!



「 閻魔様!早く身支度してくださいッ! 」

「 ………身支度?……… 」



  —— 様はお亡くなりになったんですよッ!!

  —— 閻無様を見送る為の身支度は済ませました

 


  — 閻無様はお亡くなりになったんですよッ!! —




  あの言葉は……鬼男君の言葉だった






「 閻魔様ッ!閻魔様ッ!! 」







  俺は既に精神崩壊者なんだよね
  だけど転生は出来ずに
  俺は今日も明日も永遠に裁く役目



  嫌な役目だなぁ…………










続く*

Re: —— 日に三度の罰の次に/日和 ( No.13 )
日時: 2011/01/01 23:27
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)

   Side/→onio


  僕は閻魔様の精神が崩壊しかけている
  耐え難い事実に僕達は困惑してる


  地獄に住む全ての者は大王に狂気的に近い崇拝がある 
  無いと言えば地獄に堕ちた亡者以外だな


  僕は何故か生まれ付き狂気的な崇拝は持ち合わせて無かった



  僕の事実に見抜いた大王はあえて僕を選んだ
  周囲の僕に対する嫉妬心は荒かったなぁ
  例えば牛頭や馬頭は執拗に大王の一日を聞いてくる



  —— 大王様は何を召し上がれた?

  —— 大王様の入浴に暑がれなかったか?



  何で僕は彼等に聞くか訪ねたら驚いた顔で言われた



  —— 大王様を守る為だろ ——

  —— 大王様の事に役立たれば ——



  正直に言えば凄く気色悪い崇拝に忠誠心だ
  だから大王は僕を選んだんですね
  僕は誇りに思うようになった
  


  ———



「 もう直ぐ閻魔様の目覚められる時間だ 」

「 鬼男も早く行け、また発作を起こされては 」

「 ……分かりました 」



  僕は周囲の上級鬼に言われて渋々向かう
  途中で怒鳴る長老の鬼に言われる始末
  あんな風に狂った大王を見たく無い
  忠誠心が狂気的になりたくない
  怖すぎて足が震える
  途中で十三王様たちに出会った



「 鬼男……起こしに行くのだな 」

「 ……はい 」

「 気をつける事だな、言葉遣いも 」

「 ………は…い 」



  冷淡な空気を持つ彼等のような生まれ付き神に
  【人間の心や気持ち】が分かるはずが無い




  何故なら大王は元を辿れば
  最初に死を迎えた



  【人間】なのだから




  僕も人間から鬼へ変わった元人間なんだ





  大王の部屋は僕の案で鍵が付けられてる
  鍵は朝だけ僕が持てる開ける係だ
  大王が元気良く朝を迎えれますように
  願いを込めながら僕は部屋に入り大王を起こす


  だけど——



「 大王……大王………? 」

「 黙らぬか、下がるが良い……無礼者 」




  僕は直ぐに跪いた



  大王の普段とは違う古風な口調は
  余程の事が無い限り言わない
  これは怒りに満ちた証拠なんだ
  この口調に無事だった亡者は居ない


  震える体で恐る恐る見上げれば




  大王は寝ていた。僕の緊張はほぐれた。




( 嗚呼……大王は寝ぼけていらしたのか )



  僕は急いで大王を起こす大王は普段通りだった
  あの寝ぼけた多分だけど……

  昔の事を思い出してたんだ




  僕は昔に地獄に落とされかけた事だろう





「 鬼男くーん、まだ先に行ってなかったの? 」

「 大王を置いていけません 」

「 ぶー、ひどーい 」

「 早く行けよ、ボケセーラー野郎 」

「 ……はーい 」




  良かった普段の大王に戻ったんだ
  僕は安心しきっていた
  そう……


  人の傷なんて簡単に癒しや出来ないのに






続く*

Re: —— 日に三度の罰の次に/日和 ( No.14 )
日時: 2011/01/01 23:45
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)

  

  僕は朝食を取る大王を見ながら思い出す
  地獄に落とされかけた出来事を……



  ———


  無間地獄に落とされる宣言を聞く


  もう周囲が敵になった
  僕は助からないな


  何故なら日頃から大王に対する態度
  何度も忠告は注意されても
  大王の為に望まれたからしただけなのに


  如何やら十三王様たちの反感を買ったらしい
  大王様も仲がよろしいから日頃の恨みから
  僕を見放し新しい秘書にするつもりだ
  大王様は絶対に助けてくれやしないだろう


  あんな態度で不満を持たない者が居るならば



  — 是非ともお目にしたい物だ —



「 最後に言う事は? 」

「 誰がこの私に許可なく無間地獄に落とせと言うた? 」



  聞き覚えのある声に僕に対する罵倒や
  周囲の興奮の声は静寂に変わった


  前や上を見上げても大王は…居た



  正確に言えば宙に椅子ごと浮いてる
  宙に浮く椅子を座りながら
  大王は言う




「 私は鬼男に何も不満など持っておらぬ
  なのに貴様等は何故そのような事をする
  理由を答えよ、……泰山王よ答えよっ! 」

「 …閻魔様に…対する… 」

「 もう良い話にならぬ 」

「 ………閻魔様……… 」

「 今後は私に断りもなく勝手な真似はするで無いッ!! 」




  あの時に僕を庇う大王を姿を忘れてたまるか


  僕はアナタに忠誠心を誓いましょう……
  閻魔大王は永遠に滅びませんのなら……
  僕も永遠に秘書にさせてください……



  仏様に毎日願った
  ある日仏様は叶えてくれた



( 本当に後悔は無いですよ——僕は )



  大王には秘密に僕も大王と同じ運命になった
  周囲に知れれば真似をするだろう
  大王は苦しむ羽目になる
  苦しませるのは僕だけで良いんだよ



  僕は絶望から救った大王の補佐になるんだ
  


  同じ運命を持つ者同士なら寂しさなんて無いですよね




  ———




「 鬼男くーん……俺ね、今から死に行くね 」



  大王は僕に言い残し無間地獄から飛び降りた








続く*

Re: —— 日に三度の罰の次に/日和 ( No.16 )
日時: 2011/01/03 14:26
名前: 夕* (ID: bEtNn09J)



「 大王ッ……!! 」



  無間地獄に続く穴を見るが大王の姿が無い
  周囲も突然の事で大騒ぎし始めた
  死者達の裁判もあるのに—……


  そこへ



「 ……鬼男よ、お前に頼みたい事がある 」

「 ……泰山王様っ! 」



  何時の間にか居た泰山王様たちに
  僕は直ぐ跪いた
  また何か言われるのだろう……



「 無間地獄に堕ちた者を探すのは骨なのだ
  もちろん我々は閻魔様を探すが
  それまでの間はお前が代わりに裁きなさい

  もちろん真実を写す鏡を見ながらすれば良いだけだ 」

「 よろしく頼んだぞ、鬼男よ 」



  泰山王様に五官王様が僕に言った
  

  —— 僕が大王が戻るまでの間は裁く役目


  秘書である僕が代わりに任された
  僕は資料整理中心だから
  初めてやる裁判に不安を覚える——



「 鏡を見れば…良いだけ 」




  真実を写す鏡【浄玻璃鏡】を信用しよう
  僕は渡された大王の服を着て
  帽子を被り全て整った


  今から鬼男大王で大王の代役だ




「 閻……鬼男大王の裁判の開廷ー! 」




  鐘が響く音と同時に閉じられていた門が開く
  不気味な感じのする音だった
  傍に居る僕の秘書になる赤鬼が居る



「 始めの使者……山田奈緒子さんですね 」

「 資料によると日頃の貧しさ故に貪欲な性格ですが
  父親がマジシャンなので本人もマジシャンですが
  まったく売れておりませんが

  事件を起した犯人のトリックを生前暴いています 」



  貪欲なのに正義感があるのか天国逝きでも問題ないな



「 山田奈緒子さん、あなたは天国逝きです 」

「 よっっしゃああああ! 」



  珍しく大喜びの天国逝きの死者を見た
  普通は例え良い結果でも大王が怖くて
  静かに逝く死者が多半数なのに…


  生前は余程貧しく運が無い生活をしてきたんだ


  人を裁く始めの死者が天国逝きで良かった
  本当は裁きたく無いし地獄逝きにしたくない
  だけど大王は永遠にやるから凄い
  辛さを分かったような気がする………


 
  ———


  
  直ぐに休憩時間になった気がする
  僕は資料を机に置き体を動かす
  ……本当に肩が痛いや
  大王が嫌がる理由が分かった気がする



  そこに外が煩いのが分かった


  
  突然部屋に鬼達が来た
  何事かと問えば彼らは言った



「 閻魔大王様が……戻ってきましたッ! 」

「 ……大王がッ……! 」



  僕は案内された場所に向かった
  向かう先の前に居る人は


  大王だった……



「 大王—! 」



  見るに見かねる姿だった髪はボサボサで乱れている
  体中に白い肌の所為で赤く引っ掛かれた傷があった
  所々に赤い手形が見えた
  服も乱れててボロボロで少し肌が露出してる




「 亡者達に一斉に襲われたんだよ……本当にあそこは嫌な所だね 」

「 …この……大王イカぁああっ!! 」



  
  僕は大王に思いっきり叫んでやった
  大王は苦笑いするだけ——……



  僕の代役は終わりを告げた





続く*

Re: —— 日に三度の罰の次に/日和 ( No.17 )
日時: 2011/01/03 14:59
名前: 夕* (ID: bEtNn09J)

  side/→enma


  鬼男君を始め俺は皆に凄く説教された
  無間地獄に堕ちたからだ
  あの地獄は地獄の中でも最悪な地獄だ


  亡者が堕ちたら着くのに軽く1000年は掛かる
  でも俺は直ぐに着いた
  大王だからだろう
  今はそんな事関係ないけど体中が痛い



  亡者達に襲われた際の大傷が痛む—……



  血の手形を改めて見るがゾッとする
  深い深い恨みを込めた手形だ
  更に俺の使命に罪悪感を感じさせる




「 ——?あ…あああっ! 」



  
  布団の中で俺は頭を手に抱えるように押さえ付ける
  俺は余計な感情や記憶が持てないように
  直ぐ記憶を消されるように出来ている

  だから——閻無の記憶を消すつもりなんだ




「 …お願いだから……俺の記憶を消さないでぇええッ……!! 」

「 ……大王…… 」



  鬼男君の言葉に俺は余計叫び続ける
  薄れ行く意識の中で最後に


  閻無の助ける声を聞いた気がした



  ———



  目覚めた時に頬に涙が流れていた
  俺は涙を拭い傍に居た鬼男君に尋ねる



「 何で俺さー…泣いてたの? 」

「 さあ…? 」



  鬼男君は普段通りに無表情で答えた
  本当に何…泣いてるんだろ
  というか仕事はどーしたんだっけ?



「 あのさー……仕事は? 」

「 今日はお休みです理由は聞かないでください 」

「 ………ふうーん? 」



  何でお休みか知らないけど別に良いや
  今日は存分に遊ぶぞー!!
  俺は外の広場に向かって行った


  途中で祇園王に出会った



「 閻魔様……閻無様の事について 」

「 …閻無?誰それ? 」

「 ……ああ、あなたの下界に遊びに行く際の偽名ですよ 」

「 ふーん……そうだった? 」

「 はい、お忘れになりましたんですね 
  では私はこれで失礼させて頂きますね 」

「 はーい 」



  祇園王に言われた【閻無】という偽名に疑問を覚えた
  俺は下界に遊びに行く際は【山田閻】なのになー
  まあ単なる物忘れなだけか、気にする事は無いよッ!



  鬼達が休む休憩所に足を運ぶ
  その際に祇園王は密かに言った




「 ……本当にお可哀想な方だ…息子の閻無様の記憶も消されて
  閻魔大王様は永遠に裁く役目を背負い続けるんですな……… 」




  俺は聞き逃したから閻無という存在を知らない
  この先も俺は永遠に知らないままなんだ





続く*


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