二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.28 )
- 日時: 2010/07/07 00:36
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
夏なので番外編でも↓
青い空。白い雲。そして照りつける日差し。
その環境の中で俺は一人湖の側でぐったりとしていた。
蒸し暑いとかそんなレベルではない。それこそ灼熱地獄と言ったほうが正しいかもしれない。
ぐったりしている俺の側で、同じくぐったりしているチルノが、愚痴をこぼした。
「暑いね」
「そうだな」
「何でこんなにも暑いのかあたいには理解出来ないよ」
「俺もだ。……なあ、今何月だ?」
「さあ。……暑いね」
「そうだな」
木陰でじっとしていれば涼しいかと思えばそうでもなく、むしろ光が水に反射して暑いような感じにさせられる。
「チルノ……氷、出せるか?」
「出せるかも。ちょっとやってみるね」
チルノは力無く手をかざすが、すぐに手を降ろす。
「駄目か?」
「……」
首を縦に振る。なんてこった。
「そんな貴方達に素敵な提案をしようと思うのだが」
「あ〜? えーと……誰だっけ?」
「紫さんを攫う時に来た男だ。そういえば分かるか?」
「ああ、あの時のか」
紫と話す時とは違いやけに軽い感じで話す男だが、暑さで頭がやられたのか特に考えることもせず、男が言った提案の内容を聞いた。
「……で、提案とやらは?」
「ふむ。実は毎回各章ごとに登場した人物で色々するらしいのだが……今回は特に決めてなかったらしい」
「ほう。じゃあ、今回は俺達が自主的にやるわけだ」
「話が早くて助かる。そこでだ。折角湖もあることだし——」
男はそこで区切り、男は極々普通なことを言った。
「水遊びでも、どうだろうか?」
「……とまあ我々にとってはとてつもないほど嬉しい企画だな」
「だろう? まあ俺らは一緒に足でも浸かりながらのんびりはなしましょーや」
男は軽く笑うと早速水に足をつける。小声で「冷たっ」って言ったのが聞こえた。
湖ではどこから呼んだのか永遠亭の連中と紫が、どこから用意したのか水着を着ていた。
鈴仙は特に美しいプロポーションである。
「そういや、お前の連れの女はどうしたんだ?」
「ああ、もうすぐ来ると思う。呼んだんだがなかなかの恥ずかしがりやでなぁ。まあそこが可愛いんだけどよ」
「あーなんか分かるわー」
「いいねいいね。話が分かり合えるってのは。こんなこともあろうかと……」
男はどこから取り出したのか、片手に酒瓶を、もう片方にはコップを二つ持っていた。
「取り敢えず、一杯ってことで?」
「乗った」
チルノが永遠亭のうさぎたちとぎゃあぎゃあ言っているのを尻目に、遂にお待ちかねの奴がやってきた
「お? 来たぞ来たぞ」
「マジか。よく観察しとかないとな」
女は男の情報通り恥ずかしがり屋のようで、胸の下で恥ずかしそうに腕を組んでいるが、それが帰って自らの体型を強調することとなった。
「中々良いスタイルだな。なんと羨ましいんだ」
「だろだろ? グラマーな体型だろ? いやーあいつの上司でよかったわー」
俺達の声が聞こえたのか知らないが、こちらに向かって思いっきりナイフを投げてくる。
しかし当てる気はないようなので、簡単に避けることができた。
「しかも結構危ないときた(色々と)。いいねぇ」
「ああ、最高だ。あの双丘に触れたいものだ」
「やめろ。それ以上は危ない(規約的な意味で)」
「おっと、自重自重」
場所は変わって湖中央。
どうも、お久しぶりです。鈴仙・優曇華院・イナバです。
おじさんと聞いて飛んできた次第でございます。
理由はお礼を言おうと思ったのですが……おじさんたちがその……如何わしい話をしていたので湖の中央まで逃げてしまったわけです。うう、恥ずかしい……
しかし逃げてばっかだと何時まで経ってもお礼が言えません。しかしあの話を思い出すと……ううっ。
目に見える範囲ではいつかの氷精とうちの兎たちがなにやらもめているようです。心配です。
その内凍らされるのではないかと思うとヒヤヒヤします。
師匠はというと……賢者の八雲紫と何か話しています。取り込み中なのでお話ができません。残念です。
あれ? そういえばてゐは……
「え〜い!」
「うひゃあ!?」
あわわわ……いきなりてゐが私のお腹を触ってきました。
『うおおっ』っておじさんたちがこっちを見てます。恥ずかしいです。
「ちょ、てゐ! やめなさい!」
「え〜? そうは言ってもね〜?」
「ひぅっ、や、やめて! ひゃっ」
「鈴仙はいっつもお腹が弱かったよねぇ? それそれ〜」
(※お腹を触っているだけです。別に変な表現とかないんだからね!)
「うひっ、てゐ、やめ、あぅ、なさいって、うぅ、言ってる、うぁ、でしょぉ……」
うううう、おじさんたちの好奇心の目がとてつもなく心に来ます。正直今すぐにでも穴に入りたい気分です。
不意におじさんたちの声が聞こえました。かなりの大声でした。
「おいおい見たか見たかよおいぃ」
「ああ見たぜ今脳内補完バッチリだぜおいぃぃ」
あひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……
「いやホントごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
「いや、鈴仙がそんなに謝らなくても……」
「そうそう。悪いのはてゐだ!」
「ちょ!? まさかの押し付け!? あんたたちだって似たようなもんじゃん!」
あの後記憶が曖昧なんですが……てゐを何らかの力で飛ばして、水に着水。その水飛沫がおじさんたちにかかってしまったのです。
「ふ〜んだ、俺らは触ってないもんね!」
「そうだそうだ!」
「なにその屁理屈!」
「屁理屈じゃありませ〜ん」
「あ〜……じゃああの女さんにまかせるよ……」
「う〜ん……とりあえず死刑ってことで♪」
「いやあの本当に申し訳ありません」
「だからあのナイフはしまおう? なっ?」
「てゐちゃん泣いてるから無効で〜す」
「……おっさん」
「……ああ、取る行動はただひとつ……」
そのままおじさんたちは回れ右をして、
「三十六計逃げるに如かずってね!」
「ごゆっくり〜!」
「逃がしませんよ〜!」
全速力で走って行きました。女さんも追いかけました。
もうちょっと続くけど、時間が無いので次の日にでも。
大丈夫……ですよね?
ではではー。
- Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.29 )
- 日時: 2010/07/09 00:31
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
おじさん達が走って行ってほんの数秒後、急に背後から声がしました。
そうやら氷精と兎がリアルファイトを繰り広げたみたいです。弾幕使いなさいよ。
取り敢えず私が波長を操ってその場を収めました。
理由を訊くと、どうやら浮き輪の取り合いだったようです。どこからそんなものを……
「うー……」
「何で私を睨むの! そりゃあ確かに喧嘩を止めたのは私だけど」
「鈴仙……多分睨んでる理由は違うと思う」
「え? なんで?」
「チルノさぁ……ずっと鈴仙の胸ばっか見てる」
「……。……! ……!?」
え? え? ちょ……えぇ?
「え〜と、つまり?」
「ちくしょー! 何でそんなにデカイんだー!」
てゐに確認を取るまでもなく勝手にチルノが言いました。どういうことなの……?
「いや、ほら、こんなにあっても動きが取りづらいだけだし……」
「う〜……」
「どうしろっていうのよ!? 言っておくけど取り外し出来ないからね!」
「こんにゃろー! いざ勝負!」
「話を聞きなさい! そして水を飛ばすのをやめなさい! 痛い痛い! 地味に痛いって!」
チルノが勢い良く水を掛けてきます。痛いです。よく見ると他の兎も加勢しているように見えます。
「ちょ、だからやめてって」
「はぁ……戻ってこれた……あ?」
「おい、これって……」
「貴重なシーン来たぞー!」
「脳内補完だおじさんよ!」
気がつけば私は木陰で仰向けに寝ていました。
「お、気がついたか」
おじさんが私の顔を覗き込みます。
「あ、はい……大丈夫です」
「そうかそうか。いやー面白かったぞ? これでもかっていうぐらい赤くなってそのまま倒れてよ」
「お恥ずかしいです……」
「あ、ほら、俺達が余計なこと言ったっていうのもあるし、悪いの全面的に俺だし」
おじさんの言葉を聞きながら脳内の整理をしていました。
そこであることに気がついたわけです。
……何か頭が高い位置にある?
よく見ると、私はおじさんに膝枕をされていました。そして頭を撫でられていました。
「あっ、すみません! 今すぐ起きま——」
「いや、このままでいいぞ。まだちょっと顔が赤いし」
「でも」
「いーいーかーら! お言葉に甘えておいたほうがいいぞ?」
「はぁ……じゃあ、改めて」
「おう」
「あっ、うどんの人大丈夫?」
「ああ、チルノ。うん大丈夫よ。あと私は優曇華院よ」
「チルノ、ちょっとばかし氷を作ってくれ。頭に乗せるから」
「合点!」
チルノは手をかざすと近くに氷の塊を作りました。
「こんぐらい?」
「オーケー。十分すぎるくらいだ。ありがとよ」
「お礼ならちゃんと遊んでよね!」
「ああ。鈴仙の体調が良くなったらいくらでも遊んでやる」
「よっしゃー! 待ってるからな!」
「おうおう。それまで元気に遊んでるといい」
チルノは振り向きながら「じゃーねー!」と元気よく話しました。こけそうで見てるこっちがヒヤヒヤします。
おじさんは早速氷を私の頭の上に置いてくれました。
ひんやりして気持ちいいです。
「どうだ? 少しはよくなるといいんだが」
「気持ちイイです」
「そうか」
おじさんは笑って私の頭をナデナデしてきます。
結構優しくて驚きました。
「しかし、またこうやって会えるとはなぁ」
「そうですね。あの時はお世話になりました」
「俺は何もしてないよ。だから別に言う必要なんか……」
「私が言いたいんですから、別にいいでしょう?」
「ま、いっか」
そう言っておじさんは木にもたれかかりました。
私は、少しうとうとしてきて——気がついたら寝ていました。
「すー……すー……」
鈴仙の寝息が聞こえる。やべぇ超可愛い。
今すぐ抱きつきたい衝動に駆られるがここは理性を十分に発揮して抑えている状態だ。
俺はくしゃっと頭を撫でると、起こさないように立ち上がり、紫と永琳の元へと歩いていった。
すみません、もうちょっと続きます。
次こそ完成させたいです。
ではではー。
- Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.30 )
- 日時: 2010/07/12 00:43
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
「やあやあ、どうしたんだい、お二人とも。泳がないのか?」
「そのまま貴方にその言葉を返すわ」
紫が永琳から目を離さずに言葉を返す。
紫はいつもの服装。一方永琳は一応水着は着ている。いつもの赤と青の服をちょっと弄った感じの水着だ。
永琳は笑いながら言った。
「ふふっ、紫ったら式神が来ないから拗ねちゃって……」
「ちょっと八意永琳さん? 何を言っているのかしら?」
紫はこめかみを引く付かせながら敬語で、しかも笑顔を浮かべている。
気味が悪いことこのうえない。
「式神……えーと」
「ああ、ごめんなさい。式神っていうのは貴方のところでいうコンピュータみたいなものなの。式神は水が弱くてねぇ」
「? じゃあ来ないのも頷ける気がするが……」
永琳は更に口を歪ませながら言った。
「紫曰く、『一緒に湖のほとりで黄昏て居たかった』って……」
「それ以上言うとスキマ送りにしますわよ?」
紫は般若のような顔をしながら言った。おー怖い怖い。
永琳は肩を竦ませながら、今度は俺に対して質問をした。
「で、鈴仙のほうはどう?」
「大分良い感じだ。しばらく寝かせりゃ元気になるだろ」
「そう、よかった……」
「あの一件以来より一層仲が良くなったのか?」
「そうね、以前より、かなり明るくなったわ。相談もよく持ちかけてくるし」
「ふーん。平和でなによりだ」
「そうそう。それで鈴仙ったら面白いのよ」
「? 何がだ?」
永琳は顔を破顔させながら言った。
「『おじさんに礼がいいたいけどどうしたらいいですか』ですって」
「……ははっ。参ったな〜」
「あら、照れてるの?」
「いや照れてるんじゃないけど。……まだ気にしてたのか」
「ええ、かなり。突然居なくなるから尚更ね」
「……紫、お前」
「他人の都合を考えてる暇は無いわ」
紫はそっぽ向きながら言ってくる。
「……じゃあこの話を聞いた時は」
「一番に鈴仙が喰いついたわ。他の兎が引いていたのは内緒よ」
「何か俺が好きにでもなったのかねぇ?」
「さぁ? それは本人に訊いて」
「本人から訊くのは無粋だろ。俺が朴念仁みたいじゃあないか」
すると永琳はありえないという目付きになった。
おいちょっと待て。
「……なんだよ。文句でもあんのか?」
「あ、いえ……何でも……ないわ……」
「おいちょっと待て何故目をそらす何故少し離れる何故そんなにも引いているんだ!」
「あ、あはははは……」
作り笑いはやめてくれ、辛いからまじで。
「夫婦漫才してる場合じゃないでしょ、まったく……」
「紫、俺は朴念仁なのか? なぁ訊いてくれよちょっとお前まで目を逸らすなよ何でそんなにも俺を避けたがってるんだよぉぉぉぉ」
「まぁあれね。『恋は盲目』っていうし」
「そうね。流石紫」
「聞けよ! 人の話ぐらい聞けよ! ちくしょー!」
そこで紫がコホンと咳払いをした。
『取り敢えず落ち着け』……そんな感じだ。
「まああれね。正直早くこれ終わらせないと次に進まないし……」
「作者も大体のプロットは出来てるみたいだし」
「ちゃっちゃと終わらせますか」
「え? まじで? もう終り?」
「ええ。マジよ。じゃーねー」
「バイバーイ」
「ちょっと待てぇ! 終われねーよこんなんじゃ! 読者ドン引きだろ!」
「読者っているのかしら?」
「言っちゃ駄目! そんな触れてはいけないようなこと言っちゃ駄目! えーいもう取り敢えず場面転換だ!」
夕方 霧の湖付近にて。
いやー長かった。色々と長かった。しかしこれで終わりかと思うと少し寂しくなる。
これからあの二人が敵なのかと思うと——考えたくない。
折角出来た友を、俺はどうすれば良いのだろうか。
作者ァァァッ! 何故これを平行世界にしなかったァァァァッッッ!!
いかんいかん。落ち着け。素数を数えろ。2,3,5,7,11……
素数は自身でしか割れない孤独な数字。俺に勇気を(ry
「あの……これ以上はまずいですよ?」
「あ、ああ……鈴仙か」
心読まれてた……吃驚した……
「あ、えと、あの。あの時はどうもありがとうございました。おかげで師匠とも仲良く仲直りができました」
「うむ。それのことだが……俺はお前を殴ったんだよ?」
「ええ」
「いや、だから……何か一発殴るとかそういうの」
「あ、あのその! ……あのときおじさんが止めてくれなかったらと思うと……その、御礼がしたくて」
「そうか……」
「はい……」
沈黙が訪れる。気まずいぞこれ。
そして口を開いたのは——以外にも俺だった。
「あ、そういえば……俺のパンチ、痛かったか?」
「え? あ、はい。痛かったです」
「そうかぁ……」
「?」
「まぁ、何だ……取り敢えずよろしく、っつーことで」
「はい! こちらこそ……」
握手をするために前に一歩踏み出した鈴仙は、そのまま前のめりになりながら倒れた。
当然目の前に居た俺も一緒に倒れる。
「きゃっ」
「っつ〜……!?」
目を開けると、そこには揺れるスイカが二つあった。
「あ……」
「〜〜〜〜〜〜ッッッッッ!!!!????」
鈴仙は体中が真っ赤になり、そのまま硬直した。
そして俺は思った。
——純粋だなぁ、と。
適当にオチをつけました。
この番外編では若干本編に影響があります。……そのはずです。
第三章。舞台はぶっちゃけいうと地底になります。
当然あの悟った人も出てくるわけで……。
そして今回は久しぶりの異変解決ということにしてます。
今回は誰が異変を起こしたのでしょうか?
ではではー。