二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第十七話 ( No.27 )
- 日時: 2012/09/20 20:08
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「…!あいつ立ち上がった…」
剣城は海音を見て呟く
血を流しているのにも関わらず、走っていた
何で…あいつそこまで…
「ふん…まだ足りないようだな」
磯崎は海音に突進する
そして海音を吹き飛ばした
「うわあああッ!!」
どさりと海音は地面に落ち、右足を押さえ付ける
包帯が外れ、海音の傷口は酷いことになっていた
「…!!」
剣城は目を見開く
海音は普通の刺繍糸で縫合をしていた その為糸は赤く染まり、さらにさっきのラフプレーで見るも無惨な状態だった
「海音…お前…まさか自分で縫合したのか?」
剣城は呟く
そして、割れていると言っても過言ではない右足を使い、海音は立ち上がった
「…ボクはまだ…戦える」
「ちっ…しつこいんだよ!」
磯崎は海音に突進する
次にラフプレーを受けたら…サッカーが出来ない体に…
「…ちっ!」
剣城は海音へと走っていく
そして磯崎からのスライディング だが剣城は海音に体当たりする
海音の足を守ったのか?神童は思った
「…剣城!どういう真似だ!」
磯崎は言った
「これがお前らの潰し方か、やり過ぎじゃないのか?」
「…こんなやつ、二度とサッカー出来なくなればいいんだ!」
剣城の中で何かがキレた
無言で万能坂のゴールにシュートを決める
「…?!」
海音は剣城を見た
剣城…何で…
「剣城!てめえ…」
磯崎は言った
「…ボクを潰すんじゃ無かったの?」
海音は言った
「ああ潰すさ…こんな腐ったサッカー 俺が潰してやる!!」
ここで前半が終了した
海音は天馬と神童に助けられ、ベンチに戻る
「ひどい怪我…何でここまで…」
海音の手当てをしていた音無は言った
「海音…試合出れるか?」
「はい…まだ戦えます!」
海音は円堂に言った
そして海音は夜桜を見た
昔は楽しそうにプレーしてたのに…何で…
すると海音の近くに一匹の鳥が止まった
「え…鳥?」
海音は呟く その時だった『海音…頑張ってるね』
鳥から声がした
この声…まさか…
「まさかシュウ?」
『そうだよ、…言ったでしょ 君の試合を見てるって』
シュウは言った
『…夜桜は見たことあるよ 一年生だった時のことがきっかけでサッカーを恨んでるんだ』
「そういえば夜桜…友をサッカーに殺されたって言ってた」
海音は言った
『…夜桜には一年生の時、波谷 憐 と言う友人がいたんだ その子もサッカーが好きで、いつも夜桜とサッカーしてた…でも上手とは言えなかった 周りの人にサッカーが下手だと言われた憐は、練習を続けた 』
「それで…どうなったの?」
『一年生の冬に、とうとう肉体的にも精神的にも追い詰められて……自殺したんだ』
そんなことが…
ボク、何にも知らなかった
『だからこれは…サッカーに対する復讐のつもりなんだと思う』
「……でも、夜桜は忘れてる サッカーのおかげでボクらが仲良くなれたことを」
海音は立ち上がる
『…じゃあ またどこかで見てるよ』
シュウはそう言って飛んでいった
…夜桜の目を覚まさせないと
——————
後半戦が始まる
「何故剣城は勝敗指示に背くことに…?」
神童は呟く
剣城からのキックオフ だが誰にもパスを出さず 突っ走る
やっぱり剣城はサッカー上手い…
サッカーがくだらないとか、本心じゃないよね
海音は思った
剣城はゴールの前にやって来る
「機械兵ガレウス!」
GKは化身を出現させる
「デスソード!」
「ガーディアンシールド!」
やはり無理か…あっさりと剣城はシュートを止められてしまう
「光良!」
つかんだボールを夜桜に投げる
「夜桜!」
そこへ海音がやって来た
「思い出してよ!ボクらはサッカーのおかげで仲良くなれたんだよ!!」
「…黙れぇッ!!」
夜桜は叫ぶ
そして背後から道化師の化身が出現した
「奇術魔ピューリム!!」
「うわあっ!」
化身を前に、海音は吹き飛ばされてしまう
「俺は誓ったんだッ!!憐の為にも…サッカーに復讐してやると!!」
夜桜はゴールの前にやって来る
「マジシャンズボックス!!」
夜桜のシュートが決まった 雷門は逆転された
「夜桜…」
海音は呟く
雷門からのキックオフ またもや剣城はパスを出さず走り出す
そこへ夜桜がスライディングをかけ、ボールを奪われる
「逆らったことを後悔するんだな!!」
ボールは磯崎に渡り、剣城に思いきりシュートした
だがそこに海音がやって来る
「スノーウインド!!」
威力の無くなったボールは海音のもとに転がる
「剣城!…君は一人じゃない ボクらがいる!」
「……!!」
海音は走り出す
勝つんだこの試合…夜桜の目を覚まさせる為にも
「剣城!」
海音は剣城にパスをする
鮮やかなドリブルで剣城は突き進んで行くが、やはり一人では難しい ついに囲まれた
「くっ…」
「剣城こっちだ!!」
神童の声だった
剣城はすかさず神童にパスをした
だが磯崎に強引にボールを奪われた
「うわあっ!!」
痛め付けられた足を神童は抑える
「キャプテン!」
天馬は神童に駆け寄る
勝敗指示に従う雷門のメンバー達を追い抜いて、磯崎はシュートする
「くっ…!」
ギリギリで三国は跳ね返した
あくまでも、皆は勝敗指示に従うのか… 海音が思った時だった
「何も感じないのかよ!!」
- 第十七話 ( No.28 )
- 日時: 2012/09/20 20:10
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
ベンチから声がした
水鳥がベンチから叫んでいた
「お前ら…天馬や海音を見ても、何も感じないのかよ!本当は勝ちたいんじゃないのか?!」
「…!!」
すると車田の表情が変わった
そうだ…俺は何をしていたんだ
ボールは夜桜に渡り、再びシュートしようと上がっていく
「ダッシュトレイン!」
すると車田は必殺技で夜桜からボールを奪った
「…俺も、もう勝敗指示には従わない!フィフスセクターと戦う!」
車田はそう言って神童にパスをする
「車田さん…」
神童は呟いた
「…やれやれ、そうなりゃ俺も入らない訳にはいかないな」
浜野は言った
「俺も、仲間がボロボロにされて黙っていられないド!」
天城は言った
皆…
「ったく…しょうがねぇな!」
倉間は走り出す
そしてボールを神童から受け取った
すると剣城が視界に入る
「剣城!」
倉間は剣城にパスを出した
…今は、信じるしかない!
すると剣城の背後からオーラが出てきて、それは化身へと姿を変えた
「剣聖ランスロット!」
万能坂のDF陣を突破し、剣城はゴールの前にやって来る
するとボールは金色に輝く あれは…化身技だ
「ロストエンジェル!」
「ガーディアンシールド!」
二つの化身技がぶつかった
機械兵ガレウスの盾は割れ、シュートがゴールに突き刺さる
雷門は万能坂に追い付いた
「やったね剣城!」
海音は言った
「……ふん」
剣城は相変わらず素っ気ない
「ちいっ…調子に乗るなあッ!!」
夜桜はそう言いながら強引にボールを奪う
そこへ海音が走り出す
「夜桜!…君にとってサッカーはこんなものなの?!」
「…ッ うるさい!!」
夜桜はボールごと海音を蹴りつけた
「がはっ…」
海音は腹を抑える
「サッカーは…俺の大切な物を奪った!!こんな球蹴りごときに!!」
「違うよ…夜桜…」
海音は立ち上がった
「サッカーは悪くない!…今の世の中がおかしいんだ サッカーが人の価値を決めるなんて… もう、そんなことが無いように…ボクはフィフスセクター と戦う」
「……!」
海音は夜桜からボールを奪い走り出す
そうだ、かつてはサッカーが自分のすべてだった
サッカーが大好きで仕方なくて…海音や他の皆とボールを奪い合ってた
サッカーは…今の俺のなんだ?
「いくよ!」
海音はゴールの前にやって来る
「ダイヤモンドショット!」
「くっ…うわあっ!!」
海音のシュートが万能坂のゴールに突き刺さるのと同時に、試合が終了した
雷門が逆転して勝利した
「やったあ!!」
海音は神童とハイタッチを交わす
「…本当に勝ったな」
車田は言った
「ああ、…でも こうなったら勝ち続けていくしかない」
三国は言った
「お前たちには失望した」
万能坂の方では、磯崎たち三人のシードがある男と話をしていた 恐らくフィフスセクターの者だろう
「今後、お前たちのシードとしての将来は望めない」
「そんな…!」
磯崎は声を上げる
すると夜桜は男の前に進み出る
「…俺は、シードを辞めます」
「光良?!」
磯崎は夜桜を見た
「思い出した …サッカーはとても大切なものだと言うことを…だからこれからは一人のサッカープレイヤーとしてサッカーしたい」
「光良…」
「磯崎、…すまない ついてきてくれたのに」
夜桜は磯崎を見た
万能坂に入学する前、サッカープレイヤーとしての誇りを奪われ、意気消沈していた磯崎を助けたのが夜桜だった
ほとんど一人だった磯崎に夜桜は対等に接してくれた
だから夜桜を助けたくてシードになった
「…だったら俺もシードを辞める …光良が居ないと意味無いし」
「磯崎…」
「夜桜!」
すると海音は夜桜に近づいた
「海音…すまない…俺はサッカーを見失ってた」
「いいんだよ …またいつかサッカーやろうね」
「…ああ」
夜桜は頷いた
「…剣城も今日ありがとう!」
「勘違いするな…万能坂の連中が気に食わなかっただけだ」
剣城は海音に言った
「でも…ありがとうね」
「…ふん」
剣城は向こうに歩いていった
時だった
『剣城くん…命令に逆らいましたね』
「…!!」