二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【フリーダム】ボカロ曲短篇集【解釈】
日時: 2012/03/08 21:23
名前: 悠 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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ボカロが好きすぎてついに短篇集つくっちゃいますた(・ω・)
気まぐれにフリーダムに更新予定です。
基本的なルールを守れる人はうぇるかむ。守れない人はぐっばい。
ちなみに悠と書いて「はるか」と読みます。


 @ 悠/はるか
好きなボカロキャラ/初音ミク
好きなボカロ曲/
結ンデry,マトリョシカ,カゲロウデイズ,悪ノ娘/召使,死にたがり,千本桜,ロミオとシンデレラ等



@ カゲロウデイズ 
>>1 歌詞
>>2/>>4 本編




〆 3.7 スレッド生成
「カゲロウデイズ」1話目更新

〆 3.8 返事完了+1
「カゲロウデイズ」2話目更新


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Re: 【フリーダム】ボカロ曲短篇集【解釈】 ( No.1 )
日時: 2012/03/07 20:20
名前: 悠 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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——カゲロウデイズ 自然の敵P



8月15日の午後12時半くらいのこと 天気が良い
病気になりそうなほど 眩しい日差しの中
することも無いから君と 駄弁 (だべ)っていた

「でもまぁ夏は嫌いかな」
猫を撫でながら 君はふてぶてしくつぶやいた
あぁ、逃げ出した猫の後を追いかけて
飛び込んでしまったのは赤に変わった信号機

バッと通ったトラックが君を轢きずって鳴き叫ぶ
血飛沫の色、君の香りと混ざり合ってむせ返った
嘘みたいな 陽炎 (かげろう)が「嘘じゃないぞ」って 嗤 (わら)ってる
夏の水色、かき回すような蝉の 音 (ね)に全て 眩 (くら)んだ


目を覚ました時計の針が鳴り響くベッドで 今は何時?
8月14日の午前12時過ぎ位を指す
やけに 煩 (うるさ)い蝉の声覚えていた

でもさぁ、少し不思議だな。
同じ公園で昨日見た夢を思い出した
「もう今日は帰ろうか」道に抜けた時
周りの人は皆上を見上げ口を開けていた

落下してきた鉄柱が君を貫いて突き刺さる
劈 (つんざ)く悲鳴と風鈴の音が木々の隙間で空廻り
ワザとらしい陽炎が「夢じゃないぞ」って嗤ってる
眩む視界に君の横顔、笑っているような気がした


何度世界が眩んでも陽炎が嗤って奪い去る。
繰り返して何十年。もうとっくに気が付いていたろ。
こんなよくある話なら結末はきっと1つだけ。
繰り返した夏の日の向こう。

バッと押しのけ飛び込んだ、瞬間トラックにぶち当たる
血飛沫の色、君の瞳と軋む体に乱反射して
文句ありげな陽炎に「ざまぁみろよ」って笑ったら

実によく在る夏の日のこと。
そんな何かがここで終わった。


目を覚ました8月14日のベッドの上
少女はただ 「またダメだったよ」と
一人猫を抱きかかえてた




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Re: 【フリーダム】ボカロ曲短篇集【解釈】 ( No.2 )
日時: 2012/03/07 20:36
名前: 悠 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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  カゲロウデイズ 1
 「だから夏は嫌いなんだ」





 携帯を見れば、デシタル式の時計がでかでかと日付と時間を主張していた。
8月15日12時28分、とても暑い日だった。
病気になりそうなくらい、太陽がアスファルトと俺を照らしつけて、「あちー」そう呟いた。
何時もの公園にて、することもない暇な俺と彼女は、意味も無く駄弁っていた。


「でもまぁ、夏は嫌いかな」
「そうなの?まあ、俺もだけどさ。なんで?」
「んー、やっぱり暑いし?」


 そういいながらも見るからに暑苦しい猫をふわりと撫で付けながら彼女はふてぶてしく呟いた。
俺はそんな彼女の腕に抱えられてる猫をちらり、見ると、その瞬間鈴がちりんと鳴って彼女の手から猫が逃げ出した。


「あっ…!ちょっと待って!!」


 逃げ出した猫のあとを追いかけて彼女は走り出す。
そんな彼女の足が横断歩道に差し掛かったとき、俺は思わず手を伸ばして、彼女の名前を叫んだ。
——信号機が、赤に変わった。
気づいたときにはもう遅くて、クラクションをけたたましく鳴らしながら横断歩道にトラックは突っ込んでいった。

バッと通ったトラックが彼女を轢きずったまま暫く走って何メートルかのところで止まった。
血飛沫が俺の頬をそめて、その鉄の臭いが嗅ぎなれた彼女の香りと混ざった。
とたんにむせ返る。気持ち悪い。

目の前には、血の海の中で倒れる彼女がいた。
彼女は固く目を閉じていて、手はだらりと力なく下がっている。


見るからに、全ては事切れていた。
「——嘘だろ」

目を疑う。息が出来なくなって苦しくなる。
どうして、どうして。

その刹那、急に後ろから気配がして後ろを振り向く。


「嘘じゃないぞ」——陽炎が嗤う。
俺の容姿とそっくりな陽炎が口元を歪めてくつくつ嗤う。
それがとんでもなく不愉快で、声にならない叫び声を搾り出す。


ふと空を見上げれば、にくいほどに青い空。
アスファルトの上に咲く紅い花とは対照の色。
蝉の音が俺の耳を支配する、かき回す。すべて眩んで、見えなくなった。


(嘘だといってくれよ)



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Re: 【フリーダム】ボカロ曲短篇集【解釈】 ( No.3 )
日時: 2012/03/07 21:11
名前: みくる& (ID: 5Zruy792)

あたしもカゲロウデイズ好きです!!
鳥肌立ちます^^
今回深い意味が分かってよかったです!!
もっと書いてくださいね!!
ちなみにあたしの小説は、「ミストLOVEストーリー」です!!
イナゴで〜す^^
よかったらたまに見に来てくださいね!!

Re: 【フリーダム】ボカロ曲短篇集【解釈】 ( No.4 )
日時: 2012/03/08 21:19
名前: 悠 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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  カゲロウデイズ 2
 「だから夏は嫌いなんだ」





「ッ……!?」


 目を勢いよく開ける。息は乱れていて、額には汗が滲んでいる。
俺は携帯を開けてデジタル時計は食い入るように見つめた。
8月14日、午前12時04分。外はまだ暗い。今さっきのは夢なのだろうか。頬を汗が伝う。
やけに煩い蝉の音と、彼女と鉄の臭いを生々しく覚えていた。まるで、夢ではないのだというように。


「はあ、はあッ……」


 息があがる。どうしようもなく悲しくなって、もう一回寝ようと布団へ潜る。
馬鹿みたいだ。夢は所詮夢でしかないというのに。
ほんとう、馬鹿げている。彼女は死んでいない。否、死なない。
それでも不安になる心を押し込めて、目を強く瞑った。





 ***





「どうしたの?今日は遅かったね」
「え?う、うん。寝過ごしちゃって」


 嘘だ。一睡もしていない。けれどそんな事いえずに、食い入るように彼女を見つめた。
息をしている。当たり前だろうが、どうしても気になった。
その膝の上には黒い猫の姿。どくんと心臓が跳ねる。


「あ、」


黒猫が、彼女の膝から飛び降りた。
彼女が追いかけようとする。
あ、れ……?これって夢と同じじゃないか……?
同じ公園で昨日見た夢を思い出した。俺は不安になって、彼女の手を掴んだ。


「もう今日は帰ろうか」
「え?でも、猫……」
「いいから。帰ろう?」
「……そうだね、暑いし。」


縋るようにいえば、彼女は笑って俺の手を握り返した。
これで、もう大丈夫だ。不安が消えていく。
けれど、また何か来るかもしれない。そう思って注意しながら青に変わった信号機を見据えながら横断歩道を渡る。

よし、渡りきった。これでもう大丈夫だ。

ほっと息をついて周りを見れば、町の人たちは皆上を見上げ、口を開けていた。
ざわざわと騒ぎたて、空を指差している。なんだろうか。
すると、彼女がゆるゆると手を解いて、俺の前を走る。


「ちょ、え、待って」


その途端、コンクリートに影がつくられる。
え、と思って上を見上げれば、鉄柱。ビルの工事の最中に落ちてきたのであろう、太くて長い鉄柱。
それは、彼女の身体を貫いて突き刺さる。
紅い血が雨のように降り注ぐ。これは、誰の血?——紛れも無く彼女の血だ。

思わず目を疑う。劈く悲鳴と何処からか聞こえてきた風鈴の音が空へ響き渡る。
血がどくどくと目の前であふれ出す。
吐き気と嗚咽がこみあげてきて、手で口を押さえた。


「夢じゃないぞ」


あの夢の中で感じた気配がした。
背後を振り向けばニイと笑ってワザとらしく「夢じゃない」と、もう一度ゆっくりと言って見せた。
夢じゃ、ない?じゃあ何で彼女は血を流して倒れている?


「嘘だァアアァアアァ!!」


世界が、眩む。
ただ泣き叫ぶことしかできなくて、情けない。
眩む視界の片隅に、笑う彼女の横顔を見た。
——ような気がした。




(また彼女は死んでゆく)



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Re: 【フリーダム】ボカロ曲短篇集【解釈】 ( No.5 )
日時: 2012/03/08 21:30
名前: 悠 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

 >>3 みくる様


初のお客様だ!うっふふー((とか喜んでみたはるかちゃんですよー(^q^)ぐーてんたーく。

カゲロウデイズ良いですよねー、凄く感動します。
何処の下手な映画より何倍も感動しましたww
ふかい意味といいましても歌詞にちょっと文付け足しただけですから歌詞に殆ど助けられたものでs((
けれど喜んでいただけたなら幸いです。
もっと書きますよー、趣味程度のものですけれど覗きにきてやってくださいww
イナゴ小説、是非見に行かせていただきます。
それでは有難う御座いました。


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