二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.12 )
日時: 2010/08/20 14:31
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

最近、妙な感じがするんだ。



—Maind,05— 異常感情


「・・・雲雀」
「・・・何?」
「何で最近ボロボロで登校してくるの?」

雲雀の体には真新しい傷があった。
最近出来た物や古傷なんて物もある。
俺は首をかしげた。

「それに・・・最近感じる違和感があるんだ」
「違和感・・・?」
「学校がなんだか可笑しい」

俺は応接室を見渡しながら呟いた。
可笑しいところなんて無いが、なんだか妙な感じがする。
前とはまるで違うような、違和感。

「・・・気にしなくて良いよ」
「・・・隠し事だな」

俺は額に手を当てて、溜息を吐いた。


(何をやってるとか、そんな事はどうでもいいんだ。だけど———)


「・・・雲雀、無茶するなよ」
「・・・」

雲雀は無言で応接室を後にしていった。
俺は、応接室のデスクに触れて屋上を見る。
違和感がある、と言うのは確かだけども、その確信が無かった。
俺はスッと、応接室を後にする。





「・・・跳ね馬」
「何だ、恭弥」

目の前に堂々とムチを持っている跳ね馬に声をかける。

「・・・大事な人って、巻き込みたくない物なの?」
「・・・まぁ、そりゃなぁ。だけど何でそんな事聞くんだ?」
「・・・別に」

僕はプイッと顔を逸らした。
ロマーリオと言うディーノの部下がディーノに耳打ちをする。

「(ボス、もしかしたら・・・)」
「・・・!もしかしてお前、恋して」


——ドガァァンッ


僕はトンファーを壁に突き刺した。
ディーノは汗を流しながら僕を見る。

「・・・跳ね馬」
「な、何だよ」
「・・・判らないんだ」
「ハ?」
「・・・」

僕は無言で壁をトンファーで叩き続ける。

「オイ、恭弥!?」



——バァァァンッ



「雲雀。何してんだ?」
「・・・」

僕は急に現れた刹那に戸惑う。
周りを一通り見た後、刹那は僕に近づいて傷を見ていた。

「・・・別に言いたく無いならいいけど、傷を治すから見せて」

そういうと刹那は僕の体に手をかざした。



——ボォッ



拳に炎がともる。

「「「!?」」」

傷が癒えて行く。
傷が一通り治ったかと思うと、刹那がフッと溜息を吐いた。

「コレでいいだろ。一日一回しか炎は使えないからこれ以上は今日は無理だな」
「オイ、待て。今の力は———」
「終崎家の奥義だと」

それだけ言うと刹那は屋上を後にしていった。

「・・・」
「オイ、恭弥。今の子は———」
「・・・」
「まさか、恭弥。お前———」
「・・・コレは、なんていう感情なんだい、跳ね馬」

僕は、只その言葉を口にした。
この感情の名を知らない僕は只、子供の様に———。



「(ッて言うか、ソレって完全な恋じゃねぇのか?)」



跳ね馬ディーノは、溜息を吐いた。





「沢田君も傷だらけで登校してくるね」
「・・・あ、うん。まぁ・・・」

俺は教室に戻って沢田にそんな事を言ってみた。
沢田は少し困ったような表情をする。

「雲雀も最近傷だらけで登校して来るんだが———何か秘め事とかしてる?」
「え、いやッ・・・(終崎さんにヴァリアーの事を言っても・・・ッ)」
「まぁ、隠したいのならいいけど」

俺はそういって、窓の外を見た。


「(と言うか、終崎さん、妙に勘が鋭いな・・・)」


沢田綱吉は、そんな事を思っていた。

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.13 )
日時: 2010/08/20 15:00
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「・・・」
ボォッと廊下を歩いている時、1人の生徒にぶつかった。

「あ、スイマセン」
「いや、いいよ」
「あ、あの。終崎刹那さん、ですよね」
「うん、そうだけど、何?」

女生徒は俺を見ながらあせっていた。
何を言いたいんだ?

「あ、あの。雲雀さんとお知り合いって本当ですか?」
「まぁ、そうだけど」
「あ、あの。お願いがあるんですが・・・」
「お願い・・・?」

俺がそう思った瞬間、背筋が凍りつくほど寒くなった。

「・・・?」

俺が後ろを振り向くと、誰も居ない。


——ドスッ


「!?」

急に後ろから打撲され、俺は意識を失う。
最後に見えたのは、紫色の瞳だった。

「!?」
「ツナ、どうした?」
「あ、いや。今、何か———」





俺は何とか重い瞼をあけた。

「う・・・」


——ジャラッ


両手は拘束されていた。
コレで自由は奪われている。
俺は周りを見た。

「・・・何処だ此処・・・」

古ぼけた何処かの建物らしいけど。
俺は再び背筋が寒くなるのを感じて後ろを振り返る。

「やはり・・・貴方には判るのですか」
「・・・判る?」
「貴方にもブラッドオブボンゴレが流れている、と言う事ですよ」

そういって、霧の中から現れたのは紫色の髪をした男の人。
俺よりも年上らしい。

「・・・誰?」
「始めまして・・・六道骸です」
「六道、骸?」

俺は首をかしげる。
何処かで聞いた名だが・・・何処だったか。

「ハイ。雲雀恭弥とは少し、知り合いでしてね・・・」
「ハァ・・・」


(何だ、この人。なんだか・・・)


「一つ聞いても宜しいですか?」
「ハァ、何だ?」
「貴方は——雲雀恭弥の事をどう思っていますか?」

俺は首をかしげた。

「雲雀恭弥は貴方の事を少しずつ気付き始めていますが・・・貴方は?」
「・・・」
「貴方は、好きなのですか?」


——ドクンッ


「・・・好き?」
「ハイ。それとも、別に興味は無いですか?」

目の前でクフフ、と笑う骸と言う男に、俺は顔を俯かせた。


———好きって、どんな意味での好きなんだ?


「・・・判らないけど、好き、かな」
「・・・そうですか、やはり貴方達は似たもの同士です」
「あ、そういえば雲雀が気付き始めてるって何を———」


———ザァァァァァァ・・・


目の前にあるはずのない桜が舞い散った。
気が付けば俺は、学校に佇んでいた。





(なんだか、雲雀に似ている気がした)