二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻影の女王と生命の女神 【ニノ国】 ( No.7 )
- 日時: 2012/09/06 23:39
- 名前: 皐 ◆swXjIsa.RY (ID: KIugb2Tf)
三話 『謎と賢者』
「ここが一ノ国…?」
「そうや。レノの知らないもう一つの世界や」
なんだろう…。ここ、懐かしいような気がする。
「オリバー、心当たりはあらへんか?」
「確か、学校にいたはず…」
「おーい、オリバー!」
と、そこにやって来たのは
「マーク!どうしたの?」
マークという少年だった。
「大ニュースだ!おばさんが…」
「え?母さんがどうしたの?」
少しオリバーの顔が暗い。
「おばさんが…『いる』んだよ!河川敷にいた!」
「ええ?!」
「なんやて?!」
「ねぇ、マル。オリバーのお母さんがどうかしたの?」
「えっと…オリバーのお母さんは、オリバーを助ける為に死んじゃったみたいなんだけど…」
「常識破りだろ…!!」
全員、驚きを隠せないようだ。
「とにかく行ってくるよ!」
オリバーはマークにそう言い残し、河川敷へ向かった。
河川敷には一人の女性がいた。
「母さん!?」
「オリバー?」
オリバーと、女性は混乱しているようだ。
こちらもだが。
「母さん…なんで?!」
「よくわからないの。気づいたらここに…。
あっ!誰かの声が聞こえてきて、その声のする方へと歩いていて…」
「アリシア様や…」
アリシア様はシズクに気がつき、こちらへ歩いてきた。
「この国ではアリーって呼んでちょうだい」
- Re: 幻影の女王と生命の女神 【ニノ国】 ( No.8 )
- 日時: 2012/09/08 18:38
- 名前: 皐 ◆swXjIsa.RY (ID: 4VUepeYc)
「…」
「レノ、口開いとるで」
「ところで、その子は?」
アリーさんが私の方を見て言う。
「あっ、えと…レノです。」
この人が賢者様だと思うと、緊張してきた。
けれど、アリーさんは私を見て首を傾げる。
「ところで母さん、レノに似た人知らない?」
オリバーが代わりに尋ねたが、アリーも知らないと言う。
「じゃあ、シーナは?」
「シーナ?ああ、オリバーと同じクラスの子ね。
さっき広場に向かったみたいだけど?」
「ありがとうございます!オリバー、行こう!」
「え?うん。母さん、また後でね!」
オリバーたちが広場へ走って行くのを見ていると、ある事を思い出したアリー。
「いつもと様子が変だったみたいだけど…」
その言葉は誰にも聞こえなかった。
走り続けて数分。
「ここが広場だけど…。あ、いた!」
オリバーの視線の先には私に似た少女。
「シーナ!お姉さんは?」
「それが、『3年前』からいないの」
え?3年前?私のお姉さんがいなくなったのは4年前で…
あれ?なんで私、こんな考えがでてくるの?
「ふふふ。姉さん、どこにいったんだろう?」
「なんでそんな笑顔で言えるの?」
オリバーは、様子がおかしいのに気づいたようだ。
なんで…探そうとしないの?
心配じゃないの?
「おかしいな。
こいつがレノと魂を共有しとるんやったら、こいつもレノみたいに姉を探すはずや。」
「それに、その子の様子がおかしいなら、レノの様子もおかしくなるはず…」
「おいオリバー。そいつ、普段からそんなやつだったか?」
「ううん。口数が少なくて、ほとんど笑わなかったし…。
でも、誰よりも優しかった」
なら、ここにいるこの子は誰?
「せやけどこいつ、何も失っとらへんし、心の輪郭もはっきりと見えとる」
「シーナ、君のお姉さんの名前は?」
確かめているのだろうか。オリバーはシーナに聞く。
「私の姉さんの名前はフレア。」
「…違うよ。シーナのお姉さんの名前はラリッサだよ。
キミは誰?」
「……はぁ。もうちょっと遊べると思ったんだけどな。」
目の前にいる少女は笑いながら、姿を変え…
「キミ頭いいね。
でもそれは、ちゃんと調べなかったボクが悪いんだから、仕方ないよね」
「えっ?!オリバーが二人?!」
明らかにどちらが本人かはわかるが、声まで同じだから本人のフリをされたらどちらが本人かわからない。
「ははははっ!」
きっと…いや、絶対偽者であろう人物は笑いながらどこかへ消えた。
だって…オリバーはここからあんなに早く走れないはずだから。
「あいつがオリバーだと思うとなんか嫌やわぁ」
「安心して、シズク。ボクはあんな風に笑わないから」
確かに、オリバーにあんな風に笑われるといろんな意味で傷つく。