二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.4 )
日時: 2010/08/19 17:13
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

終崎家の最後の生き残り、終崎刹那。



—Maind,02— 終崎家党首時期後継者


次の日、俺は鞄を担いで歩き出す。
実は今日は休みなのでブラブラとうろつく事しかなかった。
だが、うかつには外に歩けない。
と言う事でいつも同行者が居るが、今日はソレも居ない。
自由にうろ付いていると案の定携帯電話が鳴る。
携帯電話の液晶画面を見るとズラッと並ぶ文字。
フゥッと溜息を吐いて携帯電話の蓋を閉じた。
視線が突き刺さっているような気もするけど、俺はそんなのには構っていられなかった。
本屋に入って、立ち読みをする事にした。

「・・・」
「終崎様!此処におられたのですか!?」

そんな声が店内の中から聞こえたが俺はあえて現実逃避のつもりで無視した。

「終崎様!」
「・・・オイ、そんな大声で呼んだら他の名家共にバレるぞ」
「あ、す、スイマセン!」

頭を下げたその人物に、俺は少し溜息を吐いた。

「・・・何時も居るソラは休みなのか?」
「あ、ハイ!そ、それで私が呼ばれて来たんですけどッ・・・」

見れば見るほど新人らしかった。
俺はくるっと後ろを振り向いて、歩き出す。

「俺の《組織》に入ったって事は覚悟があるんだろうな?」
「あ、ハイ!勿論です!」

新人さんは元気良くそう挨拶していた。
俺は買う事にした雑誌を買って、店内を後にした。





「って、アレ?あれ、刹那さんじゃない?」

俺が指を指した先には、終夜さんが本屋を後にするところだった。
誰かと一緒に歩いていた。


(連れ、かな)


「声かけてみるか?」
「え、でも何か邪魔しちゃ悪いし・・・」

俺はリボーンとその場を後にした。
しばらく歩いて、誰かにぶつかる。

「す、スイマセ・・・って雲雀さん!?」
「君・・・何やってるの?」
「い、いえ。その、買い物に・・・」

俺はそういってその場を早く退散する事にした。

「雲雀、さっき終崎が何処かの女と歩いてたぞ」
「・・・一応彼女も女の子なんだから女の子とあるいてて当然じゃない?」
「いや、アイツ案外そんな趣味かもしれねぇぞ。そんな噂を聞いた事があるしな」

瞬時に何故か、僕の心は揺らいだ。

「早くいかねぇのか?」

ニッと笑う赤ん坊に、僕は歩き出す。



(こうでもしねぇとおめぇはアイツとはなさねぇからな)



家庭教師は人知れずに微笑を浮かべていた。

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.5 )
日時: 2010/08/19 17:46
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「終崎、ねぇ、そこの女、誰なの?」
「・・・」

急に現れて何を言い出すんだこの風紀委員長は。
俺はフイッと視線を逸らす。

「あ、あの、私は———」
「新人、先に家に帰ってろ」
「で、ですが、終崎様の護衛が・・・」
「護衛何かどうでもいいから帰れ」
「は、ハイッ!」

新人はそういって走り去って行ってしまった。
俺はクルッと風紀委員長を見た。

「凄い迷惑なんだけど、何の用なんだ?」
「・・・終崎。さっきの女は何?君、そっち系だったわけ?」
「・・・ハ?」

俺は訳が判らないと言った風の声を出した。

「・・・!」



                                ——ガキィンッ



刀と銃弾がぶつかる音がして、俺の咄嗟に掲げて防いだナイフが弾かれる。

「狙われてるな」
「・・・何、今の・・・」
「物陰に隠れろ馬鹿!」

俺はガッと雲雀を掴んで物陰に隠れる。
チュインッと弾が地面に弾かれる音がした。

「遠距離射撃か、メンドクサイ」
「終崎、何、アレ」
「・・・俺を狙ってる奴」
「ハ?」

雲雀は口を訳が判らないと言う様に開いた。
俺は持っていた拳銃を持って、遠距離射撃を行う相手に向ける。

「刹那?」


                                  —ズガンッ


遠目だが、相手が倒れこむのを確認できた。
拳銃を腰に戻して、雲雀を再び見た。

「ねぇ、説明してよ。今の何?」

俺は少し沈黙してから、ようやく重い口を開いた。


(バレて、しまった。巻き込みたくなかったのに)


「・・・雲雀、お前は終崎家って知ってるか?」
「終崎家・・・僕の家と反対組織として恐れられ・・・!?」

雲雀はソコで気が付いた。
俺をバッと見たが、俺は既にそこにはいなかった。





「・・・終崎、刹那」

そういえば、同じ苗字だった。
僕は痛く成り出す胸を、抑える。

「・・・父さん」

僕は家に帰って、父さんの部屋に入る。
父さんは不思議になりながら僕の顔を見ていた。

「珍しいじゃないか。恭弥から来るなんて」
「・・・聞きたい事があってきたんだ」
「聞きたい事?」
「昔に遊んでいた——終崎刹那って子、知ってる?」

そこで、父さんはピクッと動いた。
真剣な眼差しに変わる。

「・・・知ってるよ。対立している組織の時期党首だ」
「・・・」

僕は、顔を歪める。

「・・・そう」

僕はそれだけ言って、父さんの部屋を後にした。
そして、雲雀恭一は、独り言を呟く。

「・・・終崎刹那は、一体どんな気持ちなんだろうね」

凄く、寂しげな表情をしながら。







——これ以上、恭弥に近づかないでくれッ・・・。

——・・・・・・。

——恭弥を、巻き込まないでくれ・・・ッ。

——・・・・・・判りました。

——・・・・・・スマナイ、すまないッ・・・。