二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 25話更新 ( No.91 )
- 日時: 2010/05/19 15:01
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
26話〜怒涛の妖精の尻尾〜
〜魔導士ギルド・幽鬼の支配者〜
「ぎゃははは。ざまぁねえな、妖精の尻尾(ケツ)はボロボロだってよ!!」
「その上ガジルの奴3人もやったらしいぜ」
「ヒュ〜。やるなぁガジル」
ファントムのギルドではガジルの行った行為に皆が騒いでいた。
今までいがみ合っていた相手が惨めな姿になっていると知ったのだから尚更だ。
「ともあれ、惨めな妖精どもに乾杯だ!」
「かんぱ〜い!」
—ゴッ!!—
「!!!!!」
突然ギルドの門が爆炎をあげる。周りにいたメンバーが爆風に巻き込まれ吹っ飛ぶ。
立ちこもる炎が消え現れたのは
「フェアリーテイルじゃああっ!!」
マスターを筆頭にメンバー全員が現れる。
「誰でもいい!!!かかってこいやぁ!!!」
ナツが叫び、炎をまき散らす。
「調子に乗るんじゃねえぞコラ!!やっちまえー!!」
ファントムをそれに対抗して向かってくる。
「アァ?」
「ヌオオオォォ!!」
—オオオオオオオオ!—
辺りは一瞬にして戦争と化した。
「マスター・マカロフを狙え!!」
多くのファントムの魔導士がマカロフを狙う。
人海戦術?笑わせる。はたから見れば地獄に自ら向かう者だ。
「かぁーーーー!!」
マカロフは巨大化し、向かってきた魔導士を一瞬で圧倒、粉砕した。
「ば・・化け物」
「貴様らはその化け物のガキに手を出したんだ。
人間の法則で自分を守れるなどと夢々思うなよ」
マスターの表情は今までにないほどの圧力を感じる。優しいからこそ怒りがある。
そんな混戦を上から見つめる一人の男がいた。
「ギヒッ。まさかここまでマスターの計画通りに事が進むとはな・・・
精々暴れまわれ、妖精の屑ども」
「ぬおおぉぉぉ!!漢!漢!漢!漢なら漢じゃあああ!!」
「何言ってんだこいつ!?ってか何だあの腕」
「エルフマンだ。倒した魔物の力を己の腕に吸収していく、ビーストアームのエルフマンだ」
「かこんじまえ!そうすりゃあいける」
「いける?誰に言ってんだ」
「るせー!」
男の一人がカムイに殴りかかる。カムイが自ら剣を離す。床に刺さると剣から火花が散る。
「雷冥(らいめい)」
剣から凄まじい電撃が球状に放たれる。中にいたファントムの魔導士は一人残らず崩れ落ちた。
「な・・なんて威力だ」
近くで見ていたファントムのメンバーが固まる。
「お前らは俺らの仲間に手を出した。悪いが加減なんてするつもりはねえよ」
「はぁーーーー!」
突然横から殺気を感じ見ると何かが向かってくる。それを剣で受け止める。高い金属音が響く。
「これは・・鉄棍?」
伸びた先を確認すると一人に男が立っていた。チーがすかさず鳴く。
「ナツと同じ魔法・・・ってことはてめーがギルドやレビィたちを」
怒りが頂点に達しそうとしたとき、突然ギルド全体が揺れ始めた。
どうやら、マスターがジョゼと決着をつけるべく上の階に向かったらしい。
マスターの怒り。それは巨人の逆鱗。
フェアリーテイルの皆がマカロフの勝利を確証したようににやける。
しかし、チーが鳴くとカムイは眉をひそめると、エルザの元に向かった。
「エルザ!マスターはジョゼを倒しに行ったんじゃないのか!?」
「そうだ!マスターしかジョゼは倒せないからな。それがどうした」
他に何があるのか、と言った不思議そうに尋ねる。カムイの眉間のしわが一層深くなる。
「チーが魔力を探知できるのは知ってるよな。だが、上の階にはじっちゃん以外の魔力が感じられないんだ」
「なに!?じゃあマスターは一体・・・くそっ!」
エルザが上の階に急ごうとしたとき、代りにカムイが向かう。
「あんたはここの指揮を取っていてくれ。俺が見てくる」
「ああ、油断するなよ」
「嫌な予感がする」
マスターの元に向かうカムイ。するとチーが突然何かに気づいたように鳴く。
今、マスターの近くに突然別の魔力を持った何者かが現れたらしい。
それと同時にマスターの魔力が急激に減っていっている。
上の階にたどり着くと、現状を理解する前にカムイは飛び出した。
「何してんだお前!!」
巨体の男に切りかかる。だが切った感触はなく、男は霧のように消え。そして目の前に現れた。
「悲しいな。人の邪魔をするとは」
男は目隠しをしているが、かなりの使い手であることは感じた。
マスターからはほとんど魔力は感じられなかった。それと同時に空中に漂っているマスターの魔力。
「風の系譜の魔法。枯渇(ドレイン)か。対象者の魔力を流出する魔法。
じっちゃん程の魔力の持ち主に枯渇は死に繋がるかもしれねえ。
てめえ。じっちゃんを殺すつもりだったのか?」
睨むカムイに男は涙を流している。
「ああ、悲しすぎる。偉大な魔導士が消えゆく悲しみだけでなく、
それに怒り、向かってくる青い魔導士も消えてゆくのだから。
・・・お相手をしよう。我はエレメント4の一人にして頂点、大空のアリア。
妖精狩りに推参しましょう」
「・・・俺はカムイ。お前を倒す男の名だ。やってやるよ、幽霊退治」