二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン/GO 時空を越えた出会い 更新停止中 ( No.34 )
- 日時: 2011/12/15 17:53
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
- 参照: 歩き疲れたorz
6 化身のレンケイ
得点は0対0で再開された。
円堂から蹴りだされたボールが豪炎寺へと渡り、同じようにボールを華麗に操り、ゴールを目指す。
神童や天馬など数人が豪炎寺の邪魔をしようと入り込むが、彼の勢いは止まる気配を一向に見せない。
先程の動きで、鬼道は大体相手側の動きは把握してある。“化身”というものは厄介ではあるが、それは体力を大幅に削るらしい。たった一発のシュートで、剣城の息がかなり上がっていることから、簡単に理解することができた。予想だが、剣城以外にも化身を使う者は数人紛れ込んでいるだろう。
だが、大きなリスクを伴うため、相手もそう簡単に使うはずがない。一番問題は、誰が化身を使えるか、だ。
「吹雪!先制点を取るぞ!」
「うん!」
ディフェンス陣から、豪炎寺を追うため、走り抜ける。
ボールを持っている豪炎寺に選手が集中しているため、楽々と突破できることはできるのだが、狩屋という少年は、ジッと吹雪を睨みつけていた。
「行かせない!」
「君、結構しぶといんだね」
スッと吹雪の目の前に佇み、彼を豪炎寺の元へと行かせないために、狩屋は動きに合わせて前に進んだり、後ろへ下がったりする。
「ごめんね、通させてもらうよっ!」
隙を見つけた吹雪が、見事のそこをつき、しぶとく付きまとう狩屋を突破した。かのように思われた。
「行かせないって言っただろ!」
フィールドに手をついて、無理やりの方向転換で、吹雪の行く道を遮る。
さすがに吹雪も、狩屋の反射神経には驚かされた。
「そう簡単には行かないみたいだね」
遮られているのに、未だに笑みを崩させないことが、余計に狩屋の腹を立たせた。目つきが一層悪くなり、吹雪を強く睨みつける。
「でも、僕ばかり見てると、抜けられちゃうよ?」
「えっ?」
吹雪の背後から、虎丸が代わりに豪炎寺へと向かっていく。そう、吹雪はあくまでも“囮”であって、シュートを撃つわけではなかったのだ。
「チッ!!」
気付いた時にはもう遅く、虎丸は豪炎寺との接触に成功していた。
「やるぞ、虎丸!」
「はい!」
虎丸の掛け声を聞き、豪炎寺はクルッと身を翻し、周りにいる敵たちの横を通り過ぎる。
ボールを虎丸へ渡すと、彼はたちまちシュートの態勢に入る。
「タイガー!!」
放たれた強いシュートは、豪炎寺へと向かっていく。
「ストーム!!」
豪炎寺が最後に強くボールを上空から叩き落すようにして蹴った。
炎を纏った虎の如く、タイガーストームはゴールへと向かう。
「フェンス・オブ…」
ゴール前の三国が飛び上がり、空中で何回か回転をしてから、両手を下に叩きつけるようにして、決めるはずだったフェンス・オブ・ガイヤが、発動する前に、虎丸と豪炎寺の連携シュートはゴールに突き刺さった。
「ナイス!豪炎寺!虎丸!」
ゴールから声を張り上げる円堂に、片手を振る豪炎寺と、両手を思いっきりブンブンッと振って、虎丸は笑顔で彼の掛け声に応えた。
「さすがだな…」
「三国先輩!大丈夫ですか?」
シュートが決まれば、すぐに三国の元へと集まる天馬たち。幸い、彼には怪我はなかったようで、その場にいる全員がほっとため息を吐いた。
「大丈夫かぁ〜」
「はい、問題ありません!試合を続けましょう!!」
「よし!」
円堂は再び気合いを入れ直すようにして、手を強く叩いた。
「吹雪!上がれ!!」
鬼道の指示に従い、吹雪が駆け上がっていく。今度は、不意打ちではなさそうだが、そのスピードは、追いつけるようなものではなかった。すぐに、一人、また一人と抜かされ、気が付いた頃には、もうディフェンスの方までにいた。
「行かせないど!!」
吹雪の2、3倍くらいもある大きな体が、目の前に立ちはだかる。
天城は、地面に片手を思いっきり叩きつけた。
「ビバ!万里の長城!」
「すごいね、でも…」
シュッと身を翻して、吹雪は天に上るくらいに高い壁を、軽々と飛び越えてみせた。
「吹雪の奴、前より相当腕が上がってるな」
「あぁ!白恋中も、頑張ってるみたいだしな」
吹雪のあがったレベルには、味方でさえも驚いていた。
風丸がつぶやくようにしていうと、円堂は相づちをうつようにして応えた。
- Re: イナズマイレブン/GO 時空を越えた出会い 更新停止中 ( No.35 )
- 日時: 2011/12/15 17:53
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
- 参照: 歩き疲れたorz
(白恋中の吹雪士郎さん……イナズマジャパンのFWとDFを務めて、円堂監督の親友…やっぱりすごいや!)
内心で、あこがれのイナズマジャパンのプレーをまじかに見ることができて、興奮するどころではなかった。
円堂も、鬼道も、吹雪も、全員が生き生きとしている。
「天馬!止めろ!!」
「はい!」
神童の指示に従って、天馬が駆け上がった。向かう先は、もちろんフィールドを華麗に駆け巡る吹雪。
足を伸ばして、ボールを奪おうとするが、やはり、相手の綺麗なさばきで、軽々と避けられてしまう。
————抜かれたッ!!!
そう思った時だった。
背後から、剣城がスライディングで、見事にボールを奪ってみせた。
「うわっ」
「今度こそ、決めてやる…」
小さく呟くと、剣城は円堂に向かって走って行く。
しかし、前には鬼道や風丸といった強力なプレイヤーが立ちはだかっている。
「チッ…」
「剣城!こっちだ!!」
斜め前方には、神童が手を振って、剣城を叫んでいた。
目の前には、数人も固まっている。このまま突っ込めば、取られることは間違いない。
バンッとボールを無言でうち、神童へと大きなパスを渡す。
「よし!行きます!!円堂さん!」
気を集中させて、力を体の底から呼び起こす。
巨大な影が背中から現れる。今度は、指揮者のようだった。四本の腕に、手にタクトをもち、水色の長い髪をした化身だ。
「“奏者マエストロ”」
直後にボールを力いっぱい神童は、蹴り飛ばした。
「ハーモニクス!!!」
「ゴットキャッチ!!」
化身シュートが、円堂の背後の出現した巨大な魔人に動きを抑えられるが、威力によって、ボールは跳ね返り、反対側にいた剣城が見事にそれを受け止める。
「ロストエンジェル!!」
いつの間にか出現していた、剣城の化身が、彼のシュートをより強く吹き飛ばす。
神童のシュートに反応していたため、それに対応しきれない円堂は、易々とゴールを許してしまった。
「よしっ」
「ははっ、化身っていう奴、すげぇな!」
相手側にゴールが入ったのにもかかわらず、円堂はニッと笑って、消えていく化身を見つめた。
「円堂、化身は強力だ。気をつけろ!」
「分かってるって!」
「剣城!すごいよ!入ったね!!」
「……」
天馬の掛け声などに応えず、剣城は去ってしまうが、その代わりに天馬と信助がともに喜び合っていた。
「キャプテンもすごかったね!」
「うん!俺も頑張らなくちゃ…吹雪さんを止められなかったし…」
「天馬、信助!配置につけ!」
「「はい!」」
元気な声で、天馬と信助は返事をした。