二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- かみなりのおと、きみのこえ。 [inzm/ほしのこえ] .
- 日時: 2012/05/02 20:00
- 名前: めーこ ◆o6jjzntThI (ID: ZvHpIN.6)
あの日、あたしは確かに聴いた。
「ここにいるよ」
雷とともに響いた
ほしの、こえ。
---
イナズマイレブン/ほしのこえパロディ。
きみのこえ (@主人公side)
[>>003] 001/覚悟
[>>004] 002/しあわせ
かみなりのおと(@side)
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- Re: かみなりのおと、きみのこえ。 [inzm/ほしのこえ] . ( No.1 )
- 日時: 2012/04/30 12:40
- 名前: さくら (ID: te9LMWl4)
- 参照: 誕生日、祝って欲しくなんか無いんだからねっ!!
うひょおおおおおおおおおおおおお。
初コメGET!?初コメ!?w
新着で見れた幸せ(
inzm短篇かw頑張れよな!
そして、私もう直ぐ誕生日だぜーry
祝って欲しいんだ(まだ言うか
じゃあ、楽しみにしてる!^^
- Re: かみなりのおと、きみのこえ。 [inzm/ほしのこえ] . ( No.2 )
- 日時: 2012/04/30 20:03
- 名前: めーこ ◆RP5U9RTa.. (ID: RmDYGEG2)
トリップ間違えた…orz
>>000は3DSからなんでcookie削除してた…うおお←
◇さくらさん
初コメですよ初コメ!!くそっ盗られた((何
おめでとうございますw
いや、久々に長編に挑戦したいなー、なんて←
頑張りますよっ!
やる気いっぱいですw
何か当日までおめでとうって取っておきたi。
誕生日おめでとうございます!!
なにかしてあげれれば幸せなんだが…考えてみる!
コメント有難うございました!
- きみのこえ/001 ( No.3 )
- 日時: 2012/04/30 20:21
- 名前: めーこ ◆RP5U9RTa.. (ID: RmDYGEG2)
それは、確かで、不確かな感情だったと思う。
001/覚悟。
あたしが、宇宙に、空に憧れるようになったのは、8歳の時だ。
怖い夢を見て泣くあたしを抱き上げて慰めてくれた彼が、宇宙を見上げてキラキラした瞳でその良さを語っていたからだ。
その時は憧れ、じゃなくて、興味だったと思う。
ちょっとした興味。
見ているだけで人を幸せにできるキラキラした星は、泣きじゃくるあたしを酷く穏やかな気持ちにさせた。あたしの表情の変化に、単純だねなんて彼が笑っていたのも全部全部覚えている。
記憶力は、人よりは良い方だと思う。
その時のことも、あたしがお日さま園に来たときのことも、全部、まだはっきりと覚えている。
彼に酷似した容姿のヒロトと会ったときのことも、ずっと記憶の片隅に書きとめてあるのだ。小さなあたしと、小さなヒロト。
泣いているあたしを、幼いからだで抱っこしてくれたんだっけ。
小さなヒロトよりもっともっと小さかったあたしを抱っこして、「おそら、きれいだよ」と彼みたいに笑ったんだっけ。嗚呼、だからあたしは空が好きになったんだっけ。
今日の夕焼け、綺麗だよ。
たった一文だけを携帯に打ち込み、送信ボタンを押す。
けれど『サービスエリア外です』という表示が現れてあたしはその文を下書きというフォルダにしまいこんだ。きっともう、送られることが無いであろう文章。
がたん、ごとん。
先程まで小さな無人駅に停車していた小さな電車が、音を立てて揺れ始める。景色が、流れていく。
夕焼けが携帯の画面に反射して、眩しくなった。
窓から眺める景色を、夕焼けの空を、何機ものトレーサー……宇宙戦闘機が列を成して飛んでいく。
人型の無機質な戦闘機は、これから宇宙へ向かうんだ。あたしも、その一人になるんだ。
そう考えると、涙が出そうになった。
「あたし、大人になりたいよ」
大人だったら、あたしは、宇宙になんて行かなくて良かったのかもしれない。孤児じゃなかったら、生きていけたのかもしれない。人の心を、捨てなかったのかもしれない。トレーサーなんかに乗らなかったのかもしれない。
嫌なかたちで、宇宙に行きたくはなかった。
* *
「あたしが、宇宙に?」
父さんから、その話を聞いたのは数年前だ。
中学校に進学するちょっと前、父さんはあたしだけを呼び出してそう告げた。
お日さま園から、だれか一人を宇宙へ出す。
その一人に、あたしが選ばれたらしい。
無機質な戦闘機に乗って、タルシアンっていう無機質な心を持った火星人と戦うらしい。
あたしは、人じゃなくなるの?
「これはとても名誉なことだよ」
父さんはそう言って笑う。
父さんがそういうならきっとこれはとてもとても名誉なことなのだ。
だけどあたしは知っている。
ヒロトさんが、トレーサーに乗って死んでしまったことを。タルシアンに襲われた仲間を助けて死んでしまったことを、知っている。
「父さん、ヒロトさん、死んじゃったんだよ」
「……知っているよ、だけど、これは」
「国の命令? あたしは、死なないといけないの?」
帰ってくる保証は、無いとは言えない。
きっと、帰ってくることは出来る。
だけどその可能性は低く、あたしは宇宙で死んでしまうかもしれないのだ。死体も回収されず、死んでしまうのなんて嫌だった。
「あたしは、国の為に死ぬんだ」
宇宙に行くことは名誉なんだ。だから行かないといけないんだ。父さんの命令は、国の命令は絶対なんだ。あたしはただ目を伏せることしかしなかった。
無言になった父さん。無言は肯定の証という。嗚呼、父さんはあたしを殺したいのか。きっとそうじゃない。
あたしが存在することによって、ヒロトさんの記憶がずっとグルグルし続けるんだ。あたしが居ることによって、ヒロトさんのことを思い出してしまうんだ。
ただの思い出じゃ、無くなっちゃうんだ。
あたしはゆっくりと頷いた。
「あたし、行くね」
父さんにとって、これが最善だと云うのならば。
あたしはお日さま園の家族や、友達より、無機質な宇宙戦闘機トレーサーに乗ることを、選んだ。
- きみのこえ/002 ( No.4 )
- 日時: 2012/05/02 19:59
- 名前: めーこ ◆RP5U9RTa.. (ID: ZvHpIN.6)
宇宙より、君の隣に憧れた。
002/しあわせ
そっと、囁くヒロトの声にふわりと笑う。
「今日、星を見に行こうか」
綺麗な星が、あたしの部屋からもうかがえた。
星の中に、いくつかの白い筋が立ち昇って行く。——トレーサー、だ。あたしの乗る、戦闘機。
トレーサーのことを考えると少しだけ気持ち悪くなった。
落ち着かせるように息を吐いて、ヒロトを振り返る。笑顔を保ったまま、頷いた。
「ひさしぶりだね、ヒロトと星を見るの」
あたしは、ヒロト達の計画をよく知らない。
父さんはニコニコしてるだけでなにも言わないから、あたしは知る由も無いんだとおもう。
知ったところで、あたしはすぐに居なくなる。
ただ、"グラン"とか、"ウルビダ"とか、そういう単語はなんとなあくあたしの耳に入った。その単語は何なのかとヒロトや父さんに聞いてもただ曖昧に微笑むだけであたしには何も教えてくれなかった。
疎外感なんて、なかったけれど。
ぼんやりするあたしにヒロトが心配そうに声を掛けてくる。大丈夫、——大丈夫、と曖昧に笑うとヒロトはそっか、なんて言葉を呟いてあたしの手を握った。
「行こう、」
うん、と頷いてヒロトに手を引かれて外へ出る。
キラキラした星があたし達を見下ろしてて、思わず頬が緩んだ。
「最近、波音、元気なかったから、……よかった」
「、そうかな?」
「うん、……なんか、隠し事でもあるの?」
ブランコに乗って、空を見上げる。
ヒロトが隠し事でもあるのかと問いかけてくる。あたしはそれに、答えることが出来なかった。数秒間、息が詰まったみたいに動けなくて。
あたしは、小さく微笑む。
何でも無いよ。
その言葉にヒロトは少しだけ怪訝そうな顔をして、それからにっこりと笑った。綺麗で何処か儚い笑顔は、ヒロトさんにそっくりで。あたしは胸があつくなって、そっと目を伏せた。
——あたしは、ヒロトさんが好きだった。だからあたしは、ヒロトのことが好きになった。そしてヒロトも、あたしのことが好きだ。お互いに好きなんて言わない。けど、あたし達は言わなくても分かってる。
ヒロトはあたしの好意を試すように、あたしはヒロトの好意を試すような問いかけをすることが何度かある。
好きだよなんて言わない。言っちゃいけないんだ。
あたしは、ヒロトと一緒に居られなくなるんだから。
そしたらあたしもヒロトも、後悔することになるんだ。だから、あたしは言わない。ヒロトが告白することも無い。よく分からない計画を、立ててるから、きっと迷惑だなんて思ってるんだろう。
「ヒロト、あたし、ヒロトのお陰で空が好きになったの」
「……俺のお陰?」
「あたしが泣いてる時、あたしのこと抱っこしてさ、おそら、きれいだよ、なんて言ってくれたじゃん」
ヒロトはポカンとした表情であたしを見る。単純な理由だとあたしは分かってる。あたしは、馬鹿みたいな理由だとも分かってる。
それからヒロトはにこっと笑ってぷらぷらとしていたあたしの手を掴んだ。包むように握られてあたしの心臓はばくばくと音を立てた。少しだけ汗ばんだ二人の手。それがなんとなあく温かい気持ちにさせてくれた。
二人で手を繋いで、星を見上げる。
キラキラ、きらきら。
あたしの大好きな星が、宇宙が、目の前にある気がした。
「波音は、星が大好きだね。泣いてるときも、元気ないときも、星を見ればすぐ笑うんだから」
「ヒロトは、星がきらい?」
「ううん、好きだよ」
会話はそれきり。
ただ二人で手を繋いで、ただただ空を見上げた。星がきらり、ひときわ大きく光を放つ。
綺麗な時間は、一瞬のように感じられた。
「ヒロト、そろそろ時間だよ。……おや、波音」
「もうそんな時間なのかい、風介」
「嗚呼、……悪いけどヒロトを借りるよ、波音」
「……うん、」
涼野くんが、ヒロトを引っ張っていく。
離れていく、てのひらの温もり。あたしはそっと目を伏せてばいばい、と小さく手を振った。
ふたりで星を見るとか、日常のなかの、ささいなできごとが、あたしのしあわせ。
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