二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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TOWM2〜御伽噺ができるまで〜
日時: 2011/03/18 21:47
名前: 恋の又次郎 ◆4bWL9oGdSA (ID: .j7IJSVU)


 皆さまこの度は当スレッドを拝見下さり、真に感謝いたします。作者の恋の又次郎です。
 この作品は、ナムコから発売された“テイルズ・オブ・ザ ワールド〜レディアントマイソロジー2”というゲームから原作を元に、独自設定、独自解釈を織り交ぜて作成する小説です。
 どうか読まれる方々は、そのことを充分にご注意して読まれて下さい。極力専門用語は出さないように努めるように致します。またキャラ紹介のページも極力設けないように努め、本文中に記述するように努力します。
 それから、基本的に2に出演したキャラが中心ですが、私の勝手な判断でシリーズ原作から何人か追加致します。そのことについても充分に留意して下さい。
 処女作なので、まだまだ至らない箇所なども山ほどございますが、酷評などはお手柔らかにお願いします。ちなみに私はシリーズで、ファンタジア、デスティニー(リメイクver)、アビス、イノセンス、ハーツをクリアしています。またこれを機にPSPに移植されたデスティニー2、リバース、エターニア、シンフォニア(PS2版)もやる予定でいます。
 それではコンゴトモ…じゃありませんでした。今後ともよろしくお願い致します。

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TOWM2〜御伽噺ができるまで〜第0話「英雄の消滅1」 ( No.1 )
日時: 2011/03/18 21:58
名前: 恋の又次郎 ◆4bWL9oGdSA (ID: .j7IJSVU)

———勇者の意義を問う物語(RPG)———

 巨大な根が張り巡らされている麓に青年は辿り着いた。視線を上に向けてると、天高くそびえている木々が見える。この世界グラニデにいる者なら誰もが一度は耳にする世界を支える大樹“世界樹”だ。
 そして自分が初めてこの世界に降り立った場所でもあった。目を閉じれば鮮明に今までのことが頭の中で走馬灯の如く消えては浮かび消えては浮かんでいく。
 ここで自分は生まれた。何も知らない純粋無垢な存在として…。そうこの世界に居る人々と同じ状態で始まった。ただ唯一違ったのは、人々は母親の胎内から生まれて来るに対して、自分は世界樹に創られ生れ落ちたこと。言わば世界樹は自分にとっての母親に当たる存在だった。そのことを知ったのは、生まれてからかなり経った後のことだったが…。
 この世界に生まれてすぐの頃は、ここに住む者達と共に世界の様々なことを学び、心を通わせていた。それが終わった後、自らの見聞を広めるべく世界を又に駆けた旅に出た。それには自分が何者で、本当の両親がどこで何をしているのかも知りたくもなっていたことも、旅を始めたキッカケの一つなのは事実だ。
 後に掛け替えのない親友となった者達とも出会い、時には意見をぶつけ合って対立したりもした。だが、その度に一歩ずつ成長していったように感じる。お互いの意見を認め合うことで今までよりも一回り固い絆を紡いでいった。それも己を磨く大きな要因でもあったんだろう。
 しかし、それが世界に広がっている大きな争いを終わらせる力となったかどうかは分からない。ただ一つだけ言えることは、ここにいる皆が居なければ自分はここまで来ることも全てを終わらせることも、そして自分に課せられた果たすどころか知ることさえもなかったことだろう。
 ゆえに世界に広がっていた争いを終息させたことは、それらに対しての自分なりの恩返しでもあった。争いが終わるまで仲間を生き延びさせるために戦う…そのことを胸に刻み、今まで剣を振るってきたのだった。

「もうお別れ、なんだね…。」

 ふと何気なく呟く。もう自分に課せられていた使命も残ってない。あとは自分さえ世界樹へ戻りさせすれば、全てが終わる。そう全て終わるのだ。

「ディセンダー」

 自分を呼んだ声がして、その声がした方に顔を向けると、自分の恩人とも師とも言える人がいた。さらに見知った頼れる仲間たちも勢ぞろいで来た。たぶん今生の別れとなるのだから、最後まで見届けよう。そう言い出した人が居て、それに賛同したから皆見送りに着てくれたのだろう。その心遣いに思わず頭を下げて礼を言いたくなった。

(皆来てくれたのか。来なくていいと言ったのに…。言い出しっぺは恐らくあの人だろうな)

 その気遣いに内心苦笑しつつも目の前に居る男と向き合う。自分はこの人から武術の基礎を教わり、それを土台にして今まで武術に磨きをかけてきた。さらに武術だけではなく、戦士としての心構えや騎士としてのあり方、自分の選ぶ道に対して迷っている時に適切な助言を与えてくれ、背中を後押ししてもらった間柄でもある。本当にこの人には感謝してもし足りないほど借りが沢山あった。

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TOWM2〜御伽噺ができるまで〜第0話「英雄の消滅2」 ( No.2 )
日時: 2011/03/18 22:04
名前: 恋の又次郎 ◆4bWL9oGdSA (ID: .j7IJSVU)

(でも今まで黙ってたけど、やっぱりこの人見た目と声が合ってないんだよな。顔に似合わず渋いというか何というか…。どっちかと言うと渋い声してるわりには若いといった方が合ってるかもしれない。というよりも若すぎだよ)
「どうした。私の顔に何かついているのか?」
「いいえ、今頃名残惜しさがこみ上げて、つい顔を見てしまっただけですよ。それよりもありがとうございます。みんな見送りに来てくれたんですね」
「ああ、皆がお前を見送ると聞かないからな。私も同席させてもらった。
それよりも今までよく頑張ったな、ディセンダー。私はお前と肩を並べて戦えた事を誰よりも誇りに思う」

 自分のそういう言葉に同意を述べる男。思い過ごしか言葉の節々から優しさが滲み出ていると感じた。恐らく本人に指摘しても曖昧な返答のままではぐらかされてしまうと分かる。彼も流石に別れだからか幾分か寂しさや悲しさの感情が湧いているのだろう。今はそうだと信じたかった。

「よして下さいよ。お礼を言われる筋合いはございません。むしろ僕は貴方に感謝してます。記憶も身よりも無く生きる目的さえもなくて、生きた屍のようにあてのない旅をしていた僕に生きる力を与えてくれた。そして生きる希望も人を信じる素晴らしさも教えてもらった。貴方と出会えなければ、僕は今こうして立っていることはなかったでしょう。皆とも出会えませんでした。本当にありがとうございます」

 そんな彼は自分が消えた後の世界を未来永劫見守る役目を引き受けてくれた。辛くそして嫌な役回りをさせてしまったと今更ながらも罪悪感が募る。本人はどう思ってるのか知る術もないが、きっと自分達が守ったこの世界に愛情を持ったからこそ見守ると言ってくれたのではないか。そうだと信じよう。
 そして自分を支える為に、ここに住んでいる者たちと契約し、強靭でかつ多大な危険性を孕む“力”を無理にその身体に降ろしてくれた大切な者にも感謝の念を抱いていた。さらにいつか再び自分のような者が生れ落ちた時に手助けする存在がいるように、子を設けて代々血を絶やさぬように努めてくれると述べた。その行為に報いるにはどうしたらいいか分からないが、少なくともその献身的な行動に、感謝のあまり涙ぐみそうになったことは一度や二度ではなかった。せめてこれからの人生に末永く幸福が訪れんことを願うばかりである。
 一人一人に挨拶と感謝の言葉、それからお互いの想いを告げ合い抱き合った後、いよいよ世界樹へ帰るべく足を前へ踏み出した。すると少しずつ身体が四散していき始めた。指先と足元から始まり徐々に前進も四散して消えていく。悔いはないと心の底から微笑を見せていた。世界を守り、大切な仲間達も守れたのだ。もう思い残すことはない。
 最後に自分を支えてくれた皆に今一度感謝の言葉を告げて別れよう。彼らがこの先、いつまでも幸せに仲良く暮らしていけることを願って…。

「皆さよなら。僕が…皆が守ったこの世界をよろしく頼みます。ずっとずっと平和で居られるように僕も世界樹から末永く祈らせていただきます。いつまでもお元気で!!」

 こうしてディセンダーは世界樹へと還って行った。そして彼と仲間達の生き様と名声は伝説として、人々の間に末永く語り継がれていくこととなる。“ディセンダー”の物語として…。


 世界樹があり、そこからもたらされるマナに人々が恩恵を授かっている世界“グラニデ”、その世界樹の元に生を受けた言わば“世界樹の化身”ともいえるディセンダー。
 その存在は、やがて世界が危機に迫った時に降臨し人々と世界を救い、最後には再び世界樹へ戻っていくと言われている。人々はそんなディセンダーを“勇者”、あるいは“救世主”と崇め、伝説として、またはおとぎ話として末代まで語り継ぐようになった。
 それから遥かな時が流れたある日、海上をゆっくりと航海している船バンエルティア号、その甲板で佇む一人の少女が世界樹から空へ向かって一筋の光が放たれているのを目撃する。やがてそれが納まると空から一人の青年が落ちてきた。記憶を失い名前以外覚えてない彼はおとぎ話に出てくるディセンダーなのか。あるいは全く別の存在なのか。
 そして古くから語り継がれしディセンダー…その定義やあり方とは一体何なのか?果たして本当に世界に勇者、救世主は必要なのか。青年は答えを出すために仲間と共に剣を振るっていく。
 この物語は、勇者・救世主に付き纏う“宿命”に対して向き合い苦悩し、乗り越えて行く青年が紡いだ“新たな勇者のおとぎ話”である。

第1話に続く

申し訳ございません。あまりにも長すぎて文字数オーバーしたことから、分割しました。あ〜失敗してしまった!!orz


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