二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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Vocaloids's Little Mastar
日時: 2011/01/05 13:43
名前: 更紗蓮華 (ID: lNJ.MCVY)

二次創作でははじめまして、更紗蓮華と申します。
この小説は、ボカロとそのマスターのお話です。
拙いですが、よろしくお願いします。

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Re: Vocaloids's Little Mastar ( No.1 )
日時: 2011/01/05 13:45
名前: 更紗蓮華 (ID: lNJ.MCVY)

——とある電化製品専門店。

「・・・お客様、本当にそれをお買い上げで・・・?」

「嵩張らないし、それほど重くないし。大丈夫でしょう? もうお金払っちゃったし」

「いえ、そういうことでは・・・」

一人の店員が、困ったように言った。
それを聞いて、客はさも当然のようにそのまま店を出て行く。

「ああっ、お客様!お釣りを・・・」

あとには、呆然と立ち尽くす、またはあたふたとレジの中で動く二人の店員と
・・・明らかに多すぎるお札が残った。



——研究所?

カチャカチャ・・・・・・

「ここはこうでしょ、で、あとは・・・」

キーボードを叩く音が、暗い部屋の中に響く。
大きなディスプレイの前で、誰かが作業をしていた。
その後ろには、六人ほどの人影がある。

「・・・よし、インストール!」

ブン・・・・・・

その人がキーを大きく叩くと、後ろの人影が、うっすらと光った。

「・・・うん、バグは確認できる中では無い。あとは実際に動かしてみないと・・・・・・」

その人は席を立つと、そばの小さな扉から部屋を出て行った。
それと同時に、人影が地面に吸い込まれるように消えた。



——その十分後。

ベットにタンス、机にクローゼットなど、ごく普通の一人暮らしのような小さな部屋。
……いや、普通ではない。その部屋には窓がなかったし……

<プログラム群“VOCALOID”、起動>

カチリ、よく聞かないと聞き逃してしまうような小さな音。
部屋の床には、黄色や緑、赤など様々な髪色の人が、六人倒れていた。

「う……ん?」

始めに目を覚ましたのは、とても長い緑の髪をツインテールにした少女。
寝ぼけ眼であたりを見渡し、自分の周りに倒れている人に気がつくと、その顔を少し青くした。

「お、起きてください 起きてっ」

その少女は、少し違和感のある喋り方で、周りの人達を起こしにかかった。
順番に体を揺すっていると、他の人も次々目を覚ましだす。

「・・・・・・なんだ ここ・・・・・・」

青い髪になぜかマフラーをした男性が、目を覚ました。
やはり違和感のある口調でつぶやくと、辺りをきょろきょろと見回した。
そして、緑の少女と目が合うと、尋ねた。

「ねえ ここはいっt「いいからっ 他のみんな起こすの手伝ってっ!」

・・・・・・見事にセリフをぶった切られ、少し不満そうな顔で青の青年はすぐそばの赤い服の女性の方に這いずっていった。

「ん・・・・・・あれ?」

「ここ どこ?」

次に起きたのは、黄色い髪の双子。
全く同時に起き上がったかと思うと、きょろきょろと辺りを見渡し始めた。
そして、ピンクの髪の女性を見つけると、飛びついた。

「きゃあっ」

飛びつかれた方は、たまったもんじゃない。すぐに飛び起きた。
と、同時に・・・・・・

「どこ触ってんのよっ」

スパーンッ

なにやらいい音と共に、赤い服の女性も起き上がった。
その隣で、さっきの青い人が、頬を押さえている。

「この・・・変態っ 痴漢っ!」

「待ってよ、起こそうとしただけで・・・「他にやり方はあるでしょうっ!」

・・・どうやら、青い人が何かしてしまったらしい。

「あの・・・ここは?」

起きたばかりのピンクの人が、そう尋ねた。
赤い人は、大上段に構えていたビール瓶を下げると、言った。

「私にも、わからない。だけど・・・」

「「うん」」

双子が、同時に頷く。

「「「「「「狭い!」」」」」」

そう、この部屋は小さい。どう考えても、六人も入るようなスペースはなかった。
六人は、示し合わせたように部屋の中を捜索しようと立ち上がる。
・・・と。

ポーン

そんな、何処かお間抜けな音が部屋に響いた。

「・・・あ」

上を向いた緑の人は、そこに変な字を見つけたのだった。

——『自己紹介した?』

ああ、忘れてた。
そんなカンジで、六人はもう一度床に座る・・・
・・・座ろうとしたが、明らかにスペースが足りない。
なので、双子と緑の人が、ベットに腰掛けた。

——・・・律儀すぎるっ・・・!

そんな様子を見て、もうひとつの部屋の人が身悶えしていたというのは、また別の話。

Re: Vocaloid's Little Mastar ( No.2 )
日時: 2011/01/05 14:26
名前: 更紗蓮華 (ID: lNJ.MCVY)

「えっと・・・まず私。はじめまして、初音ミクです」

緑のツインテールの人が、座ったまま一礼。
・・・本当は立ちたかったようだが、あまりにも狭いので。

「俺たちは鏡音レンと・・・「リンだよ! よろしくねっ♪」ちょっ、痛いよリン!」

黄色の双子の片割れのセリフを継ぐように、超ハイテンションな黄色い少女。
・・・振り回した手が、レンの方に当たってますけど?

「巡音ルカです」

少々さらっと名乗って、隣の赤と青の二人に目配せをする。

「えっと、僕はKAITO」
「私はMEIKO」

青い髪とマフラーの男性がカイトで、赤と言うより赤茶色の髪の女性がメイコ。
ふむふむ、と頷く7人。ってあれ?

「・・・一人増えてません?」

ミクが、ぼそっと呟く。はっとした様子で、残りの5人が振り返ると・・・

「やあやあみなさん、はじめまして」

・・・朗らかに手を挙げるのは、人体模型。

「「「「「「うわああああっっっっ!!!!??」」」」」」

悲鳴が上がった。

「なっ、なっ、なっ、何っ?!」
「人体模型が、しゃべったあっ! きもっ!」

分かりやすいパニック状態のリン&レン。ちなみに後がリン。隣のミクは涙目の硬直状態。
カイトは「落ち着け、落ち着け。これは夢だ。うん、梅田、じゃなかった爪だ」と、こちらも分かりやすい。
メイコは、模型相手にお酒を飲もうとして、それを止めるのはルカ。
だけど、そのやりとりが・・・。

「服着てないで、しかも内蔵とか骨とか筋肉とか丸見えで、寒くない?
 ほら、一緒に飲んでさ、体温めようよ」
「メイコさん! まだ昼ですよ(たぶん)!」
「あー、私まだ未成年なので」

二人とも、若干顔がひきつっている。模型は、ちゃんと応対してるし。というか模型の成人って何?
・・・要するに、全員パニック状態で現実逃避中ということ。

あ、申し遅れましたが、私今回勝手にナレーターをしている、菜乃花(なのか)と申します!
実は私、とある人に作られた超高性能人工知能でね・・・ ガスッ きゃあっ!

・・・あー、マスターに怒られちゃったので、無駄な話はしないことにします。

「・・・おーい、みんないい加減現実を見ようよ」
「「おまえが言うなっ!」」

困ったように(模型に表情はないけど)言ったら、双子にダイビングツッコミされた模型。
見事に直撃・・・かと思ったら、何の抵抗もなくするっと突き抜け、そのままルカとメイコに激突。

「いったぁ・・・」

2人とも、双子の下敷き。痛そー・・・。
というか、それよりも気になることが。

「い、今・・・」
「すり抜けなかった・・・?」

恐る恐るといった感じで、カイトとミクが模型の居た(あった?)場所に目をやると・・・。

「あーもう、びっくりしたなあ」

全然変わらず、模型。
・・・一瞬にして、全員が硬直した。

Re: Vocaloids's Little Mastar ( No.3 )
日時: 2011/01/05 15:31
名前: 更紗蓮華 (ID: lNJ.MCVY)

「・・・模型の、幽霊?」

ぼそっと、ルカ。だけど、それ以外の人はなんにも言わない。
ショックで硬直しているようです、はい。全員でやられるとちょっとうz(ry

「あ〜? あ、うんうん。幽霊じゃないんだな。ホログラム」
「ほろ・・・?」

未だに放心した様子で、メイコの上で軽く首を傾げるリン。
・・・いい加減、そこどいてあげようよ。

「日本語で言うとぉ・・・なんだっけ、立体画像?」
「・・・じゃあ、ここにいるおまえは、単なる映像・・・ってこと?」

怪訝そうな顔で、レンが尋ねる。模型は、コクンと頷いた。

「そゆこと。どう? なかなか上手く出来てるでしょ」

その場でくるんと回る模型。伸ばした腕が、全員の体をすり抜けた。
・・・今、明らかに全員がどん引きしたね。

「こういう動きも、全部CGで処理しちゃってるんだ。
 まあ、見た目キモイのが難点だけど。でも、人型のモデルが他になかったんだよねー。
 ・・・あ、それともリアルなライオンとか巨大なコウモリとかがしゃべるほうが良かった?」

表情の無い顔で、ちょこんと首を傾げる。・・・おえ。
他6人も、目に見えて青ざめた。
・・・というか、これ動かしてるのって女の子?

「うん、そーだよ菜乃花♪ というか、よくもさんざん悪口言ってくれたね♪」

と、模型・・・って、あれ? 今、私に向かって言った?
おかしいなあ、ナレーションモードの時の声は、マスターと画面の向こうの人にしか聞こえないはず・・・
・・・まさか!

「うんうん、そのまさかさ♪ 後で待っててねぇ♪」

ひいっ! ご、語尾が真っ黒なんですけどっ!

「・・・っと、そうだった。君たちに、話しとくことがあったんだった」

・・・い、今までの私との会話がなかったように、6人に向き直る模型・・・いやマスター。

「い、今誰と話して「うん、今それ関係ないから♪」ひいっ?!」

憐れ、カイト。知らなかったとはいえ、真っ黒音符のマスターに話しかけるとは・・・
今日から君を、兄さんと呼ぼう。

「あー、んっうん!
 君たちは、まあ知っての通り今閉じ込められてるよね?
 だから、ここから抜けだして見せてよ!」

咳払いをしてから、無邪気にマスターはこんな事を言った。

「・・・え? ちょっと、それってどういう意味?」
「どーもこーもないよ、そのまんまの意味さ!
 あ、もちろんヒントは置いてくよ? それじゃ、がんばってねー!」

メイコの質問にろくに答えず、手を振ってマスターは姿を消した。
・・・またカイトの体をすり抜けてたんですけど?
あとに残ったのは、困った顔の6人と、白い封筒。

・・・さて、私もそろそろ行きますか。
マスターが待っていることだし・・・ね。

Re: Vocaloids's Little Mastar ( No.4 )
日時: 2011/01/06 05:48
名前: 更紗蓮華 (ID: lNJ.MCVY)

さてさて。マスターのお仕置きを受けている妹に変わって、わたくし菊花(きくか)がナレーターを勤めさせていただきます。
・・・あ、もちろんマスターの許可はもらっていますよ? 間抜けなナノとは違って、ね。ふふふ・・・。

さて、話を戻しましょうか。
6人は、封筒を前にして、一瞬また硬直しました、が。

「・・・つまり、これ読めばこっから出れるんだよね?
 だったら迷うことはないね。うん、開けちゃおう!」
「ちょ、リン!」

ビリビリっ セリフ通り、本当に迷いなく封筒を開けた、というより破いたリン。
中身は大丈夫でしょうか?

・・・ああ、大丈夫だったようですね。リンは、中身の便箋を掲げ、一瞬首をかしげました。

「うーんと、ねえ・・・あ、読むね。

やっほい、みなさん。・・・いや、ボーカロイドを元にした、アンドロイドさん。
・・・あれ? でもアンドロイドって、元々『男性もどき』って意味なんだよねえ・・・?
じゃあ、ヒューマノイドかな? でも、元が人間って・・・言えるの?
ボーカロイドイド・・・わあ、変だ。そもそも、ボーカロイドの『ロイド』の部分が、『もどき』って意味だ。
じゃあ、『ボカロもどき』って事で・・・ボカロイド? ・・・めんどいから、ボーカロイドでいいや」

そこまで読んで、空気がピキ、と固まった。
・・・マスターも、なんというか・・・いえ、やめておきましょう。



いちほ


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