二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.101 )
日時: 2011/10/20 18:40
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)



第五話(2)『かくして祭がやって来る』

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.102 )
日時: 2011/10/20 18:41
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)


 万事屋の一角にある清潔な和室の中、豪華な衣装を纏った等身大のアンティークドールが仰向けに寝転がっている。
 鮮やかな碧のドレスは極上の絹だろう。
 繊細な刺繍が施され、ふんわりと広がる裾はトーションレースで縁取られている。
 極細の銀糸のような長い髪は、まるでほどけた天女の羽衣。
 白く透き通った頬はすべらかで、見開かれたブルーサファイアの瞳だけが、人の心をかき乱すような陰鬱な影を孕んでいた。
 周囲には、高価なドレスが何着も畳まぬまま置き忘れられ、色とりどりのリボン、ヘッドドレス、ボンネットが無造作に散らばっている。
 まるで、たた今まで、ここで誰かが着替えをしていたように——。
 ふいに、アンティークドールの淡く色づいた唇が開く。
 そして、

「駄目です……坂田さんの好みなんざ分かりやがりません」

 同じ人間のものとは思えない天使のような美声が漏れた。
 それから、何を思ったか、アンティークドールと見紛う少女エスペランサは、ずるずると近くにあったドレスを引き寄せていき、やがてそれで顔を覆うと、

「そもそも、男性の嗜好って何だっつーんですか……」

 シルクのドレスに隠れて僅かに愚痴った。

 事の始まりは三日前。

 あれから『仕事に行ってくる』と書かれたメモだけを残してどこかに向かった万事屋一行とハルピュイアは、それからエスペランサだけを万事屋に残し今日まで帰って来ていなかった。
 食事はあらかじめ連絡をしていたらしくわざわざ真選組の隊士たちが作りに来てくれたが(趣味を料理にしていて本当に良かったと、何故か物凄く嬉しそうに泣いていた)、それ以外では誰とも会話をしていない。
 しかしこれだけではドレスの散乱した部屋で困っている理由にはならないだろう。
 こうなった原因は、料理を作ってくれた隊士が帰り際に残した何気ない一言だ。

 ——「そういえば、万事屋の旦那ってどんな服装が好きなんでしょうね?」——

 聞かれてみれば、自分にも分からなかった。
 神楽に手を出していない辺りからチャイナドレス趣味ではないだろうし、普通の和装の女ならそこら辺にたくさんいる。
 ならば彼は、一体どのような服装の女が好きなのだろう?
 「お前を幸せにさせてくれ」と真剣な眼差しを向けてきた銀時。
 そんな銀時に対し、エスペランサも無自覚ながら好意を持っていた。
 だから彼が家を空けている間に彼の好きそうな服装を考えてみたのだが、結局わからずに室内にドレスが散らばるという結果に陥ったのだ。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.103 )
日時: 2011/10/20 18:47
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)

「まず、坂田さんがドレス好きかどうかも分かんねーんですけどね……」

 吐かれた溜息に重なるようにして、ピンポーン、と機械的なチャイムの音が響いてきた。
 どうやら誰かが来たらしい。
 慌ててドレスの海から起き上がり玄関に向かうと、開けた扉の向こうにいたのは見知った少年だった。

「やっふぃー。なあなあ桔梗、今日って時間あったりしちゃう感じぃ?」

 小悪魔的な笑顔と無邪気な色気を身に纏う、ココア色の髪と瞳が愛らしい少年——否、あまり変化が無いから分かり辛いが今は少女か。
 仕事帰りらしくポップなデザインのかんざしを挿した彼女は、彼女にしては珍しい白地の着物姿だ。
 意匠を凝らした金糸の刺繍が雅やかな一品。
 彼女の趣味に反しているからきっと貰い物なのだろう。
 カラーリングを黒に変えれば、前にエスペランサが隊士たちからプレゼントされたものと同じだった。

 暇かと聞かれて脳裏を過るのは、銀時から貰った祭への誘い。
 しかし三日も帰ってこない彼だ。
 もしかしたら忘れているのかもしれない。
 ならば予定を組んでしまっても良いだろうと、エスペランサは予定はないと返した。
 するとリーフレットは、その言葉を待っていましたとばかりに語り始める。

「んじゃさ、僕と一緒に祭とか行っちゃわねー? ……本当は十四郎誘って行くつもりだったけど仕事らしいし」

 ボソッと呟かれたリーフレットの言葉に、エスペランサは二重の意味で驚いた。
 リーフレットが祭に誘おうとしたほど土方と親密だったとは。
 というか、いつから“十四郎”などと呼ぶようになったのか。

「リーフレット……その、十四郎というのは……」

 何故か口ごもるエスペランサ。
 そんな反応に、逆にリーフレットがビックリしたような表情を浮かべた。

「え……桔梗、白髪のおにーさんのこと銀時って呼んでねーの?」
「……坂田さんと呼んでいますが」
「……マジで?」

 信じられないとでも言いたげな眼差しを向けてくるリーフレット。

 しかし仕方がないことなのだ。
 星の数ほどの男にお姫様扱いどころか女神様扱いされているエスペランサだが、告白された経験というものはないし、それゆえ誰かと付き合った経験もない。
 女神の美しさを崇拝する男がいても、女神に結婚して下さいと言える勇気がある男は滅多にいないのと同じだ。
 綺麗すぎると告白なんてされない。
 だから恋愛経験ゼロのエスペランサは非常に奥手である。
 幼稚園児よりも奥手である。

「うっわー、おにーさん可哀想すぎるじゃんそれ……あきらかに桔梗にベタ惚れなのにさ」

 今はここにいない銀時に同情するように溜息を吐くリーフレット。
 愛らしい少女の見た目でその動作は、妙に艶めいて見えた。

「ベタ惚れって……娘に対する愛情みてぇなもんでしょう」
「いや、そっちの方がねーって。桔梗と話してる僕に向けられたおにーさんの視線、穴が開きそうなくらい嫉妬深かったもん」
「女だか男だか曖昧なリーフレットに嫉妬しやがるほど、坂田さんも暇じゃねーはずですよ」
「……あっ、おにーさんが僕に嫉妬してる原因はっけーん」

 急に何か思い浮かんだように笑うリーフレットに、怪訝そうな眼差しを向ける。
 何を言いたいのだろうか。

「桔梗、僕のことは名前で呼んでるのにおにーさんは苗字呼びじゃん? 多分それが理由」
「名前……ですか」

 ビシッと突きつけられた指に、困惑気味に返すエスペランサ。
 それを意に介す様子もなくリーフレットからこんな提案が飛び出た。

「向こうも桔梗って言ってんだし、そっちも銀時って呼んであげちゃったらどーよ?」

 リーフレットからの言葉に、エスペランサは顔を真っ赤にして沈黙した。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.104 )
日時: 2011/10/20 18:50
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)



     *     *     *


 ——その頃、三日も万事屋をあけていた銀時たちはと言えば、平賀源外という発明家の下でのからくり修理を終えていた。
 ここに至るまでに色々な苦労や騒動があったりしたのだが、それは時間の都合により割愛する。

「あー……もう夕方じゃねーか。祭始まっちまってんじゃねーの?」
「桔梗さん、もしかしたら一人で行っちゃってるかもしれませんね」

 夕日の落ち始めた空を仰ぎ呟く銀時に、残念そうに反応する新八。
 その後ろでは、神楽とハルピュイアが源外に文句を言っていた。

『せっかく桔梗と一緒に祭に行く予定だったのに、どうしてくれるだっちゃか!』
「そうアル! 全員分の浴衣買うって予定も台無しネ!」
「ケッ……もともとてめーらが来なきゃこんな手間はかからなかったんだよ。余計なことばかりしやがってこのスットコドッコイが」

 詰め寄る二人に、源外はガチャガチャとからくりを弄りながら言い返す。
 それにさらに反応して言い返してくる神楽とハルピュイア。
 そこに銀時も混ざり始めたところでさすがに鬱陶しくなったのだろう。
 小銭の大量に入った巾着袋を万事屋メンバーに投げつけて、源外は再び作業に戻った。

「……最後のメンテナンスがあんだよ。邪魔だから祭でもどこでも行ってこい」

 年老いた彼らしい、素直ではない労いの言葉。
 一気に表情を明るくした万事屋メンバーは、源外に手を振って駆け出した。

「ありがとう平賀さん!」
「銀ちゃん早く早く!」
『置いていくっちゃよ坂田!』

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.105 )
日時: 2011/10/20 18:52
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)



     *     *     *


「……すいません、この近くで木刀を持った白髪頭の男性を見かけやがりませんでしたか?」

 祭の会場で歩いていた男は、可憐な少女の声に思わず振り向いた。
 そしてそこで、今まで見てきた何よりも素晴らしい少女を見ることになる。

 その少女の容姿は神を欺くほどに美しかった。
 絹糸のような銀髪は背を覆うほど長く煌き、肌は陶磁器の白さだ。
 暖かみを感じさせない冷涼な佇まい、桃色の唇が幻想的に光る。
 蒼い瞳の双眸が見る者を刺してくる。
 一度見たら最後、吸い寄せられ魂を奪われる危惧さえ感じられる。
 王宮で着るような絢爛なドレス。
 それは並の女ならば服に着られているような印象を与えてしまうのだろうが、生まれつきの王女くらいしか着こなせそうにないそれを、その少女は自然に纏っていた。

「……あの、聞いてやがりますか?」

 その問いかけに、少女の容姿、声、オーラ、全てに魅了されていた男はやっと我に返った。
 慌ててポケットに突っ込んでいた手を外に出し、姿勢を正す。

「ぼ、木刀を持った白髪頭ですか?」

 意識するまでもなく言葉遣いが丁寧になる。
 気を抜けば跪いてしまいそうだ。
 これ以上ないというほどの美貌を前にして、まるで女神を前にしたように緊張が止まらない。
 でも何も答えなくてこの美少女の気分を悪くするわけにもいかず、必死に該当者を思い浮かべた。
 木刀、白髪頭。
 自分の知り合いに完璧な該当者が一人いる。

「もしかして……万事屋の坂田銀時のことですか? あいつならさっき、ここら辺の近くで見かけました」

 死んだ魚のような目をした天然パーマを思い浮かべてそう言う。
 どうやら正解だったらしく、美少女からわずかに嬉しそうな反応が返ってきた。
 次いでお礼と共に名前を聞かれたので、こんなに美しい人に自分なんかが名乗ってもいいのかとやや悩みつつ、彼は素直に言った。

「長谷川泰三って言います」

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.106 )
日時: 2011/10/20 18:55
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)



     *     *     *


「あ、あれ桔梗じゃないアルか?」

 神楽が指差した先では。

 陶磁器のように白い肌と極上のシルクの手触りがしそうな純銀の髪を持ち、海よりも深い瞳に退廃的な影を揺らした、信じられないほど整った美貌を持った少女が、屋台で射的をやっていた。
 服装は、中世のお姫様もびっくりの豪華さを誇るロングドレス。
 射的の屋台が似合わなさすぎるその姿は間違いなくエスペランサだ。

 何やら射的に苦戦しているらしかった彼女もこちらに気付いたのか、目が合うとやっと見つけたとばかりに安堵の息を漏らした。
 こちらも急いで走り寄る。
 見れば、射的の屋台をやっている男は知り合いだった。

「あ、おじちゃんだ」

 びしりと神楽が男の顔を指差す。
 そこそこ良いメーカーっぽいサングラスに、特に整っても崩れてもいない顔。
 そして体中から迸るまるでダメな男のオーラ。
 幕府にリストラされてから一気に怠惰の道を走っている、長谷川泰三その人である。
 通称『マダオ』と呼ばれる長谷川さんは神楽を見た瞬間に顔をしかめると、げっ、なんて小さなうめき声を漏らした。
 それはまるで、貧乏人が借金取りに会った時のような形相で。

「激辛チャイナ娘……あれ、二人ともこの綺麗な子の知り合いなの?」

 いまだに一つも景品を落とせていないエスペランサを指差す長谷川。
 その問いかけに、神楽は何故か誇らしげに答えた。

「うちの居候で斑鳩桔梗アル!」
「姫姉様なんてアダ名もあるんですけどね。というか長谷川さん、なんで桔梗さんと一緒にいるんですか?」

 もっともな疑問を投げかける新八。
 長谷川は嗚呼、と思い返すように答えた。

「さっき白髪頭で木刀持った男を知らないかって話しかけられてな。で、なんか一緒に来た女の子とも途中ではぐれたみたいだから、知り合いが通りかかるまでうちで暇でも潰さないかって誘ったんだ」
「一緒に来た女の子……?」
「リーフレットですよ。何故か道中で見知らぬ男性方に話しかけられやがってたので、すぐ来やがるだろうと思って進んだらいつの間にか一人になっていました。……坂田さんを探そうと言い出したのは、あっちなんですがね」

 エスペランサの話を聞いて「それはナンパっていうんですよ」などと苦笑しつつ、新八はなるほどと頷いた。
 エスペランサの美貌は近寄りがたいが、彼の美貌はむしろお近づきになりたくなるタイプだ。
 祭なんて浮かれた場で歩いていたらそりゃナンパの対象くらいにはなるだろう

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.107 )
日時: 2011/10/20 19:00
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)


「……あれ、桔梗じゃねェですかィ」

 声と共に射的の屋台を訪れたのは、沖田総悟だった。
 ミルクティーのような髪色に爽やかな顔立ち。
 しかしその内に秘めるのはサディスティック星王子と称されるほどの嗜虐性という彼は、祭の会場にいるにも関わらず相変わらずの隊服姿だった。
 仕事中なのだろうか。
 それにしては、左手に焼きイカを持っていたりと祭をエンジョイしている雰囲気も出しているのだが。

「沖田さん……今日も仕事してやがるんですね、毎日ご苦労様です」

 こちらも相変わらずの乱雑な敬語で頭を下げる桔梗。
 沖田も江戸っ子口調なので、変なのはお互い様だ。

「まあ、基本的に幕臣にゃ休みは少ないんでさァ。つーか、あのショッキングピンクは一緒じゃないんですかィ?」

 ショッキングピンク、イコール、ハルピュイア。
 沖田からの質問にそう脳内で方程式を導き出す。

「ハルピュイアさんは銀さん達と一緒に飲んでますよ。酔っ払いを二人きりにできないなんて言って残る限り、あの人も大概お人よしですよね」
「複数形って事は、ぎ、銀と……坂田さんはハルピュイア以外の誰かとも一緒にいやがるんですか?」
「ええ、仕事の依頼人だった平賀源外さんって方です」

 なんで銀さんの名前で詰まったのだろうと不思議に思いつつも、素直に答える新八。
 桔梗の表情がうっすらと恥ずかしそうに見えるのは気のせいだろうか。
 そんな桔梗の様子を見てこれまた何故か不機嫌になっている沖田が、腹いせとばかりに長谷川の腕時計を弾丸で打ち抜いた。
 もちろん実弾ではなく射的用のゴム弾である。
 屋台に置いてあった射的用の銃を使ったのだ。

「サドが射的やるなら、私にだってやらせるネ!」

 そこに何故か神楽も便乗し、長谷川のシンボルマークとも言えるサングラスを撃ち抜く。
 うろたえる長谷川。
 そんな長谷川の様子を顧みることなく、銀時への嫉妬によるストレスを発散する沖田とそれに張り合う神楽は、謎の雄叫びと共に長谷川のパーツを撃ち続けるのだった。
 ちなみにエスペランサは、やはり一つも景品をとれていなかった。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.108 )
日時: 2011/10/20 19:02
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)



     *     *     *


『……行かせて良かったんだっちゃか? 坂田。あのジジイ、なんか思い詰めてそうな顔してたっちゃよ』

 安い日本酒の入ったとっくりをグイッと一飲みして、ハルピュイアは隣で同じ安酒を飲んでいる坂田銀時に窺うような視線を向けた。
 場所は祭会場の片隅にある庶民臭い居酒屋のような屋台。
 近くに焼き鳥や焼きトウモロコシの屋台も並ぶそこは、子供よりも老人や中年の割合が極めて高い場所だった。
 そんな場所では——そんな場所でなくとも非常に浮いてしまうショッキングピンクな彼女からの言葉に、銀時はタレのよく染み込んだ焼き鳥を頬張る。

「あの手の奴ァ、口で言っても聞きやしねーのさ。いざ何かしやがったら実力行使で止めてやる」
『……確かにお前は、口先でべらべら説教するよりも馬鹿ヅラ下げて暴れまわってる方がお似合いだっちゃよ』
「あれ、俺褒められてるの? 馬鹿にされてるの?」
『もちろん両方だっちゃ』
「なんかやっぱり、お前って俺に対する扱いだけ冷たいよなァ……」

 銀さん泣いちゃいそう、とおどけ、安酒を飲み干す銀時。
 酒に慣れていないハルピュイアが赤らんだ顔をしているのに対し、彼は素面のままだった。
 祭の喧騒が響く会場内。
 そこを何か大切なもののように見渡して、銀時は言った。

「道を踏み外した奴がいたら元の道に引き上げりゃあいい。清濁併せ呑むこの町は、きっとどんな奴でも歓迎するだろうさ」

 それを聞いて、ハルピュイアは呆れ半分に笑う。
 魔法使いや魔術師までも受け入れたこの町だ。
 一度道を踏み外したものくらい、しつこいくらいの騒がしさで、この町は再び歓迎してくれるのだろう。
 そんなこの町に生きるこんな男だからこそ、こうして自分は信頼を寄せているのだから。

『坂田のそういう所が……』

 エスペランサの相手として認める程度には好きで。
 エスペランサといる彼に嫉妬してしまうくらいには嫌いだ。
 例えるなら、娘を知らない男に取られた母のような気分だろうか。
 心中で認めつつも心外で認めきれない。
 だからついつい冷たく当たってしまう。
 ……けれどもそれは、彼への信頼の裏返しだ。
 ハルピュイアは、坂田銀時という男の人間性を信頼していた。

 だから彼が酒の席から立ち上がった時は何も聞かず。
 ゆるみきった雰囲気を放ち、しかし死んだ魚のような目に光を灯した、ゆっくり去っていく彼の背中に、ひらひらと軽く手を振った。

『——そういう所が、応援したくなったりするんだっちゃよ』

 自然と人を引き込む彼の空気。
 その残り香が後を引く酒場で、彼女は笑みを浮かべた。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.109 )
日時: 2011/10/20 21:36
名前: ぬこ ◆xEZFdUOczc (ID: DVd8EX6H)


こんばんわー!

支倉ですか!
初めて聞きます!
何かどれもかっこいい名字ばっかりで羨ましいです^p^
私の苗字は田がつくので何か嫌です(どうでもいい

すいません、2つ年下の中1生なのですw
テスト勉強も2日、3日前で上位無理矢理強奪する人なのです(勉強しろ
授業中もノート取らないで絵ばっかり書いてる人なのです(勉強しろ!
期末にノート提出なので友達から借りて写さないとまずい状況ですorz
テスト勉強すらまともに出来ない人ですから受験となるとノイローゼで死んじゃいそうです←

うわあ、コメ有難うございます!
偉大な方にコメ頂けるとは……!
嬉しすぎて死ねますよ!←

ギャップ萌えですね^p^

私も地理大っきらいですよ!
1年生4月の緯線経線から覚える気ゼロでした←

私は丁度二週間後に学力テストと、更に2週間後に期末がありますよorz
小説、勉強共々頑張りましょう!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.110 )
日時: 2011/10/22 13:25
名前: 山茶花 (ID: 44GDRR0m)

お久しぶりですアニホとミシン様あぁぁぁぁーっ!!!
前の掲示板でもファンだった者です、名前変えましたが!((

姫姉様が美しすぎて生きているのが辛い←
ゴシックロリータとドレスを纏った姫姉様に綺麗さと可憐さで敵う存在はいないと思っているくらいに姫姉様が大好きです愛してますむしろ崇拝してます(((
もちろんリーフレットくんもハルさんも大好きなんですけどね(笑)
というかむしろアニホとミシン様が大好きです!
どこまでもいつまでも追いかけて行って永遠のファンでいますので、更新がんばって下さいね!
マジで愛してますアニホとミシン様!

あ、あと、私は姫姉様の綺麗すぎる描写が好きなので姫姉様の描写だけ切り抜いて初めのところに集めて欲しかったりするのですが、OKですか!?
アニホとミシン様の容姿描写マジ神です!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.111 )
日時: 2011/10/23 10:08
名前: Sky  ◆M7x9jXIufw (ID: a1.gBlqJ)

ハルピュイヤは相変わらずドMだけど、一番マシキャラの様な気がする今日この頃ですwwww
相変わらず姫姉様は美しぜ!!流石私の姫姉様アァァ!!
私の娘とは違ってな!←

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.112 )
日時: 2011/10/23 19:19
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)

>>109 ぬこ様

支倉は「しくら?」とか読み間違えられて訂正が面倒だった記憶しかありませんww
いいじゃないですか、田のつく苗字!
クラスに田之上って子がいて「おお、三文字の苗字ってなんか良いね」とか思ってましたもん(笑)

まさかの無理やりですと!?
上位とかそんなの凄すぎるorz
私もいちおう平均点を下回ったことはないのですが、しかしクラスで一番とかそういうわけでもないですしねー……つーかクラスに偏差値75の怪物がいるんですが((
5教科で496点の化物がいるんですが!((落ち着け
授業態度は「ノートを取るとき以外はまるでマネキンのように動かない」とまで称されたほど良いです(キリッ←褒められてるのか?
そこまで上のランクを狙わなければ大丈夫ですよ!
ちなみに大阪にある学校の最低ランク偏差値32くらいで最高が74とかそこらなんですが、私が目指してるのは60くらいのカトリック系女子高と家から近い公立の高校です!

私に偉大な要素なんて微塵もありませんよ! あれ、自分で言ってなんか悲しくなってきた←
むしろぬこ様から頂いたコメントが嬉しすぎて私のほうがハァハァしてまs((

そのせいで方向音痴さチクショウ!←
でも歴史と公民は得意なのでそこで頑張りまする(´・ω・)
ちなみに体育とか得意だったりします?←

はい、共に頑張りましょう!

>>110 山茶花様

誰か分からないけどお久しぶりですー!!←オイ
というか何人か思い浮かんだんですけど、マジで誰ですか!?

山茶花様なら大丈夫ですよ頑張って生きて下さい!((
むしろドレスか高価なワンピースしか着たことないぜ姫姉様!←
リーフレットとハルピュイアのみならず私にまでラブコールですと!?
嬉しすぎて頭パーンッてなりそうなんですがどうしましょう(´・ω・)←

容姿描写ですか?
この時期は時間がないので、もう少し後でも良ければお引き受けいたします!

>>111 Sky様

なんやかんやでアイツが一番の常識人ですよww
エスペランサはあの一年を除いてお姫様レベルの生活してましたし、リーフレットは家があんな感じでしたから。
それならSky様は私のものという事でよろしいですk((殴
Sky様の娘さんも綺麗です全く問題ありません!
時雨ちゃんと鎖の組み合わせにはむしろ芸術性さえ感じています←

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.113 )
日時: 2011/10/23 19:25
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)



     *     *     *


「なあトシ、本当に良かったのか?」
「……なにが」
「なにがって、リーフレットくんに祭誘われてただろ」

 祭会場の中心。
 暑苦しい上に堅苦しい制服に身を包んだ近藤と土方は、警備にあたりながらも雑談を繰り広げていた。
 近くの舞台上ではおしろいを塗った女たちが舞踊を披露している。
 べんべんと奇妙な音を放っている楽器は、琴かなにかだろうか。
 近藤からの言葉に、土方はタバコを吸いながら答えた。

「仕事が被ってんだ、しゃーねーだろ。あいつも代わりに桔梗を誘うって言ってたし。それに……」
「それに?」

 言葉尻を濁す土方に、近藤はさらに問うた。

「……俺と一緒にいたら、いざという時あいつまで危険な目にあわせちまうだろ」

 攘夷浪士に斬られて殉職した隊士もいれば、テロの爆発に巻き込まれて死体すら残らなかった隊士だっている。
 彼らは入隊した時から死ぬ覚悟ができていた。
 しかし、リーフレットは真選組に居候している身とはいえ、入隊はしていない。
 仕事に無関係の彼を傷付けるわけにはいかないのだ。
 大切だと思う者が自分の近くにいたら、むしろ大切であれば大切であるほど遠ざけるべきだ。
 自分の周りは、いとも簡単に人が傷付く世界なのだから。
 それと同じ理由で、かつて一人の女を突き放した。

「つーか、総悟の奴はどこ行きやがったんだ? 山崎の野郎もたこ焼き買いに行ったきり戻って来ねェしよ……」

 無理やり話題転換する土方。
 その声に被さるようにして、遠くの方から「副長ォォ!」という山崎の声が聞こえてきた。
 その手に持っているのはたこ焼きの容器。

「おせーぞ、ちゃんとマヨネーズも付けてもらったんだろうな?」

 でもこのタイミングで来てくれて助かった……と内心思いつつ、容器を開ける。
 サイズ的には十二個ほど入りそうな容器。
 その中には、たこ焼きが三つしか入っていなかった。
 しかもそのすき方ですら不自然である。
 まるで、誰かが意図的にたこ焼きをいくらか食べたような——。

「——山崎」
「はい!」
「正直に言え、これ喰っただろ」
「いえ、それは途中で転んだんです! 山崎退、一生の不覚……っ!」

 青海苔とソースにまみれた口でそうほざく山崎に、土方の右ストレートが炸裂した。

「その口元の青海苔が一生の不覚だボケェェェ!!」

 ギャアァァァァ、と会場にこだます山崎の断末魔。
 一方的に土方に痛めつけられる山崎の後ろでは、近藤が何故か山崎の買ってきたたこ焼きを食べていた。
 緊張感の欠片も見られない。
 局長がこんなに呑気だから、副長である自分がこうなってしまったのだ。

「そうカリカリするなよトシ、今日はこれきっとなにも起こらんぞ! ハメはずそーぜ」

 子供のような笑顔でそう言う近藤に、土方は胃薬を飲みたい気分になった。
 そろそろ薬局に新しいのでも買いにいくかと思案しつつ、言葉を返す。

「なに寝ぼけたこと言ってんだ近藤さん。この会場のどこかに高杉が潜んでるかもしれねーってのに」

 高杉晋助。
 奴の手にかかって、一体どれだけの幕吏がやられたことか。
 最近おこった過激なテロのほぼ全てに奴が関わったと聞くくらいだ。
攘夷浪士を名乗ってはいるが、その思想は攘夷なんてものとは無縁。
 まるで騒ぎを起こすことを楽しんでいるかのよう。
 そんな祭好きが、将軍も参加しているこの格好の場を見逃すとは思えない。

「お、始まったぞ!」

 近藤の楽しそうな声と共に、どーんという豪快な音が響いた。
 夜空を見上げてみれば、そこに咲くのは光の大輪。
 いわゆる打ち上げ花火というやつだ。
 江戸一番のカラクリ技師、平賀源外の見せ物が始まったらしい。

「……リーフレットも、どっかで見てるんだろうな」

 呟く土方の横顔を、夜空に打ち上げられた花火が照らした。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.114 )
日時: 2011/10/23 19:27
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)



     *     *     *


「おっ、花火か……綺麗なもんだな」

 坂田銀時は、夜空に打ちあがった花火を見てすっと立ち止まった。
 ドォン、パァン、と派手な音を鳴らし、空に浮かんでは消えていく色とりどりの花火たち。
 その儚き刹那の美を見て、思い出すのは魔法使いの少女。
 三日も万事屋の留守を任せてしまった。
 もしかすると、彼女もこの会場で花火を見ていたりするのだろうか。

「——やっぱり祭は派手じゃねーと面白くねェな」

 背後に突然現れた、感じ慣れた気配。
 ドン、と。
 今ままでの中で一番大きな花火が、空に打ち上がった。

「動くなよ」

 銀時が木刀に手をかけるのよりも、背後の人物が真剣を抜くほうが速かった。
 背中に当てられる刃物の感覚。
 ちらりと視線を向ければ、毒々しい蝶の舞う女物の着流し姿が見えた。

「ククッ、白夜叉ともあろうものが後ろをとられるとはなァ。銀時ィ、てめェ弱くなったか?」
「……なんでテメーがこんな所にいんだ」

 声を聞いてさらに核心が深まった。

 高杉晋助。
 かつて自分と一緒に学び、戦い、そして道を別れた者。
 今は過激派攘夷浪士として名を馳せている彼が、何の用でここにいるのか。

「ククッ、楽しみたい祭にモノにしたいお姫様が来てたもんでなァ……その二つを成し遂げてェのさ」

 つまり、祭で騒動を起こしたついでに女に会いに来たということだろうか。
 どこまでも自分勝手な奴だ。
 意見しようと思わず口を開いたが、そこで背中に添った刃物の感覚がさらに強くなった。

「いいから黙ってみとけよ。すこぶる楽しい見せものが始まるぜ……」

 どこか狂的な光を宿した瞳が、壮大な花火を写した。
 その方向にいるのは、銀時が止めようとしていた相手。

「——息子を幕府に殺された親父が、カラクリと一緒に敵討ちだ」

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.115 )
日時: 2011/10/23 19:28
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)



     *     *     *


「へぇ……花火ってあーいうやつなんだ。僕、何気に見たの初めてかも」

 乳白色の細い手のひらに握られた赤いりんご飴の上を、それよりも赤い舌がぺろりと滑った。
 反対側の手にはヨーヨーすくいで取った橙色のヨーヨー。
 そのどちらもさっきナンパしてきた男が代金を払ったものだ。
 その金を払わせた男も、さっき走って撒いたばかりなのだが。

 彼にも彼女にもなれる、今は少女だから彼女と表現すべきその人物——リーフレット・キルケゴール。
 途中までエスペランサと一緒だった彼女は、現在一人で祭会場をぶらぶらとしていた。
 愛くるしい顔立ちの彼女が歩くたびに周囲から熱を含んだ視線が飛んでくるが、それはスルーしている。
 もう特に欲しいものは無い。
 金を払わせる必要が無いなら、わざわざナンパに引っかかる必要もないのだから。

「桔梗は万事屋のおにーさんに会えたかねぇ……あーあ、つーか下駄って歩きにくっ。足だけスニーカーで来りゃあ良かったかもだねっ」

 漆塗りの下駄に文句を言いつつ、カランカランと優美な音を立てて歩くリーフレット。
 その姿は様になっていて、とてもじゃないが歩きにくく感じているようには見えなかった。

 色々と入り組んだ事情から故郷では大きな恨みを買っている彼女。
 向こうの世界の祭など当然参加できるはずもなく、こうして打ち上がった花火を見るのも初めてだった。

「なんつーか……平和だよな、物凄く」

 こうして安穏な空気に浸っていると、自分の本来の目的を忘れそうになる。
 逃亡した兄貴がこの世界にいると聞いてやって来たのに。
 いつの間にか、この世界を楽しいと感じている自分がいた。
 敵意や害意を孕まない視線を、心地よいと感じてしまう、自分がいた。
 暖かい人々に触れて——ひょっとしたら自分は許されても良いんじゃないかなんて錯覚を、抱いてしまった。

 それでは駄目だ。
 父が、母が、祖父が、祖母が、曾祖父が、曾祖母が、さらにその前の代や先祖までもが——犯した罪を、自分は背負っているのだから。
 許されてはならない。自分で許す気もない。
 許されて良いかもしれないなんて希望ですら、持ってはいけないのに。
 今まで貫き通してきたその決意を、来て間もないこの町が崩してゆく。

 許されてはいけないのに。

「なぁ、歌舞伎町。お願いだからさ——」

 ぎゅっと自分の体を抱きしめて、彼女は眩しそうに見上げた目を細める。

「——これ以上、僕を暖めるなよ」

 このぬくもりを受け入れてしまえば、元の冷たさに触れるのが怖くなる。
 そうなる前に。
 お願いだから、冷たく突き放してくれ。
 なんならゴミのように存在そのものを否定して。
 そうしてくれれば、きっと自分は元の冷たい世界に耐えられる。

「……十四郎あたりなら、頼めば地獄に突き落としてくれるかな」

 自分で言っておいて、彼には無理だろうと思ってしまった。
 だって彼は。
 こんな自分に好意を寄せてしまうほど、本当は優しい男なのだから。
 あの仏頂面に隠した温かみを、自分は知っている。
 知っているからこそ、彼は自分なんかに惚れるべきではないと思うのだ。

(願わくば——僕の大好きな十四郎が、僕を大嫌いになってくれますように)

 自分の近くにいては綺麗な彼が汚れてしまう。
 同じ空の下、お互いがお互いのことを想いあいながら、彼らは別の場所を歩く。

 交差しない二人の想いを、ただ花火だけが刹那的に照らした。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.116 )
日時: 2011/10/23 20:31
名前: リーナ (ID: lTRb9CJl)

初めまして。
突然ですが、質問してもよろしいでしょうか?


冒頭の部分で、>>1プロローグ・・・とありましたよね?
そこをクリックするとその話に画面が切り替わる奴です。
あれ、どうやったらああいう風にできるんですか?
教えてください。
ご回答お待ちしております。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.117 )
日時: 2011/10/23 20:52
名前: ぬこ ◆xEZFdUOczc (ID: DVd8EX6H)


5教科で496点とかその人多分人間じゃないです←
人間の皮被った神ですよ(
450点にも届かないよおおお((
何か数学が足引っ張るんです(´;ω;`)

女子高ですか!
女子高って怖いイメージしかない←
女子ってこう……陰で悪口言ったりとか幾つかのグループにまとまって群れたりとかするじゃないですか(
そこらへん好きじゃないんですよね^p^;(お前も女子だろ
男子みたいに皆仲良く、が無くて残念です(´・ω・)

どうか息を整えてくださいw
アニホとミシン様は偉大すぎて眩しい位置に君臨している方ですから^p^

私も方向音痴ですよw
デパートとか行って良い服見つけた時、遠くにいる親を呼びにいって見てもらおうと思ったら
その服の場所にたどりつけないっていうw

歴史は先生も楽しいんでw
しょっちゅう脱線するんで(そっちか

体育ダメダメですよw
水泳しか出来ませんw水泳は中体連来年から出てみたら?とか言われましたけど趣味で習ってるだけですからねw
そんなスポーツで青春する気はさらさら無いぜ!(
マット運動とか壊滅的ですw後転できまs((ry
最近3キロ走るマラソン的授業あったんですけど見事に下から5番目(キリッ
何で給水所が無いの((
アニホとミシン様は体育得意ですか?

リーフレット君立ち位置が……。
センチメンタルううう((
土方罪な男^p^←

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.118 )
日時: 2011/10/24 15:49
名前: 月羽 ◆/tAwKh9e/w (ID: EcIJT88K)

お久しぶりですすすす((←
私の事覚えてくれていればいいなーと思いつつ、顔出してみました!

やっぱり素敵な文章力!
アニホとミシン様、凄すぎます(

姫姉様の美しさに改めて驚きながら更新楽しみにしてます^^

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.119 )
日時: 2011/10/25 17:14
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)

>>116 リーナ様

あっ、質問ですね。お答えさせて頂きます!

リーナさまが>>1みたいなのを使えないのは、恐らく>>1と大きいほうで入力してしまっているからだと思います。
まずキーボードを使って全角から半角に切り替えた後、Shiftキーを押したまま>と入力していたときと同じキーを押して、次はShifeキーを押さずに1のキーをクリックして下さい。
言葉にするとなんか難しいですが、実際にやると簡単です!

分かりにくい説明ですいません(汗)
また分からなかったらじゃんじゃん聞いて下さいね(*^ω^*)

>>117 ぬこ様

しかもお姉さんまで偏差値73の高校に通ってるらしいから、もう溢れ出る劣等感が抑えられないorz
家族ぐるみで成績優秀って何なんだよチクショウ……うちの弟なんて体育以外オール1なのに((
私はどこまでも地理です!
実力テストの失点原因はもう九割が地理ですね←

やっぱり女子高ってそういうイメージあるんですかねー(-o-;)
いかにも『お嬢様』って感じの制服が気に入って志望校にチョイスしたんですが←オイ
重厚感のある黒と濃い赤のセーラー服は夏でも長袖だったり、襟元に十字架をモチーフにした校章が縫われてたり、学校指定の冬用ボックスコートは細工の施された金ボタンがついてたり。
着る人を選ぶようようなデザインなのでスポーツマン体型な私には似合わないでしょうがww
でも併願する公立高校のほうが本命だったり((

むしろ泥沼の底で白米モグモグしてるだけですけど何か(・ω・)←
皆さんは「今のままで充分ですよ!」と言って下さるのですが、やはりまだまだ書きたい話が表現できなかったりするのでレベルアップしていきたいですねー(-ω-)
高校、部活の掛け持ちとかできたら文芸部にも入れるんですがorz

服は弟と兼用で男物を着てますww
デパートとかもう小説くらいしか買った記憶ないですねー……。
ちなみに私の方向音痴レベルは登下校の道を覚えるのに半年かかった程度です(キリッ←
歴史は偉人を脳内でキャラクター化して遊ばせるのが好きですお((

逆に水泳がまったくできません私ww
脂肪が少なくて筋肉が多いので水に浮かない上に、息継ぎの仕方をよく忘れるんですよね((オイ
一時期は体脂肪率1ケタでしたww
マラソンは長距離なら得意です!
百メートル走とかならクソ遅いんですが、マラソン大会の十五キロとかなら先頭集団の陸上部に混じれます(`・ω・)

そんな土方さんが私は大好きですハァハァ^p^←
リーフレットは一人にすると思考が鬱方面にしか行かないよ!((

コメントありがとうございました、更新がんばりますねー!

>>118 月羽様

もちろん覚えてますともっ!!
月羽様会いたかったですよ月羽様hshs((

褒められて伸びるタイプですから(キリッ
すいません調子乗りました嬉しかったんです←

はい、更新がんばりますね!
月羽様も新しい小説とか書いたら教えて下さい!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.120 )
日時: 2011/10/25 17:31
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)



     *     *     *

 ドォン、と。
 轟いた花火よりも一際大きな轟音に、長谷川を的に射的を楽しんでいた神楽と沖田はバッと振り返った。

「ば、爆発!?」
「向こうの広場だぞ!」
「テロだ! 攘夷派のテロだアァァ!!」

 聞こえてくる悲鳴。
 離れた屋台側にまで流れ込んでくる煙幕。
 それを吸ってしまいごほごほと咳き込みながら、新八はずり落ちたメガネを押し上げた。
 出口へ出口へと殺到していく人の群れ。
 その中で、神楽と沖田だけは群れの中を逆走していた。
 顔に書かれている感情はただ一つ。
 『祭の邪魔をするな』。

「帰りに買おうと思ってたチョコバナナ屋の親父逃げちまったじゃねーか! どうしてくれるアル!!」
「俺の祭プランに横槍を入れるたァいい度胸でさァ!」

 鬼の形相で駆けて行く沖田と神楽、額には怒りマーク。
 そんな二人を慌てて追いかけながら、気絶している長谷川と唖然としているエスペランサに向かって新八は言い残した。

「桔梗さんは長谷川さんと一緒に非難しておいて下さい! 神楽ちゃんは銀さんたちと一緒にちゃんと連れて帰りますから!」

 瞬く間に煙の中に消える新八の後姿。
 返事も忘れて固まったままのエスペランサ。
 色々とあってボロボロな絶賛気絶中の長谷川。

(……とりあえず、避難しちまったほうが良いんでしょうか)

 怒涛の展開に戸惑いつつも、ついでに連れて行くかと長谷川に視線を移すエスペランサ。
 高級なレースでぐるりと一周した豪華なスカートが軽やかに揺れる。
 自分よりも大きな長谷川をどう運ぼうかと思案していた、その時だった。

「——あ」

 ビリッ、と。
 身体に電流が迸ったような、そんな衝撃。
 ぐらりと傾く体。
 痺れて動かない手足。
 強制的に閉ざされていく意識の中、一瞬だけ背後に見えた人物が握っていたのは——スタンガンと呼ばれる物体に、似ている気がした。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.121 )
日時: 2011/10/25 17:38
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)



第五話(3)『眠れる姫君は夢を見る』

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.122 )
日時: 2011/10/25 18:09
名前: Sky  ◆M7x9jXIufw (ID: a1.gBlqJ)

>>112アニホとミシン様

ですよねーwwww
エスペランサもリーフレットも現実からかなりかけ離れているので、ハルピュイヤが一番マシですよねwww
え…?いいですけど、GLですy←
時雨は問題なくとも、戦少女の夜空とか生徒会戦争の奏とか…あいつらはかなり娘と言っていいべきか迷うんですよね……(特に夜空)
あの娘達は「百歩譲って女」とPFに書かなきゃ行けないんですよね。
ホント百歩譲らなきゃ女と言うべきキャラじゃないwwww

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.123 )
日時: 2011/10/25 19:09
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)

「お母様ー!」

 色とりどりの花々が咲き乱れる景色。
 丁寧に手入れされラベンダーやジャスミンは、朝日に煌き、自然そのものの壮麗さを見せていた。
 そんな花園の芝生の上を、小さな子供が軽やかに駆け抜ける。

 歳にすれば四歳が五歳だろうか。
 この花園を所有する一族特有の、奇跡のような銀色の髪に澄んだ青空を思わせる蒼玉の瞳。
 パーツの全てが絶妙なバランスで小さな顔に配置され、見る者を夢中にさせる容姿であることは確かだった。
 だが、少女の持つ魅力は姿形だけに留まらず、その元気な躍動感あふれる動きと邪気のない笑顔、内側から滲み出るはつらつとした健康美にも感じ取れる。
 はぁはぁと大きく息を弾ませて大好きなお母様に作った花の冠を見せて。

 ああ。
 あれは、私だ。

 数年以上前の、まだ家族も生きていて、簡単な魔法を使い始めた。
 狭い世界で最も幸せに生きていた頃の。
 あれは、私だ。

「お母様!」
「あら、エスペランサ」

 振り向いた優しいお母様。
 もう三十を過ぎているが、慈愛の女神のように暖かく、写真で見た二十歳の頃から変わらぬ綺麗な容姿をしている。

 春の木漏れ日のようなお母様の笑顔が好きだった。
 この頃の私には、優しいお母様と明るいお父様、そして可愛い弟と元気な妹が世界の全てだった。

 これ以上なにもいらなかった。
 広い外の世界なんて知りもしなかったし、知りたくもなかった。

「お母様。エスペランサの作った冠、上手くできてますか?」
「ええ、とっても上手にできてるわ。ちょっと待ってて頂戴ね。これを終わらせたらフルーツタルトを用意しますから」

 お母様は困ったような顔をして針とにらめっこしている。
 病弱なお母様はよく暇つぶしのために編み物や刺繍に手を出すのだが、いかんせん形勢は劣勢である。
 貴族であるが故に皿も洗ったことがないお母様は酷く不器用だ。

(お母様、糸を針に通せないのでは編み物は無理です……)

 口に出してはお母様が傷付いてしまうだろうで、心の中で呟く。

「朝からフルーツタルトなんていらないです、お母様。エスペランサは紅茶とスコーンがあれば充分だよ」

 ちくっと指先に針を刺して涙目になるお母様。

「それがね。エスペランサがいらなくても、ユリウスとマリアンヌが食べたいらしいのよ」

 弟と妹の名前を出して微笑む。
 成長期まっさかりの弟妹は、お母様の手作りフルーツタルトが大好きだ。
 甘酸っぱいジャム。新鮮な果物。不器用なお母様が精一杯お作りになられるタルト生地。
 着ているドレスに砂糖をこぼしてオロオロするお母様を、よく二人と一緒に影から笑って見ていた。

 こんなに不器用じゃ、お父様に手作りのハンカチをあげるのはまだまだ先になるなあなんて。

 このときの私は、何の前触れもなくやって来る悪夢なんて考えてもいなかった。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.124 )
日時: 2011/10/25 19:18
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)

>>122 Sky様

あ、ハルピュイヤじゃなくてハルピュイアです(笑)
バトルロイヤルとバトルロワイアル、みたいな間違いもよくありますよねww
しまった、その壁があったか!←
ならば仕方がない……うちの弟を嫁に貰ってやってください(・ω・)つ反抗期の弟
男前な女の子は大好物なので問題ありません(キリッ

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.125 )
日時: 2011/10/28 17:59
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)


     *     *     *


 ぐらり、と、絢爛な衣装に包まれた体が傾く。
 真っ黒な生地に真っ白なレースがよく映えた豪華なドレス。
パニエを内蔵したスカートのボリュームもかなりあって、どんな体勢でもふわりと花を逆さまにしたように膨らんでいた。
 眩暈がするほどのフリルに彩られた姫袖から伸びるのは触れれば折れてしまいそうに細い腕。
 纏うドレスのレースやフリルよりも白いその繊手からは、どくどくと、色鮮やかな血が流れ出ていた。
 白と赤の鮮烈すぎるコントラスト。
 その美しさに脳を揺さぶられたような衝撃を受けながら、河上万済は変装に使っていたマントを脱ぎ捨てた。

 成功した。
 いま使ったのは、人が気絶する限界ギリギリまで電圧を減らしたスタンガンだ。
 よほどか弱い子供にしか効かないはずなのだが、どうやらこの少女にはそれで充分だったらしい。
 多少の出血を伴うというデメリットもあるのだが。

 エスペランサの羽毛のように軽い体が地面に倒れる前に、壊れ物を扱うような丁寧さで受け止める。

「これが、斑鳩桔梗殿でござるか……」

 美しい。
 その一言を何度呟いても足りないほど、美しい少女だ。
 必要以上に綺麗でもはや人間にすら見えない。
 晋助が惚れたという彼女は本当にこの世の生き物なのだろうか。
 世界を滅ぼそうとする魔王がここにいたって、この少女だけは生かしておくはずだ。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.126 )
日時: 2011/10/28 18:34
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)

 写真で耐性をつけておいて良かった。

 心中でそう呟き、河上万済は少女の体を抱いたままスタスタと歩き始めた。
 移動しながらも出血した少女の腕に包帯を巻く。
 彼女のことはガラス細工の天使として扱えと、晋助に念を押されているのだ。

 周囲の人々はすでに逃げたのか影すらも見当たらない。
 ゆえに人目を憚ることもなく一分ほど進めば、あらかじめ用意していた車が見えた。
 運転席に座っているのは目立たないように変装した男。
 変態ロリコンこと武市変平太は、万済に抱きかかえられた少女を見て思わずといった感じで息を呑んだ。

「それが『真選組の姫君』こと斑鳩桔梗ですか……ああ、この美しさたるや! わざわざ面倒な歌舞伎町まで来た甲斐があったというものです!!」

 たっぷり三十秒ほど固まったかと思うと、一気に赤味を帯びた顔で叫び始める変平太。
 自称“子供好きのフェミニスト”な彼にとって、可憐と神秘を極めた少女の姿は刺激的すぎたらしい。
 あるいは幻想的すぎたのか。
 とにもかくにも騒がれると色々面倒なので、さっさと車に乗り込み運転しろと目で合図をする。
 サングラス越しにでも自分の意図がわかったらしい。
 未だに感激を隠しきれぬ形相ながらも彼はキーを回し、どこにでもあるような乗用車を発進させた。

「しかし、うちのリーダーが心酔するほどの美少女と聞いたから覚悟はしていたものの、まさかここまでとは……。想像を絶する美しさというのは本当にあるものなんですねぇ」
「桔梗殿の写真をあらかじめ見たのは、また子殿と拙者だけでござるからな。……『こいつを連れて来い』と写真を見せられたときはビックリしたでござるよ」

 色白の華奢な体つき、純銀の髪、何より印象的なのが、見た事のない絶世の美貌。
 あんな素晴らしい美貌が、この世に存在するなんて。
 写真を見せられたときの自分は、ただの写真だというのに、吸い込まれそうな不思議な心地を味わっていた。
 そして実物はそれ以上。
 彼女が自分の隣で眠っているというだけで、まるで天国にでも来たような錯覚を覚える。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.127 )
日時: 2011/10/28 23:06
名前: くろね子 (ID: NPMu05CX)  

文才ありすぎっ……ファンです、がんばってください!
姫姉様やリーフレット君ってイメージソングとかあるんですか?

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.128 )
日時: 2011/10/29 11:03
名前: くろね子 (ID: ySP8nr/s)  

あと、オリキャラの募集とかってしてないんですか?

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.129 )
日時: 2011/10/30 15:00
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=AJvPHQ3QzdQ

>>127->>128 くろね子様

すいません、オリキャラは募集してないです(-o-;)
下手に他のキャラを入れると作ったプロット通りに進行しないんですよねー……。

ちなみに姫姉様のイメージソングはALI PROJECTの『聖少女領域』です(↑のURL)

コメントありがとうございました!
これからも応援よろしくお願いしますね!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.130 )
日時: 2011/10/30 15:11
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)

そしてリーフレットのイメージソングは鬼束ちひろさんの『罪の向こう 銀の幕』なのですが、歌詞つきの動画は無かったので申し訳ありませんが自力で探して下さい(´・ω・)

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.131 )
日時: 2011/10/30 16:15
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)
参照: http://www.youtube.com/watch?v


「……桔梗殿の音楽は、高貴で厳かな賛美歌といったところでござるな」

 呟き、少女に用意していた毛布をかける。
 窓の外の景色はだんだんと祭の会場から外れて行っていた。


     *     *     *


「おねーさま、きょーのぶとーかいできるドレスこれでいーとおもう?」

 今年で三歳になったばかりの妹であるマリアンヌが、衣裳部屋の大きな鏡の前でくるりと一回転した。
 繊細な刺繍の施されたオフホワイトシャツ。
 きゅっと桃色のリボンでしまったウエストから、ふんわりと広がる同色の八段ティアードスカート。
 招待された舞踏会に行くのが楽しみなのか、きゃっきゃとはしゃいでいる。

「そうですね……せっかくの舞踏会ですし、もう少し正装に近づけたほうが良いかもしれません」

 当時はまだガサツな口調でなかった私がそう言うと、「えー」と不服そうな様子で再び一回転するマリアンヌ。
 しかし舞踏会という華やかな場でシャツとスカートのツーピースはいただけない。
 私はたくさんあるクローゼットの中から適当にドレスを見繕い、くるくると回り続けるマリアンヌに「ほら」と渡した。

 薄い水色のプリンセスラインドレス、淡いカラーリングのオーガンジーを使ったドレス、高級なサテンをふんだんに用いたドレス。
 いくつものドレスの中からマリアンヌが選んだのは、フリルにリボン、ふわっと広がるスカート……可愛いモチーフがたっぷりと詰まった砂糖のように甘いドレス。
 それにお母様が誕生日プレゼントに下さったサファイアのブローチをつけて。

「うん、これでだいまんぞく!」

 マリアンヌはとびきりの笑顔を浮かべた。
 けれど、急に思い立ったように私の瞳をじっと見つめると、慌ててサファイアのブローチをルビーにつけ変え始める。
 首を傾げる私に、マリアンヌはふーっと息を吐いた。

「あぶないあぶない。あおいほーせきなんてつけたら、おねーさまのひとみとくらべられちゃう」
「比べられると、なにか困るのですか?」
「こまるよ! だってどんなにきれいなほーせきでも、おねーさまのひとみのまえではいしとかわらないもん。
 みずみたいにすきとおっててそらみたいにやわらかくて……ほんとーに、すてきなあおいろ。おねーさまのひとみはせかいでいちばんうつくしいあおいろだわ」

 なにか誇らしいものでも見るようにして見上げてくるマリアンヌに、幼い頃の私はただ、「ありがとう」とだけ返した。
 水みたいに透き通ってて空みたいに柔らかいと。
 そう称された私の瞳は、今では酷く暗鬱としているのに。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.132 )
日時: 2011/10/30 17:41
名前: くろね子 (ID: x8FeCceo)  

姫姉様のイメージソング聞いてきました!
姫姉様に相応しい素晴らしい曲でもうウハウハです・・・。
あと、PVに出てたドレス姿の女性って誰ですか?
リーフレット君のはこれから探してきますねっ!

ちなみに私が姫姉様のイメージソングっぽいって考えてたのはボカロの《姫ゆくアリスが駆け出す瞬間》ですねー。
リーフレットくんは《モザイクロール》とかどうでしょうか!?

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.133 )
日時: 2011/10/31 17:35
名前: くろね子 (ID: e.d4MXfK)  

『罪の向こう 銀の幕』聞いてきました!
なんという痛々しい曲(;o;)
でもリーフレット君にピッタリでした!

姫姉様もリーフレット君も大好きだから是非とも幸せになって欲しいです。
あ、でもリーフレット君は自分が幸せになっちゃダメだと思ってるのか・・・それでも大ファンの俺はリーフレット君に幸せになってほしいんだっ!

というわけで頑張って下さい、アニホとミシン様!
いつまでも応援してます!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.134 )
日時: 2011/11/01 16:04
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=Sn1U1W3C6Cs

>>132->>133 くろね子様

『姫ゆくアリスが駆け出す瞬間』ってGUMIちゃんの曲だったんですね、名前だけじゃ分かりませんでした(笑)
モザイクロールは私も大好きですよ!
GUMIちゃんのPVは基本クオリティ高いので大好きです(キリッ

PVの女性は宝野アリカ様といって、ALI PROJECTのボーカルの方です。
その独特の局長からヴィジュアル系とも一線を画した異彩な偉才の持ち主なのです((

鬼束ちひろさんも好きなんですよねー。
好きになるアーティストさんたちがマイナーなのが悲しいのですが(-o-;)
でもレディー・ガガとかそういう最近の人もなんとなく分かるようになってきたよ!←

果たしてリーフレットは幸せになれるのか、そして姫姉様の御身やいかに!?
こうご期待!((

コメントありがとうございました!
更新がんばりますねー(*^ω^*)

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.135 )
日時: 2011/11/01 16:58
名前: 月羽 ◆/tAwKh9e/w (ID: EcIJT88K)

>>119アニホとミシン様>
私も会いたかったですよ!←

Σ今でも十分素晴らしいのに、褒めたらまだ伸びるんですか((
よっしゃ、じゃんじゃん褒めるぜ!←←

現在ピコ森の恋愛小説板で「je t´aime −君と私の違い−」という駄作を執筆中です(・ω・´)
「その男は白夜叉と呼ばれた【銀魂】」も下書き中で、それが終わったら改めて此処で書こうかなーとか思っているのでもし良かったら暇潰しがてら、覗いてやって下さい。

宣伝すいません((

ちなみに同じクラスのモデルさんは誰でしょねクイズ(←)の答えは、一番左の子です^^
美玲の名字はその子から取っていたり←

姫姉様の幼い頃、可愛いでs(ry
こんな美しくて可愛いお姉さんが居るなんてユリウス君とマリアンヌちゃん羨ましすぎる((黙

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.136 )
日時: 2011/11/01 17:07
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)
参照: http://www.youtube.com/watch?v



     *     *     *


「また子殿、桔梗殿が目覚めるまでの世話は頼んだでござるよ」

 そんな台詞を帰ってきたばかりの万済に言われて、エキゾチックな顔立ちの金髪女性——来島また子は、「は?」と手入れしていた拳銃を落とした。
 鬼兵隊の一時的な隠れ家として選ばれた三ツ星ホテル。
 その大理石の床に直撃した銃身を拾うことも忘れて、また子は万済に詰め寄る。

「なんでまた子がんな事しなくちゃならないんッスか!」
「なんでと言われても、また子殿は鬼兵隊の紅一点でござるからな。女の面倒を男に見せる訳にもいかんござろう」
「だからって……!」

 言い募るまた子に、万済は嘆息する。
 斑鳩桔梗の写真を見てからというもの、彼女は自分と桔梗を比べては「晋助様は細くて小さい女が好きなんッスかー!!」と絶叫していたのだ。
 いかにも『お人形さん』といった容貌に退廃と神秘が加わった斑鳩桔梗、露出的な着物や派手な金髪を好みどこか荒々しいオーラのある来島また子。
 違うタイプの女同士なのだから別に良し悪しなど気にすることもないのに。
 あるいは、違うタイプだからこそ気にしているのだろうか。
 好きな男に長髪が好きだと言われれば、自分の短髪にショックを受けるのが恋する乙女の性である。

 そんな状態の彼女に面倒見を頼むというのは酷な話かもしれない。
 が、斑鳩桔梗の面倒を男などに見させては後で晋助にどんな制裁を加えられるか分かったものではない。
 そこら辺の事情を考慮して、万済は再びまた子に頼み込んだ。

「お願いするでござるよ、また子殿」
「うー……あーもう、わかった! その代わり後で文句とか言っても知らないッスからね!」
「それは助かった。じゃあ、もうこのホテルの最上階にあるスイートルームに寝かせてるから、あとは頼んだでござるよ」

 後ろから聞こえてくる「初めからまた子に任せる気だったんじゃないッスか!」という叫びを無視し、それを嗜める武市も置いてスタスタと立ち去る万済。
 彼にはもう一つ、高杉晋助から言い渡された仕事があるのだ。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.137 )
日時: 2011/11/02 16:52
名前: くろね子 (ID: 7VttjCRw)  

なるほど宝野アリカさんというのですか!
俺には絶対に似合わない格好をした人だったので気になりました(笑)

というかちっさい姫姉様が可愛すぎるっ!
今の『お美しい姫姉様』は、あの一年を体験してから生まれるのですね。
《冷めた奇跡はもっと近寄りがたくなる》って姫ゆくアリスが駆け出す瞬間の歌詞がそれっぽくて、姫姉様のイメージソングとして予測したんですよね。
元から近寄るのが恐れ多くなるほど綺麗な姫姉様に、あの一年からの凍てつくような魅力も加わってさらに近付けなくなる・・・みたいな?
とりあえず姫姉様の純潔を奪った野郎共は今すぐ丸焼きになってゴミ捨て場に廃棄されるべきだと思います←

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.138 )
日時: 2011/11/03 14:01
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)

>>135 月羽様

むしろ今のまま成長停止したら困りますΣ(—□—;)
将来的には今の自分が書いている文章を読み直して「なにこれ下手すぎww」と笑えるくらいになりたいですねー←

やった、また美玲ちゃんに会えるんだね!((
ピコ森はそういえばずいぶんと覗いてない気がします……また勉強が落ち着いたら尋ねてみます!
宣伝は常時受け付け中ですのでジャンジャン書いていって下さい(笑)

くっ、違ったか!
私の野生の勘もまだまd(ry

そしてここ(可愛い)からどんどんああ(美しい)なっていく姫姉様((
その反転のキッカケはやっぱり魔女狩りだったりするんですよねー。

>>137 くろね子様

くろね子様どころか私にも似合わないww
友人にならああいうファッションスタイルを小学生の頃から貫いてる子がいるんですけどね……その子は甘ロリなので、姫姉様のゴスロリの参考にはならなかったり(笑)

この頃のひめねーさまはまだ純真無垢だったのさ!←
そうそう、エスペランサが暖かな美少女ではなく冷ややかな美少女に育ったのはそれが原因です。
逆に言えば、エスペランサは最悪の不幸と引き換えに最高の美しさを手に入れたんです((
姫姉様が愛されてて嬉しいですぐふふ^p^←

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.139 )
日時: 2011/11/03 14:55
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)



     *     *     *


「まあ、あれがベアトリーチェ故皇女の血を最も色濃く継いだお嬢様?」
「さすがは魔法界一の美女の孫娘だ。あれだけ幼いのに、もう恐ろしいまでの美貌の片鱗を見せてらっしゃるじゃないか」
「纏う金色のドレスがまるで満月のように輝いて見えるわ……」

 数々の賞賛を浴びながら広間を歩く。
 前を先導しているお母様もお父様も後ろを歩くユリウスとマリアンヌも、私への賞賛が嬉しいのかどこか幸せそうな笑みを浮かべていた。

 当時の記憶はあやふやだから、どんな場所だったかは正確に記せない。
 とにかく豪華な城だったことは覚えている。
 皇帝が主催の、一部の上流貴族しか招待されぬ舞踏会の会場。
 そこへ馬車で赴いた。

 アーノルド家は、本来ならば皇族と名乗るべき血筋にある。
 それは私の祖母が先代の皇帝の正妻だったからだ。

 ベアトリーチェ・アーノルド——かつて魔法界一の美女と謳われた、今は亡きシャングリラ第五百三代目皇女。
 それが私の祖母だ。
 名門とはいえ貴族でしかなかったアーノルド家の娘がなぜ皇帝の正妻にまでなれたかというと、それはベアトリーチェ故皇女がとびきりの美貌の持ち主だったから。
 もう物凄かったらしい。
 なんでも顔を見てしまうとあまりの美しさに相手が気絶するから、初めの一回を除いて皇帝にすらも顔を見せなかったとか。
 家の中や舞踏会のときも仮面で隠していたが、それでも髪や肌だけで皇帝に目をつけられて、仮面を外せばもう奇跡級の美女がそこに。
 それからベアトリーチェ故皇女以外の何を見ても綺麗だと感じられなくなり、酷いときには彼女以外の全てが腐って見えてしまうようになった皇帝は、三日ともたないうちに彼女に求婚。
 百人以上いた愛人たちとの関係を一気に断ち切って、皇帝は無事ベアトリーチェ故皇女を嫁に迎えたらしい。

 それならば何故アーノルド家は貴族のままなのかと言うと、次代の皇女となる気の無かったお母様が自ら貴族に戻りたいと申し出たらしい。
 嫁に似て見目麗しく育った愛娘の言葉を皇帝も承諾。
 晴れて貴族に戻ったお母様は同じ上流貴族であるお父様とご結婚なさり、生まれた一番目の娘が私なのだ。
 キリスト教の言葉で『希望』を意味するエスペランサと名付けられた私。
 その私はどうやらお母様以上にベアトリーチェ故皇女に似ているらしく、少しでも外に出ればその話しか耳に入ってこない。
 もっとも、本当に私と祖母が似ているかなんて、祖母が死んだ今では分からないのだが。

「エスペランサ姫、お飲み物をどうぞ」

 給仕に差し出されたアップルジュースを会釈と共に受け取る。
 いちおう皇族ではない幼い私が『エスペランサ姫』などと呼ばれていたのは、やはり祖母が原因なのだろうか。
 本物の皇族が住まう城で姫と呼ばれるのはなんとも不思議な気分である。

 そうこうして時間を潰している内に、広間ではオーケストラによる音楽が流れ始めた。
 ワルツの時間が始まったらしい。
 私はシルクとレースの手袋に包まれた手を差し出し、近くにいた同年代の少年にやんわりと微笑みかけた。

「一曲、踊って下さいますか?」

 少年は顔を真っ赤にして手をハンカチでゴシゴシと拭いた後、恐る恐るといった様子で私の指先に触れる。
 ちらりと隣を見れば、お母様とお父様も見事なワルツを披露していた。
 蝶のように可憐に、ときに白鳥よりも優雅に、女神よりも荘厳に。
 お母様のドレスの裾がふわりと翻るたびに、周囲の着飾った上流貴族はうっとりとした眼差しを向けた。
 この分ならばユリウスとマリアンヌも楽しくやっているだろう。
 さて、私もお母様に負けないようにしなくては。

 三拍子のリズムに合わせステップを踏み、高貴に姿勢を正し、優雅に一回転。
 少年のリードは中々上手で踊り甲斐があった。
 緊張したような面持ちなのが少し気になったが、きっと舞踏会が初めてなのだろう。
 お母様のワルツに向いていた視線をいくらか私たちの方を向き始め、さあここからが見せ場だと華麗さを増そうとしたところで。

 バァン、と、銃声のようなものが響く。
 それに次いで聞こえてくる破壊音。
 水を打ったように静かになる広間。
 真っ先に我を取り戻した皇帝が、玉座から立ち上がって叫んだ。

「魔術師です! 皆様お逃げ下さい!」

 その言葉につき動かされるように、広間は元以上のざわつきを見せ始めた。
 出口に殺到する上流貴族たち。
 遠くの方から響いてくる、窓が聞こえるような音と、絶叫。
 私と踊っていた少年も彼の父親に抱き上げられ、一気に出口を目指す集団の中へと消えていった。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.140 )
日時: 2011/11/03 19:03
名前: 月羽 ◆/tAwKh9e/w (ID: EcIJT88K)

>>138アニホとミシン様>
そんな風になりたいですよね。
私の方は「この時も下手だったけど、今はもっと下手になってるし!」という事にもなりそうです。←

会えますよ!((←
そして葵や陵にも会えるのでs((ry
今は「俺の出番まだかな……。復活した時は天パの出番より俺の出番が多いといいなぁ」とか言いながら塩大量にかけたプリン食べてそうです((黙

いつでもスタンバイしてるので、勉強頑張って下さい!

野生の勘ですかw
そのモデルさん、色白だし顔小さいしおまけに声も可愛いんですよねー(

姫姉様を傷つけた人には手が出そうで自分が怖いです←

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.141 )
日時: 2011/11/03 19:49
名前: くろね子 (ID: lwQfLpDF)  

姫姉様のおばあさまは皇女様ですとっ!?
道理で周りから貢がれてもご自分のお美しさに気付かれないんですね。
その情報を聞いてますます姫姉様の魅力が増しました!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.142 )
日時: 2011/11/05 18:45
名前: くろね子 (ID: N/zMPjaj)  

連投スマソ。

ふと思ったんですが、姫姉様は皇女の孫娘ってことはかなり高貴なお生まれですよね?
もしかして次の王位継承権とかあるんじゃないですか!?
ということは俺は姫姉様をエスペランサ皇女と呼ばなければならないのか・・・呼びてぇっ!←

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.143 )
日時: 2011/11/06 18:05
名前: なぎこ (ID: uHvuoXS8)

アニホとミシン様!あの「氷のような美貌を持つ美少女だけがゴスロリを纏う資格がある」とかほざいてたアニホとミシン様じゃないですか!!
此方でも楽しみにしてますね色々!(^p^三^q^)

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.144 )
日時: 2011/11/06 22:21
名前: くろね子 (ID: cASJvb5A)  

「ほざいてた」なんて言葉使いは良くないですよ!
荒らしと間違われちゃいますから。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.145 )
日時: 2011/11/06 22:30
名前: なぎこ (ID: uHvuoXS8)

くろね子様>
あわわ、これは失礼しました><;
ご忠告有り難う御座います;これからは気を付けます

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.146 )
日時: 2011/11/07 11:33
名前: くろね子 (ID: 5SQt.OF5)  

なぎこ様>
いえ、こちらも上から目線ですみません。
アニホとミシン様が好きなのでついつい口出しちゃいました><

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.147 )
日時: 2011/11/07 12:09
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)

>>140 月羽様

そんな悲しい状態にはなりませんよ月羽様なら大丈夫です!←
でも昔書いてたイラストとか小説って、改めて読み直すと楽しかったりしますよね(笑)

なんですかその甘いのか辛いのか分からない食物ww
黒髪美人は大好物ですハァハァ(( いつまでも待ってるよ三人ともー!←

はい!
次の第四回実力テストでもう私立の併願校は決めないといけないので、偏差値もう少し上げていこうと思います。
月羽様も頑張って下さいね!

仕方ないよ、だってモデルさんだもn((ry
私も部活を引退してからはちょっと白くなってきましたけど、それでも筋肉質な体型は相変わらずです←筋トレ止めてないせいだろ

私も美玲ちゃんに何かやらかした奴がいたら鉄パイプと共に駆けつけますのでご心配なく!←

>>141->>142 くろね子様

連投問題ありませぬ(キリッ

王位継承権は主張すればあるんでしょうが、ぶっちゃけエスペランサは皇女って柄でもないですしね(笑)
なりたいと思ってない子がなっても国の存続が危くなるだけですからww
よって残念だが姫姉様をエスペランサ皇女とは呼べないのだよ!←誰だお前

>>143 なぎこ様

はっ、もしやレッドでダークなあのお方ですか!?
間違っていたらすいません、正解だったらお久しぶりです!(*^ω^*)

諸々の発言で貴方様のご気分を害してしまったことは大変申し訳なく思っておりますが、前の掲示板の話題をこっちにまで持ってこられるとさすがの私も困惑してしまいますので、ご遠慮して下さると嬉しかったりします(´・ω・)
でもでも女性限定マゾヒストな私には棘のある言葉が嬉しかったりぐへへ^p^←

こほんっ、失礼しました。
貴方様の作品も貴方様も相変わらず尊敬していますので、もしここで書き始めたりしたら教えて下さい!
マッハ5のスピードで駆けつけますので((

コメントありがとうございました!!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.148 )
日時: 2011/11/07 13:32
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)


「エスペランサ、ユリウスとマリアンヌを見ませんでしたか!?」

 ドレスの両端をつまみ上げて駆け寄ってくるお母様。
 その顔の蒼白具合から見るに、どうやらユリウスとマリアンヌの姿が見えないらしい。
 少し離れた場所ではお父様が人の波に逆らって二人の名前を呼んでいる。
 知りません、と首を振ればお母様はなおさら焦ったような表情になった。

「お母様、エスペランサも探してきます!」

 お母様からの制止がかかる前に走り出す。
 フレアが足にまとわりつく走りにくいドレスも、当時から着慣れていた私にとっては極めて活動的な衣装だった。
 窓が割れたような音は断続的に響き続ける。
 それが実際に窓が割れている音ではないと気付いたのは、人通りの少ない廊下に出た瞬間だった。

「我が手に燦然と輝きたる孤高の太陽よ! その神々しき光の矢を以ってして我に仇名す者に制裁を!」

 皇族に仕える老齢の魔法使いが、長い白髪と杖を振り乱して呪文を唱える。
 その眼前にいる真っ黒なローブの集団——恐らくあれが魔術師なのだろう——は、放たれる光を俊敏な動きで避ける。

「——割れろ」

 爪先で大理石の床を叩き、低い声で魔術師が呟く。
 すると何の変哲もないはずの床には巨大な魔法陣が浮かび上がり、呪文を唱えていた魔法使いの身体が突如としてガラスのように割れた。
 パリンッ。と効果音をたてて、破片となった魔法使いの身体は床にパラパラと散らばり落ちていく。

「ひっ——……!」

 その光景に思わず小さな悲鳴を上げた。
 魔術師の視線がこちらを向く。
 それと同時に、私に視線を向けてきたものがもう二つあった。

「おねーさま……!」
「あねうえっ……?」

 今にも泣き出しそうな声のマリアンヌとユリウスだ。
 彼女らは部屋の隅で縛られていて、ピンクのドレスとブラックのタキシードには鎖が喰い込んでいた。
 その鎖に斑点のようにびっしりと魔法陣が書き込まれているのを見て、あれは魔力を封じる効果のある鎖だと分かった。
 魔術師が、一歩、こちらに近寄ってくる。

「わ——私の弟と妹に、何をなさるつもりですか」

 ドレスがしわになるほど握り締める。
 震える唇でそう話しかければ、魔術師の口元が三日月の形に歪んだ。

「このガキ二人でも大層な収穫だと思ったが、どうやら運は俺に向いているらしい。まさかあのベアトリーチェ故皇女の孫娘まで寄越してくれるとはな」

 魔術師は私の質問には答えず、愉快そうに笑う。

「な、にを言って……」
「まあ、まだ俺に捕まって良かったと思えよ。キルケゴールとかに捕まってたらもっと酷かっただろうぜ。俺はあそこら辺の有名所とはなんの関わりもないただの魔術師だ」

 さっきまで魔法使いだったガラスの破片を踏みしめて。
 魔術師は、怯える私の額に指先を押し付けた。

「ようこそ地獄へ。エスペランサ・アーノルド」

 ニィ、と男の口端が歪むのを見ながら——私の意識は遠のいていった。
 目覚めたときには地獄だと知らぬままに。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.149 )
日時: 2011/11/07 14:00
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)



     *     *     *


「斑鳩桔梗。出身地不明、血液型不明、生年月日不明、目測年齢十三歳。魔女だとの噂あり、ねぇ——」

 ぶつぶつと呟きながら来島また子は資料のページをめくりつつ歩く。
 スイートルームばかりの最上階。
 ここの一番奥にある部屋で、気を失った斑鳩桔梗は眠っているらしい。
 やはりスイートルームなだけにベッドもキングサイズだったりするのだろうか。

「ああくそ、羨ましいッス!」

 がちゃりと目的の部屋の扉を開き、ふかふかの絨毯を土足のまま踏み荒らして進む。
 天上には豪華なシャンデリアまで用意してあった。

「なんでガキ一人ごときにここまで金かけてるんッスか……」

 愚痴をこぼしつつ、中央にある大きな天蓋つきのベッドに近寄る。
 しかし、そっと天蓋を除けてそこに眠る少女を見た瞬間、また子はその美しさに息を呑んだ。
 写真で顔は知っていたが、実際に目の当たりにすると、その美貌は神がかって見えた。

 カーテンが閉められた薄暗い部屋に、わずかに外の明かりが差し込み、その光で柔肌が青白く、まるで夜の月のようにぼうっと輝いて見える。
 髪は月光を紡いだような純銀で、それが白い肌とシーツにレースのようにかかっており、強いグラデーションを生み出している。
 写真で見た海よりも深い濃青は、今は閉じられていて見えないが、すっと伸びた鼻筋も、白に引かれた桃色も、なにもかもが綺麗だった。

「綺麗ッス……」

 いつもであればすぐ拳銃の手入れに移るだろうに、今回ばかりはまた子はほぅと見惚れた。
 この美しい少女が、斑鳩桔梗。
 きっとおとぎ話の魔女の呪いで眠るお姫様はこういう顔なのだろう。
 否、ベッドに身じろぎ一つせずに眠る姿は人というよりも、どちらかといえばいつか海外の宮殿で見掛けたアンティークドールが等身大になったようで、また子はそっと手を伸ばす。
 髪に触れれば、まるで最上質のシルクのようにつるりと滑って指の間からさらさらと落ちていき、肌に触れればしっとりと指に吸い付くようになめらかできめ細かい。
 しかし低体温なのか、触れた肌はひんやりと冷たく、触れてもなおピクリと瞼さえ震えない様子は生気が感じられず、本当に人形かと錯覚させた。
 表情もなく眠っているその姿は磁器というよりも薄いガラスでできた脆い人形のようで、自分が触れれば割れてしまうのではないかと怖くなり、また子は慌てて手を引いた。
 瞳を開いたらどうなるのだろう。
 写真の彼女は生き生きしていた……とは言わないが、困ったように顔をしかめる様子は、なんとか生き物に見えた。
 あの恐ろしく深い濃青が開かれれば、生き物になるのだろうか。
 また子は触れた手を握りしめながらじっと寝顔を見つめる。
 けれどいくら見つめても、眠りが深いのか、まったく瞼が開く兆候は見られない。
 触れた時でさえピクリとも反応しなかった様子から、まだとうぶん目覚めないだろうとまた子は溜息を吐いた。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.150 )
日時: 2011/11/07 16:47
名前: なぎこ (ID: 8wbSPhF3)

アニホとミシン様>
こちらではなぎこですぎこぎこ!(「・ω・)「ギーコギーコ

>大変申し訳なく〜
だとすればちゃんと彼方で謝罪をするというのが筋ではありませんでしょうか…
それとこちらは本気で貴方の分を弁えない発言が嫌でこうしてコンタクトを取っている故にマゾヒストだの何だのとふざけられても困ります。
氷のような美少女?それって自分のキャラってことですか?とか思いますし。だってエスペランサさん見てると「氷のような美少女」ですもんね…と

こちらこそ失礼しました(´・ω・`)
沢山の読者やファンを抱える人間として、自分の発言がどんな影響力を持つのかを理解していただけると幸いです。


あっちなみにおらリーフレット君好きですだ!←

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.151 )
日時: 2011/11/07 17:26
名前: くろね子 (ID: kDmOxrMt)  

な、なんだか物騒な雰囲気ですけど・・・お二人ともお知り合いなんですか?

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.152 )
日時: 2011/11/08 16:29
名前: 月羽 ◆/tAwKh9e/w (ID: EcIJT88K)

>>147アニホとミシン様>
いやいや、不安しかありませn((
分かります、楽しいですよね!
初めて小説書いたのが恐らく小3、4ぐらいだったのですがその時に書いていたのがありきたりな恋愛小説でしたw

美玲ぐらいにしか分からない美味しさです←
黒髪美人いいですよね(・ω・´)
九ちゃんとか大好きです!

本当にわずかな希望しかないのですが、頑張ります←
頭も悪いくせして運動神経も悪い私はどうすればいいんですかね((

そうですよね、モデルさんだからですよね!←←
筋肉質な体に密かに憧れていたりしますw
以前腹筋が割れる為には何をすればいいか、みたいな事をやっている番組があったのですが絶対私には無理でした(・ω・`)

アニホとミシン様は頼りがいがありまs((ry
でも美玲は自分でどんどん相手を殴りにいきそうですw

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.153 )
日時: 2011/11/10 13:18
名前: くろね子 (ID: nF4l3yrg)  

上げておきますねー。

リーフレット君ってギャルファッションが似合うと思います←

小説も勉強も頑張って下さい!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.154 )
日時: 2011/11/12 18:58
名前: くろね子 (ID: cTgMt2qy)  

あげます(;_;)
姫姉様たちに会えないのが寂しいよ・・・でもいつまでも待ち続けます!
テストシーズンなので大変だと思いますが、色々がんばって下さい!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.155 )
日時: 2011/11/14 13:09
名前: くろね子 (ID: 60TA9nBF)  

あげますっ!
受験が終わってからでも良いので、更新がんばって下さいね!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.156 )
日時: 2011/11/16 13:14
名前: くろね子 (ID: 8w1jss8J)  

あげますねー。

姫姉様のことは、夢小説史上もっとも美しくもっとも高貴なヒロインだと思ってます!
あげだけだとつまらないので姫姉様へのメッセージを添えてみました(笑)

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.157 )
日時: 2011/11/18 17:16
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: UXNmz4pg)


〜緊急連絡〜

ども、アニホとミシンでございます。

来年で高校一年生、つまるところ今年は中学三年生の私は、ただいま受験生という立場に置かれています。
数ヶ月前までは「まあ、評定も偏差値も足りるしこの高校で良いか」と私立の女子高と公立校を志望していたのです。
しかし先日、校風も制服も私好みの素晴らしい高校を発見してしまい、そこを目指すことにしました。
その高校の偏差値は60後半で、60中盤の私は努力しなければ入れません(60中盤の私が500点満点中430〜450点程度と書けば、大変さをご理解いただけるかと)。
よってもっと勉強に時間を割くために、この小説の更新は一時停止とさせて頂きます。

いつもご愛読して下さっ皆様方、本当に申し訳ありません。
必ず高校に合格して帰ってきますので。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.158 )
日時: 2011/11/20 09:47
名前: くろね子 (ID: K4YD00a4)  

ま、マジですか!?
俺ショックです・・・でも絶対に来年まで待ちますから!
いや、姫姉様たちの為なら十年だって待ちます←

というか偏差値60中盤なんて頭良すぎですよ。
俺の兄貴とか成績悪すぎて定時制高校しか行けませんでしたから(笑)
俺も偏差値、最高33しかありませんしww
定員割れしてるアホ高校しか入れないですww

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.159 )
日時: 2011/11/22 16:05
名前: くろね子 (ID: Heq3a88y)  

あげますっ!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.160 )
日時: 2011/11/24 16:15
名前: くろね子 (ID: 66F22OvM)  

あげますね!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.161 )
日時: 2011/11/27 09:51
名前: くろね子 (ID: 4QeXy8HA)  

上げます!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.162 )
日時: 2011/11/30 22:48
名前: くろね子 (ID: U.Z/uEo.)  

あげますっ!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.163 )
日時: 2011/12/02 18:27
名前: くろね子 (ID: mt9AeZa7)  

上げますね!
姫姉様のお姿を一度で良いから拝見したくて拝見したくて、夢の中にいらして下さらないかと願いましたがやっぱりお姿を現しては下さいませんでした←
毎日この小説を始めから読み直してます!
受験も更新も頑張って下さい!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.164 )
日時: 2011/12/04 16:46
名前: くろね子 (ID: 4QeXy8HA)  

上げますねー。
アニホとミシン様の夢小説じゃないと満足できない体になってしまいました((

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.165 )
日時: 2011/12/05 21:47
名前: くろね子 (ID: Lnsp.uM2)  

あげます!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.166 )
日時: 2011/12/06 00:12
名前: なぎこ (ID: IxNK9TAE)

くろね子様>
前から思っていたのですが、そんなに頻繁に上げずとも大丈夫ではありませんか?
あなたがこの方の作品が大好きだというのも解りますが、この人が運営するサイトでないかぎりこの小説カキコというサイトは他の方々も利用するサイトです。
あんまりにも上げを繰り返してしまうとすぐに他の方の作品が下がってしまうと思うのですが…
それにそう簡単に落ちきったりはしないでしょうし、このままのペースではこの人が帰ってくる前に全部のレスがあなたの上げ行為で埋まってしまうかも知れませんよ?
少しでもいいのでお考え頂けると幸いです。

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.167 )
日時: 2012/01/01 17:53
名前: 美柑 (ID: hMtE.UVn)

初めまして^^陰から激しく応援している美柑です!

いや〜相変わらず素晴らしい文才ですねェ〜。

思わず拝んでしまいましたww

それにしてもエスぺランサ様お美しい……。美人過ぎて羨ましがる事も出来ないっていうw

踏まれT((おっと、失礼w

とにかくこれからも応援していますのいで続きを楽しみにしています!

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.168 )
日時: 2012/07/02 20:19
名前: Libra ◆lNRfl6Ys8o (ID: TLzqUYoL)


…大分お久しぶりです。

…といっても覚えてらっしゃらない可能性のが多いと思います;;

某所で雛ちゃんと呼んで貴方を慕っていたものです。

多分ですが、明日はアニホとミシン様のお誕生日だと思い、明日はPCが開けない可能性があるので、今日書き込みをさせて頂きました。

誕生日、間違ってたら、ほんとにすみません。間違ってる可能性のが高いきが……;;

でも合ってたら嬉しいなと思ってます。心からお祝いします。

Happy Birthday!!雛ちゃん・ω・*