二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.3 )
- 日時: 2009/12/16 21:16
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・壱
「お願いしますッ!! 俺、昔から攘夷志士に憧れてて!! 皆さんと一緒に、この国を立て直したいんですッ!!」
彼の名前は山崎退。
真選組の密偵であり、只今隠密任務を遂行中だ。
過激派攘夷浪士達の中心組織、鬼兵隊に潜入し、次のテロ内容を炙り出すというもの。
「いきなりンな事言われてもよォ…、高杉様や武市様に聞いてみねェと・・・」
「その前に攘夷志士なんててめーみてェな甘っちょろい若造になれるわきゃァねんだよ! 帰れ帰れ!」
しかし、任務遂行といっても潜入できなきゃ意味が無い。
鬼兵隊宙船(そらふね)の門番2人は、なかなか山崎を通してくれないのだ。
桂の時と違ってさすが過激派攘夷衆というところか、簡単には潜入できいのである。
必死で頭を下げても、そう簡単に入れない事は山崎も承知の上で望んだつもりだったが、予想以上に疲れるものだ。
「頼みます、俺、雑用でもなんでもしますから…」
何分かが経過し、山崎がブンッと大きく頭を下げた、その時だった。
『ねぇ、何してんのお前等』
甲板の柵から身を乗り出した、1人の少年らしき人物が、ニヤニヤとした顔つきで山崎達を見下ろしていた。
「りょっ、稜弥様ァア!!」
「危ないですゥゥ! またそんな事してェェ!! 降りてきてくださいィィイ!!」
すると、門番の志士達は今までと血相を変えて、その青年に大声で言った。
『えー、降りるのー?』と不満げな口調の青年は、グッと足に力を入れ。
次の瞬間。
掴んでいた柵の柱を放し。
ピョンッと甲板から、なんと飛び降りたのだ。
「あ゛あ゛あ゛ァ゛ァ゛!!! 稜弥様ァァァア!!」
「何してんすかアンタはァアアア!!」
志士達はあんぐりと口を開け、もう海に落ちる寸前の青年に向かって叫んだ。
山崎もただポカンとしているだけであった。
しかしだ。
ザバアアア!! と大きな音を立てて上がった水飛沫と波が、門番達と山崎にかかったせいか。
なかなかその稜弥と呼ばれた青年の姿が見えず、ついには見失ってしまったのである。
海を見やっても、稜弥はなかなかあがってこず、ついには5分が経過した。
「ちょ、ちょっと、これあの人沈んじゃったんじゃ…」
山崎は不安そうに門番の1人に話しかける。
「お、俺ァ知らねェ、稜弥様が勝手に…」
門番のうちの1人は冷や汗をダラダラと流し、動揺を隠し切れずにいる。
その目はもう泳いでいるどころかクロールを始めそうな勢いだ。
「おいテメェ!! 一人だけ逃げようってんのか!? これが高杉様にバレたら、俺ら打ち首どころか惨殺刑に…」
もう1人の志士が言い終わらないうちに。
『えー? いくら兄貴でも惨殺刑にはしねーと思うよ? だって、俺の兄貴だもん』
またあの稜弥の声が、どこからともなく聞こえてきた。
2人の門番は、
「「うわァァァァア!! 稜弥様が化けてでたァァァアア!!!」」
と涙をザァザァと滝のように流しながら、船内へと全速力で逃げていった。
『んー? 行っちゃったなーオイ』
稜弥の声はその呟くと、
『おい、そこの、お前は何しに来たの? ま、聞いてたけどね』
と小憎らしく山崎に言い放った。
山崎はどこから声が聞こえてくるのか分からず、ただキョロキョロと周りを見渡していた。
「(何だアイツ、海に沈んだんじゃないのか!?)」
山崎の頭はただそれだけで、少し混乱していた。
下や上、左右もよくよく見回したが、さっきの青年の姿は見られない。
ヤバイ、どうしよう、山崎の頭はただただ混乱するだけだった。
『おまっ、こんだけ近づいても気付かねーなんて志士としては致命的よ? すぐ殺されちゃうよ? ほら、首元見てみろよ』
その声にハッと我に返った山崎は、首元をそっと見てみた。
山崎の背筋は凍るようにゾッとした。
山崎程の手練(てだれ)は、自分の後ろに相手がいれば即気付き、武器を当てられよう物なら即座に反撃するのだが。
山崎の首元には、紫色に妖しく光る弓矢の刃が突きつけられていた。
「お、お前は…」
『あー大丈夫だから、殺さないって。それよりさー』
稜弥は山崎の首元とから弓矢を放した。
そして、山崎の前に出て来た。
『さっきの聞いてたよっと。ここに入りたいんだってね。別にいいぜ? あー因みに俺の部下だけどね』
その容姿は、体が華奢で、美しい紫の髪をした、青年じゃなく、女だった。
山崎は目を丸くして稜弥を見つめる。
『山崎っていったっけ? これから宜しくな。俺の名前は高杉稜弥。高杉晋助兄貴の妹だよ。一応、運動神経には自信あるからさ、お前が着いてこれるか心配だけどさ』
稜弥はニコッと微笑んだ。
山崎は無事に潜入捜査を遂行出来ることができるのか。
山崎は、これから不安でいっぱいである。
■━━━・・・・・・・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.4 )
- 日時: 2009/12/16 21:17
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・技術説明
ここではこの小説内の稜弥や泉菟が使う技術の事を背姪します。
実際に言えば絶対ありえない事です(^q^)
少し説明致しますが、断固有り得ない事なので、絶対に真似しないで下さい( ´・ω・)
第壱話━━
稜弥の運動神経は、攘夷一と謳われています。
剣の腕も随一で、下手すれば沖田より強いかも、という設定です。
稜弥が船から飛び降りた瞬間、稜弥は背か35~50本ぐらいの弓矢を取り出し、一気に海へ打ちました。
そのせいで水飛沫というか、大きな波が起こります。
それで出来た水の穴を利用し、今度は先ほど打った弓を足場代わりにして、山崎達が立っている所に飛び移ります。気合と根性で。
稜弥私用の弓矢はとことん長いです。
海に突き刺さります。
■━━・・・用語説明
ここでは俺が作った用語を説明致します
鬼兵隊宙船…
鬼兵隊の軍艦です。
ただググったりしても名前が出てこなかったので、俺が命名しました( ´・ω・)
意味は、宙も飛べるから、という理由です( ´・ω・)
水陸両用ですね!!
まだとことん増えていくかも。
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.5 )
- 日時: 2009/12/16 21:18
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・弐
『で、ここが会議室で、あっちが甲板な。船の中は大体これくらいだからよ、今日は俺が呼ぶまで屋帰ってろ。さっき教えただろ?』
大体船の中を山崎に案内してやった俺は、そう言って休むように促した。
部下が出来たのが始めてで、凄く今嬉しいんだ。
俺に任せると滅茶苦茶にされていけないって、武市とか俺に部隊任せてくんなかったからさ。
まぁ現に山崎を部下にしたっての内緒だからな。
山崎は元気よく「はいっ」って言って、俺がさっき教えた自分の部屋に行った。
上司になったからには、とりあえず部下に好かれて尊敬されるようになりてーな!
あー嬉しい!
ここでリンボーダンス踊れるくれェ嬉しいよ!
踊ろうか? もうここで踊っちまうか?
アハハー・・・テンション上がりすぎて怖いわ俺・・・
こんな昼間からこんな気持ち悪いテンションでいいのか?
『これでやっと兄貴に馬鹿にされずにすむぞー!!』
俺は大きく手を広げて、万歳の格好になった。
しかし。
「ククク…、随分と妙に騒がしいじゃねェか、稜」
後ろから、俺が随分と聞きなれてる腹立たしい声が聞こえてきた。
俺は思わず『げっ!!』と阿呆みてーな声を出す。
俺が振り返ると、そこには。
女物の着物着て、煙管を吹かして、妙にエロスオーラが出てる。
『兄貴・・・』
俺の兄貴、
高杉晋助が、ニヤニヤとしながら俺を見てた。
『い、いつから見てた?』
「見かけねェ顔の奴が返事した所から」
『ほとんど全部じゃねーか!!』
ビシッと突っ込む俺に、兄貴は冷ややかな目をした。
うわ、傷つくよ、俺。
ククク、と笑った後、兄貴は煙管を吹かした。
「テメェに部下なんて必要ねェだろ? 何故俺の了解も得ずに勝手な事してやがる」
紫色の煙をフーッと吐いて、俺に低い声で言った。
『必要ない事はねェよ! また子や似蔵はたくさん部下持って、その上部隊だって任されてるじゃんか!』
「お前は鬼兵隊の副首領だ。腐るほど部下持ってんじゃねェか」
『それは兄貴もだろ! 俺は、俺だけの部下が欲しいんだ! それに、他の奴等は・・・』
はっ、と我に返った俺。
今、ここで兄貴にいろいろぶつけても、何もなんねェし。
俺は一旦心を落ち着かせた。
『・・・いや、別にいいよ。でもアイツは、山崎は俺が一番に見つけたんだ。俺がアイツの上になる』
兄貴にそう言うと、俺は兄貴の横を通って、奥の扉を開けて甲板に入ってった。
■━━・・・
兄貴が俺の事、信用してくれてるのは分かってる。
俺に部下なんて持たせなくても、一人でなんでもやってのけるって、信用してくれてるとは思ってるよ。
でも。俺は。
兄貴みたいに、人に頼られたことが一度もない。
兄貴は皆に頼られるけど、俺は「鬼兵隊の副首領」とか「高杉晋助の妹」って、名前だけで飾られる。
それで皆、俺の実力も知らないくせに、余所余所しく敬語使ったりするんだ。
俺はそれが嫌だ。確かに学なんて俺には無いよ。
兄貴みたいに作戦なんて立てられないし、武市やまた子みたいに大勢の人間を纏められる能力も無い。
けどさ。俺だって強いよ。
皆に頼られるような、凄い人間になる素質はあるはずなんだ。きっと。
人を、部隊を、任せられないのは何故なんだろう。
何回も思ったけど、答えは見つからないし。
でもさ。1人の人間ぐらいに、頼られたい。
尊敬されたい。歓心されたい。
俺は憎いほどの青空を仰ぎ見て、深すぎるため息を吐いた。
■━━・・・・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.6 )
- 日時: 2009/12/16 21:20
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・参
『…武市さ、もーちょい分かりやすいように説明してくれたら俺嬉しいんだけど』
「それもう5回目ですよ。これでも私頑張って分かりやすくしてます」
鬼兵隊幹部会議中、稜弥はぐむむと不満げな声を上げた。
『だって何喋ってるか分からないんだもんー!! 何!? 拡散!? カクサンって何!? 薬!?』
「兵を拡散させる」の意味がもはや分かっていない稜弥。
今度行うテロの事で、鬼兵隊内の重要義務を任されている幹部達が集まって会議しているのだが。
稜弥のせいで一向に進まないのである。
夜な夜な繰り返される会議に対してストレスが溜まっているであろう幹部達にとって、使えない副首領はストレスの権化である。
「稜弥様、あとで俺達が分かりやすくうさちゃんとかでお教えしますから、今日のところは部屋帰ってください」
隊士の一人が稜弥に優しく言うと、稜弥は
『うさちゃんって何だアアア!! 何さ! 俺だって頑張って理解しようとしてるのに! 皆俺の事邪魔者扱いしやがって! いーもん! あとでまた子にねこちゃんで教えてもらうもんンン!!』
と言いながら会議室を飛び出してった。
「稜弥様ァァア!?」と来島また子は稜弥を追おうとするが、武市に止められた。
「・・・結局、ねこちゃんじゃないスか・・・」
先の隊士の一言のあと、辺りはシンと静まり返ったが。
「……で、続きは」
という高杉の一声で、また会議は開始されたのである。
▼
「(…なんだこの会議、むちゃくちゃじゃないか)」
そう思うのは屋根裏で捜査をしていた山崎だった。
黒い忍服に身を包んだ姿は、さながらどこかの痔忍者を彷彿とさせる。
天上に1,2㎝ぐらいの穴を開け、そっと見ていた。
「(攘夷一と謳われているなんて聞かされてたから、凄い奴に着けたと思ったのに何一つ出来ていないじゃん、あの人)」
あの人とは言わずもがな稜弥の事である。
嗚呼、こんな過激派攘夷集団にも平和ボケしてたのが居たんだ。
山崎は少し馬鹿馬鹿しくなってくる。
ため息を吐いたあと、山崎は捜査に戻った。
そして、驚くべきことを耳にしたのである。
「では来週、真選組屯所爆破テロ、実行に移すことにしましょう」
■━━・・・・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.7 )
- 日時: 2009/12/16 21:21
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・四
『やーまーざーきー!! 聞いてよー!! 俺会議室追い出されてー………、って、あれ?』
山崎の部屋の扉を、ノックもせずガラァッと開けた半ば涙目の稜弥。
しかし、そこはもぬけのから。
辺りは山崎の影も形も見えず、ただシンとしていた。
『なんだアイツ、どっかに行ったのか……?』
今日は俺が呼ぶまで部屋にいろ、と言ったのに。
稜弥は少しイラッとくるが、頭を振ってその思考を掻っ消した。
稜弥は戸を閉め、ボウッとしたまま歩き出した。
そうだ、俺一人で真選組を潰しに行こうかな。
そんな馬鹿げた事考えて。
『(いや、マジで潰そうかな)』
■━━・・・・・・
「!!?」
山崎は思わず目を見開く。
そんな計画を練っていたのか。
今までの会話から、そんな事は一切感じ取れなかった。
真選組屯所爆破テロ。
大胆すぎる強行、いや、狂行。
こんなのがあの町中にある屯所なんかにされてしまったら、江戸一帯はパニックになる。
「(これは大変な事だ、これは早く、局長に知らせないと・・・)」
山崎は屋根裏からそっと出ようとした。
しかし。
運が悪かったのだろう。
ガタタッと山崎の肘が、ある柱に強めに当たってしまい。
大きく目立つ音が、会議室に鳴り響いた。
「でけェ鼠がいるようだなァ…、ククク」
高杉がそう笑う声が聞こえた。
「……ヤバい」
山崎はそう言うしかなかった。
「曲者だァ!!」
「捕まえろォ!!」
会議室に居た者の大半は、天上に向かって攻撃を繰り出した。
来島は1発、また1発と銃弾をガンガン天上に撃ち続けていた。
山崎は屋根裏の片隅に寄り、何とか事なきを得て居た。
さて、その銃の音や刀が出す音が一気に鳴り止むのは、この一言の2秒後である。
ダダダッと廊下を1人の隊士が走ってきた。
「た、高杉様ァ! 皆さん! 大変です!!」
その顔は青く、冷や汗と思える水滴を額いっぱいに滴らせ、とても重大な事が伺える。
「どうしたんですか、そんなに騒ぎ立てて」
武市が力ある目でその隊士を見つめると、隊士は切れ切れとした息を整えながら言った。
「稜弥様がッ! 稜弥様が、今から真選組を1人で壊滅させに行くって、俺らの言う事なんて気にも留めずに、ついさっき一人で出て行ってしまったんです!!」
さて、先に言ったように、先ほどまで鳴り響いていた騒音は、この一言の2秒後、ピタリと鳴り止んだ。
■━━・・・・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.8 )
- 日時: 2009/12/16 21:22
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・伍
ザッ、とアスファルトを鳴らした。
今宵は肌寒く、稜弥は白いマフラーを巻いていたが、それでもまだ寒かった。
『・・・夜に出てくるんじゃなかったなァ、すげェ寒い』
稜弥はボソッと呟いてみるが、もう夜もとっぷりと更け(ふけ)、灯り一つ着いていない状態のこの町。
皆寝静まってるんだろう。
『昼間に出てくるべきだったわコレ、いやでも明日は・・・、あー帰りたい』
〝俺ちょっと真選組に殴りこみ行ってくるわ"
〝ちょ、何言ってんですか稜弥様、駄目に決まってるでしょ!!"
〝何だよテメェ、俺が信用できねェってのか!!"
〝そうじゃなくて、どのみち俺らと行くんですから・・・"
〝お前等と一緒じゃ意味ねーの! 安心しろ、ちゃんと戻ってくるから!"
なんてやり取りがあった為、今から戻るのは何かこう…恥ずかしい?
俺は悪くないのに、俺が恥ずかしくなるのは嫌だ。
と、意味の分からない考えが頭にボンッと浮かぶ。
気温がどんどんと下っていく中、稜弥は難しい事で頭をいっぱいにしながら、真選組屯所へと歩んでいった。
■━━…
「まったく、おてんばにも程がありますねェ稜弥さんは。まァそこがどこかの猪女と違って可愛いんですけど」
「何言ってんスかロリ先輩、稜弥様はロリっていう程小さくありませんッスよ」
「ロリじゃありませんフェミです、貴女と違って明るく優しいと私は言いたいのですよ。私は蕾だけでなく、開いた花も愛でるのです」
「ていうか、今はそういう問題じゃ無いッス!」
稜弥様どこ行ったんですかー!! とか叫びながら、ドタドタを走り回る隊士達。
とりあえず稜弥様を探せ、と命が出たので、必死になって探している最中である。
埃を立て、床が抜ける程に大きな音を立て、会議室からドンドン出て行く隊士達を見つめながら、上官2人は呟いていた。
「稜弥様、最近悩んでた様で、ずっとイライラしてたッス」
来島は心配そうにうつむきながら呟く。
「そうですねェ、私も何度か甲板に一人で居るのを見ました」
武市は力ある眼を高杉にむけ、言った。
「……」
心配そうな素振りも見せず、ただぷかりと煙管を吹かしている高杉。
しかし。
「晋助様、煙管、逆ッスよ! 逆!」
来島が言ったとおり、煙管が上下反対であった。
口の所から灰が落ち、机が焦げていたのはそっとしておいてあげればいいんじゃないかな。
慌てる素振りもなくそっと煙管の向きをもとに戻した高杉に、来島は少しキュンとしてしまう。
「彼も心配なんですね、稜弥さんの事が」
武市が言う。
来島もそっと高杉に視線を向けるが、ただ高杉はぼうっと窓から外を見ていた。
数分が経ち。
高杉はいきなりすくっと立ち上がり、来島と武市の視線を浴びながら、会議室の入り口へ赴いた。
「ちょっ、晋助様、どこ行くッスか!?」
来島がそう聞くと、数秒間をおいて、高杉は
「………散歩だ」
と冷たく返して、会議室から出て行った。
「皆さん結局稜弥様が大好きなんですねェ。愛されてる花、いいですねェ」
「気持ち悪いッス武市変態」
「変態じゃないです先輩です。私達はどうしますか?」
武市がそう聞くと、来島は0,3秒で返事をした。
「もちろん、稜弥様を探しに行くッス。あ、武市先輩は着いて来なくていいッスから」
「即答ですか。いやはや私も稜弥さんはほっとけないというもの・・・」
来島は怪訝そうな顔をした。
武市はその顔に傷つく。
「駄目ッスよ、先輩はそこの侵入者を見張ってて下さいッス」
来島はビシッと指を指した。
その方向には、縄でぐるぐる巻きにされた山崎の姿が。
「侵入者なんてすっかり忘れてましたよ私」
大きく見開かれた眼は、山崎をジッと見つめた。
「私は行ってくるッスから、先輩宜しくお願いしますッスー」
そう言いながらピューッと風を切るようにサッサと出て行った来島を、武市は恨めしそうに見ていた。
■━━・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.9 )
- 日時: 2009/12/16 21:25
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・六
「はーいちょっとちょっとー、ちょっと止まってーお兄さーん」
ピピーッと小さく吹いたその白いホイッスルは、とあるドS少年に口に咥えられていた。
両手を広げて〝STOP"という様なポーズで、歩いてきた稜弥を止めた。
『(……めんどくせェ奴に会っちまったなァ…)』
怪訝そうに顔を顰める稜弥は、笠を目深に被り、沖田の言う事も聞かず、肩にぶつかりながら進もうとした。
今、コイツに用はない。
俺は〝真選組"潰したい。
稜弥の頭の中は、それだけしかなかったから。
粉雪がちらついて来た午後11時。
人っ子一人居ない、車の通りが少ない道路。
真選組が攘夷取締法に基づき、夜間取締りをしていたルートに、稜弥が通ってきたので。
その職務を全うする為に稜弥を止めたのだが。
「…オイオイ、警察の言う事無視たァいい度胸してんじゃねーかィお兄さんよォ」
少々喧嘩腰になるのは頂けないが、沖田は稜弥の肩をガシッと掴んでそう言った。
『黙れ。俺ァ急いでんの。それとも何、もう俺の正体バレてたりして?』
笠を目深に被っているため表情は良く分からないが、密かに笑みを浮かべているのは沖田に分かるはずがなく。
次の瞬間には、稜弥の首元に刀が当たりかけていた。
「その通りだぜィ高杉…、攘夷取締法違反及び武器密輸容疑、ああそれと公務執行妨害、ついでに俺をイライラさせた罪で現行犯逮捕でさァ」
カチャッと沖田の刀が鳴る。
ズラズラと罪名を言っていった後、沖田は刀にグッと力を込めた。
『いやー…、本当ならテメーぶっ倒してさっさと行くとこ行こっかなーと思ってたんだけど…、気が変わったわ』
笠を取り、ブンッとどこかへ投げる稜弥。
『腹立つ顔見んのも今日でしめーにしてやる。お前を倒しても少しは手柄になるよな?』
透き通った紫の眼は、スッと沖田を見据えた。
そして稜弥は、背中の弓入れに入ってる弓を一本取り出した。
「それはあれかい? 俺を殺すって言いてェのかィ?」
笑えねェな、と沖田は真剣な顔つきになる。
次の瞬間。
目にも留まらぬ早すぎる攻防が始まったのである。
■━━・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.10 )
- 日時: 2009/12/16 21:27
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・七
≪ガガガガガッッ!!≫
俺が連射した弓は、相手に当たらず虚しくもコンクリートに突き刺さった。
さっきは6発ぐらい当たったんだけど、それでも気にせずに攻めてくるから、相変わらず面倒なモンだよなァ。
そんな悠長な事言える身じゃないんだけどさ、俺も。
アイツ、ていうかまァ沖田がよ。
前と戦った時より、確実に強くなってやがる。
俺になんて手も足も出なかったくせにさ。
『何、少しは修行でもしたかよ!? 大分強くなってんじゃね? 褒めてやってもいーぜ!』
俺は弓を打つ手を止めて、沖田に吹っかけた。
「テメーに褒められても嬉しくねェや!!」
沖田はそう言いながら、凄い速さで俺に斬りかかってきた。
間一髪で避けた俺は、『チッ』と舌打ちをすると、また弓矢を連射し始めた。
守っては攻め、守っては攻めの繰り返しで、なかなか決着がつかねェ。
だんだん弱っていく沖田と、俺。
傷口から噴射した血が、少しずつ積もりつつある雪を赤く染めた。
言い訳に聞こえるかもしれねェが、俺だって人間だ。
しかも、これでも女なんだよ?
攘夷一の戦闘能力だなんだって言われてるけど、そんなの周りの奴等が勝手につけた肩書きだしさ。
体力にも【限界】っつーもんがある。
それはヤツ(沖田)も同じだろうよ。
時間がどんどん過ぎていく中、それと同時に削られていく体力。
2時間半が過ぎた頃には、もう両者共に呼吸が荒くなっていた。
そんでだよ。
グジュッ!! なんて鈍い音がした。
俺の、足から。
『っぐ……、ァ…』
激痛が電流みたいに、俺の中で流れ出した。
左足に刺さった沖田の刀。
まさかのまさかで、俺が始めて負ける様な形になっちまった。
疲れからか瞬発力が衰えたのかな。
後ろに回りこまれてるのに気がつかなかったよ。
寂しく光る電灯。
飛び散る血飛沫。
痛みが俺の脳を蝕んでって、だんだん意識も朦朧としてきた。
がくん、と膝が曲がって、俺は冷たいコンクリートにしゃがみ込む。
ああもう。
何だよ、ちくしょう。
俺かっこ悪いじゃんか。
「しめーだぜィ、高杉…。あばよ」
沖田がニヤりと笑った。
そしてゆっくりと、刀を高く上げた。
ああ、なんか、バチあたった気ィすんだけど。
多分、何かこう、最近自分勝手だったからかな。
逃げたい、けど、足動かねェし?
考えてても仕方が無い。
俺は覚悟を決めて、ギュッと目を瞑った。
……しかし、なかなか衝撃が来ない。
奥でドサッなんて音がしただけだった。
俺はそっと目を開けた。
そこには。
倒れてる沖田が居て
何故かそこにいる兄貴が
ジッと俺を見ていた。
■━━・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.11 )
- 日時: 2009/12/16 21:29
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・八
『な、なんッ、あ、兄貴、何で…』
俺はガタガタと震える人差し指で兄貴を指しながら、開いた口が塞がらなくなっていた。
「……チッ、馬鹿げた事しやがって…」
兄貴の舌打ちが大きく響いて聞こえて、俺はちょっと傷ついた。
そんで、兄貴は俺に歩み寄ってきた。
や、やべェ。
殺されるかも、俺。
若しくは、大きく頭叩かれるかも。
でも、俺の予想は大きく外れて、兄貴は何にも言わずに手を差し伸べてくれた。
「おら、けーるぞ」
振り続ける雪とは反比例して、兄貴の手は、不思議とあったかかった。
■━━
「稜弥ざばァァァァァアア!!」
「俺らじんぱい(心配)じだんでずよォォ、グズッ、どご行っでだんでずがァァァ!!」
船に足を引きずりながらも、頑張って帰ってきた稜弥を待っていたのは、涙と鼻水で顔をグシャグシャにした鬼兵隊隊士10人程だった。
医務室で足の治療を受けている最中、ダダダンッと波のように隊士達が流れ込んできたのである。医務室に。
『ちょ、お前等、なんちゅー顔してんだよ!』
稜弥は隊士達の顔を見るなり、とても驚いた様子で言った。
ときどき、足の治療の際に起きる痛みに顔を歪めているが。
『お前等、いつも俺に手ぇ焼いてるみてェだからよ。俺、頑張って功績上げてさ、お前等に見直してもらおーとさー……』
『ま、ちょっと俺が強い事知ってもらいたいのもあるんだけど』と稜弥は後付た。
だんだん小さくなる声。
今回、稜弥は新しく出来た部下にカッコいいとこ見せたいのと、
鬼兵隊隊士達に自分が活躍できる、とても強い、という事を知ってもらいたいのとで、こんな騒動を起こしたのだが。
その稜弥の言葉を聴いた瞬間、隊士達はまたブワッと涙を流す。
「何言ってんすか馬鹿稜弥様ァァ!」
『馬鹿ってなんだよ!』
「稜弥様が強いのは、俺らが一番良く知ってるんですよ!!」
「それに、見直すどころか、鬼兵隊隊士全員、稜弥様の事尊敬してますって!!」
隊士達は口々にそう言った。
それを聞いた稜弥も、少し目に涙が溜まる。
『そ、そうだったのかお前等…、おお、そうだな、もう心配かけさせねェからな! 安心しろよ!』
お前達ー! 稜弥様ー! とそんな掛け合いをし始める。
はたから見てみれば阿呆の集団であるが、稜弥は以前には見せなかった最高の笑顔を、皆に振りまいていた。
とても過激派攘夷集団とは思えない、平和的な図であったのである。
▼
治療受け終わったあと、俺は武市とまた子に説教された。
「おてんばで可愛いのは良いですが、少々副首領としての自覚を持って…」
「そうッスよ稜弥様、もう心配したんスから」
俺はさすがに反省した。
この2人に言われたら、もう頭上がんなくなっちゃうよ、もう。
あの後から兄貴に会ってないけど、2人が言ってた。
兄貴も凄い心配してたって。
あとで、兄貴ん所に酒でも持って飲もうかな。
関係ないけど、俺の部下だった山崎? だったか。
アイツは真選組だったらしい。
でも、そんなに哀しくない。
武市が逃がしたって言ってたから、死んでないと思うし。
何より、あんなのよりもっといい部下が俺に居たんだよ。
つかもう名前も忘れそうだし。
いい部下に恵まれて、俺ァ幸せだな!
さて、仕事でもすっかな。
■━━・・・
━━オマケ
「山崎ィ…、任務失敗たァ何事じゃゴルァァァア!!!」
「うぎゃァァァ!! ちょっ、ふくちょっ、刀はっ、刀は止めてェェエエ!!!」
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.12 )
- 日時: 2009/12/16 21:35
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
前スレが消えてしまったので、ここでコメ返ししますw
■━フルーツ様
どうもこんばんわ( ´・ω・)
稜弥ちゃんで正しいですwはいww
可愛いですかね、あの悪ガk(ry
こんなんで萌えてくれるんですか!? 貴女は神かなんかですk(((
更新頑張ります、有り難う御座います!
コメント有り難う御座いましたw
■━紫陽花様
ハッ! Σ( ゜д゜)
忘れてたwwwそごたん忘れてたよwww
番外編で何とか無事を伝えるね!
あーちゃんの嫁になれるとは光栄すぎるwww
文才なんて1ミリも無いよ!!( ´・ω・)
また来てね( ´・ω・)
コメント有り難う御座いました!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.13 )
- 日時: 2009/12/18 22:50
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
あげますw
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.14 )
- 日時: 2009/12/18 23:03
- 名前: 梨栖 ◆iSkLdV5c$v (ID: W3aU.Uy/)
- 参照: http://第一志望校の推薦もらえた!!もらえたよ!!
や、山崎ドンマイ(;д;)
また子さんと武市さん面白いですよね〜^^
そして稜弥ちゃん大丈夫??何なら大ファンの私がお見舞いに色々持て行ってあげr・・・
あ、キモイからやめてくれ・・・・はい・・・・・
帽子屋様の弟子にさせて頂けませんか!?ホントに!!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.15 )
- 日時: 2009/12/19 13:09
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━梨栖様
志望校推薦おめでとう御座いますw
山崎はやられ役ですよね( ´・ω・)
稜弥は馬鹿だからもう大丈夫だと思います( ´・ω・)
稜弥『お見舞い来てくれるの!? うわヤベッすげぇ嬉しいうわー!!』
弟子なんてとんでもないwww
寧ろ俺が梨栖様の弟子になりたいです! ハイ!
コメント有り難う御座いましたーw
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.16 )
- 日時: 2009/12/19 14:04
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━・・・想曲
(敬称略)
歌手:RADWIMPS
作詞:野田洋次郎
作曲:野田洋次郎
紫弓イメージソング
/トレモロ
満天の空に君の声が 響いてもいいような綺麗な夜
悲しみが悲しみで終わらぬよう せめて地球は周ってみせた
本当に伝えたい想いだけはうまく伝わらないようにできてた
そのもどかしさに抱かれぬよう せめて僕は笑ってみせた
「何もないんだってここには」って笑ってる君も望んでる
そんな声もかき消すほどに 膨れるこの万象を
「意味はないんだって僕には」って叫んでる僕も望んでる
無味を悟る その先に浮かぶ光の粒を
最近は映画の見すぎで 奇跡も珍しくなくなったね
心にもないことでもすらすら言えるようになったよ
ほら 僕が僕から離れてく そんな事さえも忘れたくなる
「真実とはねそれだけで美しいんだ」と 言って
満天の空に君の声が 響いてもいいような綺麗な夜
悲しみが悲しみで終わると疑わぬように 神様は僕に夢を見させた
今開いていたページの上に描いてみようかな
「離さないよ 繋いでたいの 僕は僕の手を」
今止まっていた景色が動き出した気がしたんだよ
ほら 僕の鼓動も確かに 刻み始めた4拍子
不器用な僕も描き出してみるよ 終わりに向かってゆく明日の
笑って迎える意味を
歌詞:http://www.uta-net.com/user/phplib/Link.php?ID=37111
MAD:http://www.youtube.com/watch?v=kpuJWVfwa6Q
▼
紫弓のイメージソングを選んでみました
RADWIMPSは好きです。いい歌過ぎません?( ´・ω・)
多分これから明らかになるはずの、稜弥の過去。
俺が想像しているのと結構リンクしていたので、これにしてみました。
( ´・ω・)さて、そごたんの無事をしらせる番外編でも書こうかな!
■━━・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.17 )
- 日時: 2009/12/19 16:29
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━━・・・番外
辺り一面真っ白な世界
黒も無ければ蒼も無く、ただただ真っ白な世界に
一人佇む紫頭
そいつァ、凄くにこやかな顔で、俺の前に居た
揺れる鮮やかな紫を、ただ見つめている俺
夢だと分かってた
その気になれば起きれると分かってた
けど
まだ目覚めたくねェ
もう少し見ていてェ
あの紫ヤローを、なんて
馬鹿げた事考えて、起きようともしない俺はそのうち、どんどんとその世界から離れていった。
▼
パチ、と目覚めた沖田が居たのは、冷たいアスファルトの上でも、雪積もるコンクリートの上でも無かった。
暖かく、ふかふかとした布団。
見慣れた部屋。
どうやら、ここは道路では無く、真選組屯所内の様だ。
ムクリと起き上がる沖田。
ピリッと痛む切り傷には、包帯が巻かれていた。
布団の横には、盆には水が入ったコップが置いてあった。
あの道路からここまで、誰かが運んできてくれたのだろうか。
だとしても、感謝はしないが。
「なんでィ…」
沖田はそうボソリと呟くと、掛け布団を被り、ボスッともう1回布団に寝転んだ。
二度寝を決め込む事にしたのだ。
ゆっくり休めるんだったら、休んどこう。
そんな意思のもとである。
暖かい布団の中、昨日の事を思い出す沖田。
(『何、少しは修行でもしたかよ!? 大分強くなってんじゃね? 褒めてやってもいーぜ!』)
あの腹が立つ、沖田曰く紫ヤローの言葉が頭にふと浮かんだ。
決着が結局つかなかった気がする。
もう1回戦いたい。
もう1回会いたい。
……何言ってんだ俺ァ。
布団の中で自己嫌悪になる沖田。
しかし、その顔からは笑みが見て取れた。
「今度見つけた時ァ、俺がぜってェ粛清してやりまさァ…」
そう言うと沖田は、また夢の世界へとゆっくり落ちていった。
▼
「近藤さん、アイツもう起きてんぞ? 仕事させなくていいのか?」
土方が煙草を吹かしながら近藤に聞くと、近藤は天気予報を見ながら答えた。
「ああ、見たところ総悟にしちゃあ珍しくボロボロだったし、休ませてやる事にしよう。それに」
天気予報が放送されているテレビを指差し、近藤は続ける。
「今日の江戸の天気は豪雪暴風。しかも外出禁止令が江戸全域に出てる。俺達も活動できないしなァ!」
ガハハと豪快に笑った近藤。
土方は「へェそうかい」と煙草を灰皿に置いた。
「だけどトシ」
今度は近藤が外に目をやりながら、土方に尋ねた。
「あの木に吊るしてあったザキは…、ほったらかしにしておいていいのか・・・?」
土方は少し間をおいて答える。
「別にいいだろ。アイツ任務失敗した上にボコボコにされて帰ってきたからな。士道不覚悟で吊るし上げの刑だ」
もう外はビュウビュウと吹雪が吹き荒れていた。
山崎がもう半分凍死しかけていたのが2人に見つかるのは、後1時間後ぐらいしてからだった。
■━━・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.18 )
- 日時: 2009/12/20 10:41
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━━・・・九
夜。
外は大雪。大荒れ。大風。
ゴウゴウと鳴ってて、今にも俺の部屋の窓は外れそうだった。
俺は体の熱が異常なくらい熱いのと、頭の中がグラグラしてる違和感で眠れずに、起きた。
『あ……? ンだこりゃ…』
頭痛ェ。
ガンガンする。ダルい。
時計を見ると、針は1時半を指していた。
そういや、医務室の先生は昨日から新しい薬買ってくるために江戸から出てたな。
やべェ。誰にも見てもらえないじゃん。
もう、誰も起きてないと思うし。
あーもう、体火照ってる。本当にヤバい。
そんな事考えながら、俺はとりあえず水欲しさに力が入らない体を鞭打って、部屋から出た。
廊下に出ると、そこが本当に廊下なのかっていうぐらい壁や床が歪んで見えて、さらに気持ち悪くなる。
『ッあ…、ちくしょッ…』
ズリズリと床を鳴らして、俺は食堂に向かう。
少ししか歩いてないのに、ハァハァと息も切れてきた。
熱い。死にそうなくらい、熱い。
どうしよう。水飲む前に、倒れちまうかも。
誰かに助けてもらおうか。いや、皆寝てるかな。
そんな事言ってる場合じゃないか。
また子、は部屋遠いし…
武市と万斉は医務の先生と一緒に出かけてるし?
似蔵なんかには絶対頼りたくない。
隊士達なんかに頼るのは副首領の面目丸つぶれもいいとこだ。
そんな事考えてるうちに、霞んでくる意識と視界。
これはヤバい。死んじまう。
俺はもう半分意識を飛ばしながら、ズルズルとその場に倒れこんだ。
そこは、偶然だったら凄い奇跡だと想うんだけど、兄貴の部屋の前だった。
■━━・・・
高杉は、深夜、廊下からする妙な音で目が覚めた。
ズルズルと何か引きずる音に加え、ガタガタッと何かがなる音も聞こえる。
なんだァ・・・? と眉間に皺を寄せる高杉。
ふつふつと殺気が沸いてくる。というか、もう目に見えるくらい高杉の周りを濃い殺気が取り巻いていた。
大体こういうタイプは寝てるとこ邪魔されると怒るよね。
高杉は枕元に置いてあった刀を持つと、音がする廊下へ続く自分の部屋のドアを、ゆっくりと開けた。
そこで、高杉は予想していなかった物を目の当たりにしたのだ。
そこに居たのは。
『……ッあ、兄貴…?』
顔がとても赤く、目も潤んで、辛そうに荒く息をする、稜弥だった。
高杉は驚きで目を丸くする。
稜弥は高杉を2秒間見つめた後、糸が切れるようにその場に倒れこんだ。
「・・・! オイ、稜、しっかりしやがれ」
そう投げかけてみても、返事は無い。
高杉はとりあえず稜弥を自分の部屋まで運ぶと、静かにドアを閉めた。
■━━・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.19 )
- 日時: 2009/12/20 10:43
- 名前: 椿薔薇 (ID: n6vtxjnq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14385
読んだよ!!
帽子でいいかな?昨日は私の小説にコメくれてありがとう!
消えちゃって(泣)
凄いね〜上手すぎる><
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.20 )
- 日時: 2009/12/20 10:48
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━椿薔薇様
おおおwwつばっちゃんが来てくれたww
いえいえ滅相も無いww
小説が消えちゃっただと! それは一大事(
YAHOO検索で「黒蝶のヴィーナス 銀魂 小説カキコ」で検索すると、もしかしたら出るかも( ´・ω・)
上手じゃないよ! 椿の方が上手だよ!(
コメント有り難う御座いましたw
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.21 )
- 日時: 2009/12/20 11:00
- 名前: 椿薔薇 (ID: n6vtxjnq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14385
たてなおししたから着てね><
いやいや〜驚いた!
ほんとに、こんな上手いなんて見いちゃったよ!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.22 )
- 日時: 2009/12/20 17:51
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━椿薔薇様
行ってみたよ! 更新ファイトなんだぜ!
見入っちゃっただと…、そ、そんな、滅相も無い( ´・ω・)アリガトウ
上手くないよ! つばっちゃんの方が上手だよ!
コメント有り難う御座いましたw
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.23 )
- 日時: 2009/12/20 17:58
- 名前: 椿薔薇 (ID: n6vtxjnq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14441
いやぁ〜照れくさいわぁ!
更新がんばるんだぜ><
うはぁ、がんばるぜ!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.24 )
- 日時: 2009/12/21 18:41
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━椿薔薇様
照れるなんて可愛らしい( ´・ω・)
更新頑張るよ! 応援有り難うね!!
つばっちゃんも頑張るのよ( ´・ω・)
コメント有難う御座いました!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.25 )
- 日時: 2009/12/21 22:04
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━━・・・拾
朝。
風や雪はまだ酷く降っている様だが、窓から差し込む光は、まだ眠気が残る高杉の頭に「朝だ」と認識させた。
稜弥を自分の布団に寝かせた後、布を濡らして稜弥の額に載せるなどをして一通りの応急処置を行った高杉は、座ったまま寝てしまっていた。
朝になり目が覚めると、稜弥は昨日と同じく辛そうな呼吸を繰り返してばかりいた。
高杉は「稜」と名前を呼んでみる。
稜弥は返事をせずに、ただ額から汗を流した。
それを指で拭ってやる高杉。
その指の感触からか、稜弥は『ん…』とゆっくり目を覚ました。
「わりィ、起こしちまったか?」
高杉はそっと言う。
稜弥はむくりと起き上がると、『ううん』と首を横にふった。
『…兄貴、昨日は驚かせたよな…ケホッ、ゴメン…』
虚ろな目で高杉を見つめながら、申し訳なさそうに俯いた。
高杉はそれを聞くと、フッと笑って稜弥の頭にポンと手を載せ、撫でた。
「何だ急にしおらしくなりやがって。テメーらしくねェなァ稜?」
その言葉に、すこしピクリとなった稜弥。
『だって、兄貴に迷惑掛けたなーと思ったんだもん。運んでくれたのも兄貴でしょ? 重かっただろ、俺』
「ああ重たかったなァ。ククク、テメェ太ったな」
『アンタ乙女になんて事言うの。しかも病人なのに』
「どこが乙女だ気色悪ィ」
『さーて今俺傷ついたぞっと』
なんだよもー、心配してくれてると思ったのに。
と、稜弥はガッカリした表情を見せる。
高杉は、いつもの稜弥の切り返しに少し安心した。
これが通常。もしもこの会話の中で『そうだよな…、重くてゴメンなさい、マジで』なんて言い出したら、槍とか鉛が降ってきてもおかしくない状態である。
高杉は、
「心配してない筈がねェだろ、ボケが」
と言って、稜弥の額を強めに小突く。
そして、スクッと立ち上がり、
「船医連れてきてやらァ。多分、もう帰ってきてんだろ。ついでに欲しいモン、あるか?」
と、稜弥に尋ねた。
稜弥はッッッ…と痛みに耐えながら、
『…じゃ、水』
と高杉に注文した。
高杉はそれを聞くと、「分かった」と言って部屋から出て行った。
稜弥はまたゴロンと布団に転がると、さっきの高杉の言葉を思い出していた。
『…「心配してない筈がねェだろ」、だってさ…』
高杉が心配してくれていた事が少し嬉しくて、つい口元が緩んでしまう。
稜弥は、少しでも早く風邪を治そうと決心し、またゆっくりと眠りに落ちていった。
■━━
其の後、船医に見てもらって、薬を処方してもらった稜弥は、たちまち回復。
仕事に復帰後、今までの約3倍働かされたのは高杉のちょっとした意地悪である。
■━━・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.26 )
- 日時: 2009/12/22 19:38
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
( ´・ω・)安芸るw
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.27 )
- 日時: 2009/12/22 20:42
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━・・・拾壱
今日は兄貴と俺で、江戸の様子を調べに、船から降りてきた。
俺とか大体船内とかで仕事してるから、勝手に外出ると必ずまた子にカチ怒られる。
だから、兄貴と2人で、江戸に出てこれるのは地味に嬉しかったりする。
俺は、いちいち江戸とかの様子なんて鬼兵隊の総督がわざわざ出てくる必要は無いと思うんだけど、兄貴がいつも
「稜、行くぞ」
って言うから、着いていかなきゃいけない感じになっちゃうし。
ま、俺は楽しいからいいんだけどさ。
いつもは武器の仕入れ所とかチェックしたり、隊士達が喜びそうな酒買ってったり(それは俺だけだけど)、いろいろするんだけど、今日はする事が終わっても、兄貴は帰ろうとしなかった。
『兄貴、帰らねェの? もう夕方だぜ?』
もうお日さんは沈みかけてるし、何か港とは反対方向のかぶき町の方に兄貴は進んでってるし。
俺が言ったを無視して、兄貴は静かに歩く。
いつもは短くても、必ず返事を返してくれるのに。
何か変だな…
俺はそう思いながらも、兄貴の後ろに着いていく。
店じまいする団子屋の店長とか、そろそろ家の中に入れって怒られてるガキとかを兄貴は睨み散らしてた。
恐ろしくて真っ青にした店長やガキ達は、急ぎ足で家の中に入っていく。
機嫌悪いのかな。だとしたら、俺はそんなに話しかけることが出来なくなる。兄貴に。
早足で進みだす兄貴を、俺は慌てて追いかける。
そんな兄貴が、急に足を止めた時、俺は勢いで前にのめった。
『おい兄貴、急に止まるとか…。さっきからおかしいよ』
俺は半ば真剣に言ったんだけど、兄貴はまたもや無視する。
すると、俺達の後ろから声が聞こえた。
「今夜は鍋にしましょうか。あったまりますよきっと」
「肉たっぷり入れるネ! そしてその肉は全部ワタシがもらうアル」
「オイてめー肉はあまり食えねェ貴重なモンなんだぞ、独り占めされてたまるか。酢昆布鍋でも一人で囲んでやがれ」
「一人じゃ囲めないアル!」
「囲む気満々なの神楽ちゃん…」
なんて、気が抜けるような会話が聞こえてきた。
あーあーいいねェ平和ボケした市民達は。
俺は今でさえ兄貴の機嫌気にしなきゃいけねェんだから。呪縛から開放されねェよ、ッたく…
お鍋いーなー。
俺もポワポワした事考えてたけど、兄貴の周りの空気はピリピリしてた。
そんでもってそのピリピリが、ビリビリに変わるのが、次の女の声を聞いてからだった。
「銀時、酢昆布は既製品の菓子ゆえ、鍋に入れてもダシは出ぬぞ」
あんな冗談にマジな考えで返す女の言葉。
銀時、っつー名前にちょっと聞き覚えがあったけど、俺は忘れた。
「そんな事分かってますー! ったくお前は冗談通じねーのな! 生真面目な性格直しやがれ泉菟!」って、男が女に言ってるのが聞こえる。
つか、こんなんどーでも良い俺としては、早く帰ってまた子の作った味噌汁が飲みたかった。
そんでもって兄貴はビリビリとした空気を発しだす。
もうなんなの、俺わけ分かんない。
兄貴は急にぐるんっと後ろを向いてきた。
その目線の先には俺じゃなくて、その会話の声の主とされる人物達が居た。
ちっさいチャイナみてェなガキと、
普通過ぎて地味なガキと、
白髪でクリンックリンの髪型した男と、
藍色の髪をした女。
そいつ等は自分らの会話に忙しいらしく、目の前に居る俺と兄貴は見えてなかった。
兄貴はソイツ等の顔を1つ1つ確認してた。
中でも、藍色の髪した女の顔は、ジーッと見てた。
え、何、どうしたの兄貴。
ちょっと気持ち悪い。え、それ言ったらおしまい?
何秒間か経って、兄貴はまた前を向いて歩き出した。
しかし、今度は港の方向に。俺の中は、1日中兄貴に振り回された感で満たされてきた。何なの、ホント。
船に帰っても、兄貴は甲板の上でずっと月を眺めてた。
なーんか問題起きそう、なんて、俺は其の時冗談半分で思ってたけど、まさか本当に大変な問題が勃発する事なんて、当たり前だが予想してなかったわけで。
とりあえず俺が気付いたのは、あの藍色の髪の女が、攘夷志士だという事だけだった。
■━━・・・
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.28 )
- 日時: 2009/12/24 18:31
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━…拾弐
さて。
兄貴の様子がおかしくなって、もう3日が経った。
その間、兄貴は俺と言葉を交わそうともしなくて、隊士達の間では
「高杉様と稜弥様、喧嘩かなんかしたのかなァ…」
なんていう噂が広まるくらいで。
万斉は
「晋助の様子がおかしい? 拙者はそんな風に思わないが…。まあ、稜弥殿が心配する事でもあるまい。しかし、稜弥殿と口を利かないというのは…」
って言うんだけどさ。
え、何、誰も兄貴のおかしさに気付いてない?
つか、何で俺と兄貴が喋ってない方を心配すんの?
ま、いい。俺だけでも、兄貴が何で最近変なのか突き止めてやる!!
もう夜中なのに、俺は、俺の部屋でそんな決意を固めていた。
だけど、そんなテンションも、3回ほど静かに鳴ったドアからのノックで、少しずつ下がってった。
あ? なんだこんな夜遅くに。誰だろ。
俺は若干怪しみながらも、そーっとドアを開ける。
『はいはい、こんな時間になんの用でー…ッて』
ドアの隙間から、白い包帯が見えた。
なので俺は驚く。いつものように。
『ちょ、まっ、兄貴!? 何でッむぐむぐ…』
「声がでけェよ阿呆が」
驚きの声を出す俺の口は、兄貴の手によって塞がれた。
しばらく口で息が出来ませんでした。
『ッッぷは…、で、何、こんな夜中にどうしたの』
兄貴の手を無理やり口から下ろして、俺は言う。
すると兄貴は、俺の手をいきなり引っ張って、
「来い」
と一言だけ言った。
『あァ!?』と俺は声を上げるが、兄貴は無視。
そのまま引っ張られていくと、ついたのは客間。
いつもは貿易相手とかをここに招くんだけど、今日は何故か俺が居る。意味が分からない。
俺が客間に足を踏み入れた途端、兄貴は引っ張ってた俺の手をいきなり離した。
いきなりなモンだから、俺はその場に倒れる。
『いてェ』とアホみたいな声が出た。
『ちょ、ホント、いきなり何すんの!?』
俺はスクッと起き上がって、兄貴に怒る。
兄貴は座り込むと、またもや俺の質問を無視して、
「頼まれごとをしてくれねェか」
と言ってきた。
『ハァ?』と呆れる俺。
『別に兄貴の頼みなら聞くけどさ、最近兄貴おかしくね? 俺の事無視するわ喋らないわ落ち着いてないわ急に客間連れてくるわで…。江戸の様子見に行ってから、明らかに変だよな、何かあった?』
俺は今まで溜まってた疑問を一気に兄貴に言い放つ。
兄貴は俺の必死さをも無視して、煙管を吹かし始めた。
ぐぬぬ…と歯を悔しそうに噛み締める俺に、兄貴からは
「欲しいモンができただけだ」
っていとも簡単な答えが帰ってきた。
そんな簡潔な答え誰も望んでねェよ馬鹿ァァア!!
って言いたくなった。
「でよォ」と続ける兄貴。
「てめーに持ってきてもらいてェんだよ。俺の、欲しいモン」
兄貴はそう言うと、袖から1枚の写真を取り出して、俺に見せた。
そこに写ってたのは、藍い(あおい)髪の色した、あの時江戸で見た女だった。
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.29 )
- 日時: 2009/12/25 21:21
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━━…拾参
高杉の命令は絶対。
破る事も、逆らう事も許されない。
いくら不満があれど、遂行しなければならない。
だけど、やはり不満な物は不満。
一昨日の記憶と、こんな写真だけじゃ、どこに居るかも分からない。
写真を掲げて、大きくため息を吐く稜弥。
一応江戸には出て来てみたものの、やっぱり良く調べない限りは、こんなの誰だか分からない。
攘夷志士っちゃあ攘夷志士だろうけど。
だって、腰に得物刺してるし。と、少し見当を頭の中で付けてみる。
でも、最終的に混乱して、またリセットして、分からなくなる。
江戸はとても良い天気。
降り積もった雪で楽しく遊んでいる子供。
大きな声で客を呼んでいる何かの店の店主。
今の稜弥は、それらさえもイラつきの種になる。
『あーもう訳分かんねェ。何この女。何で兄貴こんな女欲しがるの? 理由も意味不明だし…』
ザクザクと雪を踏み鳴らしながら、稜弥は昨日の夜、高杉に言われた事を思い出してみた。
■━━…
『はぁ…、兄貴がこの女欲しいっつーのは分かったけどさ。えと、何でこんな女が欲しい訳? 体目当て? 何にも出来なさそうなんだけど。俺から見たら』
貰った写真をヒラヒラとさせながら、机に肘ついて物珍しそうに写真を見やる稜弥。
冗談交じりに言ったその言葉に対して、高杉は獣の様に抜刀して稜弥の喉元に突きつけた。
稜弥は事態が飲み込めず、『んあッ!??』と驚きの声を漏らした。
「そいつの事悪く言うんじゃねェ。あと1回言ったらいくらテメェといえど殺す」
高杉は低い声音でそう稜弥に告げた。
数秒してから刀を下ろし、鞘に閉まった。
稜弥は、凄く驚いたからか、目を見開いたまま固まってしまった。
2分ほど沈黙が流れた後、口火を切ったのは高杉だった。
「そいつが鬼兵隊に引き込みゃァ相当な戦力になる。拒否しても連れて来い。傷つけねェままでな」
なんとワガママな要望だろうが。
やっと事態が飲み込めた稜弥は、半ばキレた口調で言った。
『ンな事言うなら自分で連れてくればいーじゃありませんか兄貴様? 傷つけないまま、拒否してでも、女1人連れて来いだァ? 注文多すぎだし、無理ありすぎだろ!』
嫌がる時の女の恐ろしさをアンタ分かっちゃねーだろ!、と。
その稜弥の反論に、高杉は喉を鳴らして笑う。
「ククク…、だからこそおめーに頼んでんだろうが」
そんな事言われても嬉しくない、と言わんばかりに稜弥は眉間に皺をよせた。
■━━…
あーあー、思い出してもムチャ言い過ぎだって。
稜弥はまたため息を吐いた。
こんなムチャな任務と、見つからない事態が重なってちゃ遂行なんて無理だわ。
頬を指でぽりぽりと掻きながら、一応辺りを見回して探してみる稜弥。
そんな彼女に、名案が浮かぶ。
あ、そうだ。
銀時に頼もう。
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.30 )
- 日時: 2009/12/25 21:58
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
安芸る。
メリークリスマース!!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.31 )
- 日時: 2009/12/28 20:06
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)繋がった 繋がった 導火線と辻褄が
■━━…拾四
「本当に買い物行ってもらっていいんですか? 泉菟さん」
「よいのだよいのだ、新八殿にはいつも世話になっておるからな」
藍色の髪を揺らして、恐縮顔の新八を宥める(なだめる)女が1人。
万事屋の玄関先で、にこにことした顔つきをしていた。
この女が、現在稜弥が探している標的である、蒼晶泉菟である。
ここで言うのもなんだが、実は攘夷浪士である。
「本当に有難う御座いますね、助かります。本当は銀さんが行ってくれればいいんですが」
「まったくだな」
こっそり新八が店主の愚痴を零すが、泉菟はうんうんと頷いてくれた。
「え、何、お前等まだそんなとこ居たの?」
万事屋店主である坂田銀時は、まさに「噂をすれば」の様に腹を掻きながら居間から出てきた。
「もー、銀さんはほんと人事みたいに言いますよね!」
新八は少し怒って銀時に言う。
「あーあーうっせェ」と銀時は耳を穿る(ほじる)。
「誰がさっさと行けなんて言ったよ新八ィ。俺は泉菟とデートしてくるって言ったの。お買い物デートなんざまさに新婚ほやほやのカップルじゃん。いいねェ俺そういうの憧れるわ。ていう訳で行ってきます」
「どういう訳だァァァ!! 別に新婚でもカップルでもねーじゃねーかアンタ等!! ていうか妄想気持ちわるっ!!」
ブーツを履きながら妄想をたんたんと語る銀時を、新八は得意のツッコミで一喝する。
その2人の掛け合いを見て、泉菟は銀時に、
「だったら貴様1人で行くがよい銀時。でーと、だの、かっぷる、だの、我にはまるで縁のない事だからな。1人が寂しいならそこらを歩いている女子(おなご)でも連れて行くんだな」
と、冷たくあしらった。
「縁が無い? これから俺と縁を結べばいいじゃん! 2人でランデブーすればいいじゃん! 何の不満がある!」
「「ありまくりだこの変態がァァア!!」」
二人のかかと落としを喰らい、「ぶべらァァア!!」と銀時は地面に顔を勢いよく叩きつけた。
「まぁ変態はほうっておく。では行ってくるでのう」
さっきまでかかと落とししてたとは思えない笑顔で、泉菟は万事屋から出て行った。
新八はそれを見送り、銀時は打ちつけられた際に痛めた顔面を唸りながら擦っていた。
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.32 )
- 日時: 2009/12/28 20:24
- 名前: 椿薔薇 (ID: n6vtxjnq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14662
よんださ><
銀さん(笑)
おもしろかった〜やっぱ帽子屋の小説は凄いや!!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.33 )
- 日時: 2009/12/28 20:43
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━椿薔薇様
銀ちゃんは変態がいい←
面白いかな? 嬉しいですwww有難うww
凄いなんてとんでもないww椿ちゃんの方が上手です( ´・ω・)
コメント有難う御座いましたw
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.34 )
- 日時: 2009/12/28 23:07
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━━…拾伍
泉菟が大江戸スーパーに出掛けて、数十分が経った。
神楽は定春とじゃれ合い、新八は茶を啜り、銀時は鼻を穿りながら結野アナの天気予報を見ていた。
そんなごくごく普通の昼下がり。
万事屋内に、ピーンポーンと高らかな音が鳴り響いた。
新八が
「ハーイ」
と元気よく玄関に駆けて行く。
銀時は「めんどくせェ…」と顔を歪めた。
神楽は気にせず定春でもふもふしていた。
カラカラと音を鳴らして新八が引き戸を開けると、そこに立っていたのは稜弥だった。
『え、あ、えーと…、どちら様?』
「いやそれはこっちのセリフですけど」
どうやら稜弥は新八がここで働いてるのを知らなかった様で、少し驚いた顔をした。
それにしても少しアホな挨拶だ。
新八は内心
「(また変なのが来た…)」
と、失礼なのは分かっていたが思ってしまった。
『あ、ご、ゴメンね、何か変な事言ったよな俺。えと、銀時…居る?』
稜弥は愛想笑いをすると、少しおどけた口調で新八に聞いた。
新八は「ええ、居ますよ」と言うと、稜弥を万事屋に上がらせてくれた。
「銀さん、お客さんですよ」
居間に稜弥を案内して、新八は銀時に言う。
「ヘイヘイ」と銀時はテレビに向けてる足を正面に向け、机にドカッと置いた。
そして稜弥の姿を見ると。
「……オメーが来るたァ珍しいじゃねーか、妹君よォ」
と、ニヤニヤとした顔つきで憎たらしく言った。
『あいっ変わらずボサボサな天パ白髪だなァオイ。ストレートにする努力はしたの? 彼女出来た? 万年金欠が』
被っていた笠を取り、お返しだと言わんばかりに平穏というベールを被った悪口を浴びせる稜弥。
「そこまで言わなくてもいいじゃねェかよ」と、銀時は少したじたじになった。
新八に促されて長椅子に座る稜弥。
銀時も移動し、定春とのじゃれ合いにも飽きてきた神楽も入ってきた。
「上から下まで紫アル。ハマってるアルか? そんなババ臭い色に」
神楽は稜弥をマジマジと見つめると、絶好調な毒舌を吐いた。
『あー…、嬢ちゃんには分からんだろうさ。この色の良さが。じゃあ嬢ちゃんのその服は? チャイナ? ちょっと俺には分からないんだけど』
そんな毒舌をもろともせず、軽くあしらう稜弥。
「何をー!! このファッションに萌えを感じない方がおかしいネ!!」
と神楽は稜弥に掴みかかろうとするが、銀時に抑えられた。
稜弥は新八が持ってきたお茶を有難く飲む。
一息入れたあとに、最初は新八と神楽に対する自己紹介から入った。
『俺は高杉稜弥っていって、このモジャ白髪と古い仲なんだけどさ』
「モジャ白髪ってなんだよ。この古い仲をペンチで切ってやろうか」
銀時は少しイラだった。
『えと、依頼っつーより質問? か分からないんだけどさ。この写真の女、知ってるか? 知ってたら住所とか教えて欲しいんだ』
稜弥はそう言いながら、袖の中から1枚の写真を取り出した。
その写真を机に置く。
万事屋の3人はその写真を見た途端、一斉に頭の上で「!?」を浮かばせた。
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.35 )
- 日時: 2009/12/30 10:06
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━━…拾六
「し、知りませんね…」
「知らねェなぁ」
「知らないアル」
『おい嘘だってバレバレだぞ。だって目線がおかしいもん、どこ見てんだ俺を見ろ俺を』
3人が内心必死になってついた嘘は、稜弥に効かなかった。
目線が皆斜め45度を向き、1人は冷や汗を流している事などからもうバレバレなのだが。
『あんね、俺真面目に聞いてんの。この女捜して連れてかないと任務全うしたことにならないからさ』
ドカッと背もたれに激しく寄りかかった稜弥は、呆れながらそう言った。
「で、でも、何でこのせん…女性を稜弥さんは捜してるんですか? どこに連れてくんですか?」
新八がそう焦りながら聞くと、少し考えてから稜弥は答えた。
『あー…、俺の上司がさ。捜してるらしくて。どこに連れてくっつーのは…アレだ、組織?』
「何で疑問系なんだよ、つか組織ってどこだよ」
銀時は仕方ないがあとの2人には正体を隠しておくべきだろう、と、稜弥は考える。
途中銀時にツッコまれたが気にしない。
「でも泉菟はここで働いてるネ、お前等のとこには行かないアル」
神楽がそう酢昆布を咥えながら言った。
途端に横の銀時が「ばっ、神楽!!」と怒鳴りつける。
『あ?』と稜弥は怪訝そうな声をあげる。
『嬢ちゃん…、この人知ってんの?』
さっきの銀時の言葉に、しまったというような顔をする神楽。
「し、知らないってさっきも言ったアル!!」
『センウ…って名前も言ったよな? つかさっきの嘘だって分かってるし俺。そっか、ここで働いてるんだ』
神楽の弁解も虚しく、稜弥は泉菟の居場所を突き止めてしまった。
『んじゃあここの前で待ち伏せしてりゃあ来るよな? おし分かった、有力な情報ありがとさーん』
稜弥はすくっと立ち上がり、にこりと微笑むと、そこから立ち去ろうとする。
それを、銀時は「待て!」と引き止めた。
「上司って…どうせ高杉の事だろ。何企んでやがる」
ピタリと歩みを止めた稜弥。
その場に少し沈黙が流れる。
『何って…、言われてもなぁ…』
くるりと振り返る稜弥は、真剣な眼差しを浮かべる3人に言い放った。
『兄貴の考えなんて俺に分かるはずないでしょ。俺だって、なんだってこんな女欲しがるかすら分からねェ。けどよ、与えられた任務だし、仕事だしさ。こなさなきゃ意味無いじゃんか』
稜弥の言葉を聴いて、反論の余地が無くなった万事屋の3人。
『でしょ?』と稜弥は同意を投げかけた。
『何を言われようが何をされようが与えられた仕事はさっさとこなさないと気が済まないタイプなんだよ。俺』
そう言うと稜弥は、万事屋を後にした。
残った3人は顔を見合わせ、これからどうするべきが良く分からない状態になっていた。
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.36 )
- 日時: 2009/12/30 14:19
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━━…拾七
静かな空気の中、ただ時計の針が進む音が鳴り響く。
ただ3人の脳内は、先ほどの紫づくめの事でいっぱいだった。
いきなり来て、家族の居場所を聞くなり、さっさと出て行ったあの人物。
新八や神楽が今まで会った事無い人種であるのは間違いない。
「銀ちゃん、新八…、ゴメンアル…。ワタシが変な事言ったから…あの紫づくめ…」
神楽は申し訳なさそうに俯いた。
銀時はそんな神楽の頭にポン、と手を置いた。
「お前のせいじゃねーよ。あいつァ俺達が何しようと力ずくでも聞き出してたさ。そういう奴だ」
慰められ、少し立ち直りかける神楽。
「でも銀さん、あの人何者なんですか?」
「見たところ、何かアイツと銀ちゃん仲良さそうアル」
新八の問いかけに続き、神楽も質問する。
銀時はふうと一息つくと、稜弥の事について話しだした。
■━━
『さて、あん中に居なかったった事は、どっか出掛けてるんだよな? じゃ、待ってれば来るでしょ、多分』
あまり説得力の無い見当を立てながら、稜弥は万事屋へと続く階段の前に立った。
大通りに出っ放しだったら幕府の狗どもが来るかもしれねェ。
面倒事は免れたい。
『いやー、でも案外簡単に分かって良かったよ本当に! でもこれからどうすっかな、何しよっかな』
待ってる間は暇だと思う。
しかしする事が無い。
そんな事で悶々と頭を抱える稜弥。
『あああどうしようマジで俺暇なの苦手なんだよねェェ…。今から銀時ンとこに戻るか…、いやいやそんな恥ずかしい事できやしねェ』
あーもうどうすればいいんだー!! と叫んでみる。
周りから、何か変な目で見られたが稜弥は気にしなかった。
ううう…と唸っていると、丁度探しものが稜弥の前に現れた。
「あー…、すまぬがどいてもらえぬか。貴殿がそこにおると我が上に登れぬのだ」
その藍色の髪は、稜弥の目に美しく映った。
凛々しい顔立ちや立ち姿など、全ては写真より2倍美しかった。
『あ、アンタ…』
稜弥は震える指をその女に向け、すこし真の抜けた声で喋った。
『センウさん…だったりして?』
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.37 )
- 日時: 2009/12/30 14:48
- 名前: 琥奈美 ◆kp0a2CfZy6 (ID: gG3G93SR)
どうも!!
先ほどはありがとうございました^^
凄過ぎて言葉が出ません・・・・・
稜弥ちゃんの一つ一つの言葉、動作がとっても可愛いです!!!
とっても文才がおありですね!!!
尊敬します><
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.38 )
- 日時: 2009/12/30 20:22
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━琥奈美様
凄い? 酢っぱいの間違いじゃないですk(無理
稜弥が可愛いだと…、稜弥も喜びますよ、ハイv
文才なんてとんでもない!
尊敬だなんて…本当に嬉しいです、有難う御座いますw
コメント有難う御座いました!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.39 )
- 日時: 2009/12/31 23:46
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━━…拾八
「えーッ!!? あ、あの人、攘夷志士なんですか!?」
「絶対チャラ男にしか見えないヨ! 強そうじゃないアル! ひょろひょろネ!!」
「そうだよ、てか今頃お前等が知らねー方がおかしいの。ヅラと同じくれェ江戸じゃ有名でよ、指名手配もされんだぜアイツ」
新八と神楽が稜弥に意外な職業に驚く中、銀時は至って普通に話し続ける。
「でも、本当に驚きです。全然、そんな感じしなかったですし、男性とは思えないくらい華奢でしたよ」
新八は自分が思う稜弥の疑問点を挙げていった。
攘夷志士とは思えない様な軽い空気
華奢な体つき
高い声
挙げればたくさん出てくる疑問。
銀時はそれに対して、「あー…」と見透かしていた様に言った。
「やっぱ誰でも騙されんのな…」
小さな声で言ったせいか、神楽と新八には聞こえておらず、問いただされなかった。
「でも、あんなヒョロっこいヤツなら、私でも勝てそうアル!! 絶対大した事ないネ!」
神楽がそう自信満々に言うと、銀時は「いや」と訂正を入れた。
「ヘタすりゃおめーよりも強いかもしんねーぜ?」
今度はその言葉を聞き逃さずに、すかさず新八は銀時に聞く。
「そんな、神楽ちゃんより強いって…どういう事ですか!?」
またテメーか、と銀時は面倒臭そうに渋々答える。
「どういう事ですかって聞かれてもなァ…。だってよ、俺、アイツに負けてるもん」
銀時がそう言った瞬間、外から、「うわァァァアッ!!!」と、女性の叫び声が聞こえてきた。
否、泉菟の叫び声が。
その声に反応した万事屋の3人は、玄関を飛び出し、[万事屋銀ちゃん]と頼りなさそうに掲げられている看板が掛かっている柵の部分に一斉集合した。
地面に視線を落とすと、泉菟を担いだ稜弥の姿。
『げっ、ほら、アンタがでけェ声出すから、銀時達出てきちゃったじゃん!』
稜弥は自分に担がれている泉菟に怒る。
「知らぬ! それより貴様、早く我を降ろさぬか!」
ジタバタと足を暴れさせる泉菟に、稜弥はうんざりとした表情を見せた。
「テンメ稜弥ァア!! 泉菟に何してやがんだコノヤロー!!」
「さっさと泉菟を離すアル! あだ名ナスにすんぞ! 紫ナスビにすんぞ!!」
「どんな脅しなの神楽ちゃんン!」
大切な泉菟が緊急事態だというのに、コントの様な馬鹿らしい叫び声をあげる銀時達。
そのせいからか、周りの通行人達が足を止め、なんだなんだと野次馬になり始める始末。
そして。
「いい加減離せとっ、言っているであろうッッ!!」
泉菟はそう言い放ち、力を振り絞って、稜弥の腕の中から脱出した。
大きく飛び上がる泉菟。
そして藍色の扇子を取り出し、稜弥を扇いだ。
その扇子は普通の扇子と違い、一度力強く扇ぐだけで、少なくとも人一人分を飛ばせるぐらいの威力は持っていた。
標的にしか風は当たらないため、民家や周りの野次馬達に害は無いが。
稜弥は『うおッ!?』と声を上げると、大きく宙に吹き飛ばされる。
否、飛ばされるはずだった。
手応えは泉菟自身にも、周りの者共にもあった。
明らかに稜弥は飛ばされ、宙を舞って、大きく地面に叩きつけられたはずだった。
神楽や新八も、「これはやった」と確信があった。
しかし、銀時は見切っていた。
「泉菟ゥ!! 後ろだ後ろォ!!!」
そう叫んだ時は、もう遅かった。
地面に泉菟が着地する8秒前、泉菟の耳元でこんな声がした。
『いやァ今のはビックリしたな。でも、まだ、甘ェよ』
泉菟が後ろを振り向くまもなく、稜弥の横平手が、泉菟の峰に直撃した。
その威力はとてつもなく、泉菟は思いっきり民家の壁に打ち付けられた。
野次馬はどよめき、銀時や神楽、新八は、ただ泉菟の名前を呼ぶしかなかった。
『油断大敵って言葉、知らないの? アンタさ、もう自分が勝ったと思ったでしょ。そこが甘いの。分かる?』
音速と言っても過言では無い。
誰もが見えなかった稜弥の動き。
地面に着地する稜弥は、そう余裕の表情で呟いた。
野次馬は恐ろしさのあまり逃げ惑う。
新八や神楽も、口をあんぐりとさせていた。
『じゃ、銀時、この女借りてくから。返さないかもだけど、そん時はそん時な』
そう銀時に向かってニコリと妖しげな表情をした稜弥は、倒れ伏す泉菟を担いで、目にも留まらぬ速さでいずこかへと消えた。
「おいテメェ!!」と銀時が叫んだ時は、もう影も形も無かった。
■━━…
2009年も終わりますね。
2010年もよろしくお願いします( ´・ω・)
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.40 )
- 日時: 2010/01/01 18:49
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━━…企画
皆さん明けましておめでとう御座います!!
2010年も頑張って更新していきたいなと思っています帽子屋ですww
さて、参照200超え、そして新年も明けたという事で!
何かやらかそうと思い立ちました←
何しようかな、何しようかなと考えた結果。
とりあえず小ネタか何か詰め合わせていこうと思います。
もう帽子屋のやりたい事ですね。
それでは、オリキャラも本家キャラもごちゃまぜで行きます!
ほとんど帽子屋の悪ふざけ←
それではどうぞー!!
■━━…
1.オリキャラを東方キャラにしてみる。
紫の弓打ち 高杉稜弥
弓矢を操る程度の能力
妖光「紫流星」
紫符「強靭無敵の弓矢」
闇符「パープルダークネス」
最強「紫弓」
戦場の蒼い魔物 蒼晶泉菟
風と共に駆け抜ける程度の能力
風符「インディゴブルーの刃風」
伝説「蒼風魔」
宝物「藍色扇子」
最終「地に鳴る藍色の激動」
弾幕カッコいいよね( ´・ω・)
■━━…
2.オリキャラとオリキャラに関連深い人を性転換して何か書いてみる
※性転換が嫌いな方はBACK!!
・鬼兵隊
『なァ姉貴ィ。俺超暇なんだけど。相手してよー…』
「あたしはお前と違って忙しいんだよ。1人でどこぞにでも遊びにいきな」
『そんな事言わねーでよつれないなァ。ていうか今じゃなくて、夜の』
「ンな馬鹿げた事言ってんじゃねーよ変態が」
『…もー』
「…すねんじゃねェよ男のくせに」
『姉貴が冷たくするから悲しくなったんですー…』
「…はぁ。…何がしたい」
『姉貴と遊びたいー』
「…あーそうかい。少しだけな」
『やったーい!!』
アネゴ肌な晋子さんに萌えます←
稜弥はただ変態になっただけですね((
多分男になっても子供っぽいんだ。にゃんことか言ってるんだ。稜弥は。
晋子さんは稜弥が大好きなんでs(ry
・万事屋
「ねえねえ団子食いに行かない?」
『貴様が1人で行けば良いだろう? 我は貴様と違ってやる事がたくさんあるのだ』
「たとえば?」
『あ、え、…えーと…、ひ、ひるね』
「よし決めた団子食いに行くー! おら付いて来いよたくさん食べるよ!!」
『ちょまっ、は、離せ! 離さぬか銀ッ…。…ったく、仕方が無いのう』
やはり活字だと分かりにくい( ´・ω・)
性転換の場合でも泉菟が受けだと嬉しい(ドウデモイイ
銀子さんは強いんだ。
妄想が広がるね!!
■━━…
さて、どうだったでしょうか。
帽子屋の悪ふざけ。
ネタ切れが早くも来てしまったので、今日はここら辺で終わりにしますw
またこんなのやれたらいいなァ。
そんなわけで帽子屋の悪ふざけ企画でしたー!
( ´・ω・)ノシ
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.41 )
- 日時: 2010/01/02 16:45
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━━…拾九
泉菟を担いだ稜弥が鬼兵隊に向かうのにかかった時間は、そんなに長くなかった。
しかし、その泉菟が目を覚ますのも、長くはかからなかった。
「…ここは」
『ちょっ、目ェ覚めるの早すぎない? 結構強めで打ったんだけどな俺』
ゴオオと風を切って忍者の様に進む稜弥の肩の上で、泉菟は目を覚ました。
早めに目覚めた泉菟に対し、少しキツめに峰打ちを喰らわせただけあった稜弥は少し傷ついた。
民家の屋根から屋根へと、尋常じゃないスピードで鬼兵隊の船へと向かう。
泉菟は状況を全て飲み込むのに3分ほどかかっていた。
そして、やっと飲み込むと。
「き、貴様! 我をどうするつもりだ! 降ろさぬか!!」
と、稜弥を睨みつけながら言った。
稜弥は『んー』と考えるフリをすると
『別に降ろしてもいいよ? そしたら俺も早くに船に帰れるしね。でもさ、ここで降ろしたら、アンタ真っ逆様に落ちるけど』
と、軽く言った。
泉菟はそーっと稜弥の肩から下を見渡してみる。
そこには、もう標高何メートルにも感じる遠い地面があった。
ぞぞぞと背筋に走る悪寒。
「やっぱり…いい…」
小さな声で前言撤回する泉菟。
『あっそ』
稜弥はそう返事をすると、更にスピードを上げて船へと向かった。
だんだんと平和な町並みから遠ざかり、港の方へとやってきた。
そこはいかにも危険な所オーラをかもし出し過ぎていて、泉菟は本能的に危険だと察したのは、大きな船の前だった。
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.42 )
- 日時: 2010/01/02 16:55
- 名前: 椿薔薇 (ID: uUM3T3.W)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14662
帽子屋!!
あけましておめでとう〜><
2010年も凄いね〜!
昨日更新の奴もみたよ〜!
おもろかった〜これからもお互いがんばろう!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.43 )
- 日時: 2010/01/02 21:11
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
■━椿薔薇様
明けましておめでとうーw
これからも仲良くしてね!
2010年もぶっ飛んで行きたいなーと思ってるよw
椿も今年も面白い小説を書いてね( ´・ω・)
コメント有難う御座いましたw
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.44 )
- 日時: 2010/01/05 12:09
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』
ageます( ´・ω・)
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.45 )
- 日時: 2010/01/05 15:39
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
■━━…弐拾
宙船は、いつも人気の無い港に止まっている。
港の倉庫で薬物の売買なんて日常茶飯事だし、死体が転がっててもおかしくない場所だ。
一般人は寄り付かないし、人が来るのは何か事件があった時だけ。
この前なんて俺が殺されそうになったね。
まぁごくごく普通に返り討ちにしてやったまでなんだけどさ。
俺が連れてきたこの女、鬼兵隊に馴染むどころか恐ろしくて逃げ出すんじゃねェか?
そんな奴が欲しいのか? 兄貴は。
頭イカれてんじゃねーの?
船の前で俺は女を降ろした。
ぽかんとした表情で船を見つめてる泉菟とか言う奴。
コイツが、本当に鬼兵隊の力になるのか、俺は甚だ疑問を感じていた。
「…貴様、何故我をこの様な場所に連れてきた」
俺を睨みつけながらそう問いかけてくる。
知るか、って言いたいとこだけど、俺は大人だから、グッと堪えた。
『えー…っと、俺の兄貴が、アンタが欲しいって言うもんだから』
馬鹿正直に答えたな、と後から思った。
俺の答えを聞いて、女はムッとした顔つきになる。
「我は物ではないぞ。貴様の兄上が何を言おうと、我はこの身を誰かにくれてやる気ない! 帰らせてもらうぞ」
いや正論だよ? 正論だけどさ。
女は俺にそう強く言うと、くるりと向きかえって、港の出口に戻ろうとした。
まぁ俺はこれを止めなきゃいけないワケで。
『いやアンタの言ってる事は正しいよ? けどさ、こっちには事情っていうモンがあってさ。兄貴の命令は絶対なんだよ、守らなくちゃいけないの』
女の前に躍り出て、そう説得してみる俺。
けど、まぁ当たり前に女は聞く耳を持たない。
こりゃあもう武力行使しかないかな?
どうしよう、傷つけんなって言われてるし…
俺の気も知らないで、女はずんずんと進もうとする。
ガシィッ! と俺は女の手を掴んだ。
『待ーてって言ってんだろうが!! アンタを連れてかなきゃ俺が殺されそうになんの! 頼まれて任務はさっさとこなしたいの! それが俺のポリシーなの! 分かる!?』
「分からないし分かりたくもないわ!! 貴様が何であろうと我には関係ないであろう!」
『アリアリなの! アンタが目的なの!! いい加減にしないともう殺す勢いでやんぞ!?』
「してみるが良い! さすれば我も本気で反撃といかせてもらうからのう!!」
大声出したせいで、俺と女はハアハアと息を切らす。
もうなんなのホント。だから女ってイヤなの。
まぁ俺も女だけどさ、さすがにこの女の気持ちは分からないよ。
俺は女の言葉に、『へェ…』と呟いた。
…こんなに手こずったの久しぶりだよ。
確かにコイツは強いさ。
俺もあの扇子の威力見てるからな。
並大抵の人間の能力じゃないのは分かってるよ?
だけどさ。普通にしてたらただの女じゃんか。
俺がそんな女相手にこんなに手こずるってさ。
大恥だよ? 恥ずかしいよ? 俺。
自分を責め続けてると、俺の中で、プチッと何かが切れる音がした。
急に静かになった俺を見て、女も不思議な物を見る様な目で俺を見る。
『……おめーってさ、攘夷志士だろ?』
静かに言った俺の言葉に対して、女はビクリと肩を震わせた。
『攘夷志士なら知ってる筈だ…、俺が、この世界で、何て呼ばれてっか…。よォ?』
女から手を離して、俺は2歩ほど後ろに下ると、ニヤリと不適に笑ってみせる。
『攘夷最強、攘夷一の戦闘能力———なんて言われてんの、俺』
背中の矢筒から弓と矢を取り出す。
女は俺とその弓矢を見て、俺の事を思い出したかの様に顔を引きつらせた。
驚きで口をぱくぱくしてる。何て間抜けなんだろうね。
『最強、なんて呼ばれてんだよ俺。だからさ、お前みてェなひ弱な女1人なんてさ。俺にとっちゃ、蟻んこ1匹指先で潰すくらいに造作もねェんだ!!』
次の瞬間、俺の弓から矢が飛んで、女の肩に突き刺さった。
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.46 )
- 日時: 2010/01/05 19:28
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
( ´・ω・)流れるのが早いお…
安芸ますねw
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.47 )
- 日時: 2010/01/05 23:01
- 名前: 光素.聖忌 ◆QbxCHceaIo (ID: AX8T4D8e)
はじめまし……(その下りはもう良いですby美百合)
どうもお久しぶりです、聖忌です
そしてあけましておめでとうございます
>>40
弾幕良いですよね、弾幕
泉菟ちゃん(殺)の能力がかっこいい!駆け抜けるって……!
ではでは、失礼致しました〜
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.48 )
- 日時: 2010/01/06 13:12
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
■━光素.聖忌様
あああお久しぶりです光様ァァア(
あけましておめでとう御座いますーv
泉菟ちゃんはアレですね、ツンデレる程度の能力と迷って(ry
迷った結果がこれだよ!!
また来てくださいねー( ´・ω・)ノシ
コメント有難う御座いました!
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.49 )
- 日時: 2010/01/06 13:42
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
■━━…弐壱
泉菟の肩に深く突き刺さった紫の矢は、血でだんだんと赤黒くなっていった。
痛さと苦しみで失神物の大怪我。
泉菟もまた然りである。
呻き声1つも上げなかった泉菟は、静かにその場に倒れ伏した。
『…死なねェから大したモンだぜ? アンタ』
大きく上下に揺れる泉菟の背中から、肩の激痛が見て取れた。
稜弥はそう泉菟に言った。
当たり前だか返事は返ってこない。
稜弥は泉菟に近づくと、スッとしゃがむ。
『アンタが俺に生意気言うからいけないんだよ? 俺はさ、ただ任務でこんな事してるの。俺はしたくないの。もしもアンタが何も言わず俺に着いてきて、兄貴に会ってたら、普通に帰って来れたかも知れないのにね』
物言わぬ泉菟にそう説教口調で責め立てる。
『…本当なら、殺してる筈なんだ。お前なら簡単に殺せる、簡単に反撃できるーなんて言われるの、俺大嫌いなんだよね。でも不思議、俺、アンタは殺せない、殺しちゃいけない気がするんだ』
そっと手を伸ばし、藍色の髪をサラサラと撫でた。
『兄貴が待ってるから、行こうか』
そう言うと稜弥はスクッと立ち上がり、血に濡れる泉菟を肩に担ぐと、船の中へと進んでいった。
■━━…
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.50 )
- 日時: 2010/01/06 14:55
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
参照300突破しましたうはー!!
またお祝いかなんかしましょうかね( ´・ω・)
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.51 )
- 日時: 2010/01/06 19:23
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
■━━…企画
祝参照300突破記念! 帽子屋の悪ふざけ!(
いつも有難う御座います、お世話になってます帽子屋ですw
さて、早いものでもう参照300突破しました。
嬉しいです、有難う御座いますwww
なので! また今回帽子屋は悪ふざけます←
今回は替え歌なんかいいなーと思って悪ふざけます←
オリキャラが許せない!
ボカロ曲を汚すんじゃねェ!!
帽子屋失せろ!!
なんて方はブラウザの[戻る]でも押してくださいね。
それじゃあ、どうぞお楽しみ下さいわふふ( ´・ω・)
■━━…
1、みくみくにしてあげる♪
→りょうやりょうやにしてやんよ!!
攘夷の限界を超えて
この俺は来たんだよ
ネギなんか必要か? 美味いからいいけど
あのさ、早く 仕事連れてってよ
どうしたよ? 俺じゃ不安だって言うのか
てめーの事
りょうやりょうやにしてやんよ!!
任務は多分頑張るから
りょうやりょうやにしてやんよ!!
だからもっと俺に頼ってよね
りょうやりょうやにしてやんぜ!!
最後までさ頑張るから
りょうやりょうやにしてやんぜ!!
だからもっとアイス買ってきてよな
りょうやりょうやにしてやんよ!!
世界中の誰、誰より
りょうやりょうやにしてやんよ!!
だからもっと俺に戦わせてよな
ご本家様[作詞・作曲:ika様 唄:初音ミク]
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1097445
参考歌詞様[http://www.nicovideo.jp/watch/sm1097445 ボーカロイドの歌詞置き場様]
稜弥でみくみく。
アイスっつったらKAITO兄さんですよね( ´・ω・)
キャラ被り乙(ry
替え歌は楽しいです( ´・ω・)
きっと高杉さんやまた子さん辺りがりょうやりょうやにされてるんじゃないでしょうか。
■━━…
もうお祝いも何もしてねェ←
いいんだ!! 俺が楽しければ((
以上、帽子屋の悪ふざけお祝いでしたw
お粗末さまでした( ´・ω・)