二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.16 )
- 日時: 2010/08/20 17:02
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
制御不能、全ての警戒レベルが急上昇致します。
制御不能。緊急システムを作動いたします。
—Maind,07— 制御不能
頭の中が真っ白になる。
体の自由が利かない。
まるで自分の意思とは反対に、自分の本能が相手を殺せと言わんばかりの。
思い出すのは——殺した人間の言葉。
「 」
何度、言われた事か。
俺は、目をゆっくりと瞑った。
◆
「刹那!」
狂ったように戦い続ける刹那に、僕は何度も叫んで止めようとする。
だけど声は聞こえないらしく、ナイフを振るう。
ナイフはティアラの天才から奪ったものだ。
無理矢理ワイヤーを引き千切って、そのナイフを使用している。
額にはどす黒い炎が灯っている。
「刹那!」
「シシッ・・・冗談じゃねぇ、コイツ・・・」
◆
「刹那!?」
俺はモニターを見て叫んだ。
額に死ぬ気の炎らしき物が灯っている。
「ドカス。アイツは終崎と言ったか」
「・・・ッソレがどうした」
「終崎と言えばボンゴレの分家の様な家柄じゃねぇか・・・あのカス、炎を制御できずに暴走してやがる!」
目の前でザンザスはあざ笑った。
◆
「制御が出来ない、ですか?」
「あぁ・・・突発的に、いや、偶然に起きた「 覚醒 」だからな。暴走しても可笑しくはねぇ」
傍観席でリボーンは説明をする。
自我を忘れた刹那は、いまだ戦っていた。
「ですが、死ぬ気化ならこの拙者にも出来ました」
「違う、そういうことじゃねぇ。刹那には、初代ボンゴレの血が色濃く受け継がれているんだ。無理矢理覚醒すれば暴走しても可笑しくはねぇ」
「・・・強すぎる力ゆえに、か」
「あぁ・・・」
「だ、だとすれば大変ですよ!このままじゃ味方さえも殺しかねません!」
バジルはあせりながらそう言った。
「(だが、逆にその炎を操れるとすれば、凶器になりうる)」
——ボンゴレに不可欠な、な。
◆
目の前が真っ暗になって行く。
白から黒へと移り変わる世界に、俺は目を細めた。
微かに聞こえる声に、俺は耳を貸す。
『——だが、——には』
「・・・あぁ」
だんだんと景色が固まっていく。
そして、見えたのは———。
「葬式の、時だ」
- Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.17 )
- 日時: 2010/08/20 17:32
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「まだ、あの子には早いのでは?」
「それにあの子は血が通っていても、子供だ」
そんな大人たちの声が聞こえる。
葬式の泣き声が聞こえる声と混じったその声に、俺はギュッと持っていた熊の人形を抱きしめた。
「それに、あの子は一体誰が引き取るんだ?」
「私はゴメンよ。あんな「 」な子供の世話なんて」
「 」。
同じ言葉が繰り返される。
耳を防ぎたくなって、俺は顔を俯かせた。
そのときだった。
「俺が引き取ろう」
「・・・終夜様のお兄様・・・」
「ですが一体お家はどうするのです?」
「終崎家の本家にしよう。もともとあの子は終崎家の血筋を引き継ぐ者。それに今まであそこで育ってきた。あそこのほうが安心するだろう」
そういってその人は俺の頭を撫でてきた。
「これから俺がお前の父親だ」
「・・・俺、「 」だよ?いいの?」
「自分で自分を否定するような言葉は吐くな。それはお前の父親を愚弄しているのと同じ事だ」
「・・・」
俺は、ギュッと、熊のぬいぐるみを抱きしめた。
幼いながらも、俺は感づいていた。
終崎家次期党首になるということは———。
命を狙われて、自分が頂点に立つという事。
だから、
「俺に障るな」
君を避けたんだ。
◆
真っ暗な世界。
だんだんと白が薄れてゆく。
段々目を瞑りたくなってきた。
——目を瞑るな。
「・・・」
薄っすらと、目を明ける。
——君を待ってる人間が居るでしょ?
「・・・」
『刹那!』
雲雀の声が聞こえた。
——さぁ、君は戻らなければいけない。
「・・・貴方の名前は?」
——「 」
そこで、景色がいっぺんに壊れだした。
◆
「刹那!」
刹那が急にボォッとした目つきになった。
「刹那!」
「・・・雲雀」
刹那が言葉を発した。
僕は目を見開いて言葉に耳を貸す。
「雲雀、俺、戦うよ」
「え?」
——ボォォッ
無駄に燃えていた炎が、優しい炎へと変わる。
どす黒く濁った色の炎は、純度の高い炎へと変わっていく。
「・・・守りたいんだ」
「・・・」
グッと刹那が拳を握り締めた。
「戦うよ」
僕に表情を向けた時の刹那の顔は、優しい表情だった。
◆
「・・・!レオンが・・・」
レオンが光りだす。
球体になったレオンの中から、光があふれ出し、遂に何かが飛び出して終崎の居るところへ光は向かっていった。
一斉に俺達は巨大モニターを見上げる。
「・・・グローブ・・・!」
そこには、終崎がボンゴレの紋章のロゴが入ったグローブを装着された右手を握り締めて、淡い黒い炎を両手に宿した姿があった。