二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.22 )
日時: 2010/08/21 07:24
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

君は何を望む?
目の前に居る男は呟いた。



—Maind,10— 夜空の虹


「保険医」
「って刹那ちゃん!?一体どうしたの?」

そういいながら俺の顔を見て驚くシャマルに俺は息を吐いた。

「久し振りに雲雀に会ってきたんだけど、」
「・・・やっぱ刹那ちゃんにはわかったのか」

苦笑いでギィッと椅子を回してパソコンに向かうシャマル。

「雲雀に何が起きている?」
「雲雀だけじゃねぇんだよ。ボンゴレ・・・つまりはリボーンも含む全員がああなっちまった」

俺は目を見開いた。


(ああなった・・・判らなくなった・・・。昔の俺のように)


「まぁ、裏社会にドップリ入り込んじまったからな・・・」
「・・・」

俺は椅子に座って話を聞いた。

「・・・つまり、精神異常が全員に来たしている・・・か」
「あぁ、そうだな。中には《カニバリズム》何て奴なんだ」

俺は顔を歪めた。

「まぁ、それがボンゴレ坊主なんだけどな」
「・・・」

俺は話を全て聞かずに、医療施設を後にした。
向かうのは、みんなの場所ではなく———。
俺は、リングを見た。

「———」

あんまり行きたくは無いけども。
行くしかないだろう。
最後の、除外されたアルコバレーノに。

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.23 )
日時: 2010/08/21 08:00
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

俺の前に立つ、森の中に佇んだ屋敷。
俺は一歩足を踏み入れる。
もう、無人で誰も居ないはずの。
イタリアにあるはずの、屋敷。
俺はノックを鳴らす。
ギィッとこ気味良い音がして、扉が開く。

「やぁ、刹那。お久し振りだね」

彼は、そう笑って見せた。





「つまり、何とかしたいの?彼等を」
「あぁ」

俺は紅茶を受け取り、紅茶を口に含んだ。

「・・・一つ聞くよ。君は一体何がしたいんだ?」
「・・・俺は、出来るなら助けたい。だけど今の俺の力じゃ———」
「いや、君は十分な程に力を持ってるよ。考えてごらん。君は——何が出来る?」
「・・・」
「じゃあ、バイバイ。「 アリス 」」

クスリと、チェルは笑った。





気が付けば、ボンゴレのアジトに居た。
コレがチェルの力でもある。

異空間移動能力。

俺は、少しずつ歩き始めた。

「・・・血の匂い」

顔を歪める俺とは裏腹に、匂いの現況は表れる。

「お、刹那じゃねぇか、久し振りだなッ」
「・・・」

山本が掲げている刀を見る。
黒く色褪せた血が付着していた。

「山本、今すぐソレで俺を斬り付けられる?」
「・・・そんな事出切る訳が———」


——ブシャッ


俺は刀の刃を握り締めた。
手から血が噴出す。

「だけど山本は、コレで人を殺せる」
「!だけど、俺は、刹那を、刹那だけは殺せない」
「・・・」

俺はパッと刃から手を離した。
刃には、俺の血が滴っていた。

「そう」

俺はそれだけをいうと歩き始めた。





刹那にそういわれたとき、少しだけ心が揺らいだ。


(・・・駄目だな、俺は)


誰かを斬りたくて。
そんなの只の殺人者なのに。
刹那の覚悟をした目を見たとき、ハッと成った。
人殺しは、絶対的にいけない事だと言われているようだった。


(・・・)


俺は無言で歩き始めた。