二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 -第一章- 仮面ライダー -R- ( No.12 )
日時: 2011/03/11 00:15
名前: 深山羊 (ID: DZWfhZUD)


  -R-

 ミュージアム。

 財団X。

 この結びつきは強い。
 億単位で出資出来るほど財団Xは巨大な組織である。
 なぜここで財団Xが出てきたのか、それは
 ミュージアムが崩れ去り失墜したはずのガイアメモリがまた財団Xの出資対象となったからである。
 なぜ今なのか、それはT2ガイアメモリが風都に壊れずに残ったモノが幾つかあり、
 それを回収、再実験を重ねて、ある人物がそれをおこなった成果が出たからである。

 【 T3 ガイアメモリ】

 これが完成したのである。
 T2とは違いドライバーを使用しなければならないがダブルの持つガイアメモリの様に
 マキシマムドライブの使用可能、直差しによる人体への影響の軽減など。
 安全面と攻撃面に強化が加えられより使いやすいメモリへとなったT3の研究の為に財団Xは
 ミュージアムの崩れ去った後の残党やミュージアムのメモリを持ったモノを集めた新たな組織、
 【ライブラリー】へと出資を決め、人類を新たなるステージへと導こうとしていた。
 T3の研究は難航し現在使用可能なドライバーは三つ。
 それに対しメモリも三本。
 シャドー。アクセル。マンティス。
 そしてそれぞれの持ち主による派閥が生まれた。

 シャドーの【ナイトメア】

 アクセルの【ターボ】

 マンティスの【サイズ】

 どの派閥も目的はひとつ
 憎き【仮面ライダー】の抹殺。
 最初に仮面ライダーを抹殺したモノがリーダーになりライブラリーを率いることができると決めたのだ。
 だが未だライブラリーは表だった行動に出ていない。
 それは何故か。
 イレギュラーの登場による仮面ライダーという枠組みの見直しの所為だ。
 ライブラリーの持つ情報ネットワークに新たに「仮面ライダーアイン」が含まれたせいである。
 まるで運命が望んだかのようなタイミングでアインを生み出しライブラリーの足止めとしたのだ。
 しかしそれも数日のみのこと。

 アインが生まれた本当の目的を知るのは運命と地球のみである。

 -第一章- 仮面ライダー -A- ( No.13 )
日時: 2011/03/11 18:20
名前: 深山羊 (ID: DZWfhZUD)



  -A-



「ここか……」
 薄緑のボディにライトが縦に二つつながったバイクから降りて蟷螂は自宅らしきもの前に立つ。

 ポストには新聞紙が詰め込まれ庭には草が生え放題、下手な家より広い洋館。
 まるでゲームに出てくるホラーハウスのような出で立ちの家。

「本当にここか……?」
 呆れた顔で溜息をつきながら鍵ポケットから取り出して玄関のカギに刺す。
 無念なことに鍵はがっちり一致して右にひねると音がした。
 蟷螂は道路に置きっぱなしのバイクを押して車庫に入れる為に車庫を開けバイクを止めた。

 内装はどこかで見たことある様な内装。
 通路に壁には何枚かの絵。
 奥は……。

「ああ。なるほど」
 蟷螂は妙に納得した表情で笑い。
「光写真館と同じ内装なのか」
 そう、世界を旅するディケイドの中心と言える光写真館とほぼ同じ内装なのだ。

「ということはディケイドがこの世界に来るとここに現れる訳か」
 蟷螂は声にならない笑いを堪えながら家の中を歩き回る。

 二階に一つ目立った部屋が合った。
 その部屋の扉にだけプレートがかかっていたのだ。

「書斎……」
 そう書かれた部屋に蟷螂は足を踏み入れた。
 部屋は本に囲まれていて奥の窓際に机が一つ。
 その上には手紙が開かれた状態で置かれていた。

 差出人はなし。
 蟷螂は手紙を手に取り目を通した。

『蟷螂一郷、君はこれから『仮面ライダー』として戦う運命にある。
 それに伴い必要なものは揃えて置いた。
 しかし、なにも無しにそれだけそろうのは君としても面白くないだろう。
 という訳でだ、君には今後この手紙の近くに置いてある真っ白な本に君の身に起こったことを書き綴ってほしい。

 簡単だろう?

 君への本業は小説家を用意しておいた。
 何かしら動きやすいだろう。

 まあそのほか気になることは【地球の本棚】を閲覧してほしい。

 蟷螂一郷

 仮面ライダーアイン

 幸運を祈る。

 追伸.
 もう一本君に渡すためのガイアメモリがある。
 それを届けるのは私ではなく別の誰かだろう。
 楽しみにしていてほしい』

「地球って奴は中々フランクな奴なんだな」
 堪えていた笑いもついに堪えられなくなり蟷螂の笑い声が響いた。

 -第一章- 仮面ライダー -I- ( No.14 )
日時: 2011/03/11 23:30
名前: 深山羊 (ID: DZWfhZUD)



  -I-


 風都には今日もいい風が吹く。

 とあるビルの屋上に帽子をかぶった青年が町を見下ろしていた。
 手には長方形型の銃を持ちクルクルと回してニヤリとした。

 反対の手には真っ白なガイアメモリ。


 頭文字は『 B 』