二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.14 )
日時: 2010/08/20 15:35
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

考えてみる、自分の気持ちを。



—Maind,06— 未知数


学校に通い続けて三日。
雲雀は登校していなかった。
俺は首をかしげながらも、骸と言う青年の言葉を思い出しながら廊下を歩いていた。

「あ、終崎さん」
「沢田君。・・・傷、増えてるね」
「え、あ、まぁ・・・(今日が大空戦なのに・・・)」
「そういえば、笹川から聞いたんだけど、今日が相撲の試合なんでしょ?」
「え、あ、まぁ・・・」

沢田は苦笑いになりながら俺を見ていた。


(何か隠し事をしているにはしているんだが、ソレが何なのか判らないな・・・)


「なら、傷を治さないと駄目だろう?」
「え、」

グイッと俺は沢田の腕を掴んで引っ張り寄せた。
沢田の体に手をかざして、炎を灯す。

「え、死ぬ気の炎!?」


(死ぬ気・・・?)


俺はそんな沢田の言葉に疑問を持ちながら、炎を灯し続けた。
傷は癒えて行く。

「あ、傷が・・・」
「治った。じゃあな」
「あ、うん・・・」

スッと、俺は廊下を歩き続けた。

「なぁ、リボーン」
「何だ?」
「さっきの炎って、死ぬ気の炎じゃないか?」
「・・・近い物ではあるが、アレは別物だな。未知数の炎だ」
「・・・」

俺は終崎さんの背中を見ながら、歩き続けた。





やはり、歩くたびに違和感を感じた。
俺は気が付けば放課後になっていて、気が付けば何処かの病院に居た。


(ッて言うか、何語で話してるんだ・・・?)


全く判らない言葉を見聞きした。
何処か外国語の様な気がするが——。
そして、俺は一つの病室の前に居た。

「・・・ブルーベル・・・?」

その病室の扉をノックした。
そして、病室に一歩踏み入る。

「・・・にゅ?アンタ誰?」
「・・・ソレはこっちが聞きたいことだけど・・・」

俺は、目の前に居る水色の髪をした少女に、顔を向ける。
この子がブルーベルと言う子なのだろうか。

「君がブルーベル?」
「そうだけど、何?」
「いや、病室の名刹が気になったから」

そういって近くにあった椅子に座る。

「・・・君、足が動かないの?」
「・・・そうよ。だから、何?」
「・・・」


(聞いちゃいけないことだったのか)


俺はそう思いながらも彼女を見ていた。
俺の力じゃまだまだ足りない。
だから、足を治療してあげる事は出来ない。

「ねぇ、君は、歩けるようになったら何がしたい?」
「・・・水泳」
「水泳?」
「ブルーベルは、水泳選手だった。だけど、事故で・・・ッ」

体が震えだす。
俺は少女の体を抱きしめる。

「にゅ・・・!」
「大丈夫だよ。きっと君の足はよくなる。俺が保障しよう」
「本当に・・・?」
「あぁ。きっと」


(そんな感じが、するから)


俺はそういって彼女の手を握った。

「(暖かい・・・)ねぇ、お姉さんの名前は?」
「俺の名前?俺の名前は、終崎刹那」
「終崎・・・?日本人なの?」
「あぁ、君は」
「・・・ブルーベル。イタリア人、だよ」


(イタリア・・・?ちょっと待て。ここは———)


瞬間、周りにフラッシュの様な物が走る。
俺は深く目を閉じた。


———ザザァァァ・・・


「・・・にゅ?(居ない・・・)」
「どうしたの?ブルーベル」

目の前には白蘭が座っていた。

「(気のせい、じゃないよね)あのね、さっきね」





(夢じゃない)(まだ手に残る暖かさを感じながら)

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.15 )
日時: 2010/08/20 16:41
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

周りが真っ白になった後、目をゆっくりと開けば学校の校庭に佇んでいた。
空を見上げれば夜空が広がっている。

「って終崎さん!?何で此処に!?」
「ッて言うか何処から来たんだ?」
「誰だ、コラ!」
「何、アイツ?」
「・・・ドカスが」

何か怖い人達も勢揃いしている。
俺は何がなんだか判らない。
すると仮面をつけた女達が言葉を発した。

「夜空のリング保持者も現れたので、大空のリング戦を開幕いたします」
「ちょっと待ってよ!終崎さんが何時リングをッ・・・」
「コレの、事か?」

俺は指に嵌めているリングを見せる。
全員が一斉に俺を見た。

「ハイ、ソレが夜空のリングです」
「何で終崎さんがッ・・・」
「コレ、家の家宝なんだよ。時期党首になると決まったときから肌身離さず持ってるんだけど」

すると雲雀が近づいてきて、俺を凄い剣幕で見てきた。

「雲雀、コレって何がどうなって———」
「・・・ッ君が戦わなくてもいいのに」
「え?」
「では、各フィールドに付いて下さい」

皆がどこかへ向かった。
俺はいまだ整理の付かない頭で考えるのは、戦わなければいけない事。
俺はそんな曖昧な覚悟を宿しながら、仮面の女を見た。

「俺はどうすればいいの?」
「終崎様は、特にフィールドはございません」
「・・・それじゃあ困るような気もするけど・・・」

俺はそんな事を考えていると、女の人が開始を告げた。
爆発がグラウンドで起きたりしていると、何故かティアラをつけた少年が俺の前に立った。

「シシッ弱そうな奴。こんな奴が夜空の守護者だなんて信じらんねぇ」


(夜空の守護者・・・?)


俺は首をかしげた。
するとナイフが飛んできたので避けてみた。


——バシュッ


「!」
「シシッ」

頬に赤い血が流れる。
ナイフで切られていないのに、血が出た。
俺は少年を見る。


(ナイフが空中に浮いている・・・?)


マジックのように操るナイフに、俺は違和感を覚える。

「刹那!」
「雲雀・・・?」

俺の前に雲雀が立つ。
トンファーを構えて戦い始める雲雀に、俺はソレを見ているしかなかった。


——バシュッ


「!?」

雲雀の頬に、赤い血が伝う。



——ドクンッ



「沢田殿!」
「・・・」

俺は視線をグラウンドに変える。
沢田がボロボロの姿で立っていた。


(訳が、判らない)


——ドクン。





「!?」

クローム髑髏が頭を抱える。
毒の所為ではなかった。
それは——骸の危険命令。

「骸、様・・・?早く、抑えろ・・・?」

微かに聞こえる骸の意思を辿るクローム髑髏だったが、次の瞬間に聞こえた悲鳴にも似た絶叫に、意識を移した。





「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「刹那!?」

突如刹那が叫びだした。
悲鳴にも似た絶叫は、学校全体に響き渡る。

———僕は、先程助けた山本武を思い出す。

即座に手首に装着された小型モニターを見た。
そこまで響き渡っているのか、目を呆然としていた。



「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」



最早何を言っているか判らなかった。
人の死のような言葉を発する刹那に、僕は抱きしめることしか出来なかった。

「ぐっ・・・」

何かの力の様な物の熱風が起こり、僕は後ろへ飛ばされる。


———ボァァァァァァッ


「刹那・・・?」

刹那はまるで何も見えていないような目で、虚空を見ていた。
力が抜けたように腕がだらんとぶら下がる。


「刹那?」

「            」


何かを言った気がするけど、言葉は聞こえなかった。
拳と額に炎を灯した刹那は、ユラリとティアラの草食動物を見ていた。





(僕の知らない、刹那)