二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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僕の命はあと一年 VOCALOID登場
日時: 2011/07/23 08:41
名前: L人 (ID: Uvcwa5h/)

 はじめまして、L人です。「L人」と書いて「えると」と呼びます。

 能力者が集う裏社会に、何の変哲もない主人公が巻き込まれていく話です。その中にVOCALOIDさんが出てきたりします。

 よろしくお願いします。

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Re: 僕の命はあと一年 VOCALOID登場 ( No.1 )
日時: 2011/07/23 08:54
名前: L人 (ID: Uvcwa5h/)

 君は、自分の命があと一年だと知った時、どうする?




     〜僕の命はあと一年〜



 私、久住隼人は病気です。
 この病気はもう治せなくて、余命は一年、だそうです。
 いや、治せないんじゃないのか。治す気がないんだと思う。両親は、薬だけ飲ませて、後は放ったらかし。そのほうが、僕は気楽だ。
 学校にも知らせていない。知らせたら、迷惑がかかりそうで、嫌だった。
 だからいつもと同じように、僕は高校生活を過ごしている。
 そしていつも思う。

 この桜を見るのは———————最後なんだ。

 

Re: 僕の命はあと一年 VOCALOID登場 ( No.2 )
日時: 2011/07/23 09:10
名前: L人 (ID: Uvcwa5h/)

 暗い路地。
 こういうところには、何かと興味がそそられる。もしくは、登下校の近道を発見しようと探検気分で入った人もいるんじゃないか?
 興味本位でこの路地に入っては、ダメだ。
 僕は知っている。
 この路地の——————奥深さを、とても冷たいということを、とても恐ろしいということを。
 これ以上先に行ったら、ダメだ。
 切り返そうとする。その時

「おいおい、兄ちゃん、こんなところで何してんだぁー?」

 柄の悪そうな男たちが僕を囲む。
 しまった。全然気づかなかった。
「す、すみません、あの、僕帰るんで・・・」
「はぁ?なに謝ってんだよ。ほら、来いよ」
「・・・・・え?」
 男たちが、僕の腕をつかんで路地の奥へと進んでいった。
 まずいまずいまずい!!まずいぞ、これは!!
「あの、ホント、勘弁してください!」
「勘弁だぁ?だったら金よこせよ」
 男が、ナイフを見せつけてきた。
「お前だって知ってんだろ?この路地の恐ろしさをさ」
 男の一人が、僕の首に腕を回した。
「裏社会って言ってよ・・・。ま、何かとまずい奴らの住処だ。非合法な奴らが多くてさぁ、一歩はいれば骨しか帰ってこれねぇ、なんて話聞いたか?」
 かなり奥の路地のほうまで進んでしまった。早く路地から抜け出さないとやばい。僕はそそくさと、財布を取り出そうとする。
 と、その時

 ドクン

「・・・・っ・・・」
 やばい、発作だ。
 抑えきれなくなり、口から血を吐きだす。
「うぇ!?おい、こいつ血ィだしてんぞ!」
「や、やべえ、逃げんぞ、サツが来たら面倒だ!」
 男たちの悲鳴を聞きながら、姿を確認する。あの逃げようから、僕を痛めつけるつもりはなかったらしい。
 いや、そんなことはどうでもいい。発作だ。発作を止めなくちゃ。
 かばんに入っていた薬を取り出して無理やり飲み込む。
「・・・・っはぁ・・・」
 どうにか発作は収まった。
 早く、ここから逃げないと—————

 ガシッ

 肩を、つかまれた。


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