二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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欠陥品 【銀魂】
日時: 2011/12/01 20:43
名前: 千鶴 ◆iYEpEVPG4g (ID: WPJCncTm)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

 



     
    壊れてて欠けてるわたしですよ、
                 そんなんでいいですか
         
              



◆ そい!\(^q^)/
  至らぬ小説ですが、
  適当に観覧していってね!
            
◆ マナーのない方、
  10歳以下のお子様は
  リターン
 
◆ うぇるかむとう!
   






【 Main 】



第一訓 「されど空は青し」
>>1 >>2
 
第二訓 「友人に初対面のときの印象を聞くと以外に悪かったりする」
 
第三訓 「そんなあなたにポガディブ(ポジティブとネガティブの混合系)思考をお勧めします」
  
第四訓 「一度彼を罵ってみたい」

第五訓 「みかんとシリアスは対義語」
    

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Re: 欠陥品 【銀魂】 ( No.1 )
日時: 2011/12/01 19:48
名前: 千鶴 ◆iYEpEVPG4g (ID: WPJCncTm)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

 

00 【いのちの定義】




 わたしはとにかく知らなすぎた。



日に一度、ほんの数分間だけわたしを観察して行く母親と、
名だけ教えられた顔も声もわからない父親がほんの少しの興味の対象だった。
ガラス越しの外は大勢の白い服を着た人がせわしなく動き回っていて、
それに比べてわたしの四方形の白い壁しかない世界はなんて狭いのだろうと羨ましがったこともあった。


 けれどもしそこからガラスの向こうへ出たとしても、結局それでもわたしは篭の中の鳥なのだった。
篭は小さな小さな蛍光灯の太陽で白く照らされていた。





 数字、読み書き、動作、音楽、本、絵画、キーボード。それらは全て最低限教えられた。囲碁や文学も学んだ。

 毎日腕の血管に針を突きつけて血液を採取されることも、
腕や足の肉を削がれた時も、目の前で生き物の解体を見せられた時も、ただ殴られ続けた時も、きっとそれが当然なのだろうと平然と思っていた。

 自分以外の同じ待遇の他人はどこにも見当たらなかった。
食事はぽつんと検査や実験に行く間に部屋に置かれていた。
パンと水とぐちゃぐちゃした嘔吐物のようなスープと3錠のカプセル薬。
不思議とまずいとかおいしいとか、そんな感情は湧かない。
だって、それ以外の食べ物を口にしたことなどなかったから。

 無知で幼い少女はただ白い世界に包まれて生きていた。
実験体0219、成功例B7番。それが唯一与えられた少女の名前。







少女の世界は突然に終わりを告げる、赤い月が上る夜だった。
その日起こった「不幸な事故」によって、建造物は破壊され、
気付けば瓦礫となった白いあの壁が目の前に積み重なっていたのを覚えている。


その隙間から伸びていた低い声をあげる赤い腕を、不愉快だという理由で動かなくなるまで踏み付けた。
折れた指がコンクリを引っ掻く。血の線が幾つも走った。

 産まれて初めて空を見た。星を見た。月を見た。
その感動は言い表せない。


本で見たものとは、比べ物にならないくらい綺麗で鮮明で、美しかった。








0219は極めて稀な健康状態も良く精神的にも安定している成功例だ。
しかし彼女には重要な物が一つ欠けている。


それを差し引いても、「完全」には現時点で一番近いのではないでしょうか。
多少の能力の発達過剰は危険分子として否めませんが。

そうだな、少しいいか、ドクターアデル。君は科学の発展には犠牲が付き物だと思うか?

ええ、そうでなければ、あの実験などしませんもの。善良な、常識のある人間なら、こんな生きものを創ったりしない。

僕等が創っているのは何なのだろうね、

一人の人間のためだけにこんなに大勢創っては削除され、成功例は生き人形にして人体実験。

必要なのですよ、世界のために、平和のために。例えそれが、悪魔の所業であったとしても。

ならばこの子は、冒涜され続けた神の皮肉なのかもしれない。こうやって見ていると、普通の人間と何ら変わらないものだ。





 
ただし、






 
「「彼女には、愛が欠けている」」






  
 愛のない人間など人間でない、と偉人は言った。
ならば少女は人間ではないのか。



不幸にもその翌日、アデルも所長も命を落とすこととなる。
かつて少女を囲っていた、あの白く厚い壁に押し潰され、隣で肉の塊と化した生臭いものが転がる中。

 引きつった顔のアデルは幸いにも無事だった右手を瓦礫の合間から突き出した。
そして蚊の泣くような声で助けを乞った。必死で願った。

 人の気配がしたと感じた時、突然に右手が燃えた。
生暖かい液体がとめどなく手のひらから零れ、爪は剥がれ、指は折れ、何回も何回も、ぐりぐりと足を押し付けられるたび激痛が走る。それが最後に感じたことだった。死に行くアデルが今際に思ったのは何だったのだろう。

 


愛の欠けた、人でない「何か」
愛を知らない欠陥品。


Re: 欠陥品 【銀魂】 ( No.2 )
日時: 2011/12/01 20:36
名前: 千鶴 ◆iYEpEVPG4g (ID: WPJCncTm)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

 



     
01【かみさま】
                  



 頭が痛い。そういう痛いじゃなくて、物理的に頭が痛い。
だらりと生暖かいものが頬の横に垂れた。恐らくこれは、血液。
そして今、この頭に与えられた衝撃によって出血しているのである。
     
つまりまとめていうと救急車を呼んで欲しい。

なのに、なのに。人の気配が全くないと言ってもいい。はや10分が経過している。
意識が遠のく。ふらふら千鳥足になって、視界が黒に染まっては歪んでゆく。
    
 ぱったりと意識を手放した時は、本気で死ぬかと思った。




 秋晴れの空は心地良く、澄んだ空気さえ感じさせる午後だった。
山崎からの緊急の垂れ込みに、真選組の半数以上で攘夷浪士の機関に乗り込んでいた。
大規模であったせいか制圧はかなりの時間を要し、今しがた頭が降参しやがったと沖田から連絡があった。
真選組率いる名高い副長、土方は今まさに幕切れであろうと刀を下ろした。
 
 轟音が、響いた。
 脆い木造建築が破壊される。大きな建物だけに崩れ去る姿はさながら竜のようであった。


「おい総悟ォ!お前また無断で公共機関に撃つんじゃ・・・」
 「俺じゃありやせん。いきなり自爆してきやがった。」
 
「他の隊員達は?」

「そんなヤワな奴らここにいねェや。んなことより土方さん。こんなところに女の死者がいますぜ。」
 
こっち来て見てくだせェよ、と沖田が言った。
    
「え?何それ沖田君?まさか死んでる?死者発生?」
 
「だからさっきから言ってるじゃねェですかィ。」
 
 騒がしいと目を開けて。
視界の先。に、あったものと言えば。
えらくサラッサラな栗色の毛と、空中に立ち上るタバコの煙だけである。
 

「人を死人扱いしないでください。・・・まだ、多少なりとも生きてるんで。」

と言った。
 
「ほっといて死ぬまで待ちやしょうか。」
「おう、そうだなって誰が言うかボケェェェッ!」
 
「あんたこいつらの仲間かい?」
「むしろこいつらって誰だよって感じです」
 
「運が良かったなあんた。殺さなくて済みそうだ。」
 
 その、赤いひとみの奥の奥のほうに、鈍い光を感じた。
手を伸ばそうとするけれど、瓦礫が重い。
    
「すいません、ちょっと離れて。」
 
 万全ならと思いつつ、左手と体半分に乗っていた瓦を右手で破壊。えらく酷い騒音だが、気にしない。
足の上に乗っていた大きな瓦礫は、砂の壁の一部を足で蹴って削り取る。
 
「こいつァ驚いた。あんたレスラーかなんかかィ?」
「善良な一般人です。」
 
「善良な一般市民は鉄を破壊なんてできやせんぜ。
・・・あ、新しい玩具も発見できたし、これにて撤退つーことで。」
 
「ひじかたさーんあとはよろしくー。」「おいちょっと待てィ!」
    
 立ち上がったところを手を掴まれる。この人は、沖田さん、とか言うみたいだ。
 
「何しに行くんですか?」
 「事情聴取という名のドラマ刑事がやるあれでさァ。」
        
「腕、血ィ出てますよ。」
「あんたは頭から出てるだろィ。」
        
         
 

Re: 欠陥品 【銀魂】 ( No.3 )
日時: 2011/12/01 20:41
名前: ジェクロ (ID: ubJFnUz6)


 初めまして、ジェクロと申します!

 銀魂が好きで見てみたら、すごく分かりやすい小説だなぁと思ってみてました!
 憧れます//

 愛って、いいですよね(←
 なんかこの小説って、見たら吸い込まれていく感じがします!
 私、こうゆう小説、大好きです!
 そして、沖田さんが出てるところがまたいいです((
 カッコよくて大好きです//

 小説、頑張ってください! 応援しています!
 長文失礼しました

Re: 欠陥品 【銀魂】 ( No.4 )
日時: 2011/12/05 12:41
名前: 葵 ◆m75LyNJ4TQ (ID: ZEuRnT3o)
参照: 自爆。

初めまして、葵と言います。
如月様……(あれ、紅城様?どっちでも良いか)の小説で名前を拝見し、来てしまいました。

善良な一般市民のところで吹いてしまったw

……ともかく、変な奴で申し訳ありません。
頑張って下さい!

Re: 欠陥品 【銀魂】 ( No.5 )
日時: 2011/12/05 16:32
名前: カノン (ID: L0v6OTPI)


こんにちは☆
カノンといいます!
千鶴さんの「KAMISAMA!【銀魂】」、コメさしていただきました。
えっと・・・あまり時間がないもので・・・
まだ全部は読みきれてはいませんが、最初のほうは読みました!
おもしろいです!
頑張ってくださいね。


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