二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.20 )
- 日時: 2011/07/25 21:23
- 名前: 麻香 (ID: WgY/GR3l)
STAGE2 〜 大ザメ見守る湖の秘宝 〜
洞窟の床に開いていた穴の下は、巨大な湖だった。
「いーーーーーーーやぁーーーーーーーーっ!!!」
湖へと落ちながら、ルーシィは悲鳴をあげた。
10メートルほど下にいるリュナも、きゃあきゃあ叫びながら落ちている。
どうやら、洞窟の床に開いていた穴に、最初にリュナが落ち、続いてルーシィが落ちたらしい。
リュナとルーシィは、それぞれ派手に水しぶきをあげて湖に落ちた。
「プハッ」
「ふぅ‥‥‥びっくりしましたね!!」
「なんであんなとこに穴なんか‥‥‥ってか、洞窟の中にこんな所があったなんて‥‥‥‥‥」
洞窟の中にあったのが信じられないほど、湖は広かった。岸も、遥か遠くにある。
だが、なぜかここだけ霧がなく、霊光虫(光る虫)がいて明るかった。
「これ‥‥‥自然にできた湖じゃありませんよ。」
「え?」
聞き返しながら、ルーシィは今初めてリュナの顔を見たのを思い出した。今までは霧で見えなかったが、今ははっきり見える。
長い金髪を、ポニーテイルぐらいの高い位置に、翼をかたどった水色のリボンで結っている。
長期間、暗い洞窟の中にいたせいか、肌は真っ白。
だが、何より特徴的なのは、碧眼だった。
当たりの湖水と同化してしまいそうなほど透き通った、ガラス玉のような澄んだ瞳。
この国には、碧眼の人が少ない。ミラやリサーナも碧眼だったが、こんなに透き通ってはいなかった。
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.21 )
- 日時: 2011/07/26 10:00
- 名前: エミル (ID: NeUoROHL)
マカsこんにちは
小説さいこうです
ぼくはウェンディファンなんでリュナは気にっています。
ぼくも小説書いてるので時間があったらぜひ見に来てください
あとタメでいいですか?
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.22 )
- 日時: 2011/07/25 21:21
- 名前: 麻香 (ID: WgY/GR3l)
エミルさん>
さ、最高だなんて‥‥(号泣)
私には似合いませんよーww
私も、個人的にリュナは好きです!!
あと、タメはOKですよ^^
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.23 )
- 日時: 2011/07/29 21:55
- 名前: 麻香 (ID: WgY/GR3l)
「上を見てください。」
「上?」
天井には、ルーシィとリュナが落ちてきた小さな穴が一つ。
しかし、その横にもっと目を引くものがあった。
巨大な文字。一つではない。いくつも連なって、文章を作り上げていた。
文字一つ一つが虹色に輝いている。
「なにあれ?」
「たぶん、古代文字の一つです。読めますか?」
あの文字‥‥どこかで見たことがある。
「あれは、あたしが小さい時に、べロ爺‥‥家庭教師から少し教えてもらったわ。」
あの時のことを思い出すと、どうしても、あの人のことが浮かぶ。
『パパ‥‥元気かな‥‥‥‥』
娘の誕生日も忘れて、怒鳴りつけてきたパパの顔。
ルーシィが久しぶりに戻ってきた時の、険しいパパの顔。
———ルーシィを解き放って、自由にした時の、優しいパパの笑顔。
そんな情景が浮かび、ルーシィの目に少し涙が浮かんだ。
『それより!今は目の前のことに集中しないと!!』
10年以上前のことを、ルーシィは必死で思い出す。
そして、一部は推測になってしまったが、なんとか文章を作り上げた。
「わかったわ!ええと‥‥‥‥
『秘宝ヲ求メテ辿リツイタ者タチヨ。今、コノ湖ノ底ニ秘宝ハ沈ム。マズ、湖深ク潜レ。ソシテ、我ノ与エル試練ヲ切リ抜ケ。汝ガ我ノ試練ヲ切リ抜ケタ時、我ハ汝ニ秘宝ヲ託ス。』
‥‥‥‥だって。『秘宝』って、精霊の笛のことよね。」
「おそらく。」
「待って、まだ続きがあったわ。
『我ノ魔力ニテ、汝ニ、コノ湖ノ中デ生キル“チカラ”ヲ与エル』
って。」
「『湖ノ中デ生キル“チカラ”』‥‥‥」
「何のことなのかしら?」
その時、考え込んでいたリュナが顔を上げた。
「この湖には、きっと特殊な結界が張られているんですよ!!たぶん、人間が水中でも生きられるようになる結界が!」
「それって‥‥‥」
「おそらく、この湖の中では呼吸ができるはずです。‥‥‥‥本格的になってきましたね。」
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.24 )
- 日時: 2011/07/30 17:59
- 名前: 麻香 (ID: WgY/GR3l)
ルーシィとリュナは勢いよく水の中へ潜った。
すぐさま冷たい水が全身を包む。
リュナの言った通り、息を吸っても入ってくるのは水ではなく、何故か新鮮な空気。水中で話すこともできた。
下へ下へと潜りながら、リュナがまた話しかけてきた。
「私には、ちょっと変わった能力があるんです。」
「『能力』?『魔法』じゃなくて?」
「はい。私には、私を育ててくれたドラゴン、レナシディアンに姿を変えることができるんです。」
「でもそれって、リサーナが使うアニマルソウルとは違うの?」
「アニマルソウルは本来、動物を吸収して、その動物の姿や能力を得るんです。その代わり、かなり多くの魔力を消費します。
対照的に私の『能力』は、レナシディアンにしか変身できません。その代わりに、変身すること自体には魔力を全く使わないんです。
だから私は、『魔法』じゃなくて『能力』って呼んでるんです。」
「へぇー‥‥」
「ちなみに前も言いましたが、レナシディアンは純血のドラゴンじゃないので、私も完全なドラゴンスレイヤーではありません。
なので、もっともドラゴン「レナシディアン」に近い状態‥‥‥レナシディアンに変身してる時じゃないと、天竜の滅竜魔法は使えないんです。」
「ふーん。色々と複雑ねぇ‥‥」
「それにしても、天井にあった文字の『試練』ってなんなのでしょう?」
「さぁ‥‥」
湖の底には、これといった物もない。ただ、どこまでも砂浜が広がっているだけ。
不思議なことに、これだけ水が澄んでいるのに、生物の気配がない。
その瞬間だった。
リュナがハッと自分の口を押さえて、ルーシィの後ろを見た。澄んだ碧眼が、見開かれている。
ルーシィがつられて後ろを振り向くより先に、リュナがルーシィを押した。
「危ない!」
黒くて巨大なモノが、ルーシィを押して斜めに傾いたリュナの、頭ギリギリの所を掠めていった。
彼女の長い金髪が、水中に数本ハラリと舞う。
リュナを狙い損ねて、水中を旋回しているモノを、ルーシィはリュナの頭ごしに、ハッキリと見た。
「大ザメ‥‥‥‥!!?」
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.25 )
- 日時: 2011/07/30 18:44
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
リュナ危機一発ですね。水中での大サメとの決闘・・・・・燃えますねw
それと麻香s。今俺の小説でオリキャラ募集してるんで、ぜひ参加して下さい。よろしくお願いします。
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.26 )
- 日時: 2011/07/30 18:47
- 名前: †ゆう† ◆Km0pfFHoII (ID: XvkJzdpR)
全部読みましたwww
とってもおもしろいです^^
お初なのにスミマセン><
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.27 )
- 日時: 2011/07/30 19:57
- 名前: 苺川 らび ◆vrM3Tms9zA (ID: J7WKW5tb)
なんだか良い展開になってきましたね!
楽しみにみてます♪
コメしなくても見に来てましたよ〜
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.28 )
- 日時: 2011/07/30 20:28
- 名前: †ゆう† ◆Km0pfFHoII (ID: XvkJzdpR)
私もこの先の展開が楽しみでスww
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.29 )
- 日時: 2011/07/31 14:35
- 名前: 麻香 (ID: 8I/v6BBu)
アビスさん>
危機一髪って感じですねwホントにww
オリキャラ‥‥‥作る才能ないですよー、私。
とりあえず、時間が空いたら、見に行かせていただきます!
†ゆう†さん>
初めまして!†ゆう†さんの作品、見たことあります^^
面白いなんて、うれしすぎます!!
ちょっと設定が複雑なうえ、私の説明力はゼロに近いので、お気軽に質問してくださいねww
苺川 らびさん>
うーん‥‥‥
実は、気持ちばっかり先走ってしまい、これからの展開があやふやなのであります^^;
ナツとリュナの再会シーンとか、全く考えてない><
見に来ていただいたなんて、感動ですっ
これからも、よろしくお願いします!!
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.30 )
- 日時: 2011/08/01 11:30
- 名前: エミル (ID: NeUoROHL)
大ざめ!?だいじょうぶか?
あとマカさんこんにちは!!
相変わらず小説すごいですね
更新いつも楽しみにしています^^
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.31 )
- 日時: 2011/08/01 14:04
- 名前: †ゆう† ◆Km0pfFHoII (ID: XvkJzdpR)
>>29
麻香様
おもしろいですよ><
サイコーですね×∞
私の小説を面白くなんかないのに見ていただいたんですか!?
ありがとうございます><
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.32 )
- 日時: 2011/08/01 21:11
- 名前: 麻香 (ID: dn48wW/9)
エミルさん>
す、すごくなんかないですよー(赤面)
私より上手い人は、星の数ほどいますからww
†ゆう†さん>
いえいえ、謙遜されることありませんよ!
私も、まだジックリ見たことはありませんが‥‥‥
作家に必要なのは、文才でもギャグでもなく、想像力です!←ほんとエッラそうでスミマセン^^;
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.33 )
- 日時: 2011/08/01 21:51
- 名前: 麻香 (ID: dn48wW/9)
それは、見るからにただのサメではなかった。
刃物のように尖ったヒレ。サーべルタイガーのように、口から少しはみ出すほど、長く鋭い牙。睨まれると、どんな獣でもひるむほど、射抜くような漆黒の目。
そして、6、7メートルはある巨体だった。
「ゼレフ下級モンスター、大ザメのメガロドン‥‥‥」
リュナが、そう呟いた。
「ゼレフ‥‥下級モンスター?」
あまり聞きなれない言葉に、ルーシィは聞き返す。あの大ザメのことだろうか。
ゼレフなら、聞いたことあるけど‥‥‥
「ゼレフ書のモンスターの事は、ルーシィさんもご存じですよね?」
「えぇ。ララバイやデリオラと戦ったこともあるわ。」
実際に戦ったのは、ナツやグレイ、エルザとウルだけどねー‥‥‥
「ゼレフ書モンスターは、下級・中級・上級に分類されます。ちなみに、デリオラは上級、ララバイは下級に属します。」
「ララバイが下級!?だってララバイは、大量殺人が可能な危険なモンスターよ?」
「ララバイは確かに巨大化すれば強いですが、いつもその姿ではありません。むしろ巨大化できるのは、ほんの十分間なんです。それに、笛になったら、自分では呪歌を鳴らせませんしね。
なので、笛の姿の時に壊してしまうとか、巨大化されても、耳栓をするなどの対応をとれば、手ごわい相手ではありません。」
なんという冷静な説明!しかも敵の目前で!!
その冷静さに、ルーシィは素直に感心した。
「それだけ冷静で詳しいってことは‥‥‥リュナは、あのメガロドンとかいう大ザメの対処法を知ってるのね!!」
「知りません。」
ルーシィの願望は、むなしくも即答で却下された。
「この前、図書館で、ゼレフ書モンスター図鑑を読んだんです。そしたら、肝心のメガロドンの弱点の部分が、誰かがジュースをこぼしたみたいで読めなくて‥‥‥‥」
それからルーシィが、一生そのジュースをこぼした奴を恨むと心に決めたのは、言うまでもない。
その時、メガロドンが動いた。
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.34 )
- 日時: 2011/08/02 21:39
- 名前: 麻香 (ID: zhN/mYB5)
メガロドンが大きく尾ビレを振りながら、ルーシィとリュナに向かって突進してくる。
「ひゃーっ!!!!」
「ルーシィさん。今思ったんですが、『試練』ってメガロドンを倒すことじゃありません?」
「えぇ!?」
メガロドンは水を切ってどんどん近づいてくる。サーべルタイガー並みの牙が、鋭い光を放った。
サメは、水中のスペシャリストである。水中で普通に逃げ切れる相手じゃない。
つまり‥‥‥‥戦うしかない。
リュナはルーシィの星霊の鍵をチラリと見て言った。
「ルーシィさん、今、有効な星霊はいますか。」
いい策もないのに、リュナは相変わらず落ち着いている。
こうなれば、ある意味天才だ。
「ここには水あるし‥‥‥開け、宝瓶宮の扉!アクエリアス!!」
ルーシィの掲げる金の鍵が、まぶしく光った。
突如、静かな湖に等身大の渦が発生した。メガロドンも少し驚いた様子で、ちょっとスピードを落とす。
数秒後、突然現れた渦は、同じように突然消えた。
気が付けば、渦があった場所に女性がいる。
水色の長髪で壺を持った、輝くばかりに美しい、青い鱗の人魚——アクエリアスだ。
アクエリアスが閉じていた目を、ゆっくりと開く。
そして、その口が発した言葉は‥‥‥‥
「ふん。人間界にしてはいい所だな。次はトイレにでも呼びだされるかとヒヤヒヤしたが、さすがにそこまで馬鹿ではなかったか。」
‥‥‥毒舌。
「なによー!まるであたしが、いっつも変な所から呼びだしてるような言い方じゃない!!」
「違うのか?」
「ムキーーーッ!!」
敵を目前に言い争いを始めたルーシィとアクエリアスを、リュナが慌てて止める。
「ルーシィさん、アクエリアスさん!先に————」
「ん?小娘がもう一匹増えているな。」
「う゛‥‥‥小娘でも別にかまいませんけど。とにかく!先にメガロドンを倒しましょうよ!!」
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.35 )
- 日時: 2011/08/06 17:44
- 名前: 麻香 (ID: 4yRqeNGS)
「そうね。アクエリアス、あの大ザメやっつけて!!リュナはどっかにしがみついて!」
「えぇ!?」
「言われなくても、やってやらぁーーーーーーーっ!!!!!」
リュナとルーシィは、慌てて、わずかに地面から突き出している岩にしがみついた。
と、ほぼ同時に、大きな渦が発生する。
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉりゃあああああああああーーーーーーーーっっっっ!!!!!!!」
大きな渦は小さく圧縮され、より威力を増してメガロドンへと向かっていく。
そして、両者が激突した。
威力は、渦の方が強かったらしい。
渦はメガロドンを呑み込んでも止まることなく、向こうの方へと飛んでいく。
「すごいじゃない!アクエリアス!!」
「ふん。こんなことぐらいで呼び出すんじゃねぇ‥‥‥‥‥ん?」
渦の威力が、弱まっていく。
だんだんと、スピードも威力も落ちてきた。
そして、渦が消え去った場所には、ほとんど無傷のメガロドンが浮遊していた。
「!?」
「えっ!?どうして!??」
すると、またもやリュナの冷静な解説が始まった。
「たぶん‥‥‥‥メガロドンは渦の中で、渦と逆向きに回ったんです。」
「どういうこと?」
「例えばですね‥‥‥洗面器に水を張ってみてください。その中に腕を入れて、左巻きにグルグル回すと、左巻きの渦ができますよね。今度は、また腕を入れて右巻きに回してください。すると、左巻きの渦と右巻きの渦が対立して、やがて静かに渦が収まります。
メガロドンも、アクエリアスさんの渦に逆らって、渦の中で逆向きに泳いだんです。
それにしてもサメにも結構、知恵があるんですねぇ。イルカは仲間でチームを組んで、エサの魚を追い詰めたりするから、きっと頭がいいんでしょうけど‥‥‥あれ?イルカは哺乳類だけど、サメって何類なんだろう‥‥‥‥ブツブツ‥‥‥‥」
「ちょっとリュナー、話が脱線してるわよー‥‥」
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.36 )
- 日時: 2011/08/17 21:55
- 名前: 麻香 (ID: dROGY/Lo)
「とりあえず、“変身”します。」
「‥‥‥うん。」
「獣姿の方が、戦闘力が格段に上がるので。」
それは、たった一瞬だった。リュナがー瞬だけ光に包まれた。
光が消えた時、リュナはおらず、代わりに不思議な獣がいた。
第一印象は狼に似ている。だが、その背中からは大きな翼が生え、体毛は金色。瞳はリュナと同じ青だった。
「‥‥‥‥リュナ?」
思わずルーシィは“それ”に聞いた。
[ ふぅ。この姿は久しぶりですね〜。 ]
まぎれもないリュナの声が、頭の中に響いた。
格好いい獣姿と違い、少し天然そうな少女の声で、あまりにも似合わなかった。
「声が‥‥頭の中に響いてくるんだけど。」
[ あぁ、テレパシーです。この姿の時は、なぜかテレパシーになるんです。 ]
「へぇー。」
その時、飛ばされていたメガロドンが再び態勢を整え、こちらに突進してきた。
不思議な獣‥‥‥リュナが、考えるような表情で、口を開けた。
[ うーん。とりあえずブレスでいいかな。 ]
天竜の咆哮は、実際に見たことはないが、ずっと前に仲間だったウェンディが使ったと聞いた。
大きなラクリマを壊すほどの威力だったから、結構強いんだろう。
[ 天竜の‥‥‥ ]
‥‥‥‥ブレスが出てこない。リュナがなぜか、途中で止めてしまったのだ。
メガ口ドンはその間にも、水を切って進んでくる。
[ ‥‥‥あのですね、ルーシィさん。天竜の滅竜魔法というものは、直前に大量の空気を吸収して、それを元素にして発動するんです。 ]
「そうなんだ。‥‥ってか早くブレス!メガロドン来てんのよ〜!!」
[ ここ、湖です。空気ありません。 ]
「‥‥‥‥あ。」
そうだった。息ができるので、すっかり忘れていたが、ここは水中。呼吸ができるのは魔法のおかげであって、空気があるわけではないのだ。
[ 天竜の滅竜魔法は使えません。 ]
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.37 )
- 日時: 2011/08/18 08:18
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
まさかの事態ww
でも、いまのリュナの姿なら肉弾戦もいけそうですけどねw
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.38 )
- 日時: 2011/08/18 08:34
- 名前: マルタ (ID: NeUoROHL)
う〜ん天竜になっているなら力も上がっているからいけるんじゃない?
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.39 )
- 日時: 2011/08/18 21:24
- 名前: 麻香 (ID: dROGY/Lo)
アビスさん・マルタさん>
肉弾戦も確かにいけそうですねww
でも、あまり簡単に終わっちゃうのも‥‥うーん‥‥‥
というわけで、リュナにはもう少し知恵をしぼってもらいましょうww
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.40 )
- 日時: 2011/08/29 21:59
- 名前: 麻香 (ID: dROGY/Lo)
事態は不利だった。
アクエリアスの技は、相手を数十メートル飛ばすことはできるが、直接的なダメージを与えることはできない。
リュナの技は、かなり大きなダメージを与えることができるが、水中では無効。
ルーシィは‥‥‥戦力外。
「あぁー、なんでこんな時にナツがいないのよー!リュナ、滅竜魔法以外で、なんか技ないの!?」
[ ないですよー‥‥‥ ]
相手はかなり素早い。
下手に攻撃を繰り返すと、隙を突かれる。
[ そうだ!ルーシィさん、アクエリアスさんと一緒に、湖の底の方へ移動してください!! ]
「え?」
[ 私が囮になります。私が合図したら、上へ向けて技を放ってください!! ]
「上‥‥?でも、アクエリアスの技じゃ‥‥‥」
‥‥‥ダメージは与えられない。
そう言おうとして、ルーシィは止めた。リュナのしようとしている事が、読めた。
「分かった!お願いね!!」
ルーシィはアクエリアスと下へ下へと泳いで行った。地底に足が着いたところで、上を見上げる。
リュナが上手くメガロドンを引き寄せながら、水面近くを泳いでいた。
メガロドンからの攻撃をかわしている。
ふと、リュナが下を向いた。ルーシィと目が合う。
リュナが、小さく頷いた。
[ ルーシィさん! ]
「OK!アクエリアス!!」
「分かってる!!!!!」
再び、アクエリアスが大きな渦を発生させた。
それと同時に、リュナが大きく翼を広げ、湖から飛び出す。
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉリゃああああああああああああ!!!!!!!」
標的を突然見失ったメガロドンは、戸惑ったように止まった。その腹に、アクエリアスの放った渦が直撃する。
渦はメガロドンを巻き込んだままま、上へ‥‥‥水の上へと、メガロドンを放り出した。メガロドンは水面の近くにいた為に、回転して渦を止める余裕も無かった。
大ザメも、所詮は魚。
水から引き離された今、なすすべもなく空中を舞った。
そして、その時を待っていたように大きく息を吸い込んだ黒い影。
[ 天竜の‥‥‥咆哮!!!! ]
水から出て、空中で一対一でメガロドンに向きあったリュナは、思いっきりブレスを吐き出した。
メガロドンは水の者。リュナは空の者。
空中戦では、圧倒的にリュナが有利だった。
天竜のブレスは、辺りの小石や砂を巻き込みながら、メガロドンに襲いかかった。
通常では攻撃力はイマイチの天竜のブレスも、強風で舞う小石や砂は凶器と化した。
やがて渦の中から、カ尽きた黒い影が、水にボチャンと落ちる。
「やったの‥‥?」
メガロドンは、ピクリとも動かない。
リュナが、ルーシィの横に舞い降り、徐々に人型へと姿を変えていった。
「終わったようですね。」
二人は、顔を見合わせて笑いあった。
湖には、何事もなかったように、静けさが戻ってきた。
- Re: フェアリーテイル —大空を舞う翼— ( No.41 )
- 日時: 2011/09/07 22:26
- 名前: 麻香 (ID: dROGY/Lo)
ゴゴゴゴ‥‥‥‥と、突然地響きがした。
「な、なに?」
ルーシィが慌てて辺りを見回す。その音は、下‥‥湖の底から聞こえていた。
天井の文字が七色に光り出した。
そして、ゆっくりと、湖の底の一部が□を開けた。
「穴っ!?」
「わぁ〜!」
リュナの顔が、少し楽しんでるように見えるのは気のせいだろうか‥‥‥
とりあえず、道は開いた。行くしかない。
リュナとルーシィは、大きく息を吸いこむと(水中でも呼吸できるが、いつもの癖で)水中に潜った。
突如開いた穴は、暗くて何も見えない。
だが、しばらく進むと小さな広場に出た。
「わぁ、きれ〜い!!」
砂が、壁が、金色に光り輝いていた。
よく見ると、その金色に光るものは、右へ左へと動いている。
「霊光虫と同じ種類の生物でしょうか。」
と、霊光虫に埋め尽くされた広場の中央に、何かがある。
それは、石でできた土台だった。その上には————
何もない。明らかに意味ありげな土台なのに、何も乗せていないのだ。
いや、何も乗っていないのではなく、以前まで何かを乗せていたのだとしたら‥‥‥?
「この土台、何か乗せてあったのかしら?」
「‥‥‥‥予測ですが、精霊の笛では?」
そうだ、精霊の笛。忘れかけていた。
「でも、なんで何もないのかしら。誰かが先に来たとか‥‥‥?」
「それもありえます。」リュナが呟いた。
「さっきから考えてたんですが、いくら下級でもゼレフ書モンスター——メガロドンのことですが——が、ブレス一撃でやられるのはおかしいです。すでに、誰かに傷を負わされてたのではないでしょうか。」
ズーンと暗い空気がのしかかる。
それを振り払うように、ルーシィが明るく言った。
「ほ、ほら!上に、また穴があるわよ。もしかして、出口に通じてるんじゃないかしら。
‥‥‥‥精霊の笛は、先に誰かが持ってっちゃったのよ。しょうがないし、さっさとナツ達を見つけてギルドに帰りましょう!ね?」
渋々リュナも納得したようで、二人で真上の穴に向かった。
やがてチラチラと日の光が見えてきた。‥‥‥やはり出口に通じていたようだ。
「「ぷはっ!!」」
‥‥‥別に息を止めていたわけでもないのに、水を出ると息を吐いてしまうのは、やはり癖だからだ。
そこは、外だった。洞窟を入ってからだいぶ時間が経っていたようで、太陽はかなり低い所にある。
と、その時。
「おっ、ルーシィ。」
「あ〜、リュナもいるよ〜!」
今までの緊張とは裏腹に、超呑気な声がした。
‥‥‥やっぱり、ナツとハッピーだ。
「ちょっと、どこ行ってたのよ!」
「ん?テキトーに歩いたら出口に出たんだ。」
「リュナ、久しぶり〜。」
「ハッピー、お久しぶりです!」
どうやら感動の再会とはいかないようだ。
「こっちは大変だったのよ!ゼレフ書のモンスターと会うし、運悪くリュナの読んだことのある、ゼレフ書モンスターについて書かれた本は———」
‥‥‥役に立たなかった。
そう言い終わるより前に、ハッピーがビクンと反応した。慌てた様子でナツに耳打ちする。
「も、もしかしてアレじゃない?ホラ、ナツが珍しく『研究だ—!』とか言って図書館から借りてきて、ジュースこぼしちゃった本。」
「あぁ、あれか。」
‥‥‥‥こいつらか。
しかも、例によって聞こえやすいコソコソ話である。
「ちょっと、あんた達———」
ルーシィが怒鳴ろうとしたその時、突然、辺りが真っ赤に染まった。
見ると、向こうの山の上で太陽が赤く輝いている。夕焼けだ。
久しぶりに見る、綺麗な夕焼けだった。
自然にルーシィの顔も笑顔になる。
こうして、リュナとルーシィが初めて出会った、長い長い一日が暮れていた—————