二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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トウボウセイカツ 〜おいでよどうぶつの森〜
日時: 2012/11/09 18:40
名前: ライス@ご飯 (ID: rihdF037)

————何故?

僕の手に握られている冷たくて硬いものから、
ゆっくりと赤い滴が滴り落ちる。

真っ暗で、冷たい部屋に横たわる両親達。
そこから流れる赤い液体。

あぁ、なんて説明すればいいのだろう。
今、頭が混乱してよく理解できない。

———この状況を見てからだと。

…僕はヒトを殺してしまった。

何故ヒトを殺してしまったのか、何故か覚えていない。
ただ、殺してから数時間はそこに居たと思う。
両親が横たわっているという事実に驚いて。

変な風に思わないでくれよ?なんていうか…
両親がそこに横たわっているところから意識が戻ったって言うのかな?
でも、気絶して両親と一緒に倒れていたわけじゃない。

気付いたら、そこで一人立っていた、というような感じ。
だから、罪悪感のかけらも無い。

僕はやっていないんだ。やっていないはずなんだ。

でも、この状況を見てからだとどう見ても僕がヒトを殺した、
というような図だろう。

このままだと捕まるのでは?新たな事に気付き、僕は焦り始めた。

「母さん、父さん……誰に殺されたんだよ……」

母と父の青白い顔。二人とも、眠ったように目を瞑っている。
違和感があるのは、口と腹から血を流していることだろう。

さて、どうすればいいのか?

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Re: トウボウセイカツ 〜おいでよどうぶつの森〜 ( No.1 )
日時: 2012/11/09 19:27
名前: ライス@ご飯 (ID: rihdF037)

————

「へぇ……結構取り乱さなかったな」

「偽造の仕方がヘタクソだったんだよ。やっぱ
 もうちょっとリアルにしないといけなかったんだよ!」

「いいんだよ。それよりやり方少々むごくないか?」

「いや、あいつはこうでもしないとダメだからな」

「それで何ヶ月いるんだよ?」

「えーと、最大で2ヶ月」

「2ヶ月かぁ…なあ、かわいそうだから進めるか?」

————


………う…?

ゴゥン ゴゥン ゴゥン…

かすかな振動と、何かの機械音。

ここは何処?…


目を開けると、そこは車の中だった。

僕は飛び起きて、周りを見渡した。
座椅子にかけてある白い布。前には運転手。

…タクシー…?な、何故僕はここに…?!

「ん?起きたべか」

田舎口調の男の人が言う。いや…なにがなんだか。
僕は寝ていた?いや、それ以前にまた記憶がすっ飛んでいる。

「あんれ、覚えてないべか?お客さん、荷物のせた後、
 すぐに車ん中で眠っただよ」

「え?…そうなの?疲れてるのかな…まったく覚えていないや」

「まぁ、丁度良かったべ。もうすぐ『しろがみ村』に着くからな」

「しろがみ村……そこはどこ?」

「何いってんだぁ?目的地だよ」

「ごめん…まったく覚えていなくて」

「ハハハ、疲れてんだべな、きっと」

運転手の田舎口調からフレンドリーな気持ちを思わせる。

「しろがみ村ってぇのはやさしい奴がいっぱいいるべ。
 オラのふるさとだべ、信用できるだよ」


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