二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 きみと夏まつり/黄瀬 ( No.27 )
日時: 2012/07/22 17:43
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照:  赤司様まじ赤司様





 今日は鳴り響く蝉の声が一段と五月蝿い。イカ焼き屋の主人が此処で屋台を出してから随分の時間が立った。それは、夕焼け色だった空はとうに沈み、星がちらつく夜空になった事で人目で分かる。

 夏の熱さまっ盛りの夜、屋台と聞けばまず思い浮かぶのがあのイベントだろう。

 主人はその夏祭りの屋台の一つ「イカ焼き」という看板を掲げて頑張っていた。とは言っても横にあの屋台の王道「かき氷」を構えられては「イカ焼き」に勝ち目はない。所詮ジジイが食べる料理だ。
 主人は横のかき氷の客の出入りを恨めしそうに見て数分。

 イカ焼き好きな少年も何人かは居たらしく。


「おじさん。イカ焼き一つ下さい」

「・・・へい。300円ね」

「は?高くね?100円で良いんだよ詐欺か」

「お前が詐欺なのだよ青峰」


 まあ、これがイカ焼き屋に対する宿命か。おじさんはなら200円で良いからとため息を付いて看板を「イカ焼き特大サイズ300円!」から「イカ焼き特大サイズ200円!」へと書き直したのだった。


「あれ、あの娘」


 そして、主人は屋台の直ぐ傍で妙に辺りを見回す少女を見かけた。

 黒い生地に金や蒼の蝶が美しく舞い、終いには綺麗な赤色の帯。絹の様な滑らかな髪は高い位置で編み込んであり、睫毛はとても長くくるんとカールしている。主人が彼女に抱いた第一印象は「とにかく別嬪さん」であった。
 だがそんなベッピンさんは一際輝くこのお祭り現場で妙に辺りを見回していた。彼氏だろうか。そりゃまああんな可愛娘ちゃん、彼氏が居ないはずがない。
 そしてその疑問は確信に変わった。彼女はそわそわしながら小まめに鏡を取り出し髪型を確認したり、時には主人の目も眩むような笑顔を見せた少女。伊達に今までの57年間生きてきた訳じゃない。瞳を閉じ、相手の事を考えては頬を赤くする。早く来ないかなあ、不意にそう呟いた時には主人の疑問が確信に変わっていた。

 彼女は恋人と待ち合わせをしているに違いない。


 認めたく無いが丁度客の出入りが少ないこのイカ焼き。仕方がないから彼女を見守ってやる事にした。そ、そう!変な奴らとかに絡まれちゃ危ないからな!決して客来ないから寂しいって訳じゃないからな。



←|→

  きみと夏まつり/黄瀬 ( No.28 )
日時: 2012/07/22 17:44
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照:  赤司様まじ赤司様

 だがそれから薄々と彼女の異変に気が付いて来ていた。彼女が恋人を待ち続けてから早50分が過ぎている。相変わらず客の出入りは全く無いが、主人は彼女の事で頭がいっぱいだった。
 ———遅すぎる。、どう考えても遅すぎる。他人の恋路に首を突っ込む気は無いが、それとこれとはどうも違った。


「52、分か、」


 すると今度は彼女の方に異変があった。


「あ、赤司君」

「やあ、サクラ。黄瀬はまだ来ないのかい?」

「・・・うん。仕事が長引いちゃってるみたい。仕方無いよ、黄瀬君頑張り屋だもん」


 そうへらっと笑う彼女に主人は「て、天使」と呟いたのを、彼女と赤司と呼ばれた赤色は知らない。
 そして主人には聞き捨てならない言葉が一つあった。「仕事」である。相手は社会人なのか?でも明らかに同年代であろう赤髪や彼女に呼び捨てだったり君付けにされる社会人が居て良いのか。
 主人はどうもこうも言えない複雑な心境で彼等を見つめていた。


「そう言えば、テツヤ達知らない?ちょっと矧ぐれちゃってさ」

「あーテツヤ君達ならさっき見かけたけど。・・・ほら、其処の屋台で。イカ焼き買ってた」

「え?」


 天使である彼女が此方を指差して来た。まさかの展開である。
 赤司と呼ばれた赤髪は少し考えた後「サクラ、おいで」と手を差し伸べた。彼が甚平を来ている為か、傍から見れば恋人だ。お似合いである。

 もうあんな彼女待たせる奴なんか辞めてこの男と付き合えば良いのに。主人は此方に歩いてくる二人を見て思う。


「イカ焼きか・・・。おじさん、りんご飴をくれないか」

「 な ん だ と 」

「無いのかい?」

「ごめんな、ウチはイカ焼き専門なんだ」

「え?何だって?」

「イカ焼き買うなら幾らでもあg」

「え?」

「ストップ!赤司君堪えて!」


 「何おじさん自殺願望あるのかい?折角だから俺も手伝ってあげるよ」何やら瞳をかっ開いてぶつぶつぶつと喋る目の前の少年に鳥肌が立った。
 な、何なんだ。俺が一体何をしたって言うんだ。というか怖すぎる。

 そんな少年を横に只管謝り続ける彼女が只管天使に見えて仕方が無かった。このお祭りに来ているどんな女子よりも輝いて見える。
 主人はもう神にでも拝む様な心行きで少年と少女に一つずつイカ焼きをプレゼントした。


「どうせ残るものなんだ。貰ってやってくれ」


 もう彼女が恋人を待ち続けて1時間15分が経過していた。
 どう考えても遅すぎるだろう。彼女の変わりに、その黄瀬とやらにガツンと一発言ってやろうか。主人は先程の赤髪の事やらその前の妙にカラフル頭な奴らの事やらでイライラし、その怒りも彼にぶつけてやろうと拳を震わせる。


「ごめんサクラ。君の為にりんご飴を買ってあげようと思ったのに」

「・・・! い、否、良いよ赤司君」

「じゃあ俺はもう行くね。あの馬鹿達は俺の事も忘れて楽しんでるらしいから。早く行ってあげないと」

「うん。有難う赤司君」


 じゃあね。そう言って赤髪と別れた彼女はまた数十分前に戻り、そわそわしながら小まめに鏡を取り出し髪型を確認したり、恋人の事を考えては早く来ないかなと頬を赤くする。
 そうやってまた数十分が経った。そしてやっと、彼女と主人が望んた瞬間が現れる。


「黄瀬君!」


 「サクラっちー!」そうやって翔けてくる少年の姿に、彼女はぱあっと顔を輝かせ、今まで見た事もない笑顔で「黄瀬君」と名前を呼ぶ。
 そんなに恋人と会えて嬉しいのかい。あんなに待たされたのに。主人は彼を見た時の彼女の変わり様にもう酷く落胆さえしていた。会えただけで嬉しい、私は彼を心から愛している。その気持ちが身体全体から、表情から伝わって来て遅れてやって来た恋人をガツンとやってやろうという気も失せた。

 だが諦めが悪いのが此処の主人の意地。イカ焼き魂である。
 せめてもの抵抗に、一体どんな奴なのかと面を一度拝見しておこうと恋人の男の方を見た瞬間、主人の心は粉砕されてしまった。


「う、麗しい」


 夜空に輝く綺麗な金髪、長い睫毛に切れ長の瞳。顔つきはとても端正でため息が出てしまう程。背も高く、スラっと伸びた四股に付いた無駄の無い筋肉は、彼が運動も出来ると言う事を物語っていた。それに、これ程までにセンスの良い甚平は着崩され、彼女を見るなり此方も嬉しそうに素敵スマイルを振り撒いていた。

 まさかこれ程までのイケメンが居て良いのだろうか。天使な彼女と釣り合っている。もはや二人を見る度にお似合い過ぎてため息も出なくなった。


「サクラっちー!うわあサクラっちだ!心の癒しッス!」

「ちょ、ちょっと黄瀬君。恥ずかしいよ」


 そして何て馬鹿な彼氏なのだろうか。ヤケにオーバーリアクションである。最初は明らかに他の女と遊んでたなと思ったが、純粋なその笑顔を見れば、彼が余程計算高く無い限りその疑問は外れていた。
 何故なら会ってまず抱きつく。そして触れるだけのキス。一体なんなんだこの彼氏は。彼女は人前で恥ずかしいのか固まって微動だにしない。


「ごめんッス。遅くなって、待たせちゃって」

「ううん、平気。忙しいんだから気にしないで」

「でも俺心配してたんすよ。サクラっち可愛いから変なのに絡まれて無いかとか。撮影集中出来なくて長引いちゃったんすけど」

「え、それはダメだよ。今人気のモデルさんなんだから。ビシっとしなきゃビシッと!」

「本当にごめん」

「だから良いの。黄瀬君の為なら一日中待ってられるよ私。黄瀬君頑張ってるから」

「もう、サクラっちのそういうとこ惚れるッスー!」


 手を取り合って屋台から離れていく彼等に自然と笑みが溢れる。これが世の言うバカップルという奴か。
 少女も嬉しそうな事だし、この件は落着として良いだろう。

 煌びやかな明かりが漏れるこの空間で、何よりも輝いて見えたあの浴衣。あの恋人達はデレデレと緩みきった笑みを浮かべて人混みの中に消えてった。


「頑張れよ、青春小僧」








「あー黒子っち達—!来てたんす———ぐはっ!」

「てめえ遅えんだよ黄瀬ッ!」

「黄瀬君彼女待たせるなんて最低ですね」

「黄瀬ちん最っ低ー」

「こらこら、涼太を余り苛めるな」

「赤司、お前が一番楽しそうなのだよ」

「皆来てたんだ!甚平似合ってるよー!」






「・・・・・・・・・・・、アイツ等グルだったのか」




@/煌めく世界ときみ

240713
お題一つ消化しました。
何か訳の解らん変なおっさんが主人公みたいになってしまいましたけど^^;




 きみと夏まつり/赤司 ( No.29 )
日時: 2012/07/22 17:45
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照:  赤司様まじ赤司様



 深い夜空に瞬く間に輝く提灯の明かり。屋台の光が漏れている。
 夏祭りと言えば恋人と行くか、友人と行くか。屋台巡りや花火などの数々のイベントが待っている夏の醍醐味である。


「うっわー。凄い人混み」

「サクラ、離れるなよ」


 大人しめの色の浴衣に赤髪が映える。全く、眩しい位鮮やかな赤髪だ。
 右目が赤色、左目が橙色の綺麗な瞳の全部が私を映してくれていると思うと凄く嬉しくて。ふふっと笑みを零すと赤司は調子に乗って疚しい事を次々としでかすから下手に期待させると止まらない。勿論、その場が此処の様に公然だとしてもだ。


「離れないから。この年で迷子になんかならないよ」

「ふふっ、どうかな」

「ちょっと、どう言う意味?」


 ムスっと頬を膨らませて見せるとあろう事か目の前の赤司様は「可愛くないよ」と言い蔑むような目で此方を見て来た。はっ、其れが愛する彼女への態度かよ。世の中の彼氏持ち女が泣くぜ。
 というか、恋人なんだからもう少し「可愛い」の一つ位は行って欲しいものだ。

 自慢では無いが、付き合って一年半になる私達だが、赤司から可愛いという言葉を聞いた事は一度も無かった。「好きだよ」やら「愛してる」などの胡散臭い文句なら小馬鹿にしら様な態度で何回も聞いた。
 別にお世辞でも可愛いとは言えないと思わせる位ブスでもないと思うぞ私は。

 でもそんな所全て好きで愛してて、赤司の全てに溺れたいと思っている私は余程の変わり者なのだろう。
 「赤司様の言う事はゼッターイ」良く誰かがそう叫んで居た気がする。最もである。常にハサミを持ち歩いているらしく、この間黄瀬と青峰に切りかかっている所を目撃した。因みにその際黄瀬達に助けを求められたが、裏切って逃げた。

 だけどでも、やっぱり赤司は大好きで、たまに見せる優しい所とか、形はどうであれ私を精一杯の愛で愛してくれている所とか、バスケになるとキャプテン、司令塔として皆を引っ張るリーダー的な所とか。全て全部丸ごと大好きなのである。


「サクラ、今日浴衣可愛いな。似合ってる」

「え」


 び、びびったのだよ。行き成り何なんだこのコマシ男。確実に態ととしか思えない。畜生、狙ってやがったなあいつ。
 急に言われて太刀打ち出来る程人間なって無いんだよ私は。赤司みたいに頭の回転も早くなければ冷静に物事を考える能力なんてない。

 顔は紅潮し、突然の可愛い発言に口をパクパクさせる。まさか此処まで早く求めていた言葉が聞けるとは思わなかった。レア度急降下。


「あ、あかしっ、さま」

「ん、何だい?」

「そ、そそそんな急に、ゴ・・・ゴリラ!」

「ぶち犯すよ」

「すみませんでした」


 赤司の考えている事が良く分からない。ってか下ネタかよ。くすくす笑いを堪えている赤司が、そんな赤司までもが何故か愛おしくて。ああやっぱり笑うって良いなあ。どんな形であれ。

 そして急に立ち止まった赤司に吃驚して、反射的に立ち止まる。

 そのまま此方を向いて直ぐに私の手を握り歩き出した。赤司の大きな手に、私の手がすっぽりと包まれる。あったかい、
 手も温かいが、私の顔を温かかった。更に顔は紅潮し、平然と歩く赤司を涙目で睨む。が、赤司は前を向いている為気が付いてくれない。こん畜生!
 それは夢を見てるみたいで、


「やっぱり今日のサクラ可愛いから。変な奴らに絡まれない様に、ちゃんと俺のって証」

「ちょ、皆見てるから!」

「恋人が堂々と手を繋いで何が悪いのさ。それにサクラ方向音痴だから、逸れない様に。」


 「こうしたら、絶対逸れないだろう?」と片目だけ此方に向けて言って来た赤司にもう色々と爆発しそうだった。




「じゃあ今日は、最後までたっぷり楽しもうか」




@/はぐれない方法


240715
お題二つ目消化。赤司様まじ赤司様。
赤司かっこいいですよね。超好きです黄瀬君と同じくらい好きです。いや、黄瀬君の次かな?


Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.30 )
日時: 2012/07/22 18:17
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照:  赤司様まじ赤司様

04.




「・・・女の子?」

「はい。」


 あれ、女子って事はマネージャー希望?ん?でもさっき選手って言ってなかったっけ。空耳?———動揺を隠せないリコは、目の前の少女が平然と立っているのに妙に違和感を感じた。
 空耳だと思うが、でも自分の耳に狂いは無いはず。彼女は先程選手兼マネージャーと言った。どういう事だろうか、訳の分からないままOKを出すのもいけない。そう感じ取ったリコは、もう一度サクラに聞いてみることにした。


「えっと、マネージャー希望?・・・選手、なの?」

「両方です」

「ウチは新設校だから、バスケ部は男女で別れてはいないけど選手は皆男子だよ?」

「知ってます。・・・大丈夫です、中学時代もそうでした」

「中学?」

「帝光バスケットボール部一軍に所属していた白李です。白李サクラ」


 “白李”。その名前に何処か聞き覚えのあった。それに帝光バスケ部と言えばあの言わずと知れた超強豪校ではないか。リコは更なる動揺の波に打ち拉がれる。
 まずどう考えたってバスケが強いという女子の体付きでは無い。だがどうしてだろう。リコは人目で相手の能力・状態を見極める能力を持っているはずなのに、サクラに其の能力を使っても視えなかった。“何も”視えなかったのだ。ステータスから全て。モザイクが掛かったかの様に、どう目を凝らしても分からない。

 ごくり、リコはサクラを見上げると頭の筋に一本の線が通った。思い出した、もしかすると彼女はキセキの世代では無いだろうか。
 こういう噂を何度か聞いた覚えがある。“帝光に女子で在りながら男子と同等以上にプレーをし、その優れたゲームメイクやバスケセンスでレギュラー入りを果たした唯一女子でのキセキの世代が居る”。
 その際はまさか女子が、と只の噂としてしか気にしなかったが。まさか実在するとは。だが噂では有名だし、女子でキセキの世代だと言われる程の強さならもう少し強豪校に行くはず。

 黒子と言いサクラと言い、キセキの世代とは謎に満ち溢れたものだ。リコはサクラをじとりと見ながら思った。


「よし、仮入部を認めましょう。だけど、幾つか質問があるわ」

「・・・はい」

「何故もう少し早く入部届けを提出しなかったの?」

「あー、其れはえっと。私最初はバスケ諦めてたんですよね。もうバスケはしないって決めてて。だから他の高校からスカウトの話が来ても断ってて。」

「だから、誠凛に来たって?」

「最初はそのつもりでした。此処でバスケとはもう無縁に生きていこうって」

「ん?でも、ならどうして?」

「多分、あの人達の御蔭だと思いますよ。朝礼、見たんで。あれで心揺れ動いたって言うか。ははっ、バスケはしないって決めてたのに、まさかこんな簡単に動かされるとは思ってなかったです」


 其処まで聞いて、リコはサクラの瞳を見た。・・・嘘は言っていない。この目は筋金入りのバスケ馬鹿の目だ。
 サクラは、常にリコに視点を合わせながらも何処か隅でボールを奪い合う彼等を見ていたからだ。


「じゃあ、これから宜しく!」

「はいっ。リコ先輩!」

「へへっ、監督でも良いよ」



230716
急激な心変わり白李さん。


  花色彼女*  02. ( No.31 )
日時: 2012/07/24 18:39
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: 今まで黙っててごめん。実は俺、赤司様のハサミだったんだ(バッ

02.




 時遡る事、桜の季節。

 校則が厳しかった所為で十分にアレンジされていなかったダサいセーラー服をハンガーに掛け、隣の落ち着いた色のブレザーを手にとった。
 そのまま腕を通すと真新しい制服の匂いが鼻を霞める。ああそうだ、中学に入学する時もこんな匂いでこんな気持ちがしてたな。

 今日は、待ちに待った海常高校の入学式である。高校では数々の青春をしたいと思う。中学時叶わなかった彼氏を持ち、部活に入って勉強も頑張って。遊ぶ時は遊びまくって。そんな生活を頭に浮かべ、不意ににやけてしまう。


「おっと。こんな緩みきった頬じゃダメだ」


 ぺちぺちと頬を叩き、改めてこれから待ち受ける素晴らしい青春ライフに胸を膨らませた。膨らませる胸なんて無いけど!

 待ってろよ海常高校!薔薇色の高校ライフを期待して、準備が整った私は家を出たのだった。



「行ってきまーす!」





 ×





 元々其処まで頭が良くなかった私は、滑り止めで海常に入学した。受験では完璧に落ちて居た私は、内申点が良かったせいでギリギリ入学できた。真面目に頑張ってきたあの3年間は、無駄ではなかったようだ。

 期待に胸を躍らせて居ると、あっという間に正門の前に立っていた。横を通って行く他の生徒が邪魔そうに此方を見て通って行く。あ、御免なさい邪魔ですか。

 海常高校の校門を通って足を進めると直ぐ、周りに異変が起き始めた。何やら先を行っていた女子生徒やら男子生徒やらが挙って私の方を見てこそこそと話している。え、何!?そして更に、よく見ると女子には顔を赤らめるものもおり、男子は皆して此方を見て「おー!」と感心の色を帯びていた。
 え、私か!?私なんかしたか!?そ、そうかもしかして私この高校の中でアイドルだったりして!?え、見た目も中身も冴えないこの私が!?でも現実は私が思っているのと全然違うのだよ。これはまさかの私に向ける憧れの羨望なのではないだろうか・・・!

 だが此処で私が真顔スルーすれば株も下がる。此処は笑顔で挨拶、手を振って、最低限でもお淑やかに・・・。


「み、皆さんごきげんよう。おほほほほ」


 見事にスルーされてしまった。近くに居た、此方を見ていたであろう女子達が、一瞬だけ私を見てまた視線を戻す。こ、こいつら今の見なかった事にしたな・・・!
 くっそう。だが視線は今でも私だ。先程と変わらない眼差し。

 ああ、先程のは聞こえていなかったのか!

 それなら納得行ける。私は改めて挨拶しようと足を止めた。髪を耳にかけ、お嬢様な笑顔でもう一度、にこりと笑う。


「ごきげんよう、皆様。き、今日は清々しい朝ですわね!」


「———やっぱ見てよ。あれ黄瀬君じゃん!モデルのー!」

「やっぱ本当!?あああ近くで見るとますますイケメン!」

「あああ今直ぐこの腕で抱きしめたいっ!ああっ、なんて恰好良いの!抱いてー!」


 此処はツッコミ所が多すぎてツッコミが追いつかない!
 黄瀬君っ?誰だよwプリ●ュアかっての。私今回も見事にスルーされたよね!もう荒ぶってしまってどうしようもないわ。どうしましょう。

 そう言えば私、かなり恥ずかしくないか?こんな私を惨めな気持ちにしたのは何処のどいつだと言う事と、周りが余り噂するからの好奇心で、反射的に振り向いて言葉を失った。
 輝ける綺麗な金髪の絹髪、長い睫毛に切れ長の瞳。顔つきはとても端正でため息が出てしまう程。背も高く、スラっと伸びた四股に付いた無駄の無い筋肉は、彼が運動も出来ると言う事を物語っていた。

 私は今まで生きてきた中の15年間、これ程までのイケメンを見た事がない。そう言えば女子達はモデルと言っていた。そうか、背も高いし彼はモデルをやっているのか。
 今は何というか、自分が惨めな気持ちになった事などどうでも良く、只彼と同じ世代に生まれて来れた事が凄く誇りに思えた。



 ×



 一目惚れ、とでも言うのだろうか。今までに恋は何度もして来たが周りに顔が良い子がわんさか居た中学では彼氏を持つ事など叶わなかった。


「はあー。黄瀬君恰好良いー」

「そうだね。ほら、今月号の黄瀬君の載ってる雑誌。」

「う、うわああああ、ま、眩しい!」


 そして運が良い事に同じクラスだと言う事が分かった。私は飛び上がる様な気持ちで同中で仲が良かった友達と盛り上がる。
 だがその舞い上がりもその場だけで終わった。クラスに入った瞬間、黄瀬君は忽ち生徒に囲まれ人気者となった。モデルの他にバスケが上手い黄瀬君は「キセキの世代」の一人と呼ばれているらしく、クラスの男子からも羨望の声が聞こえる。

 私はあの輪に入って行く勇気も無く、少し離れた自分の席から友達と黄瀬君を眺めているだけ。ちゅーちゅーと苺牛乳を飲みながら笑顔を振り向く黄瀬君は本当に天使だと思う。可愛い、恰好良い、本当王子様。



 ×



 だが私の恋は、一目惚れして一週間足らずで粉砕した。

 要は失恋だ。私達の王子様であった黄瀬君は、同じ学年の女子と登下校をしているのを目撃してしまった。
 しかも相手は、同じ学年でも美人で有名なお姫様。違う雰囲気を醸し出す、えっと・・・、篠原さん、だっけ・・・?
 違うクラスだがその美貌は留まる事を知らない様で、人目見た時同性の私でもトキめいてしまった。黄瀬君のブロンドに似た金茶髪のふわふわした絹髪。睫毛は長く瞳が綺麗な桃色。とても可愛かった。それはもうお姫様と言われる程に。

 特に相手が黄瀬君みたいな王子様だから、傍から見ればおとぎ話でも聞いているんじゃないかと言う程の美男美女カップルだった。
 私みたいな平凡少女が入る隙間なんて、一ミリも無かった。




02:{ メリルローズは太陽色のキャラメルでお別れ }/白李



240724
何かサクラの過去編になってしまった。
過去編は次回まで続きます。あああ高尾連載書きたいー。

  花色彼女*  03. ( No.32 )
日時: 2012/07/26 18:07
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: 今まで黙っててごめん。実は俺、赤司様のハサミだったんだ(バッ

03.




 今まで失恋した事なんて何回もあった。その度にもうその恋に終止符を打って、落ち込んで、新しい恋を探して、新しい恋に巡り合って。
 だが今回はちょっとばかり違った。私はまだ黄瀬君の事が好きだったからだ。何度も何度も自分に言い聞かせて忘れようとした。だが私の頭の中はまだ黄瀬君でいっぱいで。
 これがファンとしての心なのか。否、それは違う。ちょっと違うんだ。要するにまだ諦めきれない。こうなればまだこの恋は終わらない、彼の事が好きで好きで堪らないんだ。

 けど現実がそんなに甘くない事なんて分かっていた。




03:{ 午前二時、まさかのハンナ、ミルクティーは雪色 }




「あああ、もう君等しか居ないんだよー。あんなお姫様見せられたら勝ち目なんて無いよー」


 私には毎日欠かさずしている日課がある。

 朝と放課後、ベランダや教室に植えてある花に水や肥料をあげて世話をする事だ。元々先生が買ってきた花や、ベランダに授業などで育てていた花達。
 だが買ってくるは良いが、誰一人、先生だって忙しいからと花の世話をする人なんて居ない。それに気づいたのは入学して直ぐだった。丁度、黄瀬君が付き合いだした頃だろうか。
 元々花は好きだったし、世話をする事も大好きだ。話し掛けても答えは帰ってこないが愚痴でも恋バナでも世間話でも話すとスッキリしたから日課になっていった。(だが傍から見れば独り言に聞こえて怖いのが難点)


「あっ、黄瀬君。・・・・・と、篠原さん、」


 今日も何時もの様に放課後花に水をやっていた。

 すると夕日に輝く一際明るい金髪を見つけ、其れが直ぐに黄瀬君だと分かった。こういう所、恋する女は凄いと思う。
 だがその横に居る金茶髪の女の子を見て愕然とする。二人は学校だと言うのに、外の花壇に腰掛けて手を繋いで居た。
 彼等は私とは逆の方向を向いている為、私の存在には気付いていないようだが。何やら楽しそうな声も聞こえてきて、自分の恋している相手なのに二人を見るとウットリして来るまで重症化していた。

 少し悪趣味だが、2階から二人の様子を眺めている事にした。


「はぁ、やっぱりお似合いだ。あの二人。悔しいけどな!ねえ私の花達!」


 ぼーっと小さいジョウロを片手に頬杖を付く。夕日が眩しくて、より一層彼等の雰囲気が輝いて見えた。途端に虚しくなる。だけど見ていたいと言うよりか、黄瀬君を見ていたいと言う恋心が発達して、虚しい気持ちも退いて見ていた。

 だがどうしても篠原さんの方に目がいってしまう。

 美少女、どんな可愛くても黄瀬君の彼女なんて認めたくないが、本当にお似合いだった。あれでは本当に不公平、世の中不公平。釣り合っているから、あの黄瀬君に釣り合っているから。
 可憐で儚い、世界有数の美少女。優しそうで成績優秀、失敗なんてしない、彼女に汚物は似合わない、ふわふわとしていて、此処だけは認めたく無かったけど、花がとても似合う。可愛らしいお花畑に居るお姫様の様な篠原さん。
 わ、私だって花好きは認めないんだからっ。私だってお花似合うから!とムキになるが平凡、平凡、何の変哲も無い私なんかより、正直彼女の方が数億倍似合っていた。

 黄瀬君が何か楽しい事を言って彼女を笑わせる。だがその笑みも大きく口を開いて下品に笑うのでは無く、口に手を添えて花も飛び散る様な素敵な微笑み。まさにスマイルだった。あああ何て可愛いのだろう可憐なのだろう神様よ!私は何であんな風に生まれてこなかった!

 ふと甘い花の香りが鼻を掠めた。ああ、風に乗って此方にまで流れて来たんだろう。多分篠原さんの使っている香水だろう。


「良い香りッスね」

「ふふっ。涼太にも付いてるよ?この香り」

「・・・可愛い」


 そして黄瀬君が篠原さんに口づけようと篠原さんの髪を片方耳に掛けて、優しく唇を触れ合わせる姿は本当に絵になる美しさだった。まるで本当に、おとぎ話を読んでるみたい。

 途端に虚しく悲しくなった私は直ぐに彼等から隠れるようにベランダにへたりこんだ。じんと熱くなった目尻を何度も何度も擦って、真っ赤な頬をぺちぺちと叩き、それでも流れてくる涙を堪えきれずに、声を押し殺して泣いた。

 そして一番私の心を抉ったのは、キスしようと黄瀬君が身体を捻らせた時に、思わず黄瀬君と———目が合ってしまった事だった。





 ×





 だがそれから暫く経った夏。私の耳に不可解な噂が流れた。


「ねえサクラ知ってる?黄瀬君ってあの篠原と別れたんだってさー」


 え?何良く聞こえない。え、別れた?誰が?黄瀬君と、篠原さん・・・?
 今日は黄瀬君はまだ来ていない。黄瀬君が居ないのを確認して、友達に訳を聞いた。


「どういう事・・・?」

「いやあ、隣のクラスの友達から聞いたんだけどね。篠原がフッたらしいよー。“もう面倒。疲れた。飽きた。”ってさ」


 もう本当に意味が分からない。あんなに憎たらしい程にイチャついてたのに?あんなに幸せそうだったのに?
 飽きた?私あんた等の為にあんだけ泣いたって言うのに?多分それは私だけじゃないはず。この私でさえも黄瀬君に恋をしているんだ、もっと本気だった女の子なんてわんさか居るのに。その度に、彼等の為を思って恋心を殺した女の子だって居る。私だって殺しかけた。

 それを、「面倒」「疲れた」「飽きた」の一言で裏切るなんて、本当に許せなかった。

 理解してきた頃、同時に嫌気も差していた。




 そして、今黄瀬君フリーなんだってさ!幾ら平凡なあんたでも、彼女に振られて落ち込んでる男位簡単に落とせるし。今超チャンスでしょ!

 なーんて考えてる自分が居る。ああ本当、最低だな私。


 黄瀬君とは余り話したこと無いけど、黄瀬君の気持ち良く分かる気がする。今まで失恋なんて数える程に経験してきた私にとって、黄瀬君は多分生まれて初めての失恋だろう、気持ちが良く分かった。失恋に経験なんて必要ないから。

 と、其処まで考えて、


「ま、只の噂だけどねー!!」

「え?」

「だから本気にしちゃ駄目だよサクラ!あ、あんたにとっては噂が本当の方がラッキーだろうけどさ。・・・あのカップルに嫉妬した奴らが勝手に作ったって言う人もいるし」

「え、篠原さんが言ってたってのは?」

「だからそれはあくまでも噂だって。本人に聞いても教えてくれないんだってさ。でもそれ怪しいよね」


 何というか、とても複雑な気持ちになった。



240726

  軌跡の断片をさがして、  05. ( No.33 )
日時: 2012/07/27 21:17
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: 今まで黙っててごめん。実は俺、赤司様のハサミだったんだ(バッ



05.




「サクラさん・・・。」

「・・・。テツヤ、久しぶり」

「何で、」


 戸惑いを隠せない黒子を前に、サクラは儚く微笑むが、黒子の言葉はリコの言葉で遮られた。
 黒子の横に居た火神は、初めて見る黒子の様子と何もニオわないサクラに少々疑問を抱いていた。何だこの女、とでも言う様に、サクラの強さを探り当てる様に凝視する。


「おーおー。突然の訪問者で忘れてたけど、次の練習試合海常だから」

「は」



 ×



「海常高校と練習試合!?」

「っそ!相手にとって不足なし!一年生もガンガン使っていくよ!」

「不足どころか格上じゃねーか・・」


 監督のテンションとは真逆のテンションの日向に吊られ、周りのテンションも落ちていく。
 勿論私も。ああ何てタイミングが悪いのだろう。もう少し考えて入部届け出すんだった、考えたら直ぐ実行な私の悪い癖。直ぐ直さないと。
 大体、海常高校と言ったらあいつが居る所じゃないか。


「そんなに強いんですか?」


「・・・強い。全国クラスの強豪校。IHとか普通に出てるよ」


「「「えぇっ!?」」」


行き成り入ってきて悪いが、勿論この試合は出ないだろう。
だが自分で言った一言でも彼が居るとなると震えてしまう。強くて、自分の事恰好良いと思ってるナルシで、苦手な人。


「それよりカントク。帰って来た時言ってたアレ、マジ?」

「アレ?」

「あれ火神聞いてなかった?」


 火神が聞いていなかったのも無理は無い。何故ならその間火神は、ずっとサクラの事を見ていたからである。吸い付けられる様に、強い奴とはまた少し違った、今まで嗅いだ事も無い匂い。儚い匂い。


「そう。海常は今年、“キセキの世代”の一人、黄瀬涼太を獲得した所よ」

「ええっ!?あの!?」

「しかも黄瀬ってモデルもやってるなんじゃなかった?」

「マジ!?」

「すげー!!」

「恰好良くてバスケも上手いとか酷くね!?」


 そんな面々を見て、サクラは皆黄瀬を買い被り過ぎてるとため息を付き、リコはアホ・・・。と零したのがほぼ同時だった為、二人は顔を見合わせて微笑んだ。
 だが皆の言っている所も分からなくもない。彼の長所と言えば顔とバスケしかないとサクラは更にため息をつく。

 そして何だか体育館に熱気が溢れている事に気が付いた。スポーツをしているので何時も熱気に溢れているが、それとは少し違う、熱気。


「ちょ・・・、え?何!?何でこんなギャラリー出来てんの!?」

「・・・・・・はぁ、」


 サクラ、本日3回目のため息である。黄瀬、と名前を呼べばその声に0.01秒で反応した黄瀬が途端にぱあっと顔を輝かせた。
 「サクラっち!会いに来たっスよ!」と飛び切りの悩殺笑顔で言うもんだから、それを見たギャラリーと化した女子達が顔を赤らめ、次の瞬間もの凄い形相でサクラを睨んだ。
 「ちょ、何!?あの女マジ何なの?彼女?はっ、アイツが?あんな何の変哲も無い女が黄瀬君と仲良くしてんじゃねえよ」とでも言うような形相に吃驚したサクラは思わず火神の後ろに隠れる。

 ずっとサクラを舐めとる様に観察していた火神は、サクラの突然の行動に「おいっ!?」と身体を捻らせるが、火神の服を握ってぴったりと張り付いて離れないサクラに諦めしかなかった。


「ちょ、サクラっち何で隠れるんスかー!?ってかその男誰っスか!ったく、サクラっちには俺という者が居りながら、」

「ま、待って離れるから!それ以上言わないで周りの子が怖いよ!」

「ってか、あいつ、黄瀬・・・だ、ろ・・・?」


「すんません。マジであの・・・、えーっと、てゆーか5分待って貰っていいスか?」



240727

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.34 )
日時: 2012/07/31 13:49
名前:  ゆう  ◆Oq2hcdcEh6 (ID: pcVc9ZHc)
参照: 赤司様になら踏まれても良い、いや、寧ろ踏んで下さい赤司様ッ…!




きゃあああa。←
やばいやばい黄瀬君とサクラちゃん可愛っ…!

初っ端からこんなアホスすみません、ゆうです、きりっ←
来ると言いつつ遅くなり申し訳ありませんズサアアァアアァ。
行き成りですがもう黄瀬君とサクラちゃんちょっとおじさんの家にry
可愛いですhshshs((

もう乱文しか書けない荒ぶる私の指先←
こんなコメントしか書けない低能ですみません、ひたすら乱文すみませんでした!(


また顔出しさせていただきます^^

.

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.35 )
日時: 2012/07/31 21:32
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: 言う事聞かない奴はオヤコロ☆(ザッ

>>ゆうs

ゆ、ゆうううううううううさあああああああんんんんんんんんんん((軽くウザい
来てくれたんですね!因みに私もゆうさんのスレにコメして来た所なのだよ。

え、サクラは良いですけど黄瀬くんはあげませんよ。
ああ!お宅の亜美ちゃんとサクラ交換で良いですk(
亜美ちゃんおいで。来るのだよほらお菓子あげるから来るのだよ←

いやあ、ゆうさんの指先が荒ぶる程の文才には無い予定なんですがね・・・!
まず、私の知り合いにゆうさんって人が居てゆうさんがその人と被ってしまう(((((
あの御方はゆうさんと同じ、偉大な方なんだw

何時でも来て下さいね!荒ぶる事しか出来ませんが(笑)

 主人公紹介∴ ( No.36 )
日時: 2012/08/03 21:56
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: 赤司様の言う事はー? \ぜったーい!/






   「私は天才じゃない。彼等とは違うんだよ。」



∴ 白李 サクラ [ Sakura-Hakuri ]

 性別 : ♀
 年齢 : 16歳
 人称 : 一人称「私」 二人称「君、貴方、貴女」

 想像色 : 白、桜色などの白を中心とした淡い色。儚い感じの色。
 想像曲 : 【東方ボーカル】 「月に叢雲華に風」 【幽閉サテライト】/東方
       【東方ボーカル】 「色は匂へど 散りぬるを」 【幽閉サテライト】/東方
       【東方紅魔郷】FELT -Moonlight shines/東方
       【東方萃夢想】FELT -And Other-/東方
        
 好きな花 : 桜


 本作の原作沿い主人公。
変更して赤司がお相手。だがたまに黄瀬になったり青峰になったり黒子になったりキセキだったり。
 赤司とは師弟関係であり、バスケ部に入った際サクラに付いた教育係が赤司直々だったりする。
 黄瀬とは友達以上恋人未満に変更。要は親友。多少のベタつきも赤司は気にしない、多少なら。

 性格は、結構しっかりしているが、少し抜けてる所がある。
自分の在り方を良く分かっている。少々おふざけになる時もある。優しく明るく、でも何処かしら儚い。そんなイメージ。
 頭も良く、話は分かる方。だが心配性でちょっと泣き虫。変に目立つ事が嫌いで、教室などでは大人しく、静かに数名の友達と目立たないように過ごす。そんな感じ。
 実は気が強く、基本的には何処にでもいる女子高生。

 容姿は、ふわふわした茶髪の絹髪をバスケ時は高い位置で結っている。因みに御洒落に興味はあるらしく、普段からポニーだったりツインテールだったりお団子だったり編んでたり。基本バスケ時以外は下ろしているか耳下でサイド一つに結んでいる。中学時はこれが耳下二つ結び。
 どうでも良いが、寝癖が付いている時は三つ編みにするかお団子にしているんだってさ!
 瞳は少々蒼い光の入った桜色。そして要するに美少女。綺麗というかは可愛い。笑うと更に美少女と化する。天使の笑み。

 中学時代は帝光中一軍の選手兼マネージャーをしていた。女子でありながら、特別枠で公式大会にも出ていた。
 能力は「神速」。ドリブルでもモーションでも、驚異的に速い。只足が速いという訳では無く、テクニックも動きに切れがあり、驚異的な跳躍力も兼ね揃え持つ。
 女子特有の滑らかなプレーも得意としており、色んな意味でチート。

 普段は大人しく、とても運動が出来る様には見えないし、寧ろ「私ボール触った事無くて、バスケ初心者なんです」みたいな事を言いそうなサクラだったが、帝光の恒例クラスマッチでたまたまその才能を開花させた。
 それを見ていたキセキに目をつけられ、即バスケ部へ連行。そのまま勢いで入部させられ赤司から直々にバスケを叩き込まれる。
 要は、サクラも最初は体育の授業とかでしかバスケをした事がない、ルールすらも分からない超初心者。

 それから「神速」の能力を無駄に発揮し、飲み込みも早いので黄瀬同様直ぐにレギュラー入りを果たす。
 今では「キセキの世代」の7人目として扱われる伝説のプレーヤー。

 黒子と同じく、「ある事件」をきっかけに黒子がバスケ部をやめ、それに関わっていたサクラは冬にバスケ部を辞めた。

 普段から精神を統一させる為と「神速」を極める為、朝早くから薙刀術をやっている。

 過去にどうしても皆に知られたく無い秘密があり、家族が居なくて只今高級マンションに一人暮らし。

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.37 )
日時: 2012/08/04 19:47
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode=view&no=6547



黒子「クラッチタイムなう」
日向「ワシが育てた」



 【 くたばれキセキ 】



赤司「すまない」黄瀬「すんませんッス」紫原「ごめんね」緑間「すまん」青峰「ごめんな」

黒子「分かれば良いんです、分かれば」

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.38 )
日時: 2012/08/04 19:45
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode=view&no=6548


 影と光のはなし。


黒バスでTRANCEPALENT SHADOW。



「そうだね、本当は知っていたんだ。僕と君たちは同じじゃない」

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.39 )
日時: 2012/08/04 19:56
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode=view&no=6549




キセキの世代が『ペ.テ.ン.師.が.笑.う.頃.に』歌ってみた。



 *


「疲れちゃった、」

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.40 )
日時: 2012/08/04 20:13
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode=view&no=6550



皆大好き赤司様!

赤司様の言う事はー?  \ ぜったーい! /



 *



赤司様で「こちら幸福安心委員会です」。

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.41 )
日時: 2012/08/04 21:22
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode=view&no=6551




【完成】なんかのキセキ






「それって何かのサナギじゃね?」

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.42 )
日時: 2012/08/04 21:27
名前: 音愛羽 (ID: d3Qv8qHc)


さくらさん!

おそくなって本当に本当にすみません!
コメントをいただいた音愛羽です!

まず一言!


……神 文 す ぐ る ! !


^p^
なんですか、この神文←
私の小説がミジンコ以下だということがありありと…((ゴフッッ

すみません。

なんだかもずくちゃん……いえ、兎欠ちゃんのに少し似ている気がします^^

いい雰囲気ですねぇ…!いごごちいい感じ←

これからも頑張ってくださいね!!

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.43 )
日時: 2012/08/07 08:51
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode

>>音愛羽s
来て下さったんですね!有難うございます(*´∀`*)
もう、こんな駄文メーカーが音愛羽さんのスレッドにコメしてしまい、申し訳ありませんでした(

か、神文!?紙文の間違いですよね分かります。
余りの駄文さについキーの漢字変換を間違えたんですよね、良いですよ許します((おま

あああ、あの兎欠さんと似ていると言われると光栄です。
でも余り自覚無いんですと。前書いていたイナズマもこんな感じでしたしw

色んなジャンルを、皆様に楽しんで貰えるように頑張ります!
応援有難うです!^^*

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.44 )
日時: 2012/08/07 09:05
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode

‖ オリキャラに100の質問.



01. 貴方のお名前は何ですか。
  「白李サクラです」

02.二つ名等ありますか?無ければ名前の由来を。
  「えー、多分まだ決まってないです」

03.性別、年齢、誕生日、身長、体重を教えて下さい。
  「す、凄い量だ。えっとまず、性別は♀。これ分かるよね。年齢は16歳の高一。誕生日は4月20日、身長160位です。体重は45きろぐらむ」

04.貴方の故郷は?種族(人種)もあれば詳しく。
  「過去は思い出したくないんだけどな。うん、生まれ育ちで5歳まで京都に居ました。そして9歳までの4年間は孤児院に居て、親戚に引き取って貰って東京に上京して来たって所かな。だから信じたくないけど京都は故郷です」

05.貴方の他人と違う所は?
  「んー。バスケのオンリーワンの能力かな?“神速”って言うんだ」

06.では貴方のチャームポイントは?
  「知らん」

07.貴方の家族について良ければどうぞ。
  「忘れました御免なさい」

08.貴方の外見は?(髪や瞳の色、肌の色等)
  「髪は茶髪で胸下。瞳は蒼の光が入った桜色。肌の色は白い、かな?白李だけに」

09.服装も教えて下さい。(画像でも可)
  「えー色々あるよ。制服は誠凛、帝光だし。」

10.其れ以外でしてみたい服装はありますか?
  「あっ、その・・・、繋ぎとか」

11.貴方は仕事をしていますか?しているなら教えて下さい。
  「してないです」

12.趣味はありますか?
  「今はバスケしてる事が楽しいから、趣味かな」

13.特技も良ければ教えて下さい。
  「一人暮らししてるから、家事全般が得意です。特に料理は結構得意な方です」

14.貴方の自慢は何ですか?
  「誠凛の皆かな。私が誠凛でバスケが出来てるってのが今の一番の自慢」

15.貴方のコンプレックスは?(肉体的・精神的二つお答え下さい)
  「コンプレックス!?肉体的には、背が小さい事。バスケしてんのに、高校生でまだ160行ってないんだ(´;ω;`)
   精神的には、結構涙腺弱いところ」

16.貴方のついやってしまう癖って何ですか?
  「背が高い人と一緒に歩く時、つい背伸びしちゃうんです。」

17.仲の良い、特別な存在は居ますか?居るなら教えて下さい。
  「沢山居ますよ?さつきや黄瀬とか緑間や敦、赤司、テツヤや誠凛の皆。」

18.では逆に仲の悪い、どうしても気が合わない方は居ますか?
  「青峰です。あいつの良い所探せって方が難しいです。特に会ったら良く頭に腕を乗せられるのが嫌いです。背縮むわ」

19.貴方は動物になったら何になると思いますか?
  「キリンですかね。・・・嘘ですすみません。良く子猫って言われます。でもキリンの方が合ってると思いま」

20.最近一緒に居る事が多い方って居ますか?
  「桃榎。最近出来た友達で、さつきと同じ位仲が良くなって来てます。ちょっとド阿呆だけど凄い優しい女の子です」

21.好きな人や恋人は居ますか?居るならコッソリ教えて下さいマシ。
  「・・・誰にも言いません?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・赤司」

22.上記で居ると答えても居ないと答えても異性のタイプを答えて下さい。
  「好きになった人がタイプです。あっ、でも赤司みたいなのは無論タイプじゃないです」

23.初恋は何時?未だ?それとも初恋真っ最中?そして相手は誰ですか。(強制回答(待
  「えっと、多分今が初恋真っ最中なんだと思います。え、相手!?さっき言ったじゃないですか!もう言いませんから!」

24.初恋は叶わないって言いますけど、どう思います?
  「はい、実にその通りだと思います」

25.顔赤くありませんか?酸素ボンベ…使います?
  「要らんわ!」

26.貴方に師匠や先輩等、生きる術を教えて貰った方は居ますか?
  「生きる術って言うか、バスケの師匠なら赤司ですけど。・・・あ、でもバスケ始めてから毎日が楽しくて生きてて良かったって思える時が多くなったから、そうなのかな」

27.貴方は戦えますか?戦えるなら、其の戦法は?(魔法、格闘etc...)
  「魔法とかじゃないですけど、一応戦えますよ。薙刀術やってるんで、剣術とかも結構出来ます」

28.魔法が使える方にお聞きします。属性は?
  「だから魔法使えないんだって」

29.武器はありますか?あるならば武器の名を。
  「主な武器は薙刀ですかね。たまに刀などを遣います」

30.武器が無いなら持ちたいですか?持つとしたら、何の武器が良いですか?
  「薙刀は、日々行っている修行の様な物だから、もし持つとしたら剣とかの派手なのが良かったです」

31.単刀直入にお聞きします。弱点は何ですか?(答えたくない場合は有るか無いかで)
  「弱点は有りますけど、其処は選手として言えません」

32.貴方が大切にしている物はありますか?
  「お母さんとお父さんと私の、写真です。友達や仲間も大切にしています」

33.貴方が大切に思う記憶はありますか?
  「全中三連覇する前の、帝光バスケ部の記憶ですかね」

34.貴方が命に代えても良いと思える存在は居ますか?
  「居ます」

35.利き腕はどちらですか?
  「右利きです」

36.執筆は得意ですか?
  「結構文系なので、得意ですね」

37.読書はしますか?
  「はい。本は大好きなんで」

38.貴方の好きな物は何ですか?
  「食べ物ですか?好きな食べ物は果物全般」

39.では、嫌いな物は?
  「苦いもの。ゴーヤとか」

40.苦手な物も良ければ。
  「青峰全般」

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.45 )
日時: 2012/08/07 09:06
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode


41.貴方は料理が出来ますか?
  「はい」

42.出来る方は得意料理を。出来ない方、何故ですか?
  「結構全般的に出来るんだけど。和食とか得意です」

43.一番出来損無いの料理は何ですか?
  「えー分かりません」

44.飲酒は好きですか?好きならば、何が一番好きですか?
  「飲酒?私まだ未成年ですよ」

45.飲酒で酔いますか?酔った後、どうなります?又、何上戸ですか?
  「まあ、飲んだら酔いますね。記憶は無いんですが、凄い大胆になるって言われます」

46.酔いが醒めたら記憶はありますか?
  「だからないです」

47.貴方が良く居るのはどっち?(野外or街)
  「私だって一応女子高生なので、街です」

48.どんな場所が一番好きですか?
  「実は森や海など、自然に満ち溢れた所が大好きです」

49.昼と夕と夜、どちらが好きですか?また、其の理由は?
  「昼。え、理由ですか・・・。あったかいから?」

50.自分が一番心が癒されるのって何をしてる時?
  「寝てる時」(即答

51.貴方の好きな色は?
  「桜色。白が混じったパステルカラーが好きです」

52.貴方の好きな花は?其の花の花言葉知っていますか?
「桜が好きです。花言葉は勿論知ってますよ?心の美しさ、精神の美、優美な女性ですよね。花言葉には強いんです、花好きですから」

53.貴方の好きな宝石はありますか?
  「小さい真珠です。余り大きくてキラキラしてる派手なのより、小さくて綺麗な真珠の方が好きですね」

54.貴方の心に残った言葉、科白はありますか?
  「“勝利なんて幾らでも捨ててやるさ。目の前で仲間が弱っているのに、何もしない方がどうかしてる”。っていう、全中前の彼等の言葉かな」

55.貴方の長所と短所、良ければ教えて下さい。
  「長所はやっぱり家事が出来る所、短所は頑固な所」

56.他人から言われる貴方の性格は?
  「気が弱そうで実は凄く芯が強くて頑固。優しい、面倒見が良い、でも何処か抜けてるって言われます」

57.自分ではどう思っていますか?
  「頑固なのは、自覚済みです・・・、」

58.貴方の考える、譲れない事は?
  「此処は敢えてバスケとでも言っておきましょうか」

59.貴方の貴方らしさを一つ教えて下さい。
  「チームプレーを重視したり、まず仲間を一番に考える所かなあ、」

60.貴方の中で一番に思い浮かぶ、印象的な人物は?
  「テツヤ二号」(即答((バッ

61.過去で一番楽しかった事は?
  「中学時代、皆でバスケをした事かな。やっぱり私には帝光が合ってるから」

62.過去で一番怒った許せなかった事は?
  「全中三連覇した夏、テツヤが急に退部するのに皆、何も言わなかった事かな。それからバスケ部に異変が見え始めたし、仲も拗れていった」

63.過去で一番泣いた、悲しかった事は?
  「私がまだバスケ初心者だった頃、彼等の役に立ちたくて無理言って試合に出たんだけど、脚の不調が伴って私の所為で試合に負けた事と、やっぱり皆変わっていった事かな」

64.直球に聞きます。ネタバレ覚悟で貴方の過去を語って下さい。(どうしてもと言う方は良いです)
  「多分本編で余り触れないと思うので、ネタバレ覚悟でぶっちゃけちゃいます。私、家族に捨てられたんですよ」

65.貴方の中で殺したい、又は生き返らせたい方は居ますか?
  「私の、妹」

66.其れが可能ならば、貴方は実行しますか?
  「絶対実行します」

67.其れに対する代価が、例え自分の今一番大切にする存在でも?
  「バスケを辞めろと言われれば、幾らでも辞めます。けど、一番は赤司を含めた仲間なので、彼等を壊す事は出来ない」

68.貴方は攻めと受け、どちらですか?(どちらか正確にお答え下さい)
  「受けだと思います。女子ですし」

69.其れは何故そうなったんですか?
  「女子ですし」

70.では、其の属性は?(言葉攻め、襲い受け等)
  「知らん」

71.占いは信じる方ですか?
  「知らん」

72.貴方の元に成ったキャラクターは居ますか?
  「イナズマイレブンの使い回しキャラだと聞いてますが、これはまさか此処まではまり込むとは思わなかったらしくて、凄い別人になってます」

73.其れは版権?他キャラ様?
  「知らん」

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.46 )
日時: 2012/08/07 09:06
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode


74.貴方の声になるCVは誰ですか?活躍している作品も合わせてどうぞ。
  「堀江由衣さんです。代表作品は、偽物語とかですかね」

75.貴方のイメージソングってありますか?あるならば教えて下さい。
  「イメージソングは別レスに載せてます。キャラソンみたいなものですが、“夏の約束”を参照に載せてます」

76.もしも自分以外の姿に成れるとしたら誰が良いですか?(版権、他キャラ様、動物etc...)
  「敦!私一度でいいから身長200超えしてみたいんだよ!」

77.名作童話の世界にいけるなら、何の話で何になりたい?
  「人魚姫になりたい。大切な人を想って、最後泡になって消えてしまう所に感動して、ずっと憧れてるんです」

78.自分が子どもだなぁと感じる時はどんな時ですか?
  「好きなもの目の前に、どんなに落ち込んでいても直ぐに顔が明るくなるところ」

79.では、大人だなぁと感じる時は?
  「え、私という存在自体が大人じゃないですか。特に身長とか←」

80.時間は几帳面な方ですか?
  「まあ、どちらかと言えばそうかな。でもたまに遅れて赤司に怒られたりします」

81.貴方のマイブームってありますか?あれば、其れは何ですか?
  「今は、誠凛に入ってバスケが楽しいって思えてますから、バスケがマイブームです」

82.地位、名誉、富を得られます。受け取りますか?また、其の理由は?
  「え、受け取りましょうよ。利益になるかもしれない」

83.自身の命が後一日しか無かったら、何をして終わりたい?(複数回答可)
  「精一杯好きな事をしたい、好きな人と居たい、好きな所へ行きたいです」

84.一つだけ、たった一つだけ願いが叶うなら何を願いますか?
  「もう一度、帝光の皆も政倫も他校も全部含めて笑ってバスケがしたいです」

85.生まれ変わるなら次は何になってみたいですか?
  「コンクリートの隙間から咲く花。カッコイイじゃないですか」

86.口説き文句、言えますか?(無理にでも捻り出して答えて見て下さい)
  「・・・き、君の瞳に、オッ、オヤコロ★」

87.今何か叫びたい事ありますか?あれば穴に向かって叫んで下さい。
  「やっぱ恥ずかしかったー!何だオヤコロって!私まで厨二になっちゃうよ!」

88.…あ、また酸素ボンベ要りますか?
  「要らんわ!!」

89.自分の事は好きですか?
  「好きと言えば嘘になります」


—————以下は作者様も一緒にお答え下さい—————

90.貴方の初期設定は?又、作った切っ掛けは?
  「私の初期設定?今とあんまり変わんないよね」
  『否、前のサクラはもっと煩かった』
  「ま、今の私は大人だから」
  『作った切っ掛けは、黒バスへの愛が爆発したから』

91.貴方は何時作られましたか?また、作者さんとはどれくらいの付き合いになりますか?
  「覚えてない」
  『否其処覚えてようよ』

92.貴方に秘密(若しくは裏)設定はありますか?
  「結構あります。実は、秘密主義者だそうなので」
  『ネタバレになるんで言えないわ!』

93.キャラを動かす点で気を付けている事は?また、扱い易いですか?
  『別に余り。生き生きとさせていればそれで。使い易い方』

94.貴方の存在は物語の中でどういった意味がありますか?
  『数少ない女性キャラという事で、華を狙い、シリアス向上も狙い、最強最弱に仕上げています』

95.描く(書く)点で苦労した、また嬉しかった事は?
  『サクラは凄く過去がドロドロしているし、悲劇のヒロインとまでは行かないけど、結構シリアスヒロインなので、苦労しました。嬉しかった事はありませ』
  「おい」

96.貴方が活躍する世界は何処ですか?(現代、ファンタジーetc...)
  「現代」
  『現代だね』

97.お互い言いたい事がありますか?あるならば迷惑にならない程度に口論を。
  「まず、シリアス過ぎて泣けてくる。矛盾が多い。ちょっと泣き虫ってのが気に食わない」
  『ちょ、ちょちょちょちょちょ』

98.お互い此の質問の感想を語り合って下さい。
  「何というか、面倒臭くなりました」
  『楽しかったです!』

99.お互い此の質問を見て下さった方にお礼と感謝の言葉を。
  「最後まで見てくれて有難う御座いました」
  『まず最後まで完成して良かったです、ありがとうございました』

100.お疲れ様でした。肩の力抜いて良いですよ。
  「はあ、やっと終わったー!」

   花色彼女 04. ( No.47 )
日時: 2012/08/07 09:46
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode

04.




「ちょ、おまっ。黄瀬!お前篠原と別れたって本当かよ!?」

「・・・まだ、別れてないッスよ」


 あれからあの噂は忽ち学年中に広まった。美里っちが流したのか、はたまた誰かが見ていたのか。だが俺にはそういう事は最早どうでも良かった。

 俺と美里っちはまだ別れていない。俺がまだ了承していない。
 大体なんだ、美里っちから告って来たのに、急にもう面倒なんて、何処の昼ドラだよ。人生初の失恋は、俺にとって分からない事だらけで、これからの俺を大きく変えた。



 ×



「ったく、何なの?涼太、私達もう別れたはずだけど」

「意味分かんないんスよ!どういう事だよ、マジ分かんねえ!もっと俺に分かるように説明してくれッス」


 あれから数日。やはり納得のいかない俺は、遂に放課後、美里っちを呼び出した。
 俺が美里っちを呼び出すという事を見ていたクラスメイトは、それだけ見て「何だ、まだ付き合ってんじゃん」と誤解してしまった様で。

 美里っちに別れを宣告されてから数日、沢山考えた。バスケにも仕事にも勉強にも集中出来ず、只美里っちの事だけを考えていた。
 それだけで、ああやっぱ俺美里っちにベタ惚れしてんだな、と思った。

 だからこそ、今日はっきりさせたかったんだ。頭の悪い俺に、美里っちの口から詳しく説明して欲しかった。
 そして、勿論俺に別れるつもりは無いから、寄り戻せるならそれで良い。俺の何処が駄目だったのか、分かれば治す事が出来るから。

 何より、今の俺は美里っちが欲しくて堪んなかった。一度無くした玩具をまた欲しいと泣き喚く子供の様に、美里っちが必要だった。


「大体、涼太は外見が良いし注目集めるから、私も引き立つかな。と思って付き合いだしたけど、それが中々本気になっちゃって」

「・・・俺も、同じッス」

「そんな時不意に気が付いたんだよね。涼太、私に壁作ってる。」

「か、べ・・・?」

「そう、涼太は私に外見しか見せてくれなかった。私は、全部本当の心も、本当の私も全て涼太に見せているつもりだったのに、涼太は違った。確かに涼太は私を沢山愛してくれた、そりゃあもう私以上にね。それが嬉しかった、でも私は涼太に壁を作って欲しくなかった。ありのままの涼太で、お付き合いして欲しかった。」


 そして最後に、「もう、恰好良いだけの涼太と付き合うのは、疲れちゃった」とだけ言い残して、ひらりと背を翻した。

 やっぱり俺は頭が悪すぎる。言っている意味が分かんない。え、壁?そんなの作ってない。意味が分からない。
 そんな視線を送れば、美里っちは綺麗に微笑んで俺の頬に手を添えた。


「ばいばい」

「・・・っちょ、待てって!」


 咄嗟に美里っちの手を掴めば、手を振り払われ、鋭い眼光で睨まれる。
 それは、先程俺に向けていた甘い視線とは真逆の、俺の、唯一美里っちの嫌いな顔。


「往生際が悪いよ、涼太。」

「俺がまだ許してない!」

「そんなの知らないよ。じゃ、新しい彼氏が待ってるから私行くね」


 そして続けて聞こえた「ばいばい、涼太」が俺と美里っちの別れを告げた。





04:{ ロイヤルブルーのピアスはジュリエットの恋人 }



240807
 久しぶりに更新。マーチング終わったぜ!

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.48 )
日時: 2012/08/07 11:48
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode

05.





 今日、放課後に黄瀬君が隣のクラスに言って篠原さんを呼び出しているのを目撃した。キスといい、本当私は見たくないものを見てしまうようだ。
 同時にやっぱり黄瀬君と篠原さんは別れてなかったんだ、どうせ今日は部活の練習見に来ないかだとか、帰り一緒に帰らないかだとかを伝えに行っていたんだと思う。
 本当、リア充爆発しろ。あの噂はデマだったらしく、他の男子も「やっぱアイツ等付き合ってんじゃん」って二人を見てニヤニヤしていて無駄に殴りたくなった。

 あの噂は、私にとって微妙な噂である。二人が別れていれば、黄瀬君に片思いの私にとって都合が良い話だし、逆に別れていれば私の失恋という気持ちを踏み躙られているようでとても居心地悪かった。


「はあ、本当に私にはベランダの花の水遣り係りが似合ってるんだ」


 正直、放課後の誰も居ない教室ってのは凄く居心地が良かった。

 夏でも冬でも、ベランダの花は綺麗だし、夕日が差し込む教室は凄くロマンティックだった。




 だから、今日も何時もの様に小さいジョウロを片手に水遣りながら話しかけていたんだ。花に。




「ああ、君は本当に綺麗な色をしているね」

「そうッスね。因みにその花俺の花なんスよ?」

「うん。黄瀬君の花は、花まで凄い綺麗な黄色をしているよー!」


 と、其処まで言い終えて考えた。

 “因みにその花俺の花なんスよ”、“黄瀬君の花”、“黄色”?そして後ろから聞こえる男子にしては少し高い声。
 それは私が何時も舐め取る様に聞いていて「素敵ボイス」と称していた、あの黄瀬君の声だった。


「ぎょ、ぎょひいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

「う、うわっ!ちょ、どうしてジョウロ投げるんスか!」

「き、きききき黄瀬君ッ!!??」


 其処に立っていたのは、私達平凡女子が愛してやまない“王子様”こと、黄瀬涼太くん本人であったのだ。
 驚きの余り手に持っていたジョウロを、自分でも驚くべき威力で投げてしまったが、バスケをしている黄瀬くんはすんなりとそれをキャッチしてしまった。
 その行動をとっても格好よくて、見とれてしまったが、それより先に同様が走って、妙に焦り黄瀬くんの名前を呼んでしまった。

 焦り過ぎたろ私のバカ。異常に不自然過ぎて変に思われたらどうすんだ、バカ。

 ごめん、ごめんなさい!と謝り、一人落胆している私に、黄瀬くんは思わぬ行動をとった。


「ふはっ、アッハハハハハ!!!全部声に出てるッスよ白李さん!別に俺白李さんの事変に思ってないから安心して下さいッス!」

「は、はあ、」

「もう、本当白李さん面白いッスね!!」

「・・・・・え?」

「ん?」


 黄瀬くんは、え?俺何か変な事言った?みたいな表情で此方を見てくる。

 い、否!その前に!!その前になのだよ!!!
 彼は今私の事を何と呼んだか?白李さん。そう、HAKURISAN!!覚えててくれたし、名前覚えててくれたし!


「だから声に出てるッスよ。もう同じクラスになって半年経とうとしてるんすから、覚えるッスよ」

「え、でも私みたいな地味虫を?平凡女を?」

「謙虚過ぎっ。同じクラスの白李サクラちゃんッスよね!ちゃーんと名前まで覚えてるんスから」

「な、なななな名前までっ!」

「ちょ、何で泣くんすかー!」


 黄瀬くんと話していると、時間が経つのを忘れる位楽しかった。あれ、でも今日部活は?篠原さんは?
 聞こうと思ったけれど、何より聞いたらこの楽しい時間が壊れてしまう気がして、何となく、聞けなかった。

 何より、今まで半年とこの同じクラスで過ごしてきたのに、私は黄瀬くんを見てるばかりで話した事が一度も無かったから。
 この時間が人生で一番輝いて見えた。


「白李さんは、毎日放課後に残って一人でベランダの花に水やってるよね。皆がしない事を黙って引き受けたり、凄い優しい子だなって思ってたんスよ」

「私、花好きだし。それに幾ら皆がしたがらない事でも、皆の役に立てるって気持ちが良いんだよ?」

「優しい子ッスね、やっぱり」


 君は恰好良いよ。
 すると黄瀬くんが手伝うと言い出したので、二人で話しながら花の世話をしていた。

 二人でするから水遣りも早く終わって、もっとこの時間が長くなれば良いのにって思った矢先に、


「白李さん、また来ても良いッスか?俺サクラっちの事気にいっちゃった」

「うん!良いよ。黄瀬くん本当に面白いね。待ってる、から。それと、なまえ、」

「あー、駄目だったッスか?こっちのが呼びやすいんで、俺はサクラっちが良いんスけど」

「ううん、全然!寧ろ呼んで下さい!」

「ははっ、やっぱ面白いッスね」





 05:{ 彼のアリスはバラ色のティラミスを食む }



240807
 5話目でやっと接点が出来ました。

   花色彼女*  06. ( No.49 )
日時: 2012/08/13 09:31
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode

06.




 この時間が楽しくなかったと言えば、嘘になる。逆に、愛しさを覚えるくらいだった。




 06: { エメラルドは桜色だと言い張るエリスのくちびる }




 態とらしく新しい彼氏と言った美里っち。もう新しく作ったのだろうか。否、美里っちくらいの美貌なら容易いだろう。
 って、今はそういう事では無くて。

 新しく彼氏を作ったとは言えど、嘘かもしれない。俺に、諦めて貰う為のデマかもしれない。
 そんな事を思ってしまうのは、まだ俺が美里っちに出来た「新しい彼氏」を見た事が無いからと、まだ俺が美里っちの事を諦めて居ないからだ。
 本当に、美里っちに言われた通り、往生際が悪いッスね。バスケ以外でこんなんになってしまったのは初めてッス。



 そんな事を考えながら、一人教室へ向かうと何やら声が聞こえた。


「はあ、本当に私にはベランダの花の水遣り係りが似合ってるんだ」


 まるで自傷する様な、ははっと乾ききった笑い声も共に聞こえてきて、一人何をしているんだと興味が働き、俺は教室を覗いていた。

 だが其処には誰も居ない。空耳?否でも確かに聞こえた。
 『私にはベランダの水遣り係が似合ってるんだ』———ふと脳裏に言葉が蘇り、一つのある特定の場所を絞り込む事が出来た。
 ベランダ?


 ゆっくり、足音を立てない様に近づいて、開いた窓から様子を伺う。
 すると俺の予感は確信へと変わった。どうやら当たりだった様だ。

 そして、俺の黄色の花を手に取り、優しい目で微笑んだ彼女に思わず息を呑んだ。


「ああ、君は本当に綺麗な色をしているね」

「そうッスね。因みにその花俺の花なんスよ?」

「うん。黄瀬君の花は、花まで凄い綺麗な黄色をしているよー!」


 小さい胸の高鳴りを何とか抑えながら、目の前の、白李さん、だったっけ。の返事を返す。
 吃驚するかな、とわくわくしていたが、返って来たのは吃驚も焦りも感じていない、割と普通の返事だった。

 ただ、この時から俺は彼女に想いを抱いていたなど、この時の俺はまだ知る由も無かった。
 少し此方を向いて、頬を赤らめえへへと頬を完全に緩ませて笑う彼女。此方まで頬が緩んでしまう笑顔だな、と思った。

 すると突然、


「ぎょ、ぎょひいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

「う、うわっ!ちょ、どうしてジョウロ投げるんスか!」

「き、きききき黄瀬君ッ!!??」


 何処からそんな声が出せるのか、女子とは思えない奇声をあげたかと思うと、同時に手に持っていたジョウロを凄まじいスピードと威力で投げてきた白李さん。
 な、何なんだ。俺でさえも取るの危うくなったッスよ。

 それを見た白李さんは、「き、きききき黄瀬君ッ!!??」と焦って震えてどうしよう、どうしようと頭を抱え始めた。
 すると何を思ったのか、急に此方を向いてごめん、ごめんね!ごめん、ごめんなさいいい!!!と挙動不審に謝ってきた白李さん。何やら自分では気づいていないのか、心の声だと思われる声が聞こえた。

 明らかに不審過ぎる。俺の予想を遥かに超えた白李さんの言動。本当に、面白い子だなあと思ってしまえば、もう出て来るのは笑いだけだった。


 それから、苗字を呼べば神に拝む様に喜びだして。本当に表情がころころ変わる子ッス。


 白李さんとは同じクラス。クラスの白李さんと言えば、皆に優しくて、それ程目立つ存在じゃ無かったけどやる時はやって、友達思いで友達が多い子だった。
 少し謙虚過ぎるし、何時も楽しそうに笑ってて。俺の友達にも白李さんの事が好きって言う奴は何人か居た。
 俺には美里っちが居たから、どうと思う事も無かったけれど。特別可愛いって訳でも無いし綺麗って訳でも無い。勉強は結構出来るけど運動神経も平均位。

 俺にとって、否、今までの俺にとっては白李さんとは、何処にでも居る女子、と思っていた。

 だが少し見直したのが入学して月日が大分過ぎた頃。忘れ物を教室に取りに行った時、誰かの人影が見えたから様子を伺ってみた。
 中には同じクラスメイトの白李さんが居て、一人残ってベランダや教室の花の世話をしていた。
 その時に俺は忘れ物と言って教室に入っていく勇気が持てなかったのを覚えている。それから俺は彼女に興味を持ち、彼女の事について少しだけ、友人に聞いてみた。
 『ああ、白李さん?あいつ、花好きらしくてさ。頼まれても当番でも無いのに、放課後毎日残って花の世話して帰ってるらしいぜ。本当、もの好きだよな、んな事やったって何も貰えない事分かってる位なら、早く家帰ればいいのに』


「白李さんは、毎日放課後に残って一人でベランダの花に水やってるよね。皆がしない事を黙って引き受けたり、凄い優しい子だなって思ってたんスよ」

「私、花好きだし。それに幾ら皆がしたがらない事でも、皆の役に立てるって気持ちが良いんだよ?」

「優しい子ッスね、やっぱり」


 不意に俺の口から出た言葉に吃驚した。
 でも思っていたのは本当だ。

 俺と花の話をしている白李さんの顔が、夕日に照らされて眩しかった。
 俺がまた来ると言った時の白李さんの笑顔は、今までで一番綺麗で、まるで花が咲き誇った様な笑顔だった。俺自身、クサい事を言っているとは自覚している。だけど、その表現が一番しっくり来た。

 彼女は、笑うと飛び切り美人になる。色素の薄い栗色の綺麗な絹髪、笑った時に見える、縁どられた長い睫毛。ほんのり赤くなる頬。桃色の血行の良い唇から見える白い歯。
 全て、この世のものとは思えない位綺麗だった。こんなに白李さんを食い入る様に見たのは初めてだ。本当に、笑顔が綺麗で目が離せなくなる。

 急にどくん、と心臓が動いたのに、俺はまだ気付かない。


 こんなに、美里っちも劣る綺麗な笑顔を見せつけられたのに、まだ美里っちが心の中に居るのは、好き、とか言う感情では無く、俺の変な意地なのかもしれない。
 この時、俺は新しい恋を覚えた。



 只、気がついて居ない、だけで。


240813

Re:     疾走少年、  [ 黒バス/長篇 ] ( No.50 )
日時: 2012/08/13 17:36
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode




「ねえー、サクラちんさ。何で赤ちんが好きなの?」

「ちょ、祭りに来てまでその話は止めようよ、敦」



 @/はぐれない方法



 今日の昼、急遽夕方に練習を切り上げて、皆で祭りに行こうと決まって数時間。
 練習の後は汗臭いから風呂に入りたいだの、女子には浴衣を来てきて欲しいから一旦家に帰れと指示があった。主に黄瀬から。
 普通は赤司が却下するのだが、今回ばかりは「良いじゃないか。最近構ってあげられないしね。サクラ、一緒に祭りに行こうか、勿論皆とね」と言う事で祭りに行く事になりました。こ、こんの赤司様がっ!

 だが残念な事に、敦が綿飴を買っている隙に皆と矧ぐれてしまったらしく。

 今日は、皆に会えるまで敦と回ろううんいいよーで只今敦と回っています。

 そして当たり前の事の様に、私が敦と回るに当たって問題点が1つ。
 それは、身長差が凄すぎる事だ。身長200超えの敦と、身長150後半程の私では軽く50センチは違う。この光景を見て道行く子供達は言うのだった。「お母さーん。あのお兄ちゃん背高いね!そしてあのお姉ちゃんは背低いね!」本当に子供とは正直な生き物である。
 わなわなと手を震わせながらも我慢する私を見て、敦がくすくす笑うもんだから溝内を食らわせてあげた。


「ちょっ、サクラちんひどーい、痛—い」

「ごめんね」(棒読み)

「りんご飴一つ奢ってくれたら許してあげるー」

「はっ!?」

「あ、そうそう。赤ちんとの事だけどさあー」


 両手には綿飴、腕には抱えきれない程のお菓子。それを持ってしてもまだお菓子を要求するのかコイツは。
 何だかんだ言って一番満喫しているのは敦じゃん。


「・・・あんまり皆に言わないでね。特に青峰!」

「えー峰ちん?俺からしてみれば結構お似合いだと思うけどさあ」

「 何 処 が 」

「ま、そんな事言ったら俺が赤ちんに殺されるからねー」


 青峰、かあ。そう一瞬だけ脳裏に顔を浮かべたのだけれど。


「ないわ」


 だって、本当に、もうガチで。私と青峰は所謂、犬猿の仲と言う仲でして。
 おはようと言えば、はよ、チビサクラと返し、頭に腕を乗せ体重を翔けてくる。あいつは自分が190超えのかなり体型ががっしりした大男だとは気付いていないのか。確かにバスケでは有利極まりないかもしれないが、私にとっては、迷惑且つ迷惑だ。背が縮むだろ。
 目が合えば、チッと舌打ち。喧嘩すれば飛び交う暴言。胸や尻を触られたりスカートを捲られたりなどのセクハラ行為。
 そして何より、私は青峰のあの獣の様な目が嫌いだった。否、嫌いでは無いな。只、あれに真っ直ぐ見つめられると動けなくなる。


「私と青峰?ない。絶対ない」

「まあ、今のサクラちんには赤ちんが居るしねー」

「でも私は敦好きだよ」

「うん、俺も好きだし」

「じゃあ両想いかな」

「バカ、友達としてだしー」


 そうやって笑う敦に心癒される。
 毎回、思う。敦は私が見上げなければいけない程背の高い巨人なのに、この襲いかかる可愛さはなんなのだ。
 多分それは、敦がこんな性格だから。ふわふわしてて、お菓子が大好きな。

 だけど、逆に本当に鋭い。力もチーム一だし、本気で睨めば軽く人だって殺せそう。だって敦は気を許していない相手にはとことんそうだ。
 私だって最初、吐き気がする程拒絶された。「近寄んないで」「こっち来んな」「何であんた女でしょ?何で男子バスケ部に入ってんの?結局色目使ってんでしょ」その時の私にとって、本当に辛くて、泣きたくて。でも負けず嫌いだからかな。絶対泣くもんか、絶対仲良くなってやる。って思っちゃってさ。
 それから、敦には色々言われたけど、私に心を許してくれた時は力強い力で抱きしめてくれて、「宜しく、俺紫原敦。サクラちん大好き」って言ってくれて。

 みんなの前で抱きしめられて、恥ずかしかったけど、嬉しかった。


「どうしたの?サクラちんニヤケちゃってさー。」

「え?私ニヤケてる!?」

「うん、何か良いもの見つけたー?」

「いいや、ちょっと思い出しちゃってさ」

「ふーん変なのー」


 そうやって敦を仰ぐと敦の瞳に私が映って。
 気ダルそうに、でも笑顔を浮かべた敦の、食べようとしていたお菓子を横取りして口内に入れる。

 それに怒った敦の長い腕が伸びて来て、私のほっぺたをむにむにと引っ張って「俺のお菓子いいいいい」なんて言ってさ。


「あ、赤司、いっ!?」

「二人で抜けがけか。ふーん良い度胸しているね。・・・二人共明日はメニュー5倍だよ」




240813

   花色彼女*   07. ( No.51 )
日時: 2012/08/14 10:48
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode

07.





「あっ、美里っち、ッ!?」


 丁度、部活に行こうとしていたら偶然帰宅しようとしている美里っちを見つけた。俺は先日の別れ宣告がどうも気に喰わなくて、新しい彼氏が出来たと言うのにどうも納得がいかなくて、美里っちを呼んだ。
 正式には、呼ぼうとした、と言うのが正しいッスね。


「遅くなって御免。さっ、帰ろうか」

「うん」


 突然現れた男。同じ学年では見知らぬ顔だったから、同じ制服を来ている当たり、先輩だろう。
 すると美里っちは綺麗な笑顔を作って、男の腕に自分の腕を絡める。ぴたり、寄り添う様にして歩く二人は、傍観者の俺から見ても、素敵なカップルだった。

 俺に向けていた、あの綺麗な笑顔を男に向ける。たまに男が美里っちを笑わせて、「やだー」なんて可愛く笑っていた。
 気に食わない、気に食わない気に食わない気に食わない。

 俺は只、捨てられたという事実を胸に、前を歩く二人を眺めていた。
 此処で漸く、俺の恋に終止符が、———、打たれた。





 07: { アフタヌーンは黄金色、あとはセーラだけだ } (/黄瀬)





 お昼三時頃。特別日課で進んでいた授業はあっという間に終了を迎え、部活に入っていない生徒達はぞくぞくと帰っていた。
 俺は美里っちの新しい彼氏を、まるで突きつけられる様に魅せられて落胆した。

 逃げる様に走り去って部活へ向かったが、やっぱり集中出来ず。

 シュートをすればゴールを外し、ブロックすれば簡単に抜かれ、遂には紅白試合は俺のパスミスやシュートミスやらのミスで負けた。
 遂に堪忍袋の尾が切れた笠松先輩は、


「おいてめ黄瀬ッ!ちょっと顔洗ってこいッ!!」

「・・・・・はいッス、」


 怒られ。

 俺は言われるがままにとぼとぼと体育館を後にしたのだった。


「おい、アイツ今日調子悪いな」

「熱でもあんじゃねえ?」




 ×




 体育館近くの、水道の蛇口を逆さにして、ジャバジャバと水を流す。
 途端にサクラっちに会いたくなった。

 蛇口を捻るとタオルがない事に気付き。はあ、と深く溜息を付いてベンチへへたり込む。

 美里っちの眼中に俺は居ない。居るのはあの男だけ。だがどうしたんだろう、先程よりも辛くない。先程はやっぱり付き合っていた彼女に直接心を抉られた様な感覚だったが、今はサクラっちが頭の中に居るからか。
 どうしてだろう、何なんだろうこの感情は。サクラっちの事を考えているとどんなに辛い事があっても辛くない。

 そんな事を考えていると、水滴が一粒、髪から滑り落ちた。そして、其れに比例するように今度はふわりと何かが俺の頭に被さった。
 何だろう、驚いて顔をあげれば其れはタオルだった。同時に、まるで愛しいものを見る様な、優しさに融けたサクラっちの視線と混じった。


「泣いてるの?」

「サクラ、っち・・・、」

「バスケ、しなくて良いの?」

「・・・今日、調子出なくて。追い出されちゃったッス、」



「何かあった?」



 サクラっちは俺の隣に腰掛け、自分の持っていたタオルで優しく濡れた頭を拭いてくれて。その優しい手つきに蕩けてしまいそうで、サクラっちに溺れてしまいそうで。
 気を許してしまった俺は、サクラっちなら、そう思った俺は、少しでもこの気持ちが晴れる事を期待して、口を開いてしまった。


「俺、フられちゃった、」




240814
後3話で完結です!