二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン/GO 時空を越えた出会い 更新再開 ( No.37 )
- 日時: 2011/12/19 20:31
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
- 参照: 冬休み〜
7 十年後のジブン
「どんどん攻めていくぞ!!」
「「「おう!!」」」
一点は入れた。このたったの一点は、そう簡単に取れるものではなかった。相手はイナズマジャパンだ。いくら化身がいるからと言って、少しでも気を抜けば負けてしまう。
それに、頼みの綱である、神童や剣城は、化身を使って、体力を相当消費している。ほかの人に比べて、二人の息はものすごく上がっていた。
「天馬、次はお前が攻めろ。魔人ペガサスで行けるか?」
「はい、任せてください!!」
天馬の肩を軽く叩いて、神童は持ち場に戻る。
自分たちのコーチでもある、十年前の鬼道有人を睨みつけた。やはり、その凛々しい雰囲気は、今とちっとも変っていない。
(落ち着け……たとえイナズマジャパンであっても、欠点はあるはずだ。完璧なチームなんてない)
「よし、やるぞ!!!」
次は吹雪と豪炎寺が二人で走って行く。
やはり、最初は抜かされてしまう、だが———
(動きはもう、見切った!!)
「天馬!霧野!!」
両手を広げて、後ろの二人に指示を出す。黄色の軌道がそれに沿って現れ、二人も指示に従って、行動を始める。
「吹雪!」
前にいる天馬を避けるため、豪炎寺はボールを吹雪へとパスをした。
「今だ!狩屋!!」
豪炎寺と吹雪の二人の間にできたわずかな距離に、狩屋が飛び込み、みごとにボールを奪い取った。
「司令塔か……上等だ。吹雪、豪炎寺!そのまま走れ!!」
後ろなど、一切振り向かずに、二人は走り続ける。
今は狩屋の元にボールがある。何度か彼のプレーを見たが、あの瞬発力はすごい。そして、その力を発揮することのできる体の動き……まずは、それを攻略しなければ、話にならない。
「DFで止めれば、ゴールががら空き…化身を使われたら、危ないな…」
「俺が行きます!鬼道さん!」
虎丸が声をかけると、コクンと鬼道は頷いて、彼に任せた。
「チッ、まだいるのかよ…」
「十年後からきて、キャプテンに教えてもらっているからって、俺たちが負ける訳ない!!」
地面を滑るようにして、狩屋が操っているボールを狙って、スライディングをした。
周りはすでに数人イナズマジャパンのメンバーが包囲しており、パスは出せない。神童も指示を出すのに、困っているようだ。
ならば—————跳んでやる!!
「ッ!!」
「なっ、ジャンプ!?」
狩屋は地面に手をついて、ばね代わりにして、ジャンプをして、見事に虎丸からの攻撃を躱した。
「すごいよ、狩屋!!」
「よし、追加点行くぞ!天馬!!」
狩屋の行動で道が開き、後ろから天馬が風の如く駆け上がる。
神童の指揮に従って、狩屋はボールを天馬へと渡す。
「次は、俺が相手だ」
走る天馬の前に、鬼道が遮る。周りには見方はいないことを確認すると、天馬ははしるスピードを上げた。たちまち、体に微風が纏う。
「そよかぜステップ!!」
綺麗なターンで、鬼道とその後ろにいる壁山を躱し、天馬は走り続けた。
「まずいッ、円堂!!」
ここで天馬を上げたということは、彼が円堂に対抗できる必殺技を持っている、と考えた方がいいだろう。だとすれば、彼は恐らく化身が使える。
「はぁ……魔人ペガサス!!」
今度は雄叫びと共に、赤い羽の生えた白い化身。盛り上がった筋肉には、黄色いリングがはめられ、魔神を思わせた。
「化身ってなんでもありかよ!!」
染岡が言いながら、円堂の元へ加勢しようとするが、距離があまりにも遠すぎる。このままでは、必殺技の発動までには間に合わない。
「天馬、シュートだ!!」
そのまま、天馬はボールを強く蹴り飛ばした。そのシュートは、地面を巻き込むようにして、ガンガンと円堂に向かっていく。
「ゴットキャッチ!!」
同じ技で対抗しようと、円堂は両手を前に突き出し、体制を整える。
バンッと音を立てて、円堂はすぐに天馬のシュートを受け止めた。
「技の威力が上がっている!?」
遠くから見ていた霧野でさえ、それに気が付いていた。神童も小さく頷いて、円堂を睨みつける。
「よし!豪炎寺、吹雪!!」
ボールを落として、地面に接触する寸前に、円堂はボールを蹴り飛ばす。
ボールはきれいな弧を上空で描きながら、吹雪のところへと放たれた。
シュートを直接打とうと考えていたが、それを読まれていたのか、吹雪の前にはすでに二人配置されていた。
ばれないように、隣を見ると、いいことに豪炎寺の方は誰にもマークされていない。
「後は頼んだ!豪炎寺くん!!」
- Re: イナズマイレブン/GO 時空を越えた出会い 更新再開 ( No.38 )
- 日時: 2011/12/19 20:32
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
- 参照: 冬休み〜
無言でそれを受け止めて、豪炎寺は走り続けた。
虎丸との連携で、何とか一点を決めたものの、今は近くに誰もいない。だったら、豪炎寺が一人でシュートを打ちこむ。
「爆熱スクリュー!!」
回転するようにして跳びあがり、炎に包まれながら、シュートを放った。
例え連携技でなくとも、彼のシュートはとても強力だ。イナズマジャパンの炎のエースストライカーだ。気など抜ける訳がない。
「フェンス…」
三国がシュートを受け止めるべく、跳びあがろうとした時だった。
突如、天馬たちが現われたときと同じように、暴風が起こった。
「ま、またかよ!?」
両腕で風を遮るようにして、円堂は暴風の中を見つめた。そこには、かすかだが、人影がうっすらと見えていた。小さな影が三つに比較的に大きいのが二つある。
暴風は、またしても数秒でおさまった。中学生のような少女が三人に、どこか見覚えのある人が二人、その場に立ち尽くしていた。
しかし、そこにさっき豪炎寺が打ちこんだ、シュートが襲い掛かった。
「危ない!!」
「キャッ!!」
三人のうちの青い髪の少女が小さく声を上げた。当たると思い、目を瞑って身をかがめた。
それをみてすぐに反応した一人の男の人が、バンッとボールを受け止めた。それも、片手で軽々しく。
「……このシュート……豪炎寺?」
「葵!!それに、円堂監督に音無先生!!」
よくよく見ると、青年が受け止めていた。しかし、ハッと何かに気が付いたのか、振り向いて、地面にペタンと座り込んだ少女を、優しく引き上げた。
「大丈夫か?」
「は、はい…ありがとうございます」
「監督!どうしてここに!?」
「あれ?天馬じゃないか!探したんだぞ?どこにいたんだ?」
天馬が目に入って、青年はあたりを見渡してみる。が、向こう側の円堂や鬼道たちが目に入った瞬間、突然動きが止まった。
「なぁ、これって、夢?」
「……あっ、そうなんです!監督、先生!ここ、十年前の雷門中なんです!」
「はぁ?」
天馬の言葉を聞いて、理解するまでに数秒かかったが、また円堂達を見つめると、隣にいた女の人の肩を叩いた。
「あれって、鬼道…だよな?」
「は、はい…それに豪炎寺さんも、吹雪さんも…それに、円堂さんもいます」
「ってことは、やっぱり…」
天馬に視線を移すと、彼はコクンと平然とした顔でうなずいた。というよりも、何やら楽しそうで、この状況をとても喜んでいるように見えた。
「「十年前の世界!?」」