二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- テイルズオブジアビス—受け継がれる思い—
- 日時: 2012/02/29 15:38
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
はい、前回のアビスは予想以上に話の内容が可笑しかったので修正版です。
それでは、本当のこの話をご覧下さい。
それから少々キャラの性格が違うと思いますが、主人公紹介です。
主なパーティーメンバー
名前:ネフライト・グランツ
年齢:13歳
性別:女
武器:魔剣ネビリム
クラス:魔法剣士
秘奥義:レイディアント・ハウル
特徴:色素が薄い赤髪の短髪に少々青が混ざった緑色の瞳をした少女
かつて世界を救ったと称えられるティアの娘で、実力は折り紙つき
母同様冷静沈着で若干天然だが、ツッコミ役で卑屈な面もある。
名前:デマントイド・A(アリア)・K(キムラスカ)・ランバルディア
年齢:14歳
性別:男
武器:聖杖ユニコーンホーン
クラス:音律士(クルーナー)
秘奥義:ビックバン
特徴:長い金髪に緑色の瞳をした少年
アッシュとナタリアの子供で、キムラスカ王国の王子
かなりのサボり魔でよく城を脱走するクセがあり、ナタリア同様天然
何故かユリアの血族しか使えないはずの譜歌を歌える。
名前:エピドート・セシル
年齢:15歳
性別:男
武器:聖剣ロストセレスティ
クラス:剣士
秘奥義:鳳凰天翔駆
特徴:短い金髪に空色の瞳をした少年
ガイの子供で、本名はエピドート・モンド・ガルディオス
その証拠にガルディオス家特有のシグムント流の剣の流派の使い手である。
パーティー内で一番大人っぽく、ネフライト同様ツッコミ役
名前:スフェーン・B(ブリース)・K(キムラスカ)・ランバルディア
年齢:17歳
性別:女
武器:聖弓ケルクアトール
クラス:弓使い
秘奥義:ワイルドギース
特徴:長い金髪に緑色の瞳をした少女
アッシュとナタリアの子供で、デマントイドの姉でもある。
弟同様公務をよくサボるが、キムラスカの王女としてはしっかりしている。
しかし両親は嫌いでネフライトを可愛がる説があるがその理由は…?
序章—平和の終わりと魔界の宴—>>3-6
第一章—始まりの渓谷と旅立ち—>>7-12
番外編—グラニデINディセンダーの物語>>13-
- Re: テイルズオブジアビス—受け継がれる思い— ( No.24 )
- 日時: 2012/03/17 15:05
- 名前: リラ (ID: 4HN4VOsr)
「はぁ…はぁ…」
それから数ヵ月後—とある氷の森の中を、金髪の少女—アムニスは泣きながら逃げていた。
ここはガレット森林区—精霊と人間が共存するガレット村と言う所が存在し、そこに居る精霊にカノンノがよく口にする【ディセンダー】と言う存在の話を聞くために依頼で向かったが—それはアムニスの世界を一変させた。
『私は、セルシウス、この土地を負より守る氷の精霊だ』
『ゼェ…ゼェ…私はアムニス・グラニデです…』
『…ロスト・グラニデだ、久しぶりだなセルシウス』
『『『え…?』』』
ガレット村へ向かうためにガレット森林区を進んでいると、何と氷の精霊・セルシウスが暴走している事が分かり、依頼で来た以上止めるしかないだろうと判断したアムニスはロストとルカと依頼者であるアニーと共に戦い正気に戻させたのだ。
その時からアムニスは自分に異変を感じていた、無意識に身体が動いており自分の手から光が溢れるとセルシウスが正気に戻ったのだ。
どうして…と疑問を覚えていると、セルシウスが自己紹介し、アムニスも胸の中の突っかかりを隠し自分も自己紹介すると、兄であるロストが久しぶりだと言ったのだ。
それは紛れも無く氷の精霊・セルシウス本人にだ、もしかして記憶がとアムニスとルカは思い、どうしてロストさんがと何も事情を知らないアニーが首を傾げていると—次の瞬間言われた言葉によりアムニスの心は崩壊した。
『久しぶりも何もこの前あったばかりだろうロスト、よくここまで来てくれた新世代『ディセンダー』アムニス…アニー、ご苦労だったな』
『精霊と俺たちの時間枠を一緒にするな、この前って言っても約500年ぶりだと思うが?』
『はい…はい!?待って下さい、えっ…と、今何を…?アムニス…この方がディセンダー!?』
『ディセンダー、精霊の世界まで届く光をまとう者、私はその輝きを知っている』
セルシウスもロストの言葉に答え何とアムニスの事を新世代ディセンダーだと言ったのだ、自分がディセンダー…と自分自身に恐怖を覚えているとアニーが呆然とした表情で私を見つめ驚く。
今この瞬間、彼女の瞳の見方が、私を私ではなく—私をディセンダーとしてしか見ていない表情に変わった。
『アムニスが…この子が、ディセンダーですって!!?』
『はい…、セルシウスが言うからには、ディセンダーの証である光があの方にはあるそうです、わたし達には見えない光ですが…』
それはアドリビトムに戻ってからも一緒で、つい最近入ったリフィルも私がディセンダーだと知ると見方が変わった。
驚くリフィルにアニーが説明しているが、その声すら今の私には程遠いく、科学部屋にはロストを行かせ依頼が終わった事を告げるために
しかし、私をディセンダーだと見る瞳はそれだけで留まらなかった。
『お前がディセンダーだって?僕は信じるもんか』
ディセンダーの存在自体も否定し、哀れみの目でみつめる者
『貴方がディセンダー…?』
私をディセンダーと認めたくないが故、疑心の目で見つめる者
『アムニスってディセンダーなの!?スゴォーイ!』
私がディセンダーだと言う理由で、歓喜の声を上げ態度を変える者
—ディセンダー、その一言が私の全てを変えてしまった。
私はアムニス・グラニデじゃないの?
食堂でそう思い悩みながら夕食をとっていると、またそれを言って来る者が居た。
そう英雄などが好きなカイル、好奇心旺盛なロイドやコレット、幼いマオなど若いメンバーたちだ。
『アムニスってディセンダーなんだろ!?それって英雄って事だろ!「うるさいっ!!!!!いい加減にしてよっ!!!!!」うわぁ!』
『カイルっ!?アムニス何を…』
また私をディセンダーと呼ぶ、それだけでもう限界だった。
食べ終えた食器を思わず投げつけ割ってしまうと、隣に居たカノンノが驚いた表情で見つめる。
『…そんなにディセンダーが珍しい?そうよね!!私がディセンダーだとわかった途端、皆がそんな顔で見るもの!私は好きでディセンダーで生まれたワケじゃ無い!!!こんな風に見られるのなら…もうアドリビトムなんて辞めてやるっ!!!!!』
『アムニスっ!!!!!』
だが泣いているアムニスからすればどうでも良かった、こんな風にしか見られない場所なら居たくない、私は私なのに
気が付いたら船から出ており、私は武装もしないでガレット森林区へと逃げていた。
- Re: テイルズオブジアビス—受け継がれる思い— ( No.25 )
- 日時: 2012/03/13 22:03
- 名前: リラ (ID: 4HN4VOsr)
「…私が悪いんじゃないもん、私は私なのに…ディセンダーとしか見てくれなかった皆が悪いんだ…てか、寒い…っ!」
それで現在に至ると言う訳だが、今まで走っていたせいで気が付かなかったがガレット森林区は冬の気候であり実を言うと滅茶苦茶寒い。
しかもアムニスの職業は盗賊である、盗賊の衣装は基本的露出と言うか肌を出す服が多いので尚更だ。
せめてコートでも着てくれば良かった…と自分の浅さかな行動に涙目になり、でも今のバンエルティア号には戻りたくないなーとため息をはいていると前方から敵が現れる。
確かアイスウルフとアイスリザードだ、コイツらぐらいなら倒せる。
「—皆行くよっ!」
何時ものセリフを言いながら戦闘に入ってしまったが、この祭どうでもいい
アムニスは短剣を構えるとすぐさまビンを作り出す。
「どうだっ!ボムレインっ!」
「キシャアアアアアアアッ!!!」
そしてビンが爆発するとアイスウルフが悲鳴を上げ、運よく麻痺状態にもなってくれた。
ならちょうどいい、ついでにアイテムも頂きますかと動く。
「えいっ!ローバーアイテム♪やったぁ♪」
そしてオニギリを奪うとその攻撃でアイスウルフが消滅し、残るはアイスリザードだけとなる。
「どうせなら取得したばっかりの秘奥義行くか…はぁぁぁぁっ!!!」
ちょうどセルシウス戦で秘奥義を取得しており、オーバーリミッツも使える状態だったので闘気を解放するとすぐ力を込め
「—本気で行くわよ…これで決めるわっ!!デットスパイラルッ!!!!!」
「ギャオオオオオオオっ!!!!!」
短剣で何度も突く秘奥義—デットスパイラルが決まり、アイスリザードは無残な姿で散る。
それと同時にアムニスには350ガルドが手元に集まり、なるほどと納得した。
「(デットスパイラルは短剣で突いた後、ガルドを入手するかしないか…いわゆる博打のような秘奥義だったのね…疲れた)」
今回が秘奥義を発動させたのが初めてでどんな技なのかも知らなかったのだ、少々疲れるが盗賊の技としては中々高威力な技だねと考えていると—背後から誰かが接近していた。
「…っ!?今は疲れてるのに…!爆突轟衝撃っ!!」
これには自分の失態に舌打ちをしつつも爆突襲撃後、敵の足元に五つのお土産を置いていく奥義—爆突轟衝撃をすぐ発動させ接近している相手に攻撃しようとしたが
「…瞬連塵」
「…何で初期技で、私の奥義技止めれるのよ…ロスト」
「伊達にお前の兄貴やってないからな、アムニス」
何とその人物は大剣士の初期技でアムニスの奥義を止め、これで正体が兄である事に気が付き呆れた表情で兄の名前を呼ぶと、彼はアムニスを【アムニス】として見つめながらそう呟いた。
- Re: テイルズオブジアビス—受け継がれる思い— ( No.26 )
- 日時: 2012/03/17 15:46
- 名前: リラ (ID: 4HN4VOsr)
「…そう、伊達に【偽り】の兄貴やってないってワケね…そうよね、私はディセンダーとして生きていくしか無いもんねっ!!!」
「別に偽りと言うわけではない、俺とお前が兄妹なのは本当の事だ、俺は先代のディセンダー…【テレジアのディセンダー】でもあったからな」
「へぇ………って、テレジアァ!!?」
自分と自分として見てくれるのはもうロストしか居ないのか—そう思うと悲しくなり、同時に誰も信じたくない思いがこみ上げてしまい追ってきてくれた兄の事も否定してしまう。
しかし次の瞬間—自分とロストは本当の兄妹であり、ロストは先代のディセンダーであり【テレジアのディセンダー】だったと言う事も聞くとそう言う考えは吹っ飛んでしまった。
「そうだ、俺はテレジアのディセンダーとして生まれその時世界を救った…テレジアには今のアドリビトムのメンバーも数人ぐらい居たよ、リッドやセネル、リフィルとかジーニアスとかクラストかロイドとかアニーやユージーン、今と性格は違うがルーク、ティアもな」
「そんな…他の世界にもアドリビトムのメンバーがいるなんて…」
そしてロストがテレジアで世界を救った事や他の世界にもアドリビトムのメンバーがいるなどを聞いて、アムニスは信じられないと顔を歪ませる。
でもロストも世界を救ったと言う事は
「…ロストも自分がディセンダーって分かった時、皆に見られ方変わったの?」
「まぁ一部にはな…今のここのアドリビトムのメンバーほど絶賛とかは浴びたりはしなかった」
「そう…その時どんな気分だった?」
自分と同じ思いをした時どんな気分だった?—それをアムニスは今知りたかった。
自分と同じような思いをしたロストなら分かってくれる—そんな淡い思いもあったかもしれない。
彼の答えは、私が予想していた答えではなかったが
「—何も思わなかった、俺はただ自分がやりたい事をやっていただけだから」
「…自分がやりたい事」
ロストはディセンダーだと言われても、自分がやりたい事をやっていたから何も思わなかった。
その答えを聞いてアムニスは、自分がやりたい事と考える。
「…少なくとも俺は今までお前は自分がやりたい事をやっていると思っていたが?そんなんじゃなければ今まで起きた事はどう説明するんだよ?」
「…そうだね、私は私がやりたい事をやっていただけじゃない…ディセンダーって肩書きに捕らわれ過ぎていた」
するとロストはアムニスは自分がやりたい事をやっていただけだろと教えてくれ、ようやく彼女は自分がディセンダーと言う肩書きに捕らわれていた事に気が付く。
そうだ自分はやりたい事をやっていただけ、目覚ましたと言わんばかりに彼女は自分の頬を叩くと目つきを何時もに戻す。
「今はこんな事をしてる場合じゃない、急いでバンエルティア号に戻って少しでも世界を救う方法を考えよう」
「…ああ」
そして双子はやるべき事をやろうと思い、二人で船に戻った—
「—って…アレ?この本ここで終わってるけど?」
「だってこれで完結じゃないもん、続きは後編って形であるわよ?」
「えー!折角良い所だったのにー」
「まぁ続きは今度持ってきてあげるよ」
「ホント!?楽しみ♪」
と大事な場面まで呼んでいると、そこでページが終わっており赤髪の少女ネフライトは首を傾げると、茶髪の少女アルブムにこれで完結じゃないと言われ続きが読みたかったのになとうな垂れる。
続きは今度だねと苦笑され、楽しみだなとネフライトはウキウキしているが彼女は知らない。
それから数日後の休日に、金髪の少年に誘拐される事を
番外編終了
- Re: テイルズオブジアビス—受け継がれる思い— ( No.27 )
- 日時: 2012/03/18 21:23
- 名前: リラ (ID: 4HN4VOsr)
はい、TOW2の番外編終了です♪
アムニス「…終わりが中途半端過ぎない?」
アンタは私にTOW2の話を全て書けってか
そんな事したら200レスぐらいは使って、番外編って規模じゃ無くなるわ
ロスト「それもそうだが…もう少し終わり方が…」
まぁここから先知りたければ、TOW2を買って下さいって事で♪
それではアムニスたち、お疲れ様でしたー
二人「「強制退場させるなぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?(謎の力で消える」」
ふぅ…これでTOAの小説本編に戻るよ
ネフライト「やっとか、で、第二章はどんな感じ?」
デマントイド「本編ばっかり進めるとシリアスになるって言ってたから、シリアスじゃないのか?」
うん…まぁ、第二章は結構シリアス行くかもねぇ…
ネフライト「?何で?」
…第二章は、アクゼリュスとエルドランド編…
ネフライト「はぁ!?アクゼリュスとエルドランドって確か—(言いかけるが口を押さえられる」
デマントイド「アクゼリュス…あそこはいいネタじゃねぇだろ…」
TOAのネタバレはまだ止めよう(滝汗
私とてこのネタは余り書きたいとは思わないが、キミには壊れてもらわなきゃいけなくてね…
そしてこの二人を登場させたいから…
デマントイド「ああ…あの二人ね、でも本物じゃ『プリズムバレット』『アカシック・トーメント』って、ぎゃあああああああっ!!!!!?」
ネフライト「…今の技で分かる人は分かるよね、デマントイドは自業自得だから放置しといていいでしょ」
…容赦ないねあの二人、まぁネフライトの意見には同意するよ
それではもはや恒例になってる、スキットネタ!
スキット—ローレライとユリアの力を受け継いだ者とバカ—
ネフライト「…僕がローレライとユリアの力を受け継いだ者…僕が…」
デマントイド「やっぱり、信じられないか?」
ネフライト「当たり前だろ!普通に受け入れたらどうにかしてる!そんな人物なんてデマントイドみたいなバカしかいないよっ!」
デマントイド「…そのバカって呼ぶの止めてくれないか?ちょっと傷付く?」
ネフライト「…誘拐犯に傷付く心なんて無いくせに(スパッ」
デマントイド「…相変わらず、キツイねぇ…」
エピドート「バカっ!相変わらずとか言うなっ!」
デマントイド「ま、またバカって言われた…」
ネフライト「…やっぱりバカなんだ…コイツの言った事信じない方がいいのかな…?」
とまぁ、船の中で行われていた会話
デマントイドは弄られ役でバカ扱いの可哀想な—グザッ!(矢が刺さる
スフェーン「ネフライトちゃんが居る前でその事はまだ話さないでくれる?(冷酷な目」
ネフライト「あ、スフェーンさん」
スフェーン「あらネフライトちゃん♪そろそろ次回予告と行きましょう(すぐさま優しくなる」
ね、ネフライト限定で、よくもまぁここまで態度が…『ワイルドギース』ごぎゃあああああ!!!!!?
スフェーン「はい、気絶した作者は無視して次回予告!私たちはもう二人の仲間と合流するために、合流地点である今は無き街と言われるアクゼリュスへ向かった…しかしそこでネフライトちゃんはある能力に目覚め!父の存在を思い出す!」
ネフライト「第二章『深淵の痛みと哀しみの目覚め』をお楽しみに!」
エピドート「いや、章のタイトルからして重い気がするのだが…(汗」
- Re: テイルズオブジアビス—受け継がれる思い— ( No.28 )
- 日時: 2012/03/26 14:40
- 名前: リラ (ID: 4HN4VOsr)
第二章—深淵の痛みと哀しみの目覚め—
「穿衝破ァ!」
「甘いっ!烈空斬っ!」
アルビオールの甲板らしき所では、ネフライトとエピドートが剣の特訓をしていた。
そしてネフライトの剣による突きの後、拳で突き上げる穿衝破が繰り出されるが、エピドートの前方に飛びながら垂直回転斬りをする技である烈空斬によりかわされる。
「クッ…なら…煌きよ、意を示せ!フォ…」
「—譜術を発動させる隙なんて与えないぜ?」
剣技が駄目なら譜術で対応しようと、発動が早い光の技であるフォトンを唱えようとしたが何時の間にか後に回られており首筋に剣を突きつけられていた。
「あー、また負けちゃったなー…エピドートの剣ってシグムント流でしょ?違う系統の相手って難しいなー…」
「まぁネフライトはアルバート流を使う割には結構強いと思うけどな、そう言えば剣は誰から学んだんだい?」
「これでも自己流、母さんみたいに杖で戦うのは僕の性分じゃ無かったから」
「…そっか、キミの剣の腕前は自分で…頑張ったんだな」
エピドートの素早さに驚きつつもまた負けちゃったなと、座り込みながら彼の使うアルバート流の弱点を突くシグムント流の相手って難しいなとうな垂れる。
しかしエピドートはネフライトの剣の腕を素直に認めており誰かから習ったのかと聞くと、案の定自己流ならしく母親みたいに杖で戦うのは自分にあわないと言うと、苦笑しながら何処か寂しそうに納得していた。
エピドートがそんな表情をする理由がネフライトには分からず、どうしたのと聞こうとした瞬間
「—うああああああああああああ——————っ!!!!!」
「デマンっ!しっかりして!落ち着いて!!」
「「っ!!?」」
操縦席の方からデマントイドの悲鳴が聞こえて来て、スフェーンが叫んでいる声も聞こえて来た。
何かあったのかと思い、ネフライトとエピドートはすぐさま中に入って操縦席のドアを開けてみると
「デマン、お前…その身体…!!」
「顔色が悪い…!癒しの力よ、ファーストエイド!」
スフェーンの腕の中で倒れている彼の身体が光に包まれており、エピドートがその身体と驚いているとネフライトは顔色の悪さを確認しすぐさま回復譜術を唱えるが
「うぐぁ…!!い、痛いぃぃぃ!!苦しいぃぃ…」
「嘘…回復魔法が聞いていない!?」
「それなら…命を育む女神の抱擁、キュア!」
どうやら全く効いていない様で、ネフライトが困惑しているとスフェーンがファーストエイドより上級回復譜術であるキュアを唱えるとようやく痛々しい悲鳴が止み落ち着く。
「ふぅ…上級回復譜術を使わないと落ち着かないなんてちょっとマズいのかな…?」
「ねぇエピドート…病院連れて行ったほうが『それはダメだ』…何でよ!?」
これで少しは落ち着いたかなと、スフェーンはほっとしながら上級回復譜術を使わないと落ち着かないなんてちょっと容態が心配ねと呟く。
それはネフライトも同じで病院へ連れて行った方がいいんじゃと言うが、即行で断られ反論する。
「デマンには悪いと思うが待たせている人物がいるんだ、この下にな」
「待たせてる人?この下って確か…」
するとエピドートはどうやら待たせている人物がいるようで、この下を指差すとネフライトも首を傾げる。
この下は紫色の海—瘴気しか見られないと思ったが、すぐにかつてあった街の名前を思い出す。
「ここってアグゼリュス…?昔何者かによって瘴気へと沈められた街…」
「…その通りだ」
オールドランドの歴史の中でも最近の事で、かつて世界が危機に陥った時、英雄が唯一救えなかった街とされている名前を呼ぶと、エピドートは苦渋の顔をしていた。
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