二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■09 「『Are You OK?』」 ( No.16 )
日時: 2011/03/17 09:25
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)


 ■09 「『Are You OK?』」



 平然とした顔で話しながら、二人をじっくりと観察するリオ。表情や行動にはなんの違和感も見られなかった。だが、

 「なんだよそんなに人の顔ジロジロ見てさぁ。俺の顔になんかついてるか?」

 「………………は?」

 驚愕を無理に押しつぶし、リオは表情を歪める。対してバッツは依然笑顔のままだ。

 ーーなんで、分かった?

 動揺は波となり、リオの心を覆いつくした。心臓が早鐘を打ち、首筋がじわりと熱くなる。

 「……っま、助けてくれたコトには礼言わなな。結果俺ベトベトになったけど、助けてくれてありがとう」

 リオは苦笑いし、目の前のバッツに右手を差し出す。「いいっていいって!」とバッツはその手を握りしめた。

 「ほらジタン、悪い奴じゃなさそうだぜ?」

 「…………まあ、バッツが、そう言うなら」

 微妙にむすっとした顔のまま、ジタンはリオの右手を握る。「アンタの名前は?」ジタンが鋭く聞いた。

 「あ、言うてへんかった? リオ、ていいます。自称やけど旅人やってんねん」

 「旅人ォ!?」バッツが瞳を輝かせた。そしてリオと半ば強引に肩を組み、

 「なーんか気が合うと思った! 俺も旅人なんだ、よろしく!

■09 「『Are You OK?』」 ( No.17 )
日時: 2011/03/17 09:26
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)


 ■09 「『Are You OK?』」



 「そう言えば、さ」

 ジタンはきゃいきゃいとはしゃぐ二人を複雑な目で見、

 「なんでアンタ……リオは、空から落ちてきたんだ?」

 未だに訝しげなジタンの言葉。リオはその視線に居心地の悪さを覚えたのだろう、ちょいちょいと手で合図して二人を座らせ、自身もひやりとした大理石のような地面に腰を下ろす。
 リオは胡座をかき、ゆっくりと口を開いた。

 「いや……な? これはアレや。いわゆる不幸体質やねん」

 リオは人差し指を立てる。

 「アレはー……、いつぐらいやったか忘れてもたけど。俺が暇で暇でしゃあなくて森に散歩に行った時にな−−」



 「まあ簡単に言うたら、これは天然の妖精が俺にかけた呪いやねん」

 長かったリオの話が終わる。すると体育座りをして話を聞いていたバッツが急に手を挙げた。

 「はい先生! 質問です!」

 突然のバッツの挙手に驚きつつも、リオは比較的優しいめの声で「どぞー」と返す。するとバッツは手を下ろし、

 「先生のその変な喋り方はなんなんですか?」

 「ああ、これ? カンサイ弁ていうねんけど……」