二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: バトテニ-If you can become happy- ( No.10 )
- 日時: 2010/02/10 20:15
- 名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)
【一章】-運命-
明日も明後日もその次も、普通に続いていくと思っていた。
自分の命の期限を知る日が来ようとは、夢にも思わなかった。
ほら、こうしている間にも、最期の時が迫り来る。
Our assumed fate.
これから、逃れるなんてムリなんだ。
07 選択
俺が呼ばれたのは、青学の皆が出て行った後だった。
だから、誰がどこに居るか。
そんなことの予想が全く付かない。
どこに居るんだ? 越前、海堂。
何を思っていますか? タカさん、乾先輩、英二先輩、大石先輩、不二先輩、・・・手塚部長!
それと・・・無事で居てくれ。 香澄。
「信じて?」
そう言った悲しそうで、寂しそうな笑顔だった香澄。
でも、その笑顔からは“決意”の様なものも読み取れた。
信じるよ、香澄。
信じてるよ。
無地で居てくれるって、お前は誰も殺さないって、信じるからよ。
だから・・・どうかその“決意”が“死”ではありませんように。
“生きる”ための“決意”ですように。
教室を出てからずっと、誰にも会っていない。
桃は1人、香澄を探した。
「・・・どこに居るんだよ・・・」(桃)
香澄は森の中を1人でさまよっていた。
あの教室を出発してから、誰とも会っていない。
何処に居るの?
何をしているの?
何を・・・考えているの?
青学の皆、氷帝の皆、立海大の皆。
その中に、このふざけたゲームに乗っている人が居るの?
香澄は誰に問いかけていいか分からない問いを、胸の中で繰り返した。
誰かに会いたい。
出来れば、青学の誰か。
会って安心したい。安心させたい。
優しい人達だから、きっと心配しているだろう。
“信じられる皆のためなら、自分の命を省みない”
そう決意したはずなのに、怖がっている暇なんてないのに、
香澄は1人で居るのがどうしようもなく怖かった。
だからこそ、誰かに会って、身を寄せ合いたかった。
青学の人に会えば、信じられる皆に会えば、強くなれると信じていた。
“青学の人”=“信じられる”
これは香澄の中で、正しい方程式になっていたのだ。
ガサッ
森の中で、何かが動いた音がした。
・・・人が、居る。
誰だかは分からない。
だけど、人が居る。
1人で居るのが怖かった香澄は、誰かに会うことに恐怖なんてなかった。
・・・ただ、仲間を求めていた。
香澄は音のした方を見た。
“青学の人”=“信じられる”
この方程式が、壊れることになろうとも知らずに。