二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼——誠に愛された少女
- 日時: 2011/02/12 16:45
- 名前: 鬼憂 (ID: Gz/gGLCR)
初めまして鬼憂(きゆうorきう)という者です。
二次創作は趣味でなら書いたことありますがネットなどで書いたことはないので下手くそだと思われますが宜しければ見てやってください!
ではでは…
プロローグ>>1
登場人物【オリジナルキャラクター】>>2
—お話—
Page:1
- Re: 薄桜鬼——誠に愛された少女 ( No.1 )
- 日時: 2011/02/12 16:27
- 名前: 鬼憂 (ID: Gz/gGLCR)
——プロローグ。
薄暗い屋敷に一人、女の子は自嘲気味な笑みを浮かべていた。
嗚呼、捨てられたんだ——と絶望して。
親は女の子を捨ててしまっていた。
まだ10、11ほどの幼い女の子を。
「—————いや」
彼女は嫌だと呟いた。
あんな両親のせいで死ぬわけにはいかないんだと。
家の仕来りで、双子の妹のせいで死ぬわけにはいかないんだと。
「ころしてやるっ、……」
ずっとずっと古より絶えぬ鬼の血を誰よりも強く強く引いていた彼女はその赤く鋭い瞳に憎しみを、悲しみを、絶望を、失望を、ただただ募らせた。
ぎりりと爪が肌に食い込もうとも少女はただただ手を握り締めるだけだ。
ついに血が流れ出す。ぽたりと床に赤が落ちる。
「————————————ッッぁああぁぁああぁぁあ!」
少女は———赤い瞳を揺らがせ、全ての感情にのみ込まれ、ただ—…
ただ、叫んだ。
塞がっていく掌の傷にもう一度爪を食い込ませて少女はただ涙でぬれた瞳を閉じる。
もう嫌なんだと。
もうやめて欲しいと。
此処から消えたい、死にたいと。
少女はただそう願った——…。
——————それから、少女の姿は消えた。
- Re: 薄桜鬼——誠に愛された少女 ( No.2 )
- 日時: 2011/02/12 16:44
- 名前: 鬼憂 (ID: Gz/gGLCR)
登場人物設定—オリジナルキャラクター—
亜美(ami)
名前の意味/アジア一の美人になるように願って付けられた名前(祖母&祖父に)
性別/女 年齢/11歳
身長/128cm 体重/26.8kg
誕生日/8月3日 種族/鬼
好きな食べ物/醤油団子、魚、ごはん
嫌いな食べ物/にんじん(味噌汁の場合は別)、緑の野菜
好きな動物/猫
嫌いな動物/犬
【性格】
無邪気で明るいが、暗いところもある(プロローグ参照)
楽しい事が大好きでつまらない事は嫌い。
切羽詰まった事も嫌い。ゆとりを持ちたいタイプ。
【容姿】
黒色の髪でセミロング、少しパーマが掛かっている。
瞳は赤色をしているが、光の加減で黒に変わる。
肌が雪のように白い色白。
着物などは適当。黒に橙色の蝶柄の着物がお気に入り。
【備考】
一人称は「亜美」や「私」。
二人称は「あんた」「お前」「テメェ」「貴様」など。
気に入った人物は名前呼びやあだ名を付ける。
鬼の姿は銀色の髪に金目と至って変わらない。
※増減アリですb
- Re: 薄桜鬼——誠に愛された少女 ( No.3 )
- 日時: 2011/02/12 20:56
- 名前: 鬼憂 (ID: Gz/gGLCR)
001
「———ぁ、?」
亜美は辺りを見回して呆然と呟いた。
此処は何処だ。自分が居たのは薄暗い屋敷だ。
揺らめく明かりが眩しくて、思わず小さく溜息が零れた。
「——餓鬼が何して居やがる」
「ん、……?」
ふと見上げればほんのりと頬が赤く染まっている酔っ払いらしき男達。
三十路——は過ぎているだろうか。
亜美はかなり嫌そうに顔を顰めるも男達は気づかない様子だ。
「わかんない」
そう一言答えればひらりと亜美が消える——否、“視界から”消える。
いつの間にか亜美は宵闇に紛れ込んでいた。
男達がきょろきょろと辺りを見回している姿があまりにも滑稽で亜美は思わず噴出した。
「——あははっ、」
「……餓鬼がこんな所で何してんだ」
けらけらと笑っていたら上から首根っこを掴まれて振り返る。
其処に見えたのは、ずっとずっと祖母から話を聞かされていた人物の姿が。
「——新選、ぐみ………」
「知ってるんだ、君」
ふぅんと面白そうに笑う人——えっと、沖田総司?——が亜美の顔を覗き込んだために思わず口元が引き攣ってしまう。
「…ぅ、」
その視線に耐えきれず思わずふいっと目を逸らせば隣に居たらしい藤堂平助と視線がかち合ってまた逸らしてみれば次は原田左之助や永倉新八とかち合うという不幸さ。
いっそのこと鬼になろうかと考え始めた頃やっと沖田総司の顔が離れていくので亜美はほっと安心した。
「っつーか、何でこんなとこ(島原)に居んの?」
「…………知らない」
亜美は基本的に人見知りするタイプだ。
ふいっと顔を逸らしてぼそりと呟くように答えると次の質問が。
「家は?」
「………無い」
だってタイムスリップしたんだもん、と言おうとして口を閉ざす。
殺気が半端なかった。
幾ら鬼として戦える身だとは言え怖いものは怖い。殺気なんかは両親からずっと浴びせられていたのだ、怖くないはずがない。
首根っこは相変わらず掴まれているし、どうしようかと焦り始めた時やっと解放された。
「てめぇ…ふざけてんのか?」
冷静になってきた亜美に掛かった言葉は冷たい声だった。
ふざけたわけじゃないのに、と言おうとしても思うように言葉は紡がれない。
かたかたと寒さと殺気に小さく震えていれば浮遊感が襲ってきた。
「連れて帰る」
「えーっ! 折角来たのにーっ!!」
「家がない子供を見捨てるの?」
ふふ、と黒く笑う総司に平助が黙る。
どうやら亜美は担がれていたようだ。
後ろに居た新八と左之助にぷにぷにと頬を突かれてむっと不機嫌になった亜美を総司が笑った。
「…………風間千景」
「ん?」
ぽつりと亜美が呟く。
自分と同じ鬼がこの時代にも生きていたと聞いていた。
確か西の頭領だったか。
その言葉に総司は怪訝な表情を浮かべる。
—池田屋事件の前—
亜美の頭によぎったのはその言葉。
「—————痛い」
ずっと担がれていて腹が痛くなってきた。
訴えようとしたら総司がけらけらと笑って「もう少しだから」と言ってきたので思わず口を噤む。
「わかった」
そう一言返せば、先ほどまでは無かったのに急に襲ってきた眠気に亜美はただ目を閉じた。
- Re: 薄桜鬼——誠に愛された少女 ( No.4 )
- 日時: 2011/02/13 14:56
- 名前: 鬼憂 (ID: Gz/gGLCR)
002
「ちょっと土方さん、寝ちゃってますよー?」
つんつん、と亜美の頬を好き勝手に突きつつ総司が笑う。
その言葉に土方は呆れたように溜息を吐きだした。
「仕方無ぇだろ、——というかこの時間起きてるほうがおかしいってもんだ」
はぁ、と二度目の溜息を零して土方はただ亜美を見やる。
当人はただすやすやと気持ち良さそうに寝ているだけだ。
「……っつーか、何であんな場所にこんな餓鬼が?」
「さぁね」
新八が呟いたその言葉に全員が頷——かなかった。
総司だけ空気を読まずに—大方わざとだろう—さぁねと笑ったのだ。
土方は額に青筋を立てつつ「ったく」と呆れたように呟く。
「取りあえず空き部屋に置いとけ」
総司はつまらなさそうに亜美を抱き上げて空き部屋へと向かう。
子供を一人にしていいのかとほぼ全員思ったものの何も言わなかった。
———朝。
亜美は眠たそうに瞳を開けた。
「あさ、………」
くああと欠伸を漏らしつつ亜美はのそのそと起き上がる。
家じゃない、何処だとぼうっとしている頭で考えながら。
「起きた?」
「—————おきたさん」
「うん、そうだけど。ほら、ちょっと近藤さんの所に行くよ」
亜美はこくりと頷き差し出された沖田の手を取る。
正直、人の多い場所にはいきたくないのだが。
—近藤達が居るであろう部屋にたどり着けば亜美はとんっと背中を押される。
何故新選組のほとんどの人間が揃っているのだろうか。
亜美はむすっと拗ねた様に顔を逸らす。
そんな事をしたら近藤達に笑われたので亜美はむかっとした。
「で、貴女は家がないそうですね?」
「……ん、」
山南の言葉に亜美は素直に頷く。
嘘を言えば——殺される事はないだろうが、脅される可能性がある。
「何処から来たんですか?」
「……未来?」
『!?』
亜美の言葉に全員が驚いたような目、疑いの目、殺気を向けてくる。
びりびりと痛い殺気に泣きそうになっていると近藤が慌てて殺気を沈めるように——殺気を向けた土方や斎藤に言う。
「……わかんないだもん、気づいたら此処に居た」
「…ふぅん」
俯きがちにそう言えば近藤は信じた様子だったが他の幹部共は納得いかない、というか疑いの目をまだ向けてくる。
「……行くところは?」
「無い」
すぱっと答える。
それに近藤は何かを考える素振りを見せればすぐこう言った。
「よし!えっと——「亜美」亜美ちゃんだね。此処に住まないか?」
『近藤さん!?』
「落ち着け。流石に新選組も帰る場所がない子供を—ましてや女子を放っておけるわけ無いだろう」
「だけどよ!」
「……じゃあ、亜美も戦う。足手まといにならない。これじゃだめ?」
亜美の言葉に言葉に詰まる全員。
「ったく……近藤さんの命令なら仕方ねぇ」
「そうだね。これから宜しくね、亜美ちゃん」
「宜しくな!」
「宜しくな?亜美」
「——俺もよろしく頼むぜ!」
亜美が全員の言葉に笑って頷く。
また一人、仲間—同志—が増えた。
「宜しくね、皆」
にこりと笑った亜美は先ほどまでとは違った。
- Re: 薄桜鬼——誠に愛された少女 ( No.5 )
- 日時: 2011/02/16 20:19
- 名前: 鬼憂 (ID: Gz/gGLCR)
003 作成中
「ぐみ…………ぐみ?」
「何ぐみぐみ言ってんだてめぇは」
「ぐみだから」
「意味わかんねぇよ!」
ここに来てからの、日常的風景。
亜美がぐみぐみと言い、それに土方が突っ込み、さらにボケ、さらに突っ込むという毎日。
「新選ぐみだもん」
「………はぁ、」
「お疲れ様、……土方さん」
呆れたように溜息を吐いた土方に平助がそう言葉をかけた。
因みに、亜美は「寂しい」という理由で土方の部屋で寝泊まりしているので、夜もこんな調子の亜美に土方は既に窶れ気味だった。
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