二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第六十一話 ( No.89 )
日時: 2012/12/01 10:13
名前: 時橋 翔也 (ID: Y4EbjjKp)


ゼロも雷門も選手交代し、ゼロからのキックオフ
すると白竜は一人で突っ走る

「俺達は究極なんだ!」
シャイニングドラゴンを出し、すごい速さでゴールに上がっていく

「魔神ペガサスアーク!」
天馬は化身を出して白竜を迎え撃つ
白竜を吹き飛ばし、天馬はボールを奪った

「すごいぞ天馬!」
ボールを受け取った車田は言った
「海音!」
そしてボールは海音へ

「雪の女王シヴァ!」
化身を出し、周りに吹雪が吹き荒れる
「ブリザード・オブ・インフィニティ!」
海音のシュートの先には天馬がいた

「天馬!シュートチェインだ!」
「おう!」
天馬は高く飛んだ
「ジャスティスウイング!」
化身シュートのシュートチェイン
とてつもない威力となり、ゴールに向かう

「あいつら…完璧に化身を使いこなしてやがる!」
剣城は言った

これで雷門の逆転だ
「…少し焦ったね」
シュウは白竜に言った
「………俺達は血の滲むような思いで究極になることを目指してきた」
白竜は言った
「雷門は僕らが思っていたよりも強かった…それだけだよ」
「確かにあいつらは強い!」
白竜はシュウの腕を掴む

「だが俺は誓ったんだ!俺を捨てた親や見下した教官達を見返すと!だから…この試合負けられない!」
「…白竜 力を解放しようか」
穏やかにシュウは言った
「そうだな…俺達の本当の力で勝たないと意味がない」
白竜は頷く

再びゼロからのキックオフ
白竜は化身を出現させ、天馬の化身とぶつかる
他にも次々と化身が出現した
「化身にパワーをすべて集中させる気か!」
神童は言った

するとシュウは大きな斧を持った化身を出現させた
「暗黒神ダークエクソダス!」

ボールを受け、単独でシュウはゴールに上がる
「行かせない!」
すると剣城はシュウに向かっていく

だがシュウは一撃でランスロットを払いのけた
「ランスロットを一撃で…」
海音は呟く

「魔王の斧!」
強力な化身シュートが放たれる
「スノーウインド!」
海音はブロックに出るが、止められなかった

ゼロと同点になる
「…まずいな…化身を出せるのはあと一回くらいだ」
剣城は言った
「しかしゼロも同じはず…」
神童は言った

皆、化身をもうほとんど出せない…
ボクならまだ出せる 頑張らないと…

ここからはゼロも雷門も気力を振り絞った総力戦だ
「ディフェンス止めろ!ゼロはもう化身を出せないはず!」
「果たしてどうかな?」
白竜はそう言って化身を出現させた

「化身を使える時間は限られているはずなのに…」
天馬は呟く
よく見たら、シュウ以外の化身使い達が化身の力を白竜に注いでいた

「化身ドローイングか…」
一度バタップから聞いたことがある
化身の力を相手に注ぐことで、半永久的に持続が可能だと

するとシュウも化身を出した
「これが俺達の新たな力!」
白竜が言った時だった

二つの化身が合体した
「聖騎士アーサー!」

「全員でゴールを守るぞ!」
神童は言った
「ソードエクスカリバー!」
まるで雷門を嘲笑うかのようにして、二人はシュートする

ゼロの逆転だった
「くっ…」
強い…
「海音、天馬 これでも戦うの?」
「ボクはあきらめない!」
海音は言った

ミュウとの約束の為にも…必ず!

「勝利の女神はあきらめないやつが好きなんだ!」
「海音…」

試合終了が迫るなか、雷門は立っているのがやっとだった
「しかし聖騎士アーサー…どう攻略する?」
神童は言った
「俺達も化身合体しましょう!」
天馬は言った
「俺達に出来るのか…?」
剣城は言った

「なら…ボクが残りの化身の力を使います」
海音は言った
「海音の化身の力…?」
「ボクにはまだ試合終了まで化身を出せる力が残ってます! …その力を合体の時のドローイングに使えばあるいは…」
「でも… それなら海音も合体した方が…」
天馬は言った

「…出来ないよ ボクの化身は力が強いから…バランスを崩してしまう」
「海音は平気なのか?」
神童は言った
「大丈夫ですよ!…きっと」
海音は笑顔で言った

「いきます!」
キックオフすると天馬は合図を出す
四人は同時に化身を出現させた
「いくよ…」
海音は化身に集中する

「シュウと白竜が並列繋ぎなら…天馬たちは直列繋ぎだ」
三体の化身にシヴァの力を注いでいく

その時 ペガサスアーク、ランスロット、マエストロの三体は合体した
「できた!」
あとは… ボクがいつまでこれを維持出来るかだ

「あきらめない心がひとつになったのか!」
ベンチから円堂は言った

「いくぞ!」
神童が言うと、二つの巨大な化身はぶつかった
「シュウ!思い出してよ… サッカーは人の価値を決めるものじゃない!」
海音は言った

「…違う!!」
シュウは叫ぶ
「だったらなんで… ミュウは死なないといけなかったんだ!!」
「ミュウは待ってるよ」
海音は言った
「シュウがまたサッカーを楽しんでくれることを…」
「…!」

「今だ天馬ァ!!」
「いくよ… ソード・オブ・ファイヤー!!」
天馬たちは強力な化身シュートを放つ

「いけえええええ!!!」

海音の化身の力は限界だった
それでも思いきり叫ぶ
「負けるかああああ!!!」
白竜とシュウも対抗する

第六十一話 ( No.90 )
日時: 2012/12/01 10:06
名前: 時橋 翔也 (ID: Z6SnwTyI)


——————

「海音さん…」
ミュウは高い樹の上からゴッドエデンを見ながら呟く

化身の光はこちらでも見えていた
「あ…」
するとミュウは声をあげる
ゴッドエデンに張られた結界がビリビリと震動していた

「結界が…」
ミュウが言ったときだった

ゴッドエデンの結界に亀裂が入り、すごい衝撃波と共に弾けた

「きゃあああああああ!!」
爆風でミュウは樹の上から落ちた
周りの樹もすごい揺れている

何百年もゴッドエデンを守ってきた結界が… 壊れた
「化身対決のせいね…」
ミュウは呟く

そして走り出した

——————

アーサーを押し退け、雷門は同点になった
「決まった…」
そう言って海音は地面に倒れた
「海音!」
雷門の皆は駆け寄る

「…やはり無理をしてたんだ」
「え…」
「三体の化身を制御するほどの力を注ぐなんて…並大抵の人間には到底できるわけない」
「海音…」

「俺達は…究極のはずなのに…」
白竜は言った
「白竜!」
すると剣城は言った
「究極の力を得るためだけにやってきたお前たちには、本当の力を知ることはできない」

「サッカーは絆や勇気を教えてくれる…それがサッカーの…素晴らしさなんだよ」
海音は起き上がって言った
「俺は認めない!そんなもの!」
「白竜!…俺はお前に伝えたい事があった」
剣城は言った

「ここでの特訓は厳しいものだった… しかし短い間だったが、お前とライバルとして競いあえたからからこそ俺は強くなれたんだと…お前とのサッカー 楽しかったぜ」
「ボクもだよ白竜… 仮想特訓所は大変でも、白竜となら乗り越えられた」
海音は言った

「剣城…海音…」
白竜は言った
「白竜…僕たちが求めてたサッカーって何なんだろうね…」
「シュウ…」

そうだ… 昔はサッカーを楽しくプレーしていた
ただただ…ボールを追いかけるのが楽しくて

「この気持ち… 忘れていた」
「白竜楽しもうよ 僕らのサッカーを!」
「…そうだな」
白竜は言った

「お兄ちゃん…」
すると向こうから声がした
海音は驚愕する
「ミュウ!?」
「海音さん…」
ミュウは海音に駆け寄る

「でもなんで?ゴッドエデンには結界が…」
「さっきの化身対決のせいで…結界が破れたの」
ミュウは言った

「海音…どうした?」
すると剣城は言った
そういえば皆にはミュウが見えないんだ…

「ううん… なんでもないよ」
海音はミュウに向こうで見てるように合図すると言った

結界が破れたせいか、雲が晴れて明るくなる
「よーし…全力でいこう!」
「おう!!」

試合終了が迫るなか、ゼロも雷門も楽しく、輝いてプレーしているように見えた
これが…本当のサッカーなんだ!

「ゼロマグナム!」
「無頼ハンド!」
三国は新しい必殺技でシュウと白竜のシュートを止める
「いいシュートだ!」
「おもしろい…次こそは!」

「いくよ反撃!」
海音は走り出す

そしてシュートした
「ダイヤモンドショット!!」
その先には天馬、剣城、神童
「エボリューション!!」
シュートチェインの強力なシュートはゴールに向かっていく

「サーペントファング!」
それにゼロのGKも対抗した
「うわあっ!」
GKを弾き、シュートが入ったと思った時だった

「ゼロマグナム!」
シュウと白竜がシュート技で対抗した
「なんとしても…」
「止める!」

威力を無くしたボールが地面に転がった時だった
試合終了のホイッスルが鳴る
五対五 引き分けだ

「はあ…はあ…」
海音は皆と地面に倒れこむ
「おつかれ…海音さん」
ミュウは呟いた

その時だった
スタジアムの訓練生達が雷門やゼロの名前を叫んでいた
「どういうことだ?」
神童は呟いた
「俺達の勝負を称えているのか」
白竜は言った

「サッカーも喜んでるよね…こんないい試合が出来てさ」
天馬は言った
「天馬、海音 ごめん…僕はサッカーは人の価値を決めるものだと思ってた」
シュウは言った
「でも…サッカーは楽しいね!」

「白竜…これからどうするんだ?」
「また一からサッカーをするさ…お前を越えるためにな」

すると白竜は海音に近づく
「驚いたよ…お前が雷門だったなんてな」
「そう?」
「海音は白竜の仮想特訓所にも行ってたんだね」
シュウは言った
「…でも良かった 白竜とシュウがサッカーの楽しさに気づけて」
「ははっ…」

「お兄ちゃん…」
するとミュウが三人に近づく
「ミュウ…」
そうだ ミュウは二人には見えないんだっけ…
そう思った時だった

「…ミュウ?」
シュウはミュウを見て言った
「え…」
海音は声をあげる
見えてる?

どうやら白竜にも見えてるらしい
「…きっと 結界が弾けて印の力が弱まったんだよ」
ミュウは言った

「ミュウ…なの?」
「そうだよ、シュウお兄ちゃん」
「……」
シュウは地面に座り込む

「お兄ちゃんって…お前妹がいたのか?」
白竜は言った
「そういえば白竜って…霊感あるの?」
「ああ …昔からな」

するとシュウはミュウに抱きつく
「お兄ちゃん…」
「ミュウ… 僕は…僕はお前を助けられなかった!!」
「いいんだよ… 私はお兄ちゃんを恨んでない」
ミュウは言った

「ミュウ…うわあああん!!」
シュウの泣き声はスタジアムの歓声に紛れて消えた