二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ナビ・ルナ&ムスビ ( No.250 )
日時: 2011/10/11 14:36
名前: ルルにゃん ◆8/MtyDeTiY (ID: 86FuzJA.)

「どういうこと?」
 サンダルを手に、莉々がわたしを見つめる。
「知らないよ!!そんな……確信があったわけじゃ、ないし……。」
 その後が続かない。のどがカラカラになる。
「ここ、違うんじゃねーの?」
「ちょ、もっけ……。」
 ルナちゃんも、かばいようがないようだった。
「いいのよ、いっちゃん。次、いきましょう。」
 そんな。ここには、予感がするのに……。
「行きましょうか。」
 スネリさんがため息をついて、踵を返しかけた。
 ああ、みんな、行っちゃう。わたしと、ムスビだけになっちゃう……。
 そのときだった。異変が起きたのは。
 ポケットのあたりに、じわじわとした熱さを感じて、わたしは手を突っ込んだ。
「あっ!!」
 青い玉——ウプトラの玉が、青い光を空中にちりばめている。
「みんな、見て!!」
 わたしが玉を掲げると、玉ちゃんはフヒレの玉を、莉々はイビの鏡を取り出した。
 青い光と紫色の光は交錯しつつ、イビの鏡に吸い込まれた。そして、それは。
「火奉衣川を映してる……。」
『いっちゃん、見るですよ。光が当たっているところだけ、ニキラアイナが見えますですっ!!』
「ホントだ!!」
『飛びこむですっ!』
 わたしたちは、同時にジャンプした。

Re: ナビ・ルナ&ムスビ ( No.251 )
日時: 2011/10/13 17:19
名前: ルルにゃん ◆8/MtyDeTiY (ID: 86FuzJA.)

 川は、静かに流れていました。その水の中を、幾筋かの血が流れています。
「い……ったぁ。」
 サンダルを脱いだ莉々の足は、川底の石と激しくこすれ、皮がむけていました。
「いつみ、大丈夫?」
 玉ちゃんは強く打ったお尻をさすりつつ立ちましたが、いつみはなかなか立ち上がりません。川の中で、右ひざを押さえて、うずくまっています。
「いつみちゃん?」
 ルナたちも近くに来て、いつみを覗き込みます。
「いつみちゃん、この手を……。」
 ルナが、そっといつみの手をどかしました。
「あぁっ。」
 そこはそっくり皮がむけ、いつみが手をどかした瞬間、大量の血が流れ出しました。
「だ、大丈夫。とりあえず、川から出ようか。」
 いつみが再び、すでに血だらけになった手でひざを押さえて、立ち上がりかけたときです。
「!!」
 右足に力が入らず、バランスを崩したいつみの上体がぐらりと傾きました。
「あぶないっ!」
 ルナが、いつみを支えようと川に足を踏み入れます。しかし、流れが思ったより速く、ルナも転びかけました。
 スネリがそれを支えますが、いつみは流されていってしまいます。
「いつみっ。」
 莉々は走り出そうとしますが、足に怪我があり、走れません。
 すると、後ろで走り出した者がいました。
 もっけです。人間姿で、あっというまにいつみを助けて、いつみをおぶって戻ってきました。
「ああ、いっちゃん!」
「いつみちゃん、よかった!」
 玉ちゃんとルナは笑顔で走り出しましたが、いつみは深刻そうに叫びました。
「ムスビが、もっと先まで、流れて行っちゃった!!どうしよう!」