二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キングダムハーツ スクールチルドレン☆ ( No.114 )
- 日時: 2012/02/14 22:05
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
番外編—逃亡のバレンタイン!!走れ勇者たち!!—
バレンタイン—それは日々の感謝をチョコレートなどお菓子を渡して伝えたり、女性が男性に思いを伝える日でもある。
そんな日に、流石の問題学校と言われるトワイライトスクールでもバレンタインと言う行事は行われておるが—やはり普通ではない。
その理由は、単純明快である。
「—何で私がこんな目にあってるのよぉぉぉ!!!助けて誰かぁぁぁ——————ッ!!!!!(涙」
「—それは俺のセリフだぁぁぁ!!!アクセル、シオン、ナミネェェェ!!!!!(涙」
「—ギャ———ッ!!!また来たぁ!!来るなぁぁぁぁぁぁッ!!!!!(涙」
「—絶叫してる場合かぁ!!そんな暇あるならもっと早く走れぇぇぇぇぇぇ!!!!!(涙」
それはトワイライトスクールでも美形ランキング上位に入る、リズ、ロクサス、ムーン、マーベルが全速力で男女の集団から涙目で逃げているからである。
どうしてこんな事になっているかは、朝に遡る。
『寒いよぉぉぉ!!!何でこんな日に学校あるワケ!!?私は寮の部屋で炬燵に入って寝るんだ——————ッ!!!!!』
『朝からサボる気満々かい!!!』
今日は何時もより気温も低く、元々寒いのが苦手なリズは一日中サボる気で居た。
しかしそんなリズの性格が分かっているグラッセが、彼女の思考を見事に呼んでおり無理やり叩き起こして連れて来ていたのだ(散々暴れたけど)
クリーム色のコートを着たリズは全力で学校に行く事を嫌がっていたが、やがて諦めたのか【今年もあの悪夢が…】とか変な事を言うとうな垂れてポケットを探る。
一応天然だのなんだの言われるリズだが今日は何の日かぐらいは分かっている、だから昨日夜遅くに彼好みの味に手作りした。
『今のうちに渡しとくよ、はい本命チョコ』
『マジで!!?』
今思えば今のうちにと言う言葉に疑問を覚えればいいとグラッセは後に思う、しかし彼は大好きな大好きな(以下省略)リズからチョコを貰えるだけで嬉しいのか目をキラキラさせて受け取る。
中身は—自分が大好きなフルーツたっぷりのフルーツチョコレートだった。
これには嬉しさのあまり感動して、グラッセは笑いながらチョコを抱え喜ぶ。
『リズサンキューッ!!!フルーツイェーイ!!』←
『はいはい…ん!?(何でこう言う時だけ性格が正反対になるのかしら…』
普段大人っぽいグラッセだがこう言う時だけおかしくなる、そのギャップに対してリズが心の中で若干そんな事を思いって居ると足音に気が付き警戒する。
するとその足音は段々と早くなり—何故か慌てているムーン、マーベル、ロクサスが全速力で走ってきていた。
『ムーン?それにマーベルにロクサス…珍しいなこの時間帯に…』
『ま、まさか…』
何時もならバラバラの時間帯に来る三人が同時に登校しているのは珍しく、グラッセが正気に戻り首を傾げているとリズの顔色が真っ青になっていき
『待って、ムーン様、ロクサス様、マーベル様———vV!!!』
その後を群がるように名前を呼びながら追いかけてくる、男女の集団を目にすると—←
『っ…逃げるぞ、グラッセぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』
『えぇっ!!?』
顔色を恐怖にかえたリズがグラッセを置いて行き、校舎の方へと逃げてしまったのだ。
実はこの集団、リズたちにチョコを渡すために追いかけている—いわゆる彼女たちのファンなのである。
何だかんだいってリズたちの顔は一部が親が親だから元々美形だ、それだけでもモてる理由は十分だが何せ唯でさえこの四人天然で優しい部分があるもんだから男女構わずその心をゲットしてしまっているのだった。←
毎年毎年どの世界にいてもどんな状況でもこんな集団に追いかけられてばっかりのリズはもはやトラウマレベルだ、だから逃げ出したのである。
今年初めてのムーンとロクサスとマーベルでさえ、己の身に危険を感じたのか逃げ続けているし今年も逃げるしかないのだろうか…
そんな事があり今に至る、果たしてリズたちは今日一日逃げ切れるのか!!?←
「「「「他人事だからって、解説してんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」」
- Re: キングダムハーツ スクールチルドレン☆ ( No.115 )
- 日時: 2012/02/20 22:22
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
それから数十分後—
「—リズ、ムーン、ロクサス、マーベルは欠席かグラッセー?」
「いえ、学校に来てるには来てるんですけど、追いかけられてます」
「?一応来てはいるんだな?探してみるよ(汗」
2−Bの教室では紹介が遅れたが、リズの担任であるアルフ・エイベル先生が何時もどおり居ないサボり組の名前を呼びグラッセに欠席かと聞く。
しかし今朝の追いかけっこを見て、学校に来てない訳では無いよなとグラッセは思ったのでありのままを伝えると首を傾げられ探してみると言われ朝のHRは終わった。
そして1時間目が始まる前に、グラッセの机の前には女の子たちが沢山集まる。
「グ、グラッセ君!!チョコレート作ってみたんだけど受け取ってね!!」
「あ、あの!!これ頑張って作ったので受け取ってくれませんか!?」
「うわー…グラッセの奴モテモテだなぁ…」
「リズが見たら、どんな反応するんだろうねぇ…」
どうやら彼女たちはグラッセに本命チョコを渡そうとしていたようだ、それで緊張しているのか箱を握り締めている。
これにはハイネも悔しそうに羨ましそうに見ており、ピンツが彼女であるリズが見たらどんな反応するんだろうねとからかおうとしたら
「悪いけど…俺甘い物苦手だからキミたちのチョコは受け取れないよ、本当にゴメンな…」
「そ、そうだったの!?ご、ごめんね?こっちこそ好みを押し付けて…」
「それなら仕方ないね…帰ろう…」
何とグラッセは全ての女の子からのチョコの受け取りを拒み謝ると、女の子たちはガッカリして自分のクラスへ戻る。
グラッセは甘い物が苦手なんかじゃない事を知っているオレットは、グラッセが嘘をついて受け取らなかった理由を悟る。
「…もしかしてリズの為に?」
「うん…俺リズのチョコさえ貰えればいいから、てかそれ以外興味無いしな…」
彼が受け取らなかった理由は紛れも無くリズの為—それに気が付いたオレットが驚いた様に聞くと、グラッセも頷く恥ずかしそうに微笑む。
それを聞いてオレットが優しいんだねグラッセと褒めると、ハイネとピンツもニヤニヤしながら見る。
「ノロケご馳走様ってか、リズが今の言葉聞いたら泣いて喜ぶと思うぜー?」
「いや、彼女の場合照れるのでは?」
「や、やめろ——————ッ!!!!!」
「「ぎゃっ!!?」」
それから肩を組んで、ハイネとオレットはリズが聞いたらどんな反応をするかなと話しからかうと恥ずかしがるグラッセがブリザガを放ったのは言うまでも無い。
- Re: キングダムハーツ スクールチルドレン☆ ( No.116 )
- 日時: 2012/02/26 00:06
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
「ゼェ…ゼェ…や、やっと昼休みになったか…」
「つ、疲れた…」
それから数時間後トワイライトスクールでは昼休みを告げるチャイムがなり、屋上ではリズとロクサスがそんな事を呟きながらこの時期には似合わない汗をかいていた。
もちろんその原因は朝から追いかけてくる集団にあり、今ようやく振り切ったのだ。
「もー…何で私が毎年この日になると追いかけられるのよ〜…」
「って、今年が始めてじゃ無いのかよ!!?」
「これでも慣れてるんですよー、毎年逃走経路を頭の中で考えているほどね」
そしてリズが毎年追いかけられていた事を言うと、予想外だったのかロクサスが驚くとこれでも慣れてたのと疲れ切った表情で語る。
確かにアレが毎年あるとすればかなり疲れる、よく毎年頑張って逃げてるなと思わず感心してしまった。
「…と言うか、何で俺も追いかけられてたんだろ?チョコ持ってる人に」←超鈍感
「私が知ってたら何とか対策をするっての!!」←同じく
…普通の人だったら何とも嫌味に取れるセリフだろうか…
しかしこの超鈍感親子二人組にはどうして追いかけられていたか分かるはずも無く、何とか午後も逃げ切らないとなーと考えていると—
「おっ、やっぱここに居たか…随分と疲れてらっしゃるな」
「…その発言喧嘩売ってると見なしていいかしら?グラッセ(黒笑」
「…同感だな、ちょっと今気が立ってるから本気で行くぞ?(同じく」
「冗談だって…俺は二人に用があって探してたんだよ!!(汗」
屋上のドアを開けた赤髪—もといグラッセが入ってきて、随分疲れてんなーと苦笑しながら言うと腹黒モードになった二人がキーブレードを出す。
流石にこの最強親子二人にやられるのは勘弁して欲しいのですぐさま謝るとお前たちに用があったんだよと弁解する。
「ロクサス忠告しとく、急いで教室言ってやれ」
「え?でも教室は恐らく敵(?)の手中に…」
「ナミネが【ロクサスに折角チョコ作ったのに…渡せない】って言いながらヘコんでるんだよ!!このままじゃここにいる全員の記憶バラバラにしそうな勢いだぞ?」
「分かった、行って来る(即答」
それからすぐ用件—急いで教室に戻ってやれと忠告を兼ねて言うと、ロクサスは敵の中に行くも同然じゃないかと嫌がるがナミネの事を出すと駆け出して行ってしまった。
そりゃあ愛しの彼女が暴走寸前だと、彼も流石に焦るだろう。
「…最近段々とナミネが未来の母さんに近づいていってるような気がするんだけど、気のせいか?」
「…言うな、はい、お前への用件」
「へ?」
そのやり取りを目撃したリズが、ナミネが段々未来の母親の姿にちゃくちゃくとなっている気がしてきたと呟くと彼も思っていたのか呆れながら隣に座る。
それからすぐリズへの用件—白い箱にピンクのリボンでラッピングされた箱を渡され目を見開く。
「…逆チョコって言うのが流行っているんだろ?普段のお礼も兼ねて作ってきた、こう言うのは専門外だけどな」
「…ありがとう」
どうやらグラッセは逆チョコと言う事を知っていたらしく、リズに作ってきていたようだ。
これは予想外で一瞬驚くが、すぐ嬉しそうに微笑みながらお礼を言った。
確かに普段はドタバタな日々で楽しいが、たまにはこう言うのも悪くない—二人にとってはひと時だった。
- Re: キングダムハーツ スクールチルドレン☆ ( No.117 )
- 日時: 2012/03/04 14:28
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
「はぁ…やっと逃げ切れたか…」
一方マーベルはと言うと、高等部の屋上(リズと思考回路が一緒)まで逃げてきていた(実は中・高等部は校舎が繋がっている)
流石に彼を追いかけていた殆どが中等部の生徒などで、高等部まで追って来るはずが無いと踏んだ彼はここまで来ていたのだ。
—だって中等部の生徒が高等部に来るとか、怖い物知らずな奴だと思うし、俺心無くて良かったぜ(後日のマーベル談)
そしてそろそろ昼休みが終わりなので、午後はここでフけるかと考えていると屋上のドアが開き—
「あら、やっぱりここに居たのね」
「…お前かよラクシーヌ、ビビらせんな…何の用だ?」
「勝手に驚いたのはそっちでしょ、それに用があるのは私じゃ無いっての、ほら!!」
「あ、ちょ…」
現れたのはⅩⅢ機関のドS女王・ラクシーヌだった、追っ手じゃない事に安堵の表情を浮かべ、ビビらせんなと言い返すと勝手に驚いたのはそっちだと最もな事を言われる。
そして用があるのは自分じゃないと言い、自分の後に隠れている少女を引っ張りマーベルの前へ立たせる。
「ほら、折角作ったんでしょ、あげなさい」
「あ、あのマーベル君!いきなりで悪いけどこのチョコ受け取ってくれるかな!?う、受け取ってくれるだけでもいいの!お願い!!」
そして頑張りなさいよと促がすと、少女が一生懸命マーベルにチョコを受け取って欲しいと頭を下げる。
少女はどうやらラクシーヌと同じ高等部の生徒のようだが、中等部の自分を知っていて渡そうとしていた事に何よりも驚いた。
「…サンキュな、ありがとく受け取るよ、んじゃ俺そろそろ追っ手来そうだから逃げるな!」
元々甘い物は嫌いな訳では無いし、受け取るべきだろう。
たまにはこう言うの悪くないな…と思いつつ、ツンデレのマーベルは追っ手が来るからと言いチョコを受け取り消えた。
その右手には、貰ったチョコを大切そうに抱えながら
「—うぅ…腹減った…(涙」
それから再び数時間がたち、既に夕日が沈みそうな頃ムーンは一人涙目になりながら寮へ戻って来た。
結局今日は一日中追われてしまい、ロクにご飯も食べれなかったのだ、ある意味すごいのだがバレンタインの事を忘れている彼が知るよしも無く寮生のロビーにあるソファーに倒れこむ。
「クソォ…何で俺がこんな目に…俺が何をしたって言うんだ…!!(涙」←
ここでも嫌味を言う超鈍感少年がおり、疲れたとマジで泣きそうになると二つの箱が上から落ちてくる。
「?…何だこれ?」
「やっと見つけたムーン!!今日一日逃げてたのね…」
「何だこれって…今日はバレンタインだぞ、忘れてたのか?」
すぐさま広い何だこれと首を傾げていると、やっと見つけたとリズが苦笑しグラッセが呆れながら今日はバレンタインだぞと教える。
ああ、だから皆して箱持って俺たちを追いかけていたのかとようやく事実に気が付き納得しているとリズとグラッセは顔を見合わせ
「「ハッピーバレンタイン!!ムーン!!」」
「…ああ、ありがとなリズ、ムーン」
バレンタインには少々お決まりのようなセリフだが、二人からチョコレートを貰えた事が嬉しくてムーンはありがとうと笑う。
すると二人は良かったと微笑み、ムーンの好きな甘さにしといたからな!と笑い合う。
その光景を見てちょっと寂しさを覚えるが、俺たちが三人親友で居られるならこの思いは胸の中に閉じ込めておきたい—金髪と栗毛が混ざった少女への感情をムーンは押さえ、二人のじゃれ合いへと混ざる。
バレンタイン—それはちょっと時には羨ましく思ったりするが、大人になるために階段を駆け出す第一歩なイベントかもしれない—密かにそう考える者がここにいた。
番外編終了
- Re: キングダムハーツ スクールチルドレン☆ ( No.118 )
- 日時: 2012/03/04 15:04
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
ちょっと遅れてしまいましたが、バレンタイン番外編終了です。
ムーン「ちょっとのレベルじゃ無いよな?つかもう三月だぞ、遅過ぎるわ」
マーベル「寧ろもう少しでホワイトデーだっての」
それは悪かったけどさ、季節的にも私だって忙しかったんだよ…
ムーン「まぁそこは仕方なく理解してやろう、そして今回の番外編のラストだが…」
え?あ、うんアレね
実はムーンはリズに惚れている!!このネタは元から考えていた。
だけどリズはグラッセの事が好きだし、グラッセもリズの事が好き、お互いが思い合っている
ムーンにとっては、二人とも大切な親友だから今の関係を壊したくなかった。
だから自分がこの思いを抑えていれば今の関係は崩れない—そう言う考え方から、キミは自重しているって感じかな?
ムーン「…まぁな、それにグラッセならリズを大事にしてくれるだろうし、俺から言う事は何もねぇよ」
…何かゴメンね、辛いポジションで(汗
マーベル「だから今回の後書きではリズとグラッセを呼んでなかったのか?」
いや、ただ次回の話でボコボコにされそうだったから(サラり
マーベル「………(そんな事だろうと思ったぜ」
いや、そんな冷たい目で見ないでよ(汗
半分は冗談だからさぁ!!(涙
ムーン「つまりは半分は本音だったと言う事か」
マーベル「呆れて何も言えないな」
この真面目どもが…(黒モード
二人「「お前が悪ふざけしてるだけだ」」
…もういいです…何かどっと疲れた(呆
それでは元々次回予告していた第五章『グラッセ隠し子騒動!!?未来へと繋がる思い』をお楽しみに!!
マーベル「…何で物語が動き出す重要な章がこんな題名なんだよ…」
ムーン「…同感だが、家の作者の考え曰く何か最後シリアスになるらしい…」
マーベル「どんな話考えているんだよあの作者は!!?」
ムーン「知らん、知ってたら苦労しない」
マーベル「…確かにな」