二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- とある科学の幻想物質(ダークマター)
- 日時: 2011/04/10 11:16
- 名前: 武藤 徹也 (ID: VBgkspJi)
どうも武藤です。
この物語は、とある科学の能力不明の改良版です。
どうぞ楽しんでってください。
主人公紹介
名前【朝河夜科/あさが よしな】
年齢【15】
性別【♂】
性格【気軽でテキトウな感じだがわりと人を大切にする】
容姿【黒髪の天然パーマ。眼の色は、黒。右目に古傷がある。顔は、イケメンとは言えずとても地味。いつも十字架の首飾りをしている。服装は、日常では、上をYシャツに黒いのジャージを着ていて、下は群青色のジーパン。黒い帽子を被っている】
能力【幻想物質(ダークマター)】
レベル【大能力者(レベル4)】
備考【六歳のとき『暗黒の五月計画』に参加。実験結果で一方通行(アクセラレータ)の性格や能力に最も近付けた存在。垣根帝督が使う未元物質(ダークマター)の能力が元になっている】
サンプルボイス
「オレか?オレの名前は朝河夜科。力を欲して闇に堕ちた哀れな実験体だよ」
「ンで、テメェのよォな『普通』の物質しか操作できねェ能なしによォ。オレが負けるわけがねェんだよォ!三下ァ!!!」
「オレが誰かのために命を張るとはな。俺もとうとう堕ちたか?でもようやくケジメがついた。覚悟しろよ、偽善者の皮をかぶった悪党はちっとばかしこェゾ」
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- Re: とある科学の幻想物質(ダークマター) ( No.6 )
- 日時: 2011/04/17 17:20
- 名前: 武藤 徹也 (ID: VBgkspJi)
朝河夜科は純白の翼を広げ大空を飛んでいた。
カマキリ型の駆動鎧(パワードスーツ)も人間の腕の形をした部分を使い掌から空気中の酸素、窒素、水素などを巻き込むプロペラが高速に回転し夜科を追っていた。
『どうしました!!?さっきまでの威勢はァ!!!?』
「うるせェよ。第七学区は人が多すぎる第二十三学区なら問題はねェだろ」
『そんな余裕こいてられますかね』
ダダダダダダダダ!!!!と高速で銃弾が夜科に向かって撃たれていくだが夜科は反射するのではなく右の翼を使い銃弾を風圧で跳ね返す。
『やはり!!演算機能の妨害は効いてますか、翼を造る演算パターンを組み込むだけで頭に強烈な痛みを感じるのでしょうね』
「黙れ、屑の中のさらに究極の屑野郎にやられるほど、オレはやわじゃねェンだよ!!」
すると翼から五枚ほどの羽根が散った。光り輝く散った羽はカマキリ型の駆動鎧(パワードスーツ)に当たると様々な効果をもたらした。凍らせる、溶かす、粉砕する、切る、曲げるなど一枚、一枚の羽根に様々な効果が表れた。
『くっ!!・・・だが、やはり“この程度”ですか』
「何がいいてェンよ」
『貴方は演算機能の妨害で能力が半減している。それでも貴方は能力を使う、たかがその程度ですよ』
「ハッ能力だけでは勝てるものも勝てねェってか」
だが、カマキリ型の駆動鎧のダメージは大きく飛んでいるのも精一杯と言ってもいいだろう。
「だが、オマエの駆動鎧(パワードスーツ)のダメージは半端ぜぇゾ」
『これだけが本体だと思っては困りますよ』
「『蟷螂』風情が蜘蛛の捕食に勝てるなんて思うなよ」
『では、「蜘蛛」にお伝えしましょう。蟷螂は十分、狩りに適していることお忘れなく』
「そんな寝言、死んでから言えよ!!」
ようやく第二十三学区上空に到着し強烈な頭痛の中、純白の翼を大きく広げ半壊状態のカマキリ型の駆動鎧(パワードスーツ)に向かって羽根を放った。
「死ね、蟷螂」
その言葉と同時、駆動鎧(パワードスーツ)が分解された。
・・・・だがそこに操縦者の体が出てこなかった。
「ッ!?」
『だから言ったでしょう。これが本体と考えてもらったら困ると』
するとカマキリ型の駆動鎧(パワードスーツ)の声が下から聞こえた。
『手札は多い方が有利ですからね、一つだけじゃ勝てるものも勝てませんから』
「雑魚ガァ、相手をよく考えてから襲うんだったな。今、鉄片も残らないようにしてやるよ」
演算機能の妨害が消えた今、夜科の能力は全開する。
(幻想物質(ダークマター)製造・・・・圧縮・・・圧縮・・・)
すると空間が歪むように風、紫外線、重力がこの世に存在しない光り輝く物質に巻き込まれる。
球体と化した幻想物質(ダークマター)を球体の形に保たせながら演算機能を働かせる。
『やはり、美しい・・・これが創造・・・・今在る物を破壊し新たな物へと再構築し創造する・・・・』
「チェック・メイト」
無情にその言葉が放たれたと同時、右手に造り出された球体が七つの光の線になり地上にいる駆動鎧(パワードスーツ)に向けて放たれた。
バガァン!!とコンクリートと駆動鎧(パワードスーツ)が爆音とともに粉砕された。
「んで・・・なんだ、お前らの目的は」
地上におり元の性格に戻る。
夜科の視界に入っているのは粉々になった鉄片と大きく凹んだ道路だった。
するとガシャガシャという音とともに小さなカマキリ型の機体が現れた。
『いえ、あなたに関する事情ではありません』
小型の機体を踏みつける夜科。
「どうゆうことだ」
『私の役目は囮。頭が冴えているわりには短気のあなたは騙しやすかったですよ』
「・・・・まさかよ」
『そう、そのまさか』
夜科にはあることが脳内の中で過った。ミサカサポートと呼ばれる少女が狙われているということをそして今、少女を守る鉄の壁はこの鉄の塊によって移動させられたということを。
『ミサカサポートは我々がお預かりました。今、木原統裁殿にお預けました。この闇は嘘だらけですからねぇ・・・まともに戦ってちゃ守れる者も守れないですよ?』
その言葉を聞いた後、夜科は思いっきり小型の機体を踏み壊した。
「屑がァ、ここの闇はどこまでもオレから奪う気か・・・・わりィなクローン少女。オレの都合でてめぇっを助けてやる」
ポケットから煙草を取り出し口にくわえ火を灯した。
歯をギリッと鳴らせ怒りと憎しみで染めた眼を微かに見える窓のないビルに向けた。
武藤:読んでください!!
- Re: とある科学の幻想物質(ダークマター) ( No.7 )
- 日時: 2011/04/24 13:24
- 名前: 武藤 徹也 (ID: VBgkspJi)
第四話 冷静なる殺意と底なしの強欲
夜科は冷静に自分の部屋を見た。
荒らされた形跡はない。血の跡がないということは殺されたまたは傷つけられたということはないと考えられる。
「チッ、あんなガキがどんな価値があるんだよ」
あの駆動鎧が言っていた。木原統裁と呼ばれる男にミサカサポートが保護されているということだ。
すると夜科はポケットに手を突っ込み携帯を取り出した。
ボタンを押していき通話ボタンを押すと携帯を耳にあてた。
『はい、こちら風紀委員(ジャッジメント)です』
「おっ初春か」
『夜科さんですか!!いつも仕事サボっていつもなにやっているんですか!!』
「はいはいわかったわかった。説教は後で聞く、んでお前に一つ頼みたいことがあるんだが」
『頼みたいこと?』
「あぁ・・・運送トラックの午後三時から午後五時の時間帯のルートを全て調べてほしい」
夜科は冷たい視線を寮の前の道路に送っていた。
夜科の視線を感じたかのようにトラックは走り去った。
武藤:短いですが読んでください
- Re: とある科学の幻想物質(ダークマター) ( No.8 )
- 日時: 2011/07/21 00:02
- 名前: 武藤 徹也 (ID: VBgkspJi)
初春飾利に午後三時から五時のトラックのルートを調べてもらった。
夜科は携帯から初春が送ったデータを受信する。そこには数々のトラックのルートや運んだ物。様々な情報が携帯に入ってくる。
「さすが、初春だな・・・・・」
予想にも多い情報量に多少驚く夜科。だが今は、そんなことをしている場合ではない。『第三次製造計画(サードシーズン)』で造られたミサカ『命令補助(ミサカサポート)』を木原統裁から奪い返すことが目的だ。だが、あの『木原一族』普通の手段で勝てるような連中じゃない。しかも夜科が所属していた『組織』のメンバーも付いている。
「ルートは・・・・・このトラックが怪しいな・・・・・」
数々のトラックルートを調べ見ているとそこに夜科と『蟷螂』と呼ばれる者と戦った少し後に夜科が住むマンションの前にトラックが通るものがあった。
「ビンゴッ」
やはり、そのトラックは研究所に行く予定があった。最悪とも呼べる笑みを浮かべながら手元にある携帯の情報を頭の中に叩き込む。そして、様々な準備。武器、セキュリティ妨害、など様々な装備を持ち木原統裁の研究所に向けて戦闘準備をする。
準備をしていると同時。夜科は、ある記憶がよみがえった。みんなが笑う『組織』のメンバーそこに一人の少女が思い浮かぶ。もっともあの忌わしい力に近づいた少女。初めて夜科が恋をした相手。そして、『あれ』を失った感情。死よりもつらいことだった。愛するものを奪われるあの憎しみ。『命令補助(ミサカサポート)』を自分勝手に奪ったやつら、ゆるさない、夜科は思った。『闇』はすべてを奪う。たとえ、大切な者じゃなくても、夜科はあの少女を取り返したいと思ったのだ。
底の無い憎しみと強欲が『組織』と木原の命を欲しがっている。悪魔のように、死神のように。
「殺す・・・・・・・」
ただ、それだけをつぶやき悪しき少年はたった一人の少女を助けるために一人戦場へと向かう。
▽
「そろそろ、だな・・・・・」
研究所で『組織』は準備をする。
そう、これからくる敵を殺す準備を。
「どうした。『雀蜂』、浮かない顔をして」
そう、話しかけたのは『屍出虫』だった。
「いいや・・・・楽しみなんだよ・・・・・『あいつの力』を振るえることに・・・・・」
凶悪な笑み。それは、何にたとえればいいのだろうか、悪魔、死神、化物。そえらの類にはいるのだろうか?いや、ちがう。それは、そんな類でたとえちゃいけない。それ以前の問題だ。まるで壊れた玩具。製造されある問題で売り出されなくなった玩具のような男。ただ、殺戮を楽しみ、自分の強さを味わうことを幸せとする。二度と平穏な日常に戻れないような男。出来過ぎた悪党。
「くひっ・・・・・早く来いよ・・・・夜科ぁ・・・・」
右手をゴキゴキ鳴らし自らの中で疼く力を抑えながら殺す相手を待つ『雀蜂』。
それを見て誰もが恐怖を覚える。こいつを敵に回さなくてよかった。誰もがそう思った。
「さぁ、楽しい、楽しい、死合いの始まりだぁ・・・・・」
武藤:久しぶりです。うまくありませんが呼んでいただけると幸いです。
- Re: とある科学の幻想物質(ダークマター) ( No.9 )
- 日時: 2011/07/23 16:18
- 名前: 武藤 徹也 (ID: VBgkspJi)
第十九学区に立つ廃墟とも言える研究所。だがその中はあんな廃墟とも呼べる外装とは大いに違った。様々な機材、研究資料。それが数多くそろう。
ある部屋、そこに木原統裁と『組織』のリーダー『雀蜂』がソファに座りながら談話をしていた。
「じゃぁ、夜科は俺たちで好きにしていいんだな?」
「はい、研究材料としてはもったいないですが、仕方ないでしょうネ」
外国人がまだ、慣れていない日本語を使うようにぎこちない口調で言う統裁。
そんなことをお構いなしにしゃべり続ける『雀蜂』。
「まぁ、殺したら、あいつの脳でもくれてやるよ」
微かに笑みを浮かべながら適当につぶやく『雀蜂』。
えぇ、お願いしまス、と相変わらずのぎこちない日本語で答える。
『木原博士!約9キロ方面から大きな爆発が起きました!!』
すると天井についていた大きなスピーカーがノイズと共に声が鳴った。
「噂をするとデスネ」
「あぁ、そんじゃッ、仕事と行きますか」
背筋を伸ばし、くぅ〜と声を出しながら部屋をでる。それと同時、『雀蜂』が出たのを見計らって明かりもついてない廊下から数々の『組織』のメンバーが『雀蜂』の後についた。
「さぁ、戦争の始まりだ」
▽
「こんな物か・・・・・」
炎がコンクリートの地面で燃え盛る。
地面に流れるガソリン。そんなのお構いなしに歩き続ける夜科。数々の機関銃を受けそして様々な平気兵器を相手にしてだたこの世界には存在しない物質を製造し『反射』を行った、ただそれだけだ。
ハァ〜、と何もかもに呆れたような溜息を吐きながら、眼を閉じ再び開けた。
そして、『別人』のように凶悪な笑みを浮かべた。
「ンで、テメェらのよォな鉄の塊しか使うことしかできねェ能なしによォ。オレが負けるわけがねェんだよォ!三下ァ!!!」
まるで中身が変わったかのように口調が変わる夜科。
『暗黒の五月計画』。
『置き去り(チャイルドエラー)』を使い実験開発を行っていたチームの一つであり、同時に計画名そのもの。
学園都市最強の超能力者(レベル5)である一方通行の演算パターンを参考に、 各能力者の『自分だけの現実』を最適化、能力者の性能を向上させようというしたプロジェクト。
「一方通行の精神性・演算方法の一部を意図的に植え付ける」という、
個人の人格を他者の都合で蹂躙するきわめて自分勝手な計画だった。
一方通行の精神性の『どこを切り取り、どこを植え付けるか』によって、 その能力の細部に変化が生じることが判明している。
(ホントォ、クソッたれな、計画だったな)
思考をゆるさいと言っているように車が夜科に向けて突っ込んだ。
だが、そんなことでは夜科は死なない。
「だから言ってんだろォ。オレに普通の物質じゃかてねぇってことをヨォ」
やはり、夜科には一つも傷は付かない。どんなに機関銃で撃ってもたとえ核ミサイルで撃たれようと夜科を守る幻想物質(ダークマター)。夜科が作り出す物質によって『反射』が行われる。
「やつを、研究所に近づけるな!」
増援か、武装をした男たちが夜科を中心に取り囲む。カチャカチャと銃口を夜科に向ける。
「はっ、とことん笑わせてくれるなァ!!!」
叫びとともに風が渦を巻いた。竜巻のように、武装した男たちを巻き込んで。
ベクトル操作。そう誰もが思った、だが違う。それはベクトル操作などではない。網状になった幻想物質(ダークマター)を操作し回転させたのだ。空気、風を巻き込みながら円を描くように周り見事に竜巻を作り出した。
武装した男たちを空中に上げ地面へと叩きつける。
「雑魚がァ・・・・いや、魚以下か?」
さっきと同じ手順で背中に四つの竜巻の柱を作る。そして、飛ぶ。天空へと、凶悪な笑みを浮かべながら約九キロの距離を無視しするようなスピーで一直線に研究所へと向かう。破壊をるために。殺すために。助けるために。
右の手の平に球体型の幻想物質(ダークマター)を展開し研究所へ向けて振ろうとしたそのとき—————。
「調子に乗るのも、いい加減にしとけよ。夜科」
夜科は見えない『何か』にぶつかった。
「『念力能力(サイコキネシス)』。オレの能力じゃないが、『組織』のやつの能力だ」
眼に入ったのは、『雀蜂』と呼ばれる『組織』のリーダー。そして、夜科が殺すと決めた相手。そして、夜科の何かが外れた。
「徹ァアアアあああああああああああああああああああ!!!!!!!」
風の柱を解き、純白の翼を出現させた。
怒りを乗せた殺戮の翼。すべてを殺すその翼は『雀蜂』の心臓を貫くがために、四つの翼はうごめく。
「そうか、お前も使えるようになったんだな。ならオレも使うか」
『雀蜂』は両目を閉じた。そして、再び開いた。
「イイねぇ、イイねぇ、サイッコーにおもしれェヨォ!!!!!」
『暗黒の五月計画』。学園都市最強の精神性、演算方法を植え付け『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の最適化、能力向上を目的とした計画。そしてその被験者の一人。唯一の生き残り。だが、もう“そんなこと”は『雀蜂』とってどうでもいい。強いやつと戦えれば、この自分の力を振るえれば。それだけでいい。
すると、『雀蜂』の右手から漆黒の球体が出た。混沌の象徴とも呼べるその能力。だがそれを気にせず夜科は翼を刃のごとく切り裂こうとした。
だが、すべてを殺す翼が『消えた』。
「オレの能力は『能力相滅(スキルバースト)』。AIM拡散力場に干渉しその能力と同じ質量、同じ物質、同じ効果を生み、互いに消滅させる能力だ。まぁ、簡単に言えばどんな能力でも相打ちさせる能力だな。だがこの能力はお前と同じでな。どンな効果も生む。斬る、焼く、粉砕、凍結、様々な人体への直接的ダメージを与える効果をなァ」
だが、そんな話を夜科の耳に入ってくるはずは無い。殺意が全身を支配し『雀蜂』を殺すべく力を振るう。
顔を怒りに染める夜科と笑みを浮べる『雀蜂』は互いに眼を合わせる。
白と黒。
殺気と狂気。
調和と混沌。
無機と有機。
神にも等しい力の片鱗を振るう者と神に背く悪しき者の片鱗を振るう者が今、ぶつかり合う。
「さァ、やろうぜ。殺死合いをォ。お互い守ることはできねぇンだ。なら、殺し合いは得意だろう。なァ?元親友さンヨォ!!!!!」
- Re: とある科学の幻想物質(ダークマター) ( No.10 )
- 日時: 2011/09/08 01:06
- 名前: 武藤 徹也 (ID: VBgkspJi)
今はもう、夜科の中には殺意が渦巻いていた。
これは、一人の少女を助けるはずの戦いのはずだった。
「さァ、やろうぜ。殺死合いをォ。お互い守ることはできねぇンだ。なら、殺し合いは得意だろう。なァ?元親友さンヨォ!!!!!」
そんな狂喜とも呼べる叫びが夜科の耳の中で響く、だがそんなことはどうでもよかった。
夜科はただ目の前にいるあの男を殺すことだけを考えている。
「・・・・・・・」
会話をしようともせずただ無言で鋭い眼光だけを『雀蜂』だけに縮める。
それと同時、『雀蜂』を殺す手順も考える。
『雀蜂』が使う『能力相滅(スキルバースト)』は、あらゆる能力を相打ちさせる能力だ。だがしかし、物理的行動の能力は適用しないはずだ。空間移動、読心能力、などその他の相打ち能力は発揮しないことが考えられる。
「はッ・・・わざと、感情任せに攻撃せず相手の情報を寄り多く手に入れる選択を選んだか・・・・」
夜科を見下すように口元に笑みを浮かべる徹。
「いいから、ミサカをかえせ」
「はっあのバカを救ってヒーローになろうってか、笑わせんなよ。俺たちは殺しだけに特化した化物だぜ、それともなにか、こっち側で奪われることに怒りでも感じてんのか?」
「お前が殺した理雪の復讐とミサカを救うためだ。」
「おいおい、とうとう、お前もバカ組入りか。もうわかってんだろ、俺たちに何も救うことはできない。俺たちに幸せなんてないんだよ」
言葉の掛け合いだけがこの灰色の空の下で響く。
創造と破壊ともたとえていい二人の能力。
異形の白翼、異常の黒球。
「オレはこの理不尽な闇がきらいなだけだ」
「はっ・・・どんなだけ正義ぶれば気が済むんだよ?」
相変わらず笑みを浮かべ続ける徹。
そして、無情に輝く漆黒の輝きが灰色の世界を染める。
闇、闇、闇、闇。
「オレはお前だけにお前のために、全身全霊一挙手一投足全てを込めて————。」
お前の死のために。
ガガガガガガ!!、と破滅の黒球はバラバラと崩れていき、巨大なエネルギーの塔となり黒くそして禍々しく輝く。
そして圧縮、圧縮、圧縮をかせね。
現れる。死の剣が。死へと誘う闇が。
「圧縮剣クロウ、これは愛、これは災厄」
夜科は全身を強張らせる。目の前の剣に恐怖を覚え、そして少女を救う決意を紙の如く、容易く斬られるように。
「あれはなんだ・・・・」
それだけをつぶやき、まるで天から舞い降りた剣のように黒い剣が徹の手元に置かれる。
これが絶望の始まり、これが力の限界。
圧倒されている。
もう、いつ負けてもおかしくない。
ただ、立ち向かうだけで死へと直行してしまいそうな徹の黒き剣。
それは凍える不幸へと誘う、裁きの剣、罪の証だった。
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