二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボーカロイド】御兄誘拐・partⅡ 参照500越え! ( No.104 )
- 日時: 2011/05/03 21:08
- 名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: h9rhVioE)
リク消化計画4 琴葉様リク【Yellow】
○学パロにしておこう。
キャスト/初音ミク+α
【Yellow】 作詞/作曲・kz
それはいつからだろう——————…ふと気づいた頃には君の笑い声が遠くなっていた。
やっぱり、幸せの終わりなんてあっけないものなんだ、と私は思った。
綺麗な金髪を持つ、私の友達。リン。
……自慢じゃないけど、私は結構女子からも男子からも人気だ。
それが裏目に出ることだってあるのは確かだ。
「……リン、ちゃん」
「………」
「……ずっと、笑ってないよ。なんで?」
私は、思い切って話しかけてみた。なんでそんなに感情を露わにしないのか、何故そんなに俯いたままなのだろうか、と。
「……ミクには、関係無い」
「……リ…ちゃ……」
「……黙って」
「リンちゃん!」
「黙って!」
聞いたことの無い、リンの強い口調だった。
こっちをギッ、と睨み付け。プイッと背を向けて帰って行った。
……何か、悪いことをしたのかな。
すると、リンはぽつりぽつりと雨のような涙を流し始めた。
数えきれない、涙。
*
明日学校に行きづらいなあ。けだるいし。
休もうか、仮病にして。
でも、リンのことがとても放っておけない。
怒ったような眼差し、謎の涙。
「……多分、わたしが……いけないんだろうなあ……」
————でも、今まで交わした言葉、全て想い出なんかにさせない。
『ミク! みかん美味しいよ!』
『今日はネギが特価だって!』
『明日、合宿だよね! 一緒にいこ!』
『リン、ミクのこと大事な友達だと思ってるよ!』
『ミク』
——————だから、君の笑顔を取り戻すために。
何度でも、何度でも僕(私)はウタをやめない。
いくつもの、幾千の夜を超え、この、
《願いがかなうその日まで。》
諦めていた。
リンはその日から、ほかの子たちと遊ぶようになった。
あの強張った顔にも、笑顔が戻っていたようだった。でも、とてもぎこちない、合わせたような笑顔に見えた。
きゃははは、と笑っているリンたちを見ると、とても遠くなったように見えた。
その時、廊下に三人の男子が見えた。その時何故か歓声があがっていた。
それは、人気の三人組。通称『ばなな椅子』というふざけた名前の三人組だった。元ネタはバナナイスらしい。
三人は全員イケメンだ。カイト先輩に、神威先輩。それに同級生のレン君。
しかも、私によくつっかかってくる不思議な人たち。
「ミク殿、茄子はありませぬか?」
「バニラアイスプリン無いかなあ? ミクちゃん」
「バナナねえか?」
「……食べ物をねだってこないでください。しかも毎日。皆の注目の的なんですから。私に近づいてきても……迷惑なだけです」
「ちぇっ。ミクちゃん所来ればなんかあると思ったのにー」
「ありません」
「ずばっと言わんといて!」
カイト先輩はちょっと残念そうな顔で、しょんぼりとしていた。
だが、どこからかの視線が痛い。振り向いてみると、サッと首を元に戻したリンが居た。
「……?」
疑問に感じてしまった。
文字数1200超えたので切ります。
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- Re: 【ボーカロイド】御兄誘拐・partⅡ 参照500越え! ( No.105 )
- 日時: 2011/05/04 20:49
- 名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: h9rhVioE)
【Yellow】 二部
それからというものの、私たちの関係は崩れ去るように壊れかけていた。
理由はよく分かっていなかった。私、鈍感なのだろうか。リンは日に日に顔を合わせなくなったり、一緒に登下校もしなくなった。
悲しい。とても悲しい、けど。
やっぱり、その壊れかけて、交差する旋律(想い)を一つ一つ拾い集めて、元通りになる魔法をかけたいよ。
——————君の、本当の笑顔を取り戻すため。
いつだって僕は唄をヤメナイ。
あの空に輝いた流れ星に願う。
「……リンと、打ち解けられますように」
心の奥底から願った。強く、強く。
《この想い届くその日まで。》
*
今回は、今度こそ話したい。面と向かって。
リンがなんで、そんなにも私を避けて、忌み嫌った顔をするのか。
なんで、そんな笑顔をするのか?
ナンデ?
「……靴箱に、入れておこうか」
私の手には放課後屋上に来て、という簡単な文章が書かれた封筒だった。
やっぱり、こんなものじゃ。
破られて捨てられるのがオチだろうか、と思いつつも靴箱に入れておいた。駄目元で。
キーンコーン、と学校終了の鐘がなると。今まで静かだった教室にざわめきが戻った。その中には鞄に物を詰めている者、友達としゃべりだす者、トイレに行く者と多様だった。
リンに顔をチラッと向けてみると、リンが私が靴箱に入れた手紙を読んでいた。暫くは無表情だったが、ガタンと椅子から立ちぐしゃ、と手紙を握り潰しごみ箱に捨てて行った。
やっぱりそうか。
「……やっぱり、来てくれないか。そうだよね……」
そんな独り言を言っていると。次々とプリントが配られてきた。慌ててとろうとするとバサッと机の物が全部床に落ちてしまった。しかし、誰一人そんなことを気にせず椅子に座っていた。
しかし。
「……ミク、手伝おうか」
「………」
「……じゃあ、手伝わない「あああありがとうリン!」……うん」
リンが拾うのを手伝ってくれた。まるで前のような二人に思えた。
ありがとう、嬉しい。というと照れくさそうにそっぽを向いた。
……これは、チャンス?
「……あのさ、リン」
「……ん」
「あの、手紙……」
「………」
「屋上に来てってやつ……来て、くれる?」
また、黙ってしまった。これでは無理か。
バサバサとプリントを纏めて、机に置くと、そのまま自分の席へ戻ってしまった。
駄目、というサインなのかな。
そんなに私を拒否するんだ、拒むんだ。
でも、そんなリンを待ちたい。という一心で私は屋上へ向かった。
ピリオドは、早すぎるよ。
私が伝えたい言葉は、まだ、まだたくさんあるよ。
あの、爽やかな朝の光をOne more time(もう一回)下さい。
私が待ってる—————いや、あの場所を。誰もがそう、皆待ってる筈だ。
続く
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